Microsoft 365のSharePoint Embeddedコンテナー管理|2026年4月更新ポイントとCopilot/Loop運用の注意点

結論から言うと、2026年4月時点で Microsoft 365 管理者が最初に確認すべきポイントは、Copilot Notebooks、Copilot Pages、Loop My workspace が SharePoint Embedded の「ユーザー所有コンテナー」を共有し、管理画面や PowerShell では Loop アプリケーション ID を軸に追跡する点です。Loop だけ、または Copilot Pages だけを個別に見ていると、ストレージ、共有、退職者対応、Purview 管理で見落としが起きやすくなります。

Microsoft Learn の公開表示では、指定テーマである「Manage SharePoint Embedded containers for Copilot Notebooks, Copilot Pages, or Loop workspaces」の管理記事は 2026年3月16日更新、関連する Copilot Pages / Copilot Notebooks の権限記事は 2026年4月23日更新です。本稿では、これらの公式情報をもとに、2026年4月時点で Microsoft 365 admins、workplace IT teams、business users が実務で確認すべき変更点と運用ポイントを整理します。(Microsoft Learn)

目次

Microsoft 365の最新動向: SharePoint Embeddedコンテナー管理で何が変わったか

今回押さえるべき本質は、Copilot Notebooks、Copilot Pages、Loop ワークスペースを「別々のアプリ」としてだけでなく、「SharePoint Embedded コンテナー上で管理される Microsoft 365 コンテンツ」として扱う必要があることです。

Microsoft Learn では、IT 管理者が SharePoint 管理センターまたは PowerShell を使い、SharePoint サイトを管理する場合と同じ考え方で SharePoint Embedded コンテナーを管理できると説明されています。コンテナーの表示場所は SharePoint 管理センターの「コンテナー > アクティブなコンテナー」、PowerShell では Get-SPOContainer を使います。(Microsoft Learn)

特に重要なのは、Copilot Pages と Copilot Notebooks が Loop My workspace と同じユーザー所有コンテナーを使う点です。管理ツールでは、このコンテナーが Loop アプリケーション ID によって識別されます。つまり、Copilot 側のコンテンツを調査しているつもりでも、管理上は Loop の識別子を使う場面があります。(Microsoft Learn)

影響を受ける対象サービスと管理者が見るべき範囲

SharePoint Embedded コンテナー管理の対象は、開発者向けの SharePoint Embedded アプリだけではありません。Microsoft 365 Copilot や Loop を業務利用している組織では、日常的に作られる Pages、Notebooks、Loop ワークスペースも管理対象になります。

対象管理上の見方実務での確認ポイント
Copilot PagesSharePoint Embedded のユーザー所有コンテナーに保存共有、外部共有、Purview、検索、ストレージ使用量
Copilot NotebooksCopilot Pages と同じくユーザー所有コンテナーに保存ノートブック共有時の参照ファイル権限、削除・復旧可否
Loop My workspaceCopilot Pages / Notebooks と同じユーザー所有コンテナーを共有Loop を無効化しても Copilot 側でコンテナーが作られる可能性
テナント所有 Loop ワークスペースSharePoint 管理センターや PowerShell で管理所有者なしワークスペース、メンバーシップ、旧ロスターの影響

Copilot Pages、Copilot Notebooks、Loop My workspace は、ユーザーごとに 1 つのユーザー所有 SharePoint Embedded コンテナーを共有します。コンテナー名は、最初に Microsoft 365 Copilot アプリで作成された場合は “Pages”、Loop アプリで作成された場合は “My workspace” になるため、名前だけで用途を判断しないことが重要です。(Microsoft Learn)

管理者が押さえるべき更新ポイント

SharePoint管理センターとPowerShellの両方で確認する

基本の確認ルートは2つです。日常的な棚卸しや個別確認は SharePoint 管理センター、全体把握や定期監査は PowerShell が向いています。

やりたいこと推奨ツール確認場所・コマンド
アクティブなコンテナーを見るSharePoint 管理センターコンテナー > アクティブなコンテナー
ユーザー所有コンテナーを一覧化するPowerShellGet-SPOContainer と OwnershipType の条件指定
所有者なしワークスペースを探すPowerShellOwners.Count -eq 0 で抽出
ワークスペースのメンバーシップを管理するSharePoint 管理センターOwners / Editors。ただし 2025年4月以降のワークスペースが対象

