別のWindows PCに接続されたプリンターを利用できないときは、ドライバーを入れ直す前に、共有元PCの稼働状態、プリンターの共有設定、ネットワーク接続、認証情報、接続先の指定方法を順番に確認します。
特に重要なのは、利用側PCのエクスプローラーから\\共有元PCのコンピューター名へアクセスできるかを確かめることです。アクセスできたら、プリンターを自動検索するのではなく、次の形式で手動追加します。
\\共有元PCのコンピューター名\プリンターの共有名
共有元PCの電源が切れている、スリープしている、別のネットワークに接続されているといった状態では、共有プリンターを利用できません。Microsoftも、共有設定、PC間のネットワーク接続、認証情報、ネットワーク検出、手動追加の順に確認する方法を案内しています。([マイクロソフト サポート][1])
最初に共有プリンターの接続形態を確認する
「別のPCに接続されたプリンター」には、主に次の2種類があります。
| 接続形態 | 特徴 | 適切な接続方法 |
|---|---|---|
| プリンターがUSBなどで別のPCに接続されている | 共有元PCを経由して印刷する | Windowsのプリンター共有を利用する |
| プリンター自体がWi-FiやLANに接続されている | プリンターが単独でネットワークに参加している | 各PCからネットワークプリンターとして直接追加する |
プリンター本体にWi-FiやLAN端子があり、独自のIPアドレスを持っている場合は、別のPCを経由せず、各PCから直接追加したほうが安定します。
一方、USB接続のプリンターを別のPCから使う場合は、プリンターを接続しているPCを「共有元PC」または「ホストPC」として設定する必要があります。
共有プリンターに接続できないときの確認手順
共有元PCからプリンターを利用できるか確認する
最初に、プリンターを直接接続している共有元PCで印刷できるか確認します。
次の状態を確認してください。
- 共有元PCの電源が入っている
- 共有元PCがスリープ状態になっていない
- プリンターの電源が入っている
- USBケーブルなどが正しく接続されている
- プリンターが「オフライン」や「一時停止」になっていない
- 共有元PCからテスト印刷または通常の印刷ができる
共有元PCからも印刷できない場合、共有設定を変更しても解決しません。先にプリンター本体、接続ケーブル、印刷待ちデータ、プリンタードライバーの問題を解消します。
共有プリンターは共有元PCを経由して動作するため、共有元PCの電源を切ると利用側PCからも印刷できなくなります。常時利用する場合は、共有元PCが短時間でスリープしないよう、運用方法も見直してください。
プリンターの共有設定と共有名を確認する
共有元PCで、プリンターが実際に共有されているか確認します。
- 「設定」を開きます。
- 「Bluetoothとデバイス」を選択します。
- 「プリンターとスキャナー」を開きます。
- 共有したいプリンターを選択します。
- 「プリンターのプロパティ」を開きます。
- 「共有」タブを開きます。
- 「このプリンターを共有する」にチェックを入れます。
- 「共有名」を確認します。
- 「適用」、「OK」の順に選択します。
ここで確認する「共有名」は、設定画面に表示されるプリンター名と同じとは限りません。接続時に使用するのは、プリンターの表示名ではなく、共有タブに表示された共有名です。([マイクロソフト サポート][1])
例えば、次の構成になっているとします。
共有元PCのコンピューター名:OFFICE-PC
プリンターの共有名:EPSON-USB
この場合、利用側PCから指定する接続先は次のとおりです。
\\OFFICE-PC\EPSON-USB
共有名を変更すると、すでにそのプリンターを登録しているほかのPCが接続できなくなることがあります。運用中の共有名は、必要がない限り変更しないほうが安全です。
共有元PCのコンピューター名を確認する
共有プリンターを手動追加するには、共有元PCのコンピューター名が必要です。
共有元PCで次の操作を行います。
- 「設定」を開きます。
- 「システム」を選択します。
- 「バージョン情報」を開きます。
- 「デバイス名」を確認します。
このデバイス名が、接続先の\\コンピューター名部分になります。
似た名前のPCが複数ある職場では、メモだけで判断せず、実際にプリンターが接続されているPCの画面で確認してください。
同じネットワークに接続されているか確認する
