Fortnite や HELLDIVERS を起動すると、最初の数分は普通に遊べるのに、急にゲームだけ落ちたり、PCごと電源が落ちて再起動したりする――。そんな悩みを「どこを見れば原因が分かるのか分からない」と放置していませんか?この記事では、Windows 標準機能だけで行えるイベントログの採取方法と、症状別の現実的な対処手順を、PC 中級者~初心者向けに丁寧に解説します。
なぜ「起動後数分」でクラッシュするのか
Fortnite や HELLDIVERS(特に高グラフィック設定)では、起動から数分の間に次のような変化が起こります。
- GPU・CPU の温度と消費電力が一気に上昇する
- VRAM/メモリ使用量がピークに近づく
- オンラインゲーム特有のアンチチートやオーバーレイも同時に動き始める
そのため、「ゲーム開始直後はセーフだが、2~3分後にクラッシュする」現象は、次のどれかに当てはまることが多いです。
- 表示ドライバー(GPUドライバー)が不安定
- オーバークロックや XMP/EXPO などでハードウェアに無理がかかっている
- 電源ユニットや配線が負荷に耐えられない
- ゲームデータの破損やランタイムの不整合
- Windows システムファイルやストレージの問題
しかし、症状だけでは断定できないため、まずは「証拠=ログ」を集めることが重要です。
まずは証拠集め:イベントログと各種情報の取り方
イベント ビューアーでエラーの .evtx を採取する
クラッシュ原因を特定するうえで最も基本になるのが、イベント ビューアー(eventvwr.msc)のログです。以下の手順で保存します。
- Win + R キーを押し、「ファイル名を指定して実行」を開く。
eventvwr.mscと入力し、イベント ビューアーを起動。- 左ペインで「Windows ログ」→「システム」をクリック。
- 右ペインの「現在のログをフィルター」をクリックし、レベルで「重大」と「エラー」のみチェックして「OK」。
- 右ペインの「すべてのイベントを名前を付けて保存」から、例えば
System.evtxという名前で保存。 - 同じ手順で 「Windows ログ」→「アプリケーション」もフィルターして
Application.evtxとして保存。
よく見るログを、目的別にまとめると以下のようになります。
| ログ種別 | 見るポイント | ゲームクラッシュとの関係 |
|---|---|---|
| システム | Kernel-Power, WHEA-Logger, ディスク, ACPI など | PCごと落ちる/再起動時の情報が出やすい |
| アプリケーション | .exe のクラッシュ、例外コード(0xc0000005 など) | ゲームだけ落ちるときの手掛かりになる |
信頼性モニターでクラッシュした時刻を確認する
イベント ビューアーは情報量が多くて分かりにくいので、まずは信頼性モニターで「いつ」「どのアプリ」が落ちたのかを視覚的に確認します。
- Win + R →
perfmon /relと入力し、「OK」。 - グラフ上の赤いバツ印(重大なイベント)をクリック。
- Fortnite や HELLDIVERS のエラー行をダブルクリックし、「技術的な詳細の表示」を開く。
- 表示される内容(エラーのモジュール名、例外コードなど)をスクリーンショットかテキストで保存。
信頼性モニターで時刻を確定してから、その時間帯のイベント ビューアーログを照らし合わせると、原因候補が絞り込みやすくなります。
ミニダンプ・DxDiag・MSINFO32 も合わせて保存
ブルースクリーン(BSoD)やドライバーエラーが発生している場合、ミニダンプや構成情報も大変有用です。
- ミニダンプ
C:\Windows\Minidump\フォルダに.dmpファイルがあれば、すべて ZIP にまとめて保管します。 - DxDiag(DirectX 診断ツール)
Win + R →dxdiag→ 「すべての情報を保存」からDxDiag.txtを保存。 - システム情報(MSINFO32)
Win + R →msinfo32→ 「ファイル」→「保存」で.nfoを保存。
これらをセットで残しておくと、掲示板やサポートに相談するときの「一次切り分け」が非常にスムーズになります。
症状別:ゲームだけが落ちる/黒画面から復帰する場合
まず「ゲームだけ落ちる」「数秒黒画面になってからデスクトップに戻る」場合は、GPUドライバーやゲーム周辺ソフトが疑われます。
GPUドライバーをクリーンインストールする
NVIDIA / AMD ともに、通常の上書きインストールでは不具合が解消しないことがあります。一度ドライバーをクリーンインストールしてみましょう。
- 最新のドライバーをメーカー公式サイトからダウンロード。
- インストール時のオプションで、可能なら「クリーンインストール」や「設定を初期化」を選択。