SharePoint 管理センターでは状況を直感的に確認できますが、大規模テナントでは PowerShell による定期チェックを組み合わせるべきです。特に Copilot の展開後は、ユーザーが明示的に「サイト」を作っていなくても、Pages や Notebooks の利用によってコンテナーが増える可能性があります。(Microsoft Learn)

LoopアプリケーションIDを使って対象を絞り込む

公式ドキュメントでは、PowerShell で Loop コンテナーをフィルターするためのアプリケーション ID が示されています。代表的な Loop Web アプリケーション ID は次の通りです。(Microsoft Learn)

a187e399-0c36-4b98-8f04-1edc167a0996

Loop Mobile アプリケーション ID は次の通りです。

0922ef46-e1b9-4f7e-9134-9ad00547eb41

ユーザー所有コンテナーを一覧化する場合は、次のように確認します。

Get-SPOContainer -OwningApplicationId 'a187e399-0c36-4b98-8f04-1edc167a0996' | WHERE OwnershipType -EQ 'UserOwned' | FT

所有者なしの Loop コンテナーを探す場合は、次のコマンドが実務で使いやすい起点になります。

Get-SPOContainer -OwningApplicationId 'a187e399-0c36-4b98-8f04-1edc167a0996' | WHERE {$_.Owners.Count -eq 0} | FT

この確認を月次運用に入れておくと、退職者、部署異動、プロジェクト終了後に残ったワークスペースを早期に発見できます。

2025年4月前後でメンバーシップ管理の扱いが変わる

テナント所有の Loop ワークスペースでは、作成時期によってメンバーシップ管理の挙動が異なります。2025年4月以降に作成されたテナント所有 Loop ワークスペースでは、Owners と Editors を管理します。これらは SharePoint 管理センター上では Managers として表示され、Writer や Reader ロールは使われません。(Microsoft Learn)

一方、2025年4月より前に作成されたテナント所有 Loop ワークスペースでは、従来のロスターが引き続きメンバーシップを制御します。Microsoft Learn では、この従来ロスターは非推奨とされていますが、完全に廃止されるまでは、SharePoint 管理センターの変更が新しいワークスペースにしか適用されない点に注意が必要です。(Microsoft Learn)

実務では、Loop ワークスペースの棚卸し時に「作成日」「所有者」「メンバーシップ管理方式」をセットで記録してください。古いワークスペースに対して SharePoint 管理センターだけでメンバー変更を行い、「変更したはずなのに反映されない」と誤解するケースを防げます。

Copilot PagesとCopilot Notebooksの作成制御で失敗しやすい点

Copilot Pages と Copilot Notebooks は Loop とは独立して有効化・無効化できます。ただし、個人用コンテンツの保存先としては Loop My workspace と同じユーザー所有 SharePoint Embedded コンテナーを使います。(Microsoft Learn)

そのため、「Loop を無効にしたからコンテナーは作られない」と考えるのは危険です。Loop ワークスペース作成を無効にしても、Copilot Pages / Notebooks の作成が有効であれば、Copilot Page または Notebook の作成によって同じユーザー所有コンテナーが作成される可能性があります。逆に、Copilot Pages / Notebooks を無効にしても、Loop My workspace が有効であれば同じコンテナーが作成される可能性があります。(Microsoft Learn)

組織の方針必要な設定判断
Loop は止めたいが Copilot Pages は使わせたいLoop ポリシーを無効、Copilot Pages / Notebooks の作成は有効
Copilot Pages / Notebooks は止めたいが Loop は使わせたいCopilot Pages / Notebooks の作成を無効、Loop は有効
ユーザー所有コンテナー自体を作らせたくない同じユーザーに対して Loop と Copilot Pages / Notebooks の両方を無効
コードプレビューだけ制限したいCopilot Pages / Chat の AI 生成コードプレビュー設定を無効

Cloud Policy の変更は、既存ポリシーの変更では反映まで最大90分、初めてポリシー構成を作成する場合は最大24時間かかる可能性があります。展開当日に「無効化したのにまだ使える」と判断せず、反映時間を見込んで検証計画を立てるべきです。(Microsoft Learn)

