Microsoft Edge のカスタム プライマリ パスワードを使っているなら、2026年6月4日までに切り替え準備を進める前提で考えたほうが安全です。今回の変更は「保存済みパスワードが消える」話ではなく、Microsoft Edge パスワード マネージャーでパスワードを表示・自動入力する前の本人確認を、独自のカスタム プライマリ パスワードから、Windows Hello や macOS Touch ID などのデバイス認証へ寄せる流れです。2026年4月10日に公開された Stable 147.0.3912.60 では、その移行がはっきり告知され、6月4日には未移行ユーザーが自動的にデバイス認証へ切り替わると案内されています。(Microsoft Learn)
結論から言うと、今やることはシンプルです。edge://settings/autofill/passwords/settings を開いて、カスタム プライマリ パスワードではなく、端末のサインイン方法で使える状態にしておくこと。企業で Edge を管理しているなら、PrimaryPasswordSetting を確認し、WithCustomPrimaryPassword 前提の社内手順やFAQも更新しておくと、6月4日前後の混乱をかなり減らせます。(Microsoft Learn)
Edge 147で何が変わるのか
今回の廃止は一気に終わる変更ではありません。Stable リリースノートを追うと、新規作成の停止は Edge 146 の段階で始まり、Edge 147 では既存利用者に「6月4日以降は使えなくなる」という警告が表示される段階に入り、最終的に 2026年6月4日にデバイス認証へ自動移行する流れです。Microsoft Support でも、カスタム プライマリ パスワードは段階的に削除され、6月4日以降はオプション自体が消えると説明されています。(Microsoft Learn)
- Edge 146 では、新しいカスタム プライマリ パスワードを作成できなくなります。(Microsoft Learn)
- Edge 147 では、既存ユーザーに対して終了予告が表示されます。(Microsoft Learn)
- 2026年6月4日には、まだカスタム プライマリ パスワードを使っているユーザーが自動的にデバイス認証へ移行されます。(Microsoft Learn)
要するに、Edge 147 は「今日から完全停止する版」ではありません。正確には、「6月4日の本番切り替えに向けて、利用者と管理者に準備を促す版」です。ここで動いておくかどうかで、当日の使い勝手と問い合わせ件数が変わります。(Microsoft Learn)
背景として Microsoft は、セキュリティ体験を簡素化し、最新のデバイス保護に合わせるために、カスタム プライマリ パスワードを廃止し、Windows Hello や Touch ID などのデバイス ベース認証へ置き換えると説明しています。独自の別パスワードを Edge 内だけで持たせるより、OS 側の本人確認基盤に寄せる方向です。(マイクロソフト サポート)
まず確認したいのは、自分が影響を受けるか
影響の有無はそこまで複雑ではありません。これまでカスタム プライマリ パスワードを使っていない人は基本的に大きな対応は不要です。一方、現在使っている人は移行対象です。企業環境では、ユーザー本人だけでなく、Edge の設定やポリシーを管理している担当者も対応対象になります。(マイクロソフト サポート)
- カスタム プライマリ パスワードを使ったことがない人は、基本的に様子見で構いません。設定画面が少し簡略化される程度です。(マイクロソフト サポート)
- 現在使っている人は、6月4日までにデバイス認証へ切り替える前提で準備が必要です。(マイクロソフト サポート)
- 企業管理者は、ポリシー説明の更新と、廃止済みオプションを前提にした案内の修正が必要です。(マイクロソフト サポート)
警告が表示される場所も押さえておくと実務で役立ちます。Microsoft は、[パスワードとオートフィル] の設定ページ、カスタム パスワードの作成・変更・削除ダイアログ、自動入力時の認証プロンプトにリマインダーが出ると案内しています。ユーザーから「最近 Edge に変な警告が出る」と言われたら、不具合ではなく廃止告知の可能性を最初に疑うべきです。(マイクロソフト サポート)
6月4日までにやるべき準備
一般ユーザーがやること
最短ルートは、Edge の設定からデバイス認証へ切り替えることです。Microsoft Support の手順を実務向けに言い換えると、次の流れになります。(マイクロソフト サポート)
- Edge で
edge://settings/autofill/passwords/settingsを開くか、[設定] から Microsoft パスワード マネージャーの設定画面を開きます。(Microsoft Learn) - [パスワードとパスキーの自動入力] が有効になっているか確認します。(マイクロソフト サポート)
- 認証方法で、Web サイトのパスワードを表示または入力する前に、デバイスのサインイン オプションを確認する設定を選びます。(マイクロソフト サポート)
- 端末の資格情報で認証します。(マイクロソフト サポート)
- 保存済みパスワードがあるサイトを1つ開き、実際に自動入力の挙動を確認します。これは公式手順そのものではありませんが、移行後の戸惑いを減らす確認として有効です。(マイクロソフト サポート)
ここで使われるデバイス認証は、Windows Hello、PIN、顔認証、指紋、macOS Touch ID、または端末のサインイン パスワードです。Windows でまだ PIN や生体認証を設定していないなら、[設定] > [アカウント] > [サインイン オプション] から先に整えておくと、移行後の使い勝手が落ちにくくなります。(マイクロソフト サポート)
一点見落としやすいのが、画面の違いです。Microsoft Support では、Microsoft パスワード マネージャーの見え方や使える機能は、個人用アカウントか、職場・学校アカウントかで差が出る場合があり、後者では IT 管理者が一部機能を制限していることがあると案内しています。自分の画面が記事どおりでなくても、即座に不具合と決めつけないほうが安全です。(マイクロソフト サポート)
また、この設定変更は実質的にデスクトップ版を前提に考えたほうが分かりやすいです。ポリシー文書では、対象は Windows と macOS で、Android と iOS はサポート外とされています。スマホで同じ設定名を探しても見つからないことがあります。(Microsoft Learn)
