Windows Update で「Update for Windows Security Platform – KB5007651」(例:10.0.27703.1006 / 10.0.27777.1008)が毎日のように再配信され、再起動するたびに「同じ更新プログラムをもう一度インストールしました」と記録されてしまう――2023 年に報告が始まったこの“堂々巡り”は、2025 年現在も多くの Windows 10 / Windows 11 利用者を悩ませています。本稿では発生条件から原因の推測、ユーザーが取り得る具体的なワークアラウンド、そして将来へ向けたチェックポイントまでを徹底解説します。
問題の概要
- Windows Update の履歴に
KB5007651が大量に並ぶ。 - Norton 360、CCleaner、Driver Booster なども「要更新」を示し続ける。
- 2023 年夏ごろから Reddit・Microsoft Community を中心に継続的に報告。
- システムエラーやブルースクリーンは起きないが、通知と再起動が煩わしい。
- Microsoft 公式から恒久的な Fix パッチや KB 記事は未提供。
なぜ起きるのか(推測)
Microsoft から技術文書は出ていませんが、Defender Platform(MpPlatform.dll など)を新バージョンへ置き換えた後のバージョン情報がレジストリまたは Windows Security Platform サービスに正しく反映されず、Windows Update サービスが「まだ未適用」と誤認している可能性が高いと見られます。Defender は OS コアコンポーネントとしてシステム保護が最優先されるため、未適用判定になると高速チャネルで同じ KB が繰り返し配信される仕組みです。
チェックポイント ― 本当にループしているかを確認
- [設定] > [Windows Update] > [更新の履歴] を開く 同じ日時または 1 日おきに
KB5007651が並んでいればループ確定。 - コマンドプロンプト(管理者) で
wmic qfe list brief | find "5007651"を実行 複数行が出力されれば複数回インストールされている証拠。 - 第三者ツール(Norton 360 など)の更新通知が毎回失敗する。
ワークアラウンド一覧(早見表)
| 手段 | 概要 | メリット | 注意点 |
|---|---|---|---|
| wushowhide.diagcab で非表示化 | Microsoft 製「Show or Hide Updates Troubleshooter」を実行し KB5007651 を隠す | 純正ツール/安全性が高い。以後 Windows Update に同更新が表示されない | ツールは手動起動が必要。将来同番号の正式修正版が来たら再表示が必要 |
| Windows Update MiniTool | 非公式ユーティリティで Hide を選択 | 更新一覧を細かく制御可。複数 KB を一気にブロックできる | 英語 UI、広告同梱版に注意。公式サポート外 |
| Norton 360 / CCleaner 側で無視 | それぞれの UI で「この更新を無視」設定 | 更新通知が消えストレス軽減 | 製品により個別無視設定が限定的(CCleaner はドライバーのみ等) |
| Windows Security Platform の再登録 | sfc /scannow → DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth | 破損ファイルが原因なら正常完了する | 成功/失敗が環境依存。復元ポイント必須 |
| 手動で最新版をインストール | 更新カタログから新しい Defender Platform CAB を適用 | 最新ビルドに上書きできればループ停止 | 正しいビルド選択が難しく自己責任 |
各ワークアラウンドの詳細手順
1. wushowhide.diagcab で非表示化(最も安全)
- Microsoft サポートが配布する
wushowhide.diagcabをダウンロードし実行。 - 「Hide updates」→ リストから Update for Windows Security Platform – KB5007651 をチェック → [Next]。
- 「Troubleshooting has completed」と表示されたら完了。 以後 Windows Update 画面には項目が現れません。
- 将来正式修正版が同じ
KB5007651番号で配信される場合があるため、3 ~ 6 か月ごとにツールで表示設定を戻し、バージョン番号(末尾の 4 桁)が更新されていないか確認しましょう。
2. Windows Update MiniTool で非表示
- MajorGeeks などからポータブル ZIP を入手し管理者権限で起動。
- 左上のリストから Updates をクリックし、右ペインで
KB5007651を右クリック → Hide。 - 続いて [Apply] & [Re-check]。 項目が灰色になればブロック済みです。
