たとえ昔のゲームでも、魅力的な世界観と独特のユーモアで根強い人気を誇るFableシリーズ。Steam Deckをお持ちの方で「Fable 2」や「Fable 3」をプレイしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。本記事では、PC向けの販売が終了しているタイトルをSteam Deckで楽しむための具体的な方法や、DLCの購入・活用に関する情報、そしてシリーズの今後の展望までを詳しく解説していきます。
Fableシリーズの歴史と魅力
Fableシリーズは、ライオンヘッド・スタジオが開発し、マイクロソフトから発売されたアクションRPGです。シリーズを通じて、プレイヤーの選択や行動がキャラクターや世界に反映される点が特徴で、善悪の行動次第で主人公の見た目や街の反応が変化する奥深いゲームプレイが多くのファンを魅了してきました。特にFable 2とFable 3では世界観が拡大し、ストーリー上の自由度や要素も大幅に増えています。
シリーズの概要
Fable 1（Fable: The Lost Chaptersを含む）は、主人公の少年期から成人期にかけての旅と成長が描かれました。小国「アルビオン」を舞台に、選択次第で物語が大きく変化するのが大きな魅力です。続編のFable 2は物語の時代が進み、主人公は「英雄の血筋」を受け継ぐ者として登場します。戦闘システムや街の作り、サブクエストなどが前作から大幅にパワーアップし、さらにゲームの自由度が高まりました。そしてFable 3では産業革命期を思わせる舞台設定となり、主人公はアルビオンの王や女王となるべく旅を続けながら、王位を継承してからの国政運営まで体験できる点が大きな見どころです。
ストーリーと世界観
Fableシリーズの世界「アルビオン」は、ヨーロッパの中世から近代へと移り変わるような雰囲気を持ち、どこか童話的なファンタジーと現実的な社会情勢が混在しています。善悪の選択がゲーム全体に影響を与えるため、プレイヤーが取る行動次第で住民から英雄視されたり、逆に恐れられたりと、多彩なロールプレイが可能です。特にFable 2とFable 3は、キャラクターのコミュニケーション方法が独特で、ギャグ満載の会話や派手なジェスチャーなど、他のRPGにはないユーモア性が詰め込まれています。
Steam DeckでFable 2と3を遊ぶ基本方針
Steam DeckはLinuxベースのOSを搭載しているため、Windows専用ゲームを直接インストールして起動するのには制限があります。加えてFable 2はそもそもPC版の販売が行われておらず、Fable 3のPC版もすでにサポートが終了しているため、公式なデジタルストアでは入手困難です。そのため、現状で最も確実かつシンプルな方法は、Xbox Game Pass Ultimateの「クラウドゲーミング（Xbox Cloud Gaming）」を活用することになります。
PC版の購入状況について
Fable 2は当初からXbox 360向けタイトルとして登場し、PC向けにはリリースされていません。一方のFable 3はPC向けにリリースされた時期がありましたが、現在はSteamを含む主要なデジタルストアでは取り扱いがありません。古いパッケージ版を探す手段もありますが、DRM（認証サーバー）の都合などからインストールやプレイが難しくなっているケースが多いです。そのため、残念ながら「購入して普通にインストールしてプレイする」という手段はほぼ実用的ではありません。
Xbox Game Pass Ultimateを用いたクラウドゲーミング
Fable 2とFable 3をSteam Deckでプレイするには、Xbox Game Pass Ultimateを契約し、Xboxクラウドゲーミングを活用するのがベストです。クラウド経由でゲームを起動し、インターネットを介してリアルタイムに映像をストリーミングする形式なので、ゲーム本体をSteam Deckにインストールする必要はありません。Microsoft公式が提供するサービスであり、互換性や動作の安定性も比較的高いです。
Steam Deck上でのクラウドゲーミング環境構築
XboxクラウドゲーミングをSteam Deck上で利用するためには、ブラウザ経由でアクセスします。基本的な流れは次のとおりです。
- Steam Deckのデスクトップモードへ切り替える。
- Microsoft Edgeなどのブラウザをインストールする。
- Microsoftアカウントにサインインする。
- Xboxクラウドゲーミング（Xbox Game Pass Ultimate契約者向け）にアクセスする。
- Fable 2またはFable 3を選択してプレイ開始。
