横長モニターで3つのアプリを毎回同じ幅に並べたいなら、Microsoft PowerToysの「FancyZones」を使うのが実用的です。画面上に3つの配置領域を作成しておけば、ウィンドウをドラッグするだけで、指定した位置と大きさに整列できます。
たとえば、中央のブラウザやExcelを広くして、左右にTeamsやOutlookを細く配置する「25%・50%・25%」のようなレイアウトも作成可能です。アプリをまとめて起動するPowerToys Workspacesとは役割が異なり、FancyZonesは開いているウィンドウを決めた領域へ配置するための機能です。([Microsoft Learn][1])
ウィンドウを毎回同じ領域へ配置するFancyZonesの設定方法
FancyZonesでは、画面上に「ゾーン」と呼ばれる配置領域を作成します。ウィンドウをゾーンへ移動すると、その領域に合わせて位置とサイズが自動的に調整されます。
設定の流れは次のとおりです。
- PowerToysでFancyZonesを有効にする
- 対象モニターを選ぶ
- 3分割のレイアウトを作る
- Shiftキーを押しながらウィンドウを配置する
- 必要に応じて自動再配置の設定を有効にする
画面上の項目名は、PowerToysのバージョンやWindowsの表示言語によって若干異なる場合があります。
PowerToysをインストールする
FancyZonesは、Windowsの追加ユーティリティ集「Microsoft PowerToys」に含まれています。PowerToysが入っていない場合は、Microsoft StoreまたはMicrosoft公式のGitHubからインストールできます。
コマンドで導入する場合は、PowerShellまたはターミナルで次のコマンドを実行します。
winget install --id Microsoft.PowerToys --source winget
PowerToysはWindows 11と、一定以上のバージョンのWindows 10に対応しています。Microsoftは、Microsoft StoreまたはGitHubからのインストールを推奨しています。([Microsoft Learn][2])
FancyZonesを有効にしてレイアウトエディターを開く
PowerToysを起動したら、次の手順でFancyZonesを有効にします。
- PowerToysの設定画面を開く
- 左側のメニューから「FancyZones」を選ぶ
- FancyZonesを有効にする
- 「レイアウト エディターを起動」を選ぶ
- レイアウトを設定したい横長モニターを選ぶ
レイアウトエディターは、既定では次のショートカットでも開けます。
Windowsキー + Shift + `
複数のモニターを接続している場合は、レイアウトエディター上で対象モニターを選択します。選択したモニターに対して、選んだレイアウトが適用されます。([Microsoft Learn][1])
3つのアプリを並べるレイアウトを作成する
3つのアプリを同じ幅で並べるだけなら、3列に分かれたテンプレートを選ぶ方法が簡単です。
中央を広くするなど、アプリごとに幅を変えたい場合は、カスタムレイアウトを作成します。
- レイアウトエディター下部の「新しいレイアウトの作成」を選ぶ
- レイアウトに分かりやすい名前を付ける
- 「Grid」または「Canvas」を選ぶ
- 3つのゾーンの位置と幅を調整する
- レイアウトを保存して適用する
GridとCanvasの違い
| レイアウト | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| Grid | 画面を連続した領域に分割する | 横一列に3つのアプリを並べる |
| Canvas | 各ゾーンの位置とサイズを個別に決める | 特定の位置や大きさへ細かく配置する |
横長モニターを3列に分割する用途では、基本的にGridが扱いやすいでしょう。
Gridは、区切り線を移動して各ゾーンの比率を変えられます。ゾーンを分割したり、隣接するゾーンを結合したりすることも可能です。画面サイズに対する相対的なレイアウトとして扱われるため、解像度が異なるモニターでも比率を維持しやすいのが特徴です。
Canvasでは、ゾーンを独立して移動、拡大、縮小できます。ゾーン同士を重ねることも可能です。キーボード操作では、矢印キーによる移動や、修飾キーを組み合わせた細かなサイズ調整にも対応しています。([Microsoft Learn][1])
使い方に合わせて3つの幅を決める
3つの領域をすべて同じ幅にする必要はありません。よく使うアプリや作業内容に合わせて比率を決めると、横長モニターを有効に使えます。
| 比率の例 | 配置例 | 向いている作業 |
|---|---|---|
| 33%・34%・33% | ブラウザ・Excel・メール | 3つのアプリを均等に確認する |