- 完了後、必ず PC を再起動してから Fortnite / HELLDIVERS を起動して確認。
古いドライバーから長期間アップデートし続けている環境では、クリーンインストールだけで「2分で落ちる」症状が安定するケースがかなり多くあります。
オーバーレイ・常駐ツールを一度全部切る
ゲーム中に重なって表示されるオーバーレイや常駐ツールは、意外とクラッシュの原因になりやすいポイントです。まずは以下のようなソフトを一通り無効化して試します。
- Discord オーバーレイ
- GeForce Experience のゲーム内オーバーレイ
- MSI Afterburner / RivaTuner Statistics Server(RTSS)
- 各種録画・配信ソフト(OBS 等)のゲームフック機能
- サードパーティー製オーバーレイ(FPS カウンターなど)
オーバーレイを全部切った状態で安定するようなら、どれか1つずつ有効に戻して原因を切り分けていきます。
ランチャーの「ゲームファイル整合性チェック」を実行
ゲームの一部データが壊れている場合も、起動直後ではなく数分後にクラッシュが発生します。各ランチャーで整合性チェックを実行しましょう。
| ゲーム / ランチャー | 整合性チェックの場所 |
|---|---|
| Fortnite(Epic Games Launcher) | ライブラリ → Fortnite の…メニュー → 「検証」 |
| HELLDIVERS(Steam版想定) | ライブラリ → ゲーム右クリック → 「プロパティ」→「インストール済みファイル」→「ゲームファイルの整合性を確認」 |
ファイル破損が原因だった場合、整合性チェックだけで症状が消えることも少なくありません。
DirectX・Visual C++ 再配布パッケージを入れ直す
アプリケーションエラー(例外コード 0xc0000005 など)が頻発する場合、ランタイムの不整合が疑われます。
- Microsoft 公式の「Visual C++ 再頒布可能パッケージ(x86 / x64)」を再インストール
- ゲームフォルダ内の
_CommonRedistやDXSETUP.exeなどから DirectX を再セットアップ
特に古いゲーム環境からアップグレードしてきた PC では、ランタイムの入れ直しが効くことがあります。
症状別:PCごと落ちる/再起動・電源断が発生する場合
Fortnite / HELLDIVERS を起動してPCごと落ちる場合は、ソフトというよりハードウェア寄りのトラブルを真っ先に疑います。
温度監視で熱暴走をチェックする
まずは CPU / GPU の温度をモニタリングし、クラッシュ直前にどこまで上がっているかを確認します。
- CPU:90℃未満を目安(瞬間的なピークなら 90℃台でも許容される場合あり)
- GPU:85℃未満を目安
温度が目安を大きく超える場合、次の対策を検討します。
- ケース内の埃をエアダスターで除去
- 前面/背面ファンの向きと回転数を確認(吸気と排気のバランス)
- CPUクーラーがしっかり固定されているか、グリスが古くなっていないか確認
- GPU ファンが正常に回っているか目視でチェック
熱暴走の場合、イベントログにははっきりしたエラーが残らないことも多く、「Kernel-Power 41」だけが記録されるパターンも珍しくありません。
OC / アンダーボルト / XMP / EXPO を一度すべてオフにする
ゲーミングPCでは、次のような設定が有効になっていることが多いです。
- CPU のオーバークロック(倍率 OC, PBO, AI OC など)
- GPU のオーバークロックやアンダーボルト
- メモリの XMP / EXPO プロファイル
ベンチマークや軽いゲームでは安定していても、Fortnite / HELLDIVERS のような負荷の上がり方をするタイトルだけ不安定になるケースがあります。一度、BIOS / UEFI に入り、次のように設定を戻して検証してみてください。
- CPU:自動設定(Auto)またはデフォルトへ戻す
- メモリ:XMP / EXPO を「無効」または「デフォルト JEDEC」にする
- GPU:メーカー標準クロックに戻す(Afterburner 等の設定をリセット)
これで安定するようであれば、OC や XMP が「ギリギリ安定していなかった」可能性が高いです。
電源ユニット(PSU)と配線を見直す
高負荷時に電源が落ちる、ブラックアウトして再起動がかかる場合は、電源周りも要チェックです。
- 電源ユニットの容量に十分な余裕があるか(GPU・CPU の TDP+α)
- 古い・安価な電源を高性能 GPU で使っていないか
- GPU に 8pin ケーブルを複数挿す場合は、別の PCIe ケーブルを複数本使っているか(分岐ケーブルの多用は避ける)