クラウドサービスなので、ネットワークが安定している場所でプレイすることが大切です。Wi-Fi環境が不安定だと画質や操作応答が悪化しやすいため、可能であれば高速で安定した回線を利用すると快適に楽しめます。
Edgeブラウザのインストール手順
Steam DeckでMicrosoft Edgeを利用すると、Xboxクラウドゲーミングサイトへのアクセスが比較的スムーズになります。以下に簡単なインストール手順の例を示します。
# 1. デスクトップモードに切り替え
# Steamボタン -> 電源 -> デスクトップモードに切り替え
# 2. Discover（ソフトウェアセンター）を開く
# タスクバーのアイコン、またはスタートメニューからDiscoverを選択
# 3. 検索バーに「Microsoft Edge」と入力して検索
# 4. 見つかったMicrosoft Edgeをインストール
# インストール後、アプリ一覧にEdgeが追加される
# 5. Edgeを起動し、Microsoftアカウントでログイン
# https://www.xbox.com/play
# へアクセスするとクラウドゲーミングに接続できるインストール後は、Steamクライアントの「ゲームを追加」からEdgeを登録しておくと、Steam OSモードでも一括管理が可能になります。アイコン設定や起動オプションのカスタマイズも行っておくとより便利です。
コントローラ設定
Steam DeckはデフォルトでXbox系コントローラとして認識されることが多いですが、クラウド経由の入力が反映されにくいケースもあります。もし反応が悪い場合は、Steamクライアント側でコントローラコンフィグをカスタマイズしたり、Edgeの設定やクラウドゲーミング側で「Xboxコントローラ」として入力が認識されるように調整しましょう。
| 項目 | 設定のポイント |
|---|---|
| Steam Deckの入力設定 | Steamクライアントのコントローラ設定を開き、Xboxレイアウトを選択 |
| Edgeの起動設定 | 起動オプションで、–controller設定などを追加（未必須だが安定性向上に寄与） |
| クラウドゲーミング側 | メニューから「使用デバイスの切り替え」を確認し、Xboxコントローラが認識されているかチェック |
DLCの扱い方
Fable 2とFable 3には、追加クエストやアイテムなどを拡張するDLCが用意されています。Xboxクラウドゲーミング版でも、Xbox LiveアカウントでDLCを購入すれば、クラウド上のデータに自動的に反映される仕組みです。具体的には次のような手順になります。
- Xboxストア、またはMicrosoft公式サイトでDLCを購入する。
- 購入に使用したMicrosoftアカウントでクラウドゲーミングにサインインする。
- Fable 2またはFable 3を起動すると、DLCが解放されている状態でプレイ可能になる。
ただし、Game Passカタログからゲームが削除された場合は、クラウド経由でのプレイ自体ができなくなる点に注意してください。DLCを購入していても、ベースとなるゲームが入手不可になるとプレイできなくなる可能性があります。
ゲーム体験を充実させるコツ
Fable 2やFable 3を最大限楽しむには、各種システムや攻略のポイントを押さえておくとスムーズです。クラウドゲーミングという特性上、ネットワーク状況にも気を配りつつ、DLCやキャラクター育成なども視野に入れましょう。
Fable 2と3の違い
Fable 2とFable 3は、どちらも基本的なゲームシステムや世界観は似ていますが、時代設定や主人公の立場、ゲームプレイの焦点にいくつかの違いがあります。以下に簡単に比較表を示します。
| 要素 | Fable 2 | Fable 3 |
|---|---|---|
| 時代背景 | 中世とルネサンスの中間的な雰囲気 | 産業革命期に近い近世的な雰囲気 |
| 主人公の役割 | 「英雄の血筋」を引き継ぐ者として冒険を続ける | 王位継承者として革命を起こし、のちにアルビオンを統治 |
| 特徴的な要素 | 犬の相棒と共に冒険、生活感のあるシミュレーション要素 | 革命後の国政運営、善悪だけでなく国民をどう守るかのジレンマ |
| 難易度 | 比較的易しめ、自由度重視 | イベント管理や資金繰りなど、やや計画性が必要 |
取り逃さないためのDLCおすすめコンテンツ
どちらのタイトルにも複数のDLCが存在し、追加のストーリーやダンジョン、装備などが入手可能です。Fable 2に関しては新たなエリアやクエストライン、Fable 3では武器や衣装、クエストが充実するパックが人気を集めていました。
Fable 2のDLC概要
