Microsoft Vivaの除外リスト変更点|Viva Glint・Viva Insightsのデータ共有を解説

2026年6月15日に更新されたMicrosoft 365 Roadmap ID 559266では、Viva GlintとViva Insightsの連携にデータ共有の除外リストが追加されました。

これにより、連携全体を停止しなくても、特定のユーザーやMicrosoft Entra IDグループだけをViva Insightsデータの共有対象から外せます。一般ユーザーによる操作は不要です。Microsoft 365管理者とViva Glint管理者は、除外対象と既存データの扱いを確認しておきましょう。(Microsoft)

目次

Microsoft Vivaの変更点:Viva GlintとViva Insightsのデータ共有に除外リストを追加

今回追加されるのは、Viva Feature Access Management(VFAM)を使って、Viva InsightsからViva Glintへ送信するデータの対象者を制御する機能です。

確認項目内容
Roadmap ID559266
対象サービスMicrosoft Viva、Viva Glint、Viva Insights
追加機能データ共有から特定ユーザー・グループを除外する管理機能
リリース段階General Availability
状況2026年6月15日更新時点でロールアウト中
対象環境Web、Worldwide(Standard Multi-Tenant)
一般ユーザーの対応原則不要
管理者の対応除外対象の整理とVFAMポリシーの設定

公式ロードマップ上の一般提供予定は2026年5月とされています。ただし、Microsoft 365 Roadmapの日付は予定であり、テナントによって機能が表示される時期が異なる可能性があります。(Microsoft)

具体的に何が変わるのか

Viva GlintとViva Insightsを連携すると、Viva Insightsが持つ働き方の指標を、Viva Glintの従業員アンケート結果と組み合わせて分析できます。

共有できる指標には、次のようなものがあります。

  • メール時間
  • 通話時間
  • 会議時間
  • 時間外のコラボレーション時間
  • 集中を中断されなかった時間
  • 上司との1対1会議時間
  • 社内ネットワークの規模

共有可能な指標はMicrosoftが定めた固定リストで、管理者が独自の指標を追加することはできません。(Microsoft Learn)

今回の変更後は、VFAMに追加される「Allow data sharing from Viva Insights」を利用し、次のような制御が可能になります。

設定例結果
組織全体で共有を許可対象ライセンスを持つユーザーのデータを共有
特定グループに「Off」を適用そのグループだけ共有対象から除外
特定ユーザーに「Off」を適用そのユーザーだけ共有対象から除外
連携自体の同意を解除Viva InsightsからViva Glintへの共有を停止

たとえば、労使協議が完了していない地域、特定の雇用区分、機密性の高い職務、データ利用への同意条件が異なるグループだけを除外できます。

なお、この設定が止めるのはViva Insightsの指標データ共有です。対象者のViva Glintアカウントやアンケート回答機能そのものを無効化する設定ではありません。

誰に影響するのか

Microsoft 365グローバル管理者

Viva InsightsからViva Glintへのデータ共有を、テナント単位で許可または停止します。

共有を有効にできるのはMicrosoft 365グローバル管理者です。Global Reader、Exchange管理者、Viva Insights管理者は設定を参照できますが、有効化はできません。(Microsoft Learn)

Viva Glint管理者

Viva Glint側で連携を設定し、利用するViva Insights指標や対象となるアンケートプログラム、指標を閲覧できるユーザーロールを選択します。今回の変更では、除外リストの運用も主な管理対象になります。(Microsoft Learn)

人事・法務・プライバシー担当者

誰の働き方データを従業員アンケート分析に利用できるか、組織内の規程や同意条件と照合する必要があります。

IT部門だけで除外対象を決めるのではなく、人事、法務、労務、データ保護担当者と対象範囲を合意しておくことが重要です。

一般ユーザー

基本的に設定や更新作業はありません。

ただし、自分が除外リストに登録された場合、そのユーザーのViva Insights指標はViva Glintへ共有されなくなります。アンケートへの回答やViva Glintの通常利用には、直接影響しません。

データ共有の除外リストを設定する手順

画面名はロールアウト状況や表示言語によって変わる可能性があります。設定項目が見つからない場合は、先にMicrosoft 365管理センターのメッセージセンターとロードマップを確認してください。

Viva Glintとのデータ共有を許可する

  1. Microsoft 365管理センターにサインインします。
    2.「設定」から「Viva」を開きます。
    3.「Viva Insights」を選択します。
    4.「Add-on Plan」を開きます。
    5.「Manage data sharing with Glint」を選択します。
  2. データ共有に関する説明を確認します。
    7.「I authorize sharing data with Glint」を選択して保存します。

この操作はMicrosoft 365グローバル管理者が実施します。(Microsoft Learn)