| 25%・50%・25% | Teams・Excel・Outlook | 中央の作業領域を広くする |
| 20%・55%・25% | チャット・ブラウザ・資料 | Web作業を中心にする |
| 45%・30%・25% | Excel・ブラウザ・メール | 表計算を広く表示する |
比率は厳密な数値でなくても構いません。実際にアプリを配置し、文字の折り返しやメニューの見やすさを確認しながら区切り線を調整する方が実用的です。
ゾーン間の隙間も確認する
FancyZonesでは、ゾーンとゾーンの間に余白を設けられます。
余白を広くするとウィンドウの境界が分かりやすくなりますが、その分だけアプリの表示領域は狭くなります。画面幅を無駄なく使いたい場合は、ゾーン周辺のスペースを小さくするか、無効にします。
特に3つのアプリを狭い横幅へ配置する場合は、比率だけでなくゾーン間隔も確認してください。FancyZonesのレイアウトエディターでは、ゾーン周辺の余白サイズを調整できます。([Microsoft Learn][1])
Shiftキーを押しながらウィンドウを配置する
レイアウトを作成したら、実際にアプリをゾーンへ配置します。
- 配置したいウィンドウのタイトルバーをドラッグする
- ドラッグ中にShiftキーを押す
- 画面上に表示されたゾーンへマウスポインターを移動する
- 配置したいゾーンが強調表示されたらマウスボタンを離す
- 残りの2つのアプリも同様に配置する
FancyZonesの既定設定では、Shiftキーを押しながらドラッグするとゾーンが表示されます。マウスポインターを重ねたゾーンが強調表示され、その場所でウィンドウを離すと、ゾーンに合わせて配置されます。([Microsoft Learn][1])
Shiftキーを押す操作を省略する
ウィンドウを移動するたびにFancyZonesを使う場合は、Shiftキーを押さなくてもゾーンを表示する設定に変更できます。
FancyZonesの設定で「ドラッグ中にShiftキーを押してゾーンを有効にする」に相当する項目をオフにすると、ウィンドウをドラッグした時点でゾーンが表示されます。
ただし、通常のウィンドウ移動を頻繁に行う場合は、意図せずゾーンへ配置されやすくなります。通常移動とゾーン配置を使い分けたい場合は、既定のShiftキー方式の方が扱いやすいでしょう。
新しく開いたウィンドウを前回のゾーンへ戻す
毎日同じアプリを同じ場所で使う場合は、FancyZonesの「新しく作成されたウィンドウを最後に使用したゾーンへ移動する」に相当する設定を確認します。
この設定を有効にすると、そのアプリの新しいウィンドウが、前回使っていたゾーンへ自動的に移動します。
たとえば、次のような配置を繰り返す場合に便利です。
- 左側にTeams
- 中央にWebブラウザ
- 右側にOutlook
ただし、同じアプリのウィンドウを複数のゾーンで使い分けている場合は、期待した場所とは異なるゾーンへ移動することがあります。最初は手動配置で動作を確認してから、自動移動を有効にすると失敗を減らせます。
FancyZonesには、画面解像度が変わったときにウィンドウを元のゾーンへ維持する設定や、レイアウト変更後に既存ウィンドウを新しいゾーンへ合わせる設定も用意されています。([Microsoft Learn][1])
FancyZonesとWorkspacesの違い
PowerToysには、FancyZonesとは別に「Workspaces」という機能があります。両者は似ていますが、目的が異なります。
| 機能 | 主な目的 | 操作 |
|---|---|---|
| FancyZones | ウィンドウを決めた領域へ配置する | 開いているウィンドウをドラッグする |
| Workspaces | 複数のアプリをまとめて起動して配置する | 保存したワークスペースを起動する |
FancyZonesは、横長モニターに配置用の枠を作り、必要なウィンドウをその都度入れる機能です。
Workspacesは、現在のデスクトップ構成を保存し、複数のアプリを指定した位置や設定でまとめて起動する機能です。デスクトップショートカットからワークスペースを呼び出すこともできます。([Microsoft Learn][3])
次の基準で選ぶと分かりやすくなります。
- アプリは自分で起動し、位置だけ揃えたい場合はFancyZones
- 3つのアプリの起動から配置までまとめたい場合はWorkspaces
- 日中にウィンドウを頻繁に入れ替える場合はFancyZones
- 毎朝同じ作業環境を一括で再現したい場合はWorkspaces
ゾーンへの配置を解除する方法
FancyZonesからウィンドウを外す場合は、通常のウィンドウと同じようにタイトルバーをドラッグし、ゾーンの外へ移動します。