- Knothole Island: 新エリア「ノットホール島」へ行けるようになり、ユニークなクエストや装備品が手に入ります。天候を操作して島の環境を変化させるギミックが特徴的です。
- See the Future: 複数の短編クエストが追加されるほか、ある条件を満たすとFable 1にも関連する要素が見られるなど、ファンにとっては興味深い追加要素が満載です。
Fable 3のDLC概要
- Understone Quest Pack: アルビオンの地下街「Understone」を探索できるクエストパック。新たなサブストーリーやアイテムが手に入ります。
- Traitor’s Keep: 主人公が王となった後の新シナリオが楽しめ、3つの島を巡りながら王政の秘密に迫ります。さらに強力な武器や衣装が追加されるので、やり込み要素が増えます。
- 武器や衣装パック: ゲーム内のキャラクターカスタマイズを広げる追加アイテム。見た目だけでなく性能面での変化を楽しめる武器も含まれているため、コレクション目的でも人気があります。
これらのDLCは、Fableの世界をより深く堪能できる要素です。ただし、前述のとおりクラウドゲーミングの提供期間には注意が必要で、配信終了の場合は購入済みDLCも利用できなくなるリスクがあります。
Game Pass終了リスクへの対策
Fable 2とFable 3は、2025年現在もGame Passのクラウドカタログに含まれていますが、今後いつ外されるかは確定していません。対策としては以下が挙げられます。
- 配信状況を定期的にチェック: Xbox公式サイトやGame Passのアプリで「近日終了」リストを随時確認する。
- 実機（Xbox 360またはXbox One/Series）を用意する: 物理ディスクやMicrosoft Storeからダウンロード版を購入済みならば、配信終了しても本体でプレイ可能。
- プレイを優先するタイトルを決める: DLCを買ったからといって長期間プレイできる保証はないので、やりたい部分から先に進める。
リマスターや新コレクションがリリースされれば状況は変わる可能性がありますが、現時点では公式発表がなく、リスク回避には上記のような自己管理が必要です。
今後の展望
Fable 2やFable 3をSteam Deckで遊べる環境は限定的ではありますが、Xbox Game Pass Ultimateの存在により、多くのユーザーが手軽に名作を楽しめるようになりました。将来的に新たな動きがあるのか、ファンとしては注目を続けたいところです。
Fableリマスター版の可能性
Fable 1には「Anniversary」としてリマスター版がリリースされましたが、Fable 2とFable 3については、現時点で公式のリマスターや再販に関する発表はありません。Xboxのレガシータイトルに関しては、たびたび後方互換対応のアップデートが行われていますが、根本的なリマスターは開発が決定しなければ発売されないのが実情です。ファンコミュニティではリマスターを望む声が多く、マイクロソフトや開発スタジオの動向が今後も注目されます。
Fable 4（仮称）への期待
「Fable」として2020年に発表された最新作（通称Fable 4）は、開発元がライオンヘッド・スタジオではなく「Playground Games」に移っています。Forzaシリーズを手がけた実績があり、美しいグラフィックとオープンワールド表現に期待が寄せられています。新作が発売された際、旧作の販売やリマスター、コレクション的なセットが出る可能性もゼロではありません。シリーズの新作動向とともに、過去作の取り扱いにも注目しておくと良いでしょう。
まとめ
Fable 2およびFable 3は、通常のPC版販売が行われておらず、現在では手軽に購入してインストールする手段がほぼ存在しません。しかし、Xbox Game Pass Ultimateのクラウドストリーミングを活用すれば、Steam Deckでも比較的簡単にプレイできるのは大きな利点です。DLCもXbox Liveアカウントを通じて購入すれば、クラウドゲーミング版に反映可能なので、拡張要素まで含めた遊び方を満喫することができます。
ただし、クラウド配信のサービスから外されてしまうとプレイ自体が不可能になるリスクがある点は頭に入れておきましょう。ゲームパッドの設定やネットワーク環境を整えるだけでなく、配信状況の変化に柔軟に対応する準備も必要です。今後Fableシリーズのリマスターやコレクション版がリリースされれば、状況が大きく変化する可能性もあります。シリーズのファン、またはこれからプレイしてみたいと思う方は、新作情報も含めて逐一チェックしておくことがおすすめです。
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