管理者が先に片づけたいこと
管理側で押さえるべき設定名は PrimaryPasswordSetting です。Group Policy では Administrative Templates/Microsoft Edge/Password manager and protection にあり、レジストリでは SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge の PrimaryPasswordSetting で扱います。Microsoft は WithCustomPrimaryPassword を将来的に使えなくする方針を示しており、既存ユーザーはデバイス サインイン方式へ移行されると案内しています。(Microsoft Learn)
さらに実務上かなり重要なのが、ポリシー文書に「この設定は Microsoft アカウントでサインインしたプロファイルには適用されない」と書かれている点です。個人用 Microsoft アカウントの利用を許容している環境では、想定どおりに統制が効かないケースがあり得ます。社内で Edge のプロファイル運用が混在しているなら、6月4日より前に確認しておく価値があります。(Microsoft Learn)
公式の選択肢は Automatically、WithDevicePassword、WithCustomPrimaryPassword、AutofillOff です。これを前提に、現場での選び方を整理すると次のようになります。(Microsoft Learn)
| 利用シーン | 実務上の選び方 | 判断の目安 |
|---|---|---|
| 1人1台の業務PC | WithDevicePassword | 端末認証で保護しつつ、自動入力の利便性も残しやすい |
| 共用PC・受付端末 | AutofillOff | 保存済みパスワードを使わせない運用のほうが事故を減らしやすい |
| 利便性を最優先する個別端末 | Automatically | 追加認証は不要だが、離席時や第三者利用のリスクは相対的に高い |
これは Microsoft の公式推奨表ではなく、ポリシー仕様とサポート文書の「デバイス認証推奨」を前提にした実務上の整理です。ただ、少なくとも WithCustomPrimaryPassword を前提にマニュアルを残し続けるのは避けるべきです。ユーザーには「今後は Edge 独自パスワードではなく、PC や Mac のサインイン方法で確認される」と先に伝えておくと、ヘルプデスク負荷を抑えやすくなります。(マイクロソフト サポート)
よくある疑問と、見落としやすい注意点
保存済みパスワードは消える?
Microsoft の文書は、今回の変更を「保存済みパスワードを保護する認証方法の変更」として説明しています。6月4日以降に削除されるのはカスタム プライマリ パスワードのオプションであり、保存済みパスワード自体を一律削除する変更とは案内されていません。つまり、焦点はデータ削除ではなく、表示・自動入力前の本人確認のやり方です。(マイクロソフト サポート)
毎回 PIN や生体認証を求められる?
ポリシー文書では、WithDevicePassword の既定の認証頻度は「ブラウザー セッションごとに1回」とされ、必要なら「常に確認」に変更できると説明されています。運用上は、個人端末なら既定のまま、共有環境や高感度アカウントを多く扱う端末なら厳しめにする、という考え方が現実的です。(Microsoft Learn)
これで完全に安全になる?
そこは過信しないほうがいいです。Microsoft は、デバイス認証が「保存済みパスワードの自動入力前に追加のプライバシー層を入れる」仕組みだと説明しています。第三者が同じ端末を触って勝手に自動入力するリスクには有効ですが、ローカルで動いているマルウェアまでは防げないとも明記しています。ブラウザ認証の切り替えだけで端末全体の安全性を担保できるわけではありません。(Microsoft Learn)
不安ならバックアップを取った方がいい?
必須ではありませんが、移行前に心理的な安心材料が欲しいなら、デスクトップ版 Edge から保存済みパスワードを CSV にエクスポートできます。ただし、この CSV は保護されず、ファイルを見られる人には内容が読めます。移行確認のために一時的に出すのはありですが、デスクトップや共有フォルダに置きっぱなしにするのは避けるべきです。(マイクロソフト サポート)
Edge でパスワードを編集すれば、Web サイト側のパスワードも変わる?
変わりません。Microsoft も、Edge 内で保存済みパスワードを変更しても、Web サイト側の実際のパスワードは変更されないと案内しています。漏えい対策や使い回し解消が目的なら、必ずサイト側でパスワードを変更し、その新しい値を Edge に保存し直す必要があります。ここを誤解すると、変更したつもりで古いパスワードを使い続ける事故が起こりやすいです。(マイクロソフト サポート)
このタイミングで一緒に見直すべきことは?
パスワード セキュリティ チェックです。Microsoft Support によると、Edge は保存済みパスワードを既知の漏えいパスワードのデータベースと照合し、危険なものを警告できます。カスタム プライマリ パスワードの廃止対応だけで満足せず、侵害が疑われるパスワードをこの機会に更新しておくと、実際の防御力はかなり上がります。(マイクロソフト サポート)
今すぐやること
今回の Edge 147 の発表で本当に重要なのは、4月10日が“準備開始の合図”で、6月4日が“実際の切り替え日”だという点です。カスタム プライマリ パスワードを使っているなら、今日やるべきことは多くありません。設定画面を開く、デバイス認証へ切り替える、端末側の PIN や Windows Hello、Touch ID を使える状態にする。この3つでかなり十分です。管理者なら、ここに PrimaryPasswordSetting の棚卸しと社内案内の更新を加えてください。(Microsoft Learn)
- 個人ユーザーは、
edge://settings/autofill/passwords/settingsを開いて認証方式を確認する。 - 共有PCを使っているなら、自動入力を残すべきかを見直す。
- 管理者は、
WithCustomPrimaryPassword前提の手順書やサポート文面を6月4日より前に差し替える。

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