- コンセントタップに高出力機器を詰め込んでいないか
PSU が劣化していると、ゲーム負荷をかけた瞬間に一気に電圧が落ちて電源断→再起動という挙動になり、ログには Kernel-Power 41 だけが残る、という典型パターンになります。
メモリのエラーチェックを行う
メモリエラーは、アプリクラッシュにもシステムクラッシュにもつながる厄介な原因です。まずは Windows 標準のメモリ診断を実行してみましょう。
- Win + R →
mdsched.exeと入力。 - 「今すぐ再起動して問題の有無を確認する」を選び、テスト完了まで待つ。
- 再起動後に結果が表示されない場合は、イベント ビューアー → 「Windows ログ」→「システム」で「MemoryDiagnostics-Results」を検索。
ここでエラーが出る、または MemTest 等のツールでエラーが検出される場合は、次のような切り分けを行います。
- XMP / EXPO を無効にし、定格クロックでテストし直す
- メモリを 1 枚ずつ挿してテストし、どのモジュールでエラーが出るか確認
Windows 側の不整合が疑われる場合のリペア手順
ハードウェアが原因ではなさそうな場合、Windows 自体の不整合やストレージの問題を疑います。以下は比較的リスクの少ない順に並べた手順です。
Windows Update を適用する
まずは Windows Update をすべて適用し、再起動後に挙動を確認します。古いビルドのまま放置していると、ゲームの新しいバージョンとの相性問題が発生することがあります。
SFC / DISM でシステムファイルを修復する
管理者権限の PowerShell またはコマンドプロンプトで、次のコマンドを順番に実行します。
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
sfc /scannow:システムファイルの整合性をチェック&修復DISM:Windows イメージ(コンポーネントストア)の破損を修復
どちらかでエラーが検出され、修復が行われた場合は、再起動後にゲームの挙動を確認します。
電源設定と高速スタートアップを見直す
電源設定が極端に省電力寄りになっていると、高負荷ゲーム時にクロック変動が激しくなり、不安定さにつながる可能性があります。
- コントロールパネル → 「電源オプション」で「高パフォーマンス」または「バランス」を選択
- 「高速スタートアップを有効にする」を一度無効化して挙動を確認(シャットダウン→電源オンでテスト)
ストレージの空き容量と状態を確認する
- ゲームをインストールしているドライブの空き容量を最低でも 20% 以上確保する
- 管理者権限でコマンドプロンプトを開き、簡易チェックを実行
chkdsk /scan
必要に応じて、SSD の管理ツールでファームウェアアップデートがないか確認しておくと安心です。
イベントログの「見どころ」と典型的な原因の当たり
実際にログを開いたとき、特にゲームクラッシュと関係が深いイベントを表にまとめました。
| イベント / 症状 | よくある原因 | まず試す対処 |
|---|---|---|
| Kernel-Power 41 (突然の電源断・強制再起動) | 電源不足・電源劣化、急激な負荷変動、熱暴走、過度な OC | 温度の監視・改善、OC / XMP をすべて OFF、PSU 容量と配線の見直し |
| WHEA-Logger 18 / 19 | CPU / メモリ / PCIe デバイスのハードウェアエラー | XMP / EXPO OFF、CPU OC 無効、BIOS アップデート、メモリ検査・パーツ入れ替え |
| LiveKernelEvent 141 / 117 表示ドライバーの停止 | GPUドライバーの不安定、オーバークロック、オーバーレイの干渉、GPU 過熱 | GPUドライバーのクリーン再インストール、OC を標準に戻す、オーバーレイや常駐ツールを停止 |
| アプリケーションエラー 例外コード 0xc0000005 など | ゲームデータの破損、ランタイム不整合、メモリエラー、セキュリティソフトの干渉 | ゲームファイルの整合性チェック、ランタイムの再インストール、常駐ソフト縮小、メモリ診断 |
特に WHEA-Logger 18 / 19 は「CPU の電圧設定が攻めすぎている」「メモリの OC がギリギリ」など、限界ぎりぎりの設定で出やすいイベントです。Fortnite や HELLDIVERS 中だけ連発しているなら、定格設定での検証を強くおすすめします。
すぐ試せる 5 分チェックリスト
「とりあえず手短にできること」だけをまとめたチェックリストです。すべて行っても 30 分以内で終わるはずです。