MiniTool は他の更新も個別に除外できるため、Windows Update UI より細かい管理が可能ですが、機能が豊富な分誤操作で重要パッチを止めるリスクもあります。作業前にシステムバックアップを推奨します。
3. セキュリティソフト側で通知を無視する
Norton 360 の場合、デバイスセキュリティ > ライブアップデート履歴 で該当項目を右クリックし「再通知しない」を選択できます。CCleaner Professional Plus はドライバー更新のみを除外対象にできる仕様で、KB5007651 は対象外になることがあるため留意してください。
4. PowerShell を使った Defender Platform 再登録
Defender Platform ファイルが破損/欠損していると、バージョンフラグが書き込まれないまま更新が終了してしまいます。そこで以下のSFC / DISM コマンドで破損を修復し、再登録フラグをリセットします。
PowerShell(管理者):
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
完了後、再起動 → 「更新プログラムを確認」→ 新規に KB5007651 が届くかを観察してください。1 回で止まれば成功、同じ番号が続く場合は別の手段へ移行します。
5. 更新カタログから手動インストール
- ブラウザーで「Microsoft Update カタログ」を検索。
- 検索ボックスに
KB5007651と入力し、上位にある最新ビルド(例:2025‑04 更新 10.0.27897.1010)を確認。 - 自身の OS ビット数(x64 / ARM64)に合う .cab または .msu をダウンロード。
- コマンドプロンプト(管理者)で
Dism /Online /Add-Package /PackagePath:"C:\Path\KB5007651.cab"
正しいバージョンを選ばないと「この更新プログラムは適用されません」とエラーになるため、ビルド番号と OS バージョン(winver で確認)を必ず照らし合わせてください。
今後の見通しと注意点
Microsoft が修正版を公開しない限り、現状はユーザー側で「隠す」か「手動で治す」の二択です。Defender Platform はセキュリティ上の重要コンポーネントであるものの、2024 年以降の累積更新において致命的な脆弱性は報告されておらず、機能的な実害はほぼゼロです。したがって、業務用端末で無用な再起動を避けたい場合は wushowhide で隠すのが最も合理的な選択となります。
定期メンテナンス用チェックリスト
- 3 か月ごとに wushowhide で非表示一覧を確認。
末尾 4 桁(プラットフォームビルド)が変わっていれば一度解除してテスト。 - Defender ウイルス定義(
Engine Version)は別番号のため、通常どおり自動更新を許可。 - システムバックアップ(システムイメージ/復元ポイント)を月 1 回取得。
- 同様のループ更新情報を M365 管理センターまたは Microsoft Community で確認。
よくある質問(FAQ)
Q. 隠したまま放置するとセキュリティリスクはある? A. Defender Platform のみが更新停止するだけで、定義ファイル(ウイルス定義)は継続配信されるため、現時点で実害は報告されていません。ただし重大脆弱性の修正が含まれる場合もあるため、半年ごとに再チェックを推奨します。 Q. 同じ状況で KB5007651 以外の更新も失敗する。 A. Windows Update コンポーネント自体が破損している可能性があるため、net stop wuauserv → %windir%\SoftwareDistribution フォルダーをリネーム → net start wuauserv でキャッシュをリセットしてください。 Q. Insider Preview Build では発生する? A. Canary / Dev チャネルでも sporadic に報告例がありますが、ビルドごとに修正・再発を繰り返しています。安定版へ戻すか、インプレースアップグレードで OS を再構築すると改善するケースがあります。
まとめ ― 最適解は「隠して待つ」
現行ビルドで KB5007651 がループする根本原因は公開されておらず、確実なユニバーサル解決策は存在しません。ただし、
- システムに実害がない(Defender 定義は更新される)
- wushowhide.diagcab で数クリックで静かになる
- 本当の修正版が同番号で来る可能性はある
――という 3 点を踏まえると、最も安全で管理コストの低い選択肢は「KB5007651 を一時的に非表示にしてやり過ごす」でしょう。開発環境や検証機など「Defender Platform を常に最新版にしたい」場合のみ、DISM または手動 CAB 適用を試し、安定版での動作を確認する運用が現実的です。
長期的には Microsoft が KB5007651 を廃止し、新番号のプラットフォーム更新をリリースするか、累積更新に統合することが期待されます。それまでは定期的なバージョンチェック+ワークアラウンドで凌ぎつつ、業務影響を最小化するのが賢い選択と言えるでしょう。

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