ストレージ、削除、退職者対応で確認すべきポイント

Copilot Pages と Copilot Notebooks のストレージは、組織の SharePoint ストレージ クォータにカウントされます。コンテナーの最大サイズは 25 TB とされており、ユーザー退職後は OneDrive と同じクリーンアップスケジュールに従うと説明されています。(Microsoft Learn)

注意点実務での対応
SharePoint クォータに含まれるCopilot 展開前後で SharePoint ストレージ使用量を比較する
コンテナー名だけでは用途を判断しにくい“Pages” と “My workspace” の両方を調査対象にする
退職者のコンテンツを完全に新所有者へ再割り当てできない退職前に必要な Pages / Notebooks / 参照ファイルを確認する
Copilot Notebooks にエンドユーザー向けごみ箱がない削除前の業務ルールとバックアップ相当の運用を決める
一時的に空コンテナーが作成・削除される場合があるファイルが追加されていない自動削除を過剰にインシデント扱いしない

特に重要なのは、Copilot Notebooks の個別削除に対する復旧期待を持ちすぎないことです。Microsoft Learn では、Copilot Notebooks にはエンドユーザーのごみ箱がなく、管理者もエンドユーザーも個別に削除された Copilot Notebook を回復できないと説明されています。(Microsoft Learn)

外部共有と権限管理で見るべきポイント

2026年4月23日更新の関連ドキュメントでは、Copilot Pages と Copilot Notebooks の権限管理についても重要な情報が示されています。Copilot Notebooks を共有すると、共有相手はノートブック内で参照されているファイルにもアクセスできるようになります。可能な場合はリンク先ファイルへのアクセス権が自動的に付与されますが、権限更新ができないファイルは制限されたままになる場合があります。(Microsoft Learn)

外部共有については、外部ユーザーが共有された Copilot Pages にリンクから直接アクセスすることはできず、Copilot Notebooks は外部共有をサポートしないとされています。Copilot Pages / Notebooks コンテナーのゲスト共有を無効にする場合は、アプリケーション外部共有オーバーライドで Loop Web アプリケーション ID a187e399-0c36-4b98-8f04-1edc167a0996 を使う点も確認が必要です。(Microsoft Learn)

ビジネスユーザー向けには、「Notebook を共有することは、単にノートの本文を見せることではない」と説明してください。参照ファイル、OneNote ノートブック、SharePoint 上の資料など、Notebook が根拠として扱うコンテンツの権限まで影響する可能性があります。

Purviewで監査・保持を行うときの考え方

SharePoint Embedded コンテナーは、Microsoft Purview の保持、監査、検索の対象になります。Microsoft Learn では、すべての SharePoint Embedded コンテナーに保持を適用する場合、Purview の「すべての SharePoint サイト」スコープを使うと説明されています。(Microsoft Learn)

特定のコンテナーに保持ポリシーを適用する場合は、SharePoint 管理センターでコンテナー URL を取得し、Purview ポリシーに追加します。ただし、コンテナー URL はユーザーが開くための共有リンクではなく、Purview 内で対象を指定するための場所情報です。(Microsoft Learn)

監査ログを調べる場合は、次の観点を用意しておくと調査が速くなります。

調査目的検索・フィルターの例
Pages / Loop 関連イベントを広く探すpage、loop、Loop アプリケーション ID
エクスポート後にファイル種別で絞る"SourceFileExtension":"page"、"SourceFileExtension":"loop"
特定コンテナーの監査を追うコンテナー URL に /* を付けて検索
GUID ベースで追跡するコンテナー URL から GUID を抽出してキーワード検索

Purview の設定は、法務・コンプライアンス部門だけで完結させず、Microsoft 365 管理者と業務部門の利用実態を合わせて設計する必要があります。Copilot Pages や Loop コンテンツは、会議メモ、企画案、顧客対応メモ、設計メモなど、従来の「ファイル」よりも業務プロセスに近い情報を含みやすいためです。

M&Aやテナント統合ではコンテナー移行を前提にしない

公式ドキュメントでは、現時点で既存の SharePoint Embedded コンテナーを Microsoft 365 テナント間で転送するサポート済みの方法はないとされています。合併、買収、グループ会社統合、テナント分離を予定している組織では、この点を早い段階でリスクとして扱う必要があります。(Microsoft Learn)

