GitHub Modelsが新規顧客向け提供を終了|影響範囲と移行確認ポイント

2026年6月16日、GitHub ChangelogでGitHub Modelsの段階的な廃止が発表されました。第一段階として、これまでGitHub Modelsを利用していなかった組織とEnterpriseは、無料・有料プランを問わず新規利用を開始できなくなります。

一方、すでにGitHub Modelsを利用している既存顧客は、現時点ではPlayground、API、各AIモデルを引き続き利用できます。ただし、完全廃止までの期限はまだ公表されていません。業務システムやGitHub Actionsで利用している場合は、停止を待たずに利用状況の確認とMicrosoft Foundryへの移行準備を始める必要があります。(The GitHub Blog)

目次

GitHub Changelogで何が変わったのか

今回の「GitHub Models is no longer available to new customers」は、単なる料金プランの変更ではありません。GitHub Models自体を将来的に廃止する方針が示され、その最初の対応として新規顧客の受け付けが停止されました。

対象2026年6月16日以降の扱い
GitHub Modelsを利用したことがない組織・Enterprise新規利用を開始できない
無料プランの新規顧客利用できない
有料プランの新規顧客利用できない
GitHub Modelsを現在利用している既存顧客当面は継続利用できる
Playground・API・提供モデル既存顧客は現時点で変更なし
完全廃止日未発表
新規AIプロジェクトMicrosoft Foundryの検討が推奨される

重要なのは、「新規顧客」が新しくGitHubを契約した顧客だけを指すわけではない点です。以前から存在する組織でも、GitHub Modelsの利用実績がなければ新規利用の対象となります。管理画面で機能を有効化すれば利用できる、という変更ではありません。(The GitHub Blog)

影響を受けるユーザーと管理者

GitHub Modelsをまだ利用していない組織

これまでGitHub Modelsを利用していなかったOrganizationやEnterpriseでは、GitHub Modelsが表示されず、新たな利用を開始できません。

有料プランへの変更や課金設定の追加でも、この制限は解除されません。新しい生成AIアプリケーションを開発する場合は、Microsoft Foundryなど別のモデル提供基盤を選定する必要があります。

すでにGitHub Modelsを利用している組織

既存顧客については、2026年6月16日時点で直ちに必要な設定変更はありません。次の機能は当面継続して利用できます。

  • GitHub Marketplace上のモデルPlayground
  • GitHub Models API
  • 現在利用可能なAIモデル
  • GitHub Actionsからのモデル呼び出し

ただし、「現在利用できる」ことと「長期的に利用できる」ことは別です。GitHubは完全廃止に向けて今後スケジュールを案内するとしているため、長期間運用するシステムの新規開発先としては慎重に判断してください。(The GitHub Blog)

個人アカウントの利用者

今回のChangelog本文で明示されている対象は、主にOrganizationとEnterpriseです。個人アカウントの新規利用については、同じ条件が適用されるかが本文だけでは明確ではありません。

個人アカウントで利用可否を確認する場合は、GitHub MarketplaceのModels画面を開き、Playgroundが表示されるか、実際にモデルを実行できるかを確認してください。利用者区分の判定が不明な場合は、GitHub Supportへの確認が確実です。

GitHub Modelsを利用中か確認する手順

既存顧客として継続利用できるかを確認する際は、画面表示だけでなく、APIやGitHub Actionsの利用実績も調べます。

Organizationの設定を確認する

Organization Ownerは、次の順序で設定を確認します。

  1. GitHubで対象のOrganizationを開く
  2. 「Settings」を開く
  3. 「Code, planning, and automation」を確認する
  4. 「Models」から「Development」を開く
  5. 「Models in your organization」の状態を確認する

Enterprise配下の場合は、Enterprise側の「Policies」から「Models」も確認してください。Enterpriseポリシーで無効化されていると、Organization側だけでは設定を変更できません。(GitHub Docs)

ただし、設定画面が存在することだけで将来の継続利用が保証されるわけではありません。実際にPlaygroundやAPIを実行し、現在利用できる状態か確認してください。

リポジトリ内の利用箇所を検索する

GitHub Models APIの利用箇所を探す場合は、リポジトリ内で次の文字列を検索します。

git grep -nE 'models\.github\.ai|models:[[:space:]]*read'

特に確認したい項目は次のとおりです。

  • models.github.aiを含むAPIエンドポイント
  • GitHub Actionsのmodels: read権限
  • modelsスコープを付与したPersonal Access Token
  • 使用中のモデルID
  • APIキーやトークンを参照するSecret名
  • プロンプトファイルや評価用データ

GitHub Models APIは、GitHubの認証情報やmodelsスコープ付きのPATを利用します。GitHub Actionsでは、ワークフローの権限にmodels: readを指定する構成があります。(GitHub Docs)

設定やAPIを今すぐ更新する必要はあるか

既存顧客については、今回の発表だけを理由にAPIエンドポイント、PAT、GitHub Actionsの権限を直ちに変更する必要はありません。

一方で、次の対応は早めに行うべきです。

対応確認内容
利用箇所の棚卸しAPI、Actions、Playground、評価機能の利用者とリポジトリ
担当者の決定廃止情報を確認し、移行を判断する管理者
モデルの記録モデル名、パラメーター、プロンプト、出力形式
依存関係の整理エンドポイント、認証方式、Secret、SDK
代替環境の検証Microsoft Foundryなどで同等モデルを利用できるか
回帰テストの準備出力品質、速度、安全性、エラー処理の比較

継続利用を予定している場合、十分な確認をせずにOrganizationやEnterpriseのModels設定を無効化するのは避けた方がよいでしょう。無効化後の再有効化条件や、既存顧客としての判定方法は今回の発表では明記されていません。