共有元PCと利用側PCは、同じ家庭内または社内のローカルネットワークに接続されている必要があります。
例えば、次の組み合わせでは接続できないことがあります。
- 一方が自宅や社内のWi-Fi、もう一方がスマートフォンのテザリング
- 一方が通常のWi-Fi、もう一方が来客用のゲストWi-Fi
- VPN接続によって社内LANへの通信経路が変わっている
- 無線LANルーターの端末間通信禁止機能が有効になっている
- 有線LANと無線LANが別のネットワークに分離されている
同じWi-Fi名が表示されていても、ゲストネットワークや端末分離機能が使われていると、PC同士が通信できないことがあります。
切り分けのためにVPNを一時的に切断する場合は、業務上必要な通信まで切断されないか確認したうえで行ってください。
信頼できるネットワークで共有設定を有効にする
Windows 11では、ネットワーク検出とファイル・プリンター共有が無効になっていると、別のPCから共有元PCを見つけられません。
ネットワークをプライベートに設定する
家庭内や管理された社内LANなど、信頼できるネットワークであることを確認したうえで設定します。
Wi-Fiの場合は、一般的に次の場所から変更できます。
設定
→ ネットワークとインターネット
→ Wi-Fi
→ 接続中のネットワーク
→ ネットワークプロファイルの種類
→ プライベート
有線LANの場合は、次の場所を確認します。
設定
→ ネットワークとインターネット
→ Ethernet
→ ネットワークプロファイルの種類
→ プライベート
Windows 11の更新状況によって、項目名や配置が多少異なる場合があります。
ネットワーク検出とプリンター共有を有効にする
続いて次の設定を確認します。
- 「設定」を開きます。
- 「ネットワークとインターネット」を選択します。
- 「ネットワークの詳細設定」を開きます。
- 「共有の詳細設定」を選択します。
- 「プライベートネットワーク」を開きます。
- 「ネットワーク探索」をオンにします。
- 「ファイルとプリンターの共有」をオンにします。
Microsoftの案内でも、Windows 11で共有プリンターを利用するには、ネットワーク検出とファイル・プリンター共有を有効にする手順が示されています。([マイクロソフト サポート][1])
これらの設定は、信頼できる家庭内・社内ネットワークでのみ有効にしてください。ホテル、空港、店舗などの公衆ネットワークで共有を開くのは危険です。
会社や自治体などの管理対象PCでは、設定が組織のポリシーで制限されていることがあります。設定が変更できない場合は、解除を試みず、システム管理者へ確認してください。
利用側PCから「\コンピューター名」にアクセスする
プリンターを追加する前に、利用側PCから共有元PCへ接続できるか確認します。
- 利用側PCでエクスプローラーを開きます。
- 画面上部のアドレスバーを選択します。
- 次の形式で入力します。
\\共有元PCのコンピューター名
例として、共有元PCの名前がOFFICE-PCなら、次のように入力します。
\\OFFICE-PC
入力する場所は、Windowsの検索欄やWebブラウザーではなく、エクスプローラーのアドレスバーです。
Microsoftも、エクスプローラーから\\ComputerNameへアクセスし、PC間のネットワーク接続と名前解決を確認する方法を案内しています。([マイクロソフト サポート][1])
表示結果によって、原因を切り分けられます。
| 表示結果 | 判断できること | 次に確認する項目 |
|---|---|---|
| 共有元PCの内容が表示される | ネットワーク接続とコンピューター名はおおむね正常 | プリンターの共有名、手動追加 |
| ユーザー名とパスワードを求められる | 共有元PCには到達している | 共有元PCの認証情報 |
| ネットワークパスが見つからない | 共有元PCへ到達できていない | PC名、電源、ネットワーク、検出設定 |
| アクセスが拒否される | 認証または権限に問題がある | アカウント、保存済み資格情報 |
| 長時間待っても開かない | 通信が遮断されている可能性がある | VPN、ファイアウォール、ルーター設定 |
IPアドレスでは接続できる場合
共有元PCのIPアドレスが分かる場合は、切り分けとして次の形式を試せます。
\\192.168.1.20
IPアドレスでは接続できるのに、\\OFFICE-PCでは接続できない場合、プリンター共有そのものではなく、コンピューター名の名前解決に問題がある可能性があります。