実務では、テナント統合プロジェクトのチェックリストに次の項目を入れてください。

確認項目理由
Copilot Pages / Notebooks の利用部門移行対象データの所在を把握するため
Loop ワークスペースの所有者所有者不在や旧ロスター管理を見つけるため
共有範囲と外部共有の有無統合後の情報漏えい・アクセス不能を避けるため
Purview 保持ポリシーの対象削除・移行・保持の競合を防ぐため
代替移行手順コンテナー単位の移行ができない前提で業務データを整理するため

管理者・ITチーム・業務ユーザー別の対応ポイント

Microsoft 365管理者がやるべきこと

まず、SharePoint Embedded Administrator ロールを持つ管理者を明確にし、SharePoint 管理センターでアクティブなコンテナーを確認します。次に PowerShell でユーザー所有コンテナーと所有者なしワークスペースを棚卸しし、Copilot 展開前後のストレージ増加を確認してください。(Microsoft Learn)

運用ルールとしては、月次で次の3点を確認するのが現実的です。

月次確認見るべきポイント
ユーザー所有コンテナー数Copilot / Loop 利用拡大に伴う増加傾向
所有者なしワークスペース退職者、異動者、プロジェクト終了後の放置
ストレージ使用量SharePoint クォータへの影響

Workplace ITチームがやるべきこと

ITチームは、管理設定だけでなくユーザー説明を整える必要があります。特に「Copilot Notebook を共有すると、参照ファイルのアクセス権も関係する」「削除した Notebook は個別復旧できない場合がある」「Loop と Copilot Pages は保存先管理がつながっている」という3点は、業務部門に早めに伝えるべきです。(Microsoft Learn)

また、ヘルプデスク向けには「Pages が見えない」「Notebook が共有できない」「Loop は止めたのにコンテナーがある」といった問い合わせに備え、Cloud Policy、共有設定、SharePoint Embedded コンテナーの確認手順をナレッジ化しておくと対応が速くなります。

Business usersに伝えるべきこと

業務ユーザーには、技術用語よりも行動基準で伝えるのが効果的です。

ユーザーに伝える内容具体的な言い換え
Notebook の共有は慎重に行う共有相手が参照ファイルにアクセスできる可能性がある
重要な Notebook は削除前に確認する削除後に個別復旧できない場合がある
外部共有できるとは限らない組織の共有設定や Copilot 側の制約を受ける
機密情報は従来のルール通り扱うCopilot Pages でも Purview や保持ポリシーの対象になり得る

導入・見直し時のチェックリスト

Copilot Pages、Copilot Notebooks、Loop を本格展開する前に、次のチェックリストを使って運用の抜け漏れを確認してください。

チェック項目完了の目安
SharePoint Embedded Administrator ロールの担当者を決めた管理者と代替担当者が明確
SharePoint 管理センターでコンテナーを確認したアクティブなコンテナーを把握済み
PowerShell でユーザー所有コンテナーを一覧化したLoop アプリケーション ID で抽出できる
所有者なしワークスペースの検出手順を用意した月次または四半期で確認できる
Loop と Copilot Pages / Notebooks の Cloud Policy を整理した「何を許可し、何を禁止するか」がユーザー単位で明確
外部共有の方針を確認したCopilot Pages / Notebooks の制約を含めて説明済み
Purview の保持・監査対象を確認したすべての SharePoint サイトスコープの影響を理解済み
退職者・異動者対応を決めた削除、復旧、必要データ確認の流れがある
テナント移行リスクを確認したコンテナーのテナント間転送を前提にしていない

まとめ: 次にやるべきこと

2026年4月時点の SharePoint Embedded コンテナー管理では、Copilot Pages、Copilot Notebooks、Loop を別々に管理するのではなく、同じ Microsoft 365 情報基盤上のコンテンツとして扱うことが重要です。特に、ユーザー所有コンテナーの共有、Loop アプリケーション ID による識別、2025年4月前後のメンバーシップ管理差分、SharePoint ストレージクォータ、Purview、外部共有の制約は、管理者が早めに確認すべき項目です。

まずは SharePoint 管理センターでアクティブなコンテナーを確認し、PowerShell でユーザー所有コンテナーと所有者なしワークスペースを棚卸ししてください。そのうえで、Cloud Policy、外部共有、Purview、退職者対応をまとめて見直すと、Copilot と Loop の活用を止めずに、ガバナンスと情報保護を両立しやすくなります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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