Microsoft Foundryへ移行する場合の確認ポイント

GitHubは、新規プロジェクトでAIモデルへのアクセスが必要な場合の選択肢としてAzure AI Foundryを案内しています。現在のMicrosoft公式ドキュメントでは、移行先は「Microsoft Foundry Models」として説明されています。(The GitHub Blog)

移行は、次の順序で進めるとリスクを抑えられます。

Azureサブスクリプションと権限を用意する

Microsoft Foundry Modelsでは、有効な支払い方法を設定したAzureサブスクリプションが必要です。

パートナー企業やコミュニティが提供するモデルでは、Azure Marketplaceのモデルを購読する権限が必要になる場合もあります。組織でAzureを管理している場合は、開発者だけで進めず、Azure管理者やコスト管理担当者を含めて確認してください。

利用モデルをFoundryにデプロイする

GitHub Modelsではカタログ内のモデルをすぐに試せますが、Microsoft Foundryでは利用するモデルをリソースへ明示的に追加・デプロイします。

次の項目を確認してください。

  • 同じモデルまたは代替モデルが提供されているか
  • 利用予定リージョンでデプロイできるか
  • モデルのバージョンやコンテキスト長
  • 入出力形式や対応パラメーター
  • 必要なクォータとスループット
  • コンテンツフィルターの設定

エンドポイントと認証情報を切り替える

Microsoftの移行ガイドでは、Foundryで取得したキーとエンドポイントへ切り替える流れが示されています。

ただし、単純にURLとキーを置き換えるだけで本番移行を完了させるのは危険です。モデル名、レスポンス形式、レート制限、エラーコード、生成品質が同じとは限りません。

旧環境と新環境を並行稼働させ、少なくとも次のテストを実施してください。

  • 代表的なプロンプトに対する回答品質
  • JSONなど構造化出力の安定性
  • 応答時間とタイムアウト
  • レート制限発生時の再試行
  • 不適切な出力に対するフィルター
  • 入力トークン増加時の料金
  • 障害時のフォールバック

Microsoft Foundryでは、デプロイ方式によって課金方法や利用上限が変わります。また、GitHub Modelsと異なり、使用するモデルを事前にリソースへ追加する必要があります。(Microsoft Learn)

料金について確認すべきこと

今回のGitHub Changelogは料金改定の発表ではありません。新規顧客は、有料利用を選択してもGitHub Modelsを開始できない点が重要です。

既存顧客は、OrganizationまたはEnterpriseの「Billing & Licensing」から、UsageやMetered usageを確認してください。利用量、支払元、予算設定、課金対象のリポジトリを整理しておくと、移行後の費用比較がしやすくなります。(GitHub Docs)

GitHub Modelsの課金はGitHub Copilotとは別に管理され、利用モデルや入出力トークンから算出されるトークンユニットを基準とします。一方、Microsoft Foundryへ移行した後は、Azureサブスクリプションに対して選択したデプロイ方式に応じた料金が発生します。(GitHub Docs)

移行前後の料金を比較するときは、単価だけでなく次の項目も含めてください。

  • 月間の入力・出力トークン数
  • ピーク時のリクエスト数
  • 必要なリージョン
  • プロビジョニング型か従量課金型か
  • ログ保存や監視にかかる費用
  • 開発・検証環境の追加コスト

完全廃止の期限はいつか

2026年6月16日時点では、GitHub Modelsの完全廃止日は発表されていません。GitHubは今後、廃止までのタイムラインを含む詳細情報を案内するとしています。(The GitHub Blog)

そのため、「期限が発表されてから移行する」のではなく、次のように進めるのが現実的です。

  • 現在:利用箇所と担当者を特定する
  • 次の開発サイクル:Microsoft Foundryなどの代替環境を検証する
  • 検証完了後:新規処理を代替環境へ切り替える
  • 廃止日発表前後:既存処理を段階的に移行する
  • 移行完了後:不要なトークン、Secret、課金設定を整理する

よくある疑問

既存ユーザーのAPIはすぐ停止する?

停止しません。既存顧客は現時点でPlayground、API、各モデルを継続利用できます。ただし、完全廃止が予定されているため、長期運用を前提にした移行準備は必要です。

有料プランへ変更すれば新規利用できる?

できません。GitHub Modelsの利用実績がないOrganizationとEnterpriseは、無料・有料プランを問わず新規利用できません。

GitHub Copilotも廃止される?

今回の発表対象はGitHub Modelsです。GitHub Copilotの廃止を発表したものではありません。GitHub ModelsとGitHub Copilotは、機能や課金体系が別に管理されています。(GitHub Docs)

既存顧客は新しいプロジェクトでも使うべき?

技術的に利用できる場合でも、長期間運用する新規システムの基盤として固定するのは避けた方が安全です。検証や短期的な利用に限定し、本番プロジェクトではMicrosoft Foundryなどの代替サービスを優先して検討してください。

既存利用者は棚卸し、新規開発は移行先の選定を進める

今回の変更により、GitHub Modelsを利用したことがない組織は新規利用を開始できなくなりました。既存顧客は当面継続できますが、完全廃止の方針は明確です。

まず、OrganizationとEnterpriseのModels設定、APIエンドポイント、GitHub Actions、課金状況を確認してください。そのうえで、使用中のモデルとプロンプトをMicrosoft Foundryなどで再現し、品質・料金・リージョン・認証方式を比較します。

完全廃止日の発表を待つのではなく、現在の利用状況を記録し、代替環境でテストを開始することが、停止リスクを抑える最も確実な対応です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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