ただし、ルーターから自動的に割り当てられるIPアドレスは変わることがあります。IPアドレスによる接続を恒久的な設定として使う場合は、ネットワーク管理者に確認してください。
ネットワーク資格情報を正しく入力する
共有元PCへアクセスしたときに「ネットワーク資格情報の入力」が表示された場合は、原則として共有元PCで有効なユーザー名とパスワードを入力します。
利用側PCへサインインするときの情報を入力するとは限りません。
ローカルアカウントを使用している場合は、次の形式で入力すると区別しやすくなります。
共有元PC名\ユーザー名
例は次のとおりです。
OFFICE-PC\printeruser
両方のPCで同じMicrosoftアカウントやローカルアカウントを使用している環境では、その情報で接続できる場合もあります。Microsoftの案内でも、同じアカウントを利用するか、共有元PCのユーザー名とパスワードを入力する方法が示されています。([マイクロソフト サポート][1])
Windows HelloのPINとパスワードを混同しない
Windowsへのサインインで普段入力している数字がWindows HelloのPINである場合、それをネットワーク資格情報として入力しても認証されないことがあります。
PINではなく、共有元PCのアカウントに設定されているパスワードを確認してください。
パスワードが分からないからといって、パスワード保護共有を一律に無効化するのは避けます。共有専用のアカウントを用意するなど、利用者を確認できる状態で運用するほうが安全です。
間違った資格情報が保存されている場合
以前入力したユーザー名やパスワードが保存されていると、正しい情報を入力する画面が表示されず、認証エラーを繰り返すことがあります。
その場合は、利用側PCで次の操作を行います。
- スタートメニューで「資格情報マネージャー」を検索します。
- 「Windows資格情報」を開きます。
- 共有元PCのコンピューター名に対応する項目を探します。
- 該当する資格情報だけを削除します。
- 再度
\\共有元PC名へアクセスします。 - 正しいユーザー名とパスワードを入力します。
無関係なサーバーやWebサービスの資格情報まで削除しないよう注意してください。
共有プリンターをパス指定で手動追加する
共有元PCへのアクセスが確認できたら、利用側PCでプリンターを手動追加します。
- 「設定」を開きます。
- 「Bluetoothとデバイス」を選択します。
- 「プリンターとスキャナー」を開きます。
- 「デバイスの追加」を選択します。
- プリンターの検索が終わるまで待ちます。
- 目的のプリンターが表示されない場合は「手動で追加」を選択します。
- 「共有プリンターを名前で選択する」を選択します。
- プリンターのパスを入力します。
- 「次へ」を選択し、画面の指示に従います。
指定するパスは次の形式です。
\\コンピューター名\共有名
例えば、共有元PCがOFFICE-PC、共有名がEPSON-USBなら、次のように入力します。
\\OFFICE-PC\EPSON-USB
Windowsの自動検索にプリンターが表示されなくても、コンピューター名と共有名が正しければ、パス指定で追加できる場合があります。Microsoftも、自動検出できない共有プリンターは\\ComputerName\PrinterShareName形式で手動追加する方法を案内しています。([マイクロソフト サポート][1])
ドライバーのインストールを求められた場合は、共有元PC、プリンター製造元、または組織の管理者が提供する信頼できるドライバーのみを使用してください。管理対象PCでは、追加に管理者権限が必要なことがあります。
登録済みの共有プリンターを削除して追加し直す
以前は使えていた共有プリンターが突然使えなくなった場合、古い共有名、認証情報、ドライバー情報が残っている可能性があります。
次の手順で再登録します。
- 利用側PCで「設定」を開きます。
- 「Bluetoothとデバイス」を選択します。
- 「プリンターとスキャナー」を開きます。
- 問題の共有プリンターを選択します。
- 「削除」を選択します。
- 利用側PCを再起動します。
\\コンピューター名\共有名を使って手動追加します。
Microsoftのトラブルシューティングでも、問題が続く場合は共有プリンターを削除し、PCを再起動してから手動で追加し直す方法が案内されています。([マイクロソフト サポート][1])
症状別に原因を切り分ける
| 症状 | 主な原因 | 優先して行う対処 |
|---|---|---|