特定ユーザーやグループを除外する

  1. Microsoft 365管理センターで「設定」から「Viva」を開きます。
    2.「Settings」タブから「Manage feature access」を選択します。
  2. 新しいポリシーを作成します。
  3. Viva Glintの「Allow data sharing from Viva Insights」を選択します。
  4. Access settingを「Off」にします。
  5. 適用範囲を「Specific people and groups」にします。
  6. 除外するMicrosoft Entra IDユーザーまたはグループを追加します。
  7. 設定内容を確認してポリシーを保存します。

VFAMでは、組織全体の設定を個別ユーザー・グループ向けポリシーで上書きできます。複数のポリシーが適用される場合は、より制限の強いポリシーが優先されます。(Microsoft Learn)

設定後に確認すべきポイント

反映には最大24時間かかる

VFAMのポリシー変更は、ユーザーへの反映に最大24時間かかる場合があります。Microsoft Entra IDグループへのユーザー追加や削除も、アクセス設定へ反映されるまで最大24時間かかることがあります。(Microsoft Learn)

設定直後にデータが表示されたとしても、失敗と判断してポリシーを作り直さないでください。24時間経過後に、除外対象者が含まれていないことを再確認します。

個人登録よりMicrosoft Entra IDグループを使う

VFAMでは、1機能につきユーザー・グループ向けポリシーを最大10件作成でき、1ポリシーには最大20件のユーザーまたはグループを割り当てられます。(Microsoft Learn)

対象者が多い組織では、ユーザーを一人ずつ登録するよりも、次のようなMicrosoft Entra IDセキュリティグループを作成した方が管理しやすくなります。

  • Viva Insights共有除外・国内
  • Viva Insights共有除外・特定職種
  • Viva Insights共有除外・労使協議中地域

グループ名には用途を明記し、誰がメンバーを変更できるのかも決めておきましょう。

除外リストと機密性しきい値は別の設定

除外リストは、データ共有の対象者を決める機能です。一方、機密性しきい値は、少人数の集計結果をレポートに表示しないための機能です。

Viva InsightsとViva Glintでは、標準の機密性しきい値は5です。両サービスで異なる値が設定されている場合は、より高い値が適用されます。除外リストを設定したからといって、機密性しきい値の確認が不要になるわけではありません。(Microsoft Learn)

過去に共有されたデータが自動削除されるとは限らない

Microsoftの説明では、連携を有効にすると、Viva Glintは共有されたViva Insightsデータのコピーを保存します。したがって、除外リストは今後の共有を防ぐ設定として扱い、過去に共有済みのデータまで自動的に削除されるとは判断しない方が安全です。(Microsoft Learn)

既存データの削除が必要な場合は、Viva Glint側のデータ保持設定や削除手順を別途確認してください。

料金・ライセンス・更新・移行・期限

項目確認内容
追加料金除外リスト単体の追加料金は、ロードマップでは案内されていない
必要ライセンス既存のViva Glint環境と、Viva Insights Premiumライセンスなどの連携要件を確認
データ対象有料のViva Insightsライセンスを持つ従業員の指標のみ共有可能
アプリ更新Web管理機能のため、一般ユーザーによるクライアント更新は不要
データ移行新しいシステムへのデータ移行は不要
必須期限強制移行や設定期限は案内されていない
実務上の期限次回のアンケートデータ連携前までに除外ポリシーを設定する

Viva Glintとの連携には、組織がViva Insightsを契約し、Premium Viva Insightsライセンスを購入していることが前提です。また、Viva Glintへ送られるのは、対象ライセンスを持つ従業員の指標です。(Microsoft Learn)

注意したいのは、General Availabilityの対象が今回の除外リスト機能である点です。Viva Glint側の連携文書には、データ共有がMicrosoft Viva Preview Agreementの対象であるとの記載も残っています。連携全体の契約条件までGAへ変更されたと決めつけず、管理画面に表示される同意文と自社契約を確認してください。(Microsoft Learn)

設定項目が表示されない場合の確認方法

「Allow data sharing from Viva Insights」が見つからない場合は、次の順序で確認します。

  1. テナントがWorldwide Standard Multi-Tenantか確認する
  2. ログインしている管理者ロールを確認する
  3. Microsoft 365管理センターのメッセージセンターを確認する
  4. Viva GlintとViva Insightsの連携要件を満たしているか確認する
  5. 数日後に再度VFAMを確認する

今回の機能は段階的に展開されます。同じ企業でも、検証用テナントと本番テナントで表示開始日が異なる可能性があります。

管理者が今すぐ行うべきこと

最初に、人事・法務・プライバシー担当者と協議し、Viva InsightsデータをViva Glintへ共有してはいけないユーザー区分を洗い出します。

次に、除外対象をMicrosoft Entra IDグループとして管理し、機能が表示されたら「Allow data sharing from Viva Insights」を「Off」にしたVFAMポリシーを作成します。

設定後は24時間以上待ち、次回のアンケートデータ連携前に、除外対象者の指標がViva Glintへ送られていないことを確認してください。ポリシー名、対象グループ、承認者、確認日も記録しておくと、後日の監査や設定変更に対応しやすくなります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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