「ゾーンから外したときにウィンドウを元のサイズへ戻す」に相当する設定を有効にしておくと、FancyZonesへ配置する前のサイズに戻せます。([Microsoft Learn][1])
FancyZones自体を使わなくなった場合は、PowerToysの設定からFancyZonesを無効にします。
また、Windowsキー + 矢印キーの操作がFancyZones用に変わっている場合は、「Windows Snapのショートカットを上書きする」に相当する設定をオフにしてください。これにより、Windows標準のスナップ操作へ戻せます。
うまく配置できないときの確認ポイント
Shiftキーを押してもゾーンが表示されない
次の項目を順番に確認します。
- PowerToysが起動しているか
- FancyZonesが有効になっているか
- Shiftキーを押しながらドラッグしているか
- 対象モニターにレイアウトが適用されているか
- 対象アプリが除外リストに入っていないか
Shiftキーによる有効化をオフにしている場合は、ウィンドウをドラッグした時点でゾーンが表示されます。
管理者権限で動くアプリを配置できない
タスクマネージャーや管理者権限で起動したWindows TerminalなどをFancyZonesへ配置する場合は、PowerToys側にも同等の権限が必要です。
PowerToysを管理者として実行してから、もう一度ウィンドウをドラッグしてください。([Microsoft Learn][1])
特定のウィンドウだけ反応しない
すべてのアプリや特殊なウィンドウが、FancyZonesに対応しているとは限りません。
ポップアップウィンドウや子ウィンドウは、既定ではスナップ対象にならないことがあります。FancyZonesには、ポップアップウィンドウや子ウィンドウの配置を許可する設定がありますが、通知画面なども対象になる可能性があるため、必要な場合だけ有効にします。
Citrix、仮想マシン、リモート操作ソフト、一部のゲームや独自描画のアプリでは、正常に配置できない場合があります。Microsoft公式ドキュメントでも、個別に互換性上の制限が案内されています。([Microsoft Learn][1])
複数モニターをまたぐゾーンがずれる
複数のモニターを1つの大きな画面として扱う設定では、接続しているすべてのモニターでDPIスケーリングを揃える必要があります。
たとえば、一方を100%、もう一方を150%にしている場合、ゾーンやウィンドウの位置が想定どおりにならない可能性があります。縦向きと横向きのモニターを混在させた場合も、予期しない表示になることがあります。
異なる拡大率のモニターを使っている場合は、モニターをまたぐゾーンを作らず、各モニターに個別のレイアウトを設定する方が安定します。([Microsoft Learn][1])
横長モニターを3分割するなら最初はGridがおすすめ
横長モニターで3つのアプリを決まった幅に並べる場合は、次の設定から始めると分かりやすくなります。
- PowerToysでFancyZonesを有効にする
- レイアウトエディターで対象モニターを選ぶ
- Grid形式で3つのゾーンを作る
- 中央を広くする場合は「25%・50%・25%」を目安に調整する
- Shiftキーを押しながら各ウィンドウをゾーンへ配置する
- 必要なら「新しいウィンドウを最後のゾーンへ移動する」を有効にする
3つのアプリを均等に表示したいなら3等分、主作業用のアプリを広くしたいなら中央または左右どちらかを広げます。
まずはGridで大まかな比率を作り、実際のアプリを配置してから区切り線と余白を調整してください。アプリの起動までまとめたい場合は、FancyZonesではなくWorkspaces、または両機能の使い分けを検討すると、毎日のウィンドウ整理をさらに減らせます。
[1]: https://learn.microsoft.com/en-us/windows/powertoys/fancyzones “FancyZones Window Manager for Windows – PowerToys | Microsoft Learn”
[2]: https://learn.microsoft.com/en-us/windows/powertoys/install “How to Install PowerToys on Windows 11 and Windows 10 | Microsoft Learn”
[3]: https://learn.microsoft.com/en-us/windows/powertoys/workspaces “PowerToys Workspaces Utility for Windows Desktop Management | Microsoft Learn”

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