| 共有元PCの名前が見つからない | PC名の間違い、電源オフ、別ネットワーク、名前解決 | \\コンピューター名へのアクセスを確認 |
| 共有元PCは開けるがプリンターがない | プリンター共有が無効、共有名の確認不足 | 共有元PCの「共有」タブを確認 |
| ユーザー名とパスワードを何度も求められる | 認証情報の間違い、古い資格情報 | 共有元PCのアカウントを確認し、保存済み資格情報を削除 |
| プリンターは追加できるが印刷できない | 共有元PCがスリープ、プリンターがオフライン、印刷待ち | 共有元PCから直接印刷できるか確認 |
| 一部のPCだけ接続できない | 利用側PCの資格情報、ドライバー、組織ポリシー | 問題のPC側で削除・再追加 |
| パスワード変更後に使えなくなった | 古い認証情報が保存されている | 資格情報マネージャーを確認 |
| 再起動後だけ使える | 印刷待ちデータやサービスの一時的不調 | 印刷キューと更新状況を確認 |
| 共有元PCを起動すると使える | 共有プリンターの仕様どおり | 共有元PCの電源・スリープ運用を見直す |
接続できないときに避けるべき対処
共有プリンターが使えないからといって、最初からセキュリティ設定を大きく弱めるのは危険です。
特に、次の対応は避けてください。
- 公衆Wi-Fiでネットワーク検出を有効にする
- パスワード保護共有を無条件に無効化する
- Windowsファイアウォールを常時すべて無効にする
- 出所不明のレジストリファイルを実行する
- エラーコードだけを見て古い対処法を適用する
- セキュリティ更新プログラムを安易に削除する
- Windowsの共有機能をインターネットへ直接公開する
- 管理対象PCのポリシーを独断で変更する
ファイアウォールが原因か確認する場合でも、全機能を無効にするのではなく、「ファイルとプリンターの共有」に必要な通信がプライベートネットワークで許可されているかを確認します。
ウイルス対策ソフトや社内セキュリティ製品が通信を制御している場合は、製品の管理者へ相談してください。
それでも共有プリンターを利用できない場合
基本設定を確認しても解決しない場合は、次の情報を整理すると原因を特定しやすくなります。
- 共有元PCから直接印刷できるか
\\共有元PC名を開けるか\\共有元PC名\共有名でどのエラーが出るか- 利用側PCだけで発生するか、すべてのPCで発生するか
- Windows Update後から発生したか
- パスワードやPC名、共有名を変更していないか
- プリンターのメーカーと型番
- 表示されたエラーコード
- PCが会社や組織によって管理されているか
\\共有元PC名自体を開けない場合は、プリンタードライバーより先にネットワークと認証を確認します。
共有元PCには接続でき、プリンターも追加できるのに印刷できない場合は、共有元PC側の印刷キュー、プリンターのオフライン状態、ドライバーの不一致を確認します。
組織管理のPCで管理者権限やポリシーが関係している場合は、エラー画面とプリンターパスを記録し、システム管理者へ連絡するのが確実です。
共有元PC、ネットワーク、認証、パスの順に確認する
別のWindows PCに接続されたプリンターを利用できない場合は、次の順番で確認すると効率よく切り分けられます。
- 共有元PCから直接印刷できるか確認する
- 「このプリンターを共有する」が有効か確認する
- コンピューター名と共有名を記録する
- 両方のPCを同じ信頼できるネットワークへ接続する
- ネットワーク検出とファイル・プリンター共有を有効にする
- 利用側PCから
\\コンピューター名を開く - 共有元PCの正しい認証情報を入力する
\\コンピューター名\共有名で手動追加する- 解決しなければ一度削除し、再起動後に追加し直す
まず利用側PCのエクスプローラーで\\共有元PC名を開き、共有元PCへ到達できるか確認してください。ここで接続できるかどうかによって、ネットワークの問題とプリンター設定の問題を明確に分けられます。
[1]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/hardware/printer/fix-shared-printer-connection-problems-in-windows “Windows で共有プリンターの接続の問題を修正する | Microsoft Support”

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