- GPUドライバーをクリーンインストールする
- Discord / GeForce Experience / Afterburner などのオーバーレイ・常駐をすべてオフにする
- BIOS で XMP / EXPO・CPU / GPU の OC / アンダーボルトをすべて無効化して定格動作で試す
- ランチャーのゲームファイル整合性チェックを実行する
- 温度・クロック・消費電力をモニタリングし、落ちる直前の値をスクリーンショットに残す
この段階で症状が大きく変化する(頻度が下がる・別のエラーが出る)ようなら、その変化自体が原因特定のヒントになります。
Fortnite / HELLDIVERS 特有の注意点と設定のコツ
Fortnite:描画モードと FPS 制限で負荷を調整
Fortnite は描画モードや設定によって負荷が大きく変わります。クラッシュが続く場合、以下のような設定で「まず安定性重視」に振ってみましょう。
| 項目 | 安定性重視の例 |
|---|---|
| 描画モード | 一度「Performance(パフォーマンス)」または「DirectX 11」に変更してテスト |
| フレームレート制限 | モニターリフレッシュレート以下に設定(例:144Hz モニターなら 120fps など) |
| レイトレーシング等 | 一旦すべてオフにして様子を見る |
これで安定するようなら、GPU や電源周りの限界が近かった可能性が高く、設定を少しずつ戻しながら「落ちないギリギリ」を探っていくのが現実的です。
HELLDIVERS:高負荷時に VRAM / メモリが限界になっていないか
HELLDIVERS 系タイトルはシーンによって急に負荷が跳ね上がり、VRAM やメインメモリの使用量が一気に増える場面があります。以下を意識してみてください。
- テクスチャ品質や解像度を一段階下げてみる
- フルスクリーンとボーダーレスウィンドウを切り替えて挙動を比較
- タスクマネージャーやモニタリングツールで VRAM 使用量を確認する
メモリや VRAM が常にほぼ上限に張り付いている状態だと、ちょっとした負荷の波でクラッシュしやすくなります。
それでも直らない場合:ハードウェアクロステストと相談時のポイント
上記の手順を一通り行っても改善しない、あるいはブルースクリーンや電源断が続く場合は、ハードウェア故障や相性の可能性が濃厚です。
可能ならパーツを入れ替えてクロステスト
難しいケースも多いですが、もし別の PC や予備パーツがある場合は、次のように入れ替えテストを行うと原因が絞れます。
- 別の電源ユニットに交換して同じゲームをプレイしてみる
- メモリを別メーカー・別キットに変えてテスト
- GPU を入れ替えて、同じゲームで落ちるかどうかを確認
特定のパーツを変えた途端に安定するなら、そのパーツが原因である可能性が高いです。
ショップやサポートに相談するときに添えると良い情報
自力での切り分けが難しい場合は、購入店やメーカーサポート、コミュニティに相談することになります。その際、以下の情報を一緒に添えると話が非常にスムーズです。
- System.evtx / Application.evtx(エラーのみフィルターしたもの)
- ミニダンプ(
C:\Windows\Minidump\の .dmp を ZIP でまとめたもの) - DxDiag.txt と MSINFO32 の .nfo
- 信頼性モニターの画面キャプチャ(エラー発生時刻が分かるように)
- 「いつ」「どのゲームで」「何分くらいプレイすると」落ちるかという簡単なメモ
単に「Fortnite が落ちます」「HELLDIVERS で電源が落ちます」と伝えるよりも、これらの情報があるだけで、原因が数ステップで特定できることも珍しくありません。
まとめ:イベントログを味方につけて、原因を一つずつ潰す
ゲーム起動後数分でクラッシュする問題は、原因が多岐にわたるため「この設定を変えれば必ず直る」と言い切れません。しかし、
- イベント ビューアーと信頼性モニターで時刻とエラー名を押さえる
- GPUドライバー・オーバーレイ・ゲームファイル・ランタイムを順に疑う
- PCごと落ちる場合は、温度・OC・電源・メモリといったハード寄りを重点的にチェックする
- それでもダメなら、ログとミニダンプ・DxDiag を揃えて外部に相談する
という手順で進めれば、「何から手を付けていいか分からない」という状況からは確実に抜け出せます。Fortnite や HELLDIVERS のような重めのゲームは、PC の弱点をあぶり出す“負荷テスト”にもなります。この機会に、イベントログの見方や温度・電力のモニタリングにも慣れておくと、今後別のゲームでトラブルが起きたときにも必ず役に立ちます。

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