LiveKernelReports・WATCHDOGのdmpとは?削除の判断とGPUフリーズの調べ方

LiveKernelReports はWindowsの異常時に作られる診断用ダンプの保存先です。WATCHDOG にある .dmp を見つけても、それだけでGPU故障とは判断できません。まず発生時刻とダンプのコードを確認します。不要な古いダンプの整理は、画面フリーズの原因を直す操作とは別です。

目次

LiveKernelReportsとWATCHDOGのdmpは何か

Microsoftのライブダンプ資料は、OSを停止・再起動せずに異常時のメモリ状態を記録する仕組みと説明しています。ダンプの作成自体が必ずPCをフリーズさせる、という因果関係ではありません。

保存先・情報読み取れること
通常の保存先%systemroot%(通常はC:のWindows)内のLiveKernelReports。コンポーネントごとのサブフォルダーにもdmpが保存される
WATCHDOGダンプの分類を示すフォルダー名。実際のコードと記録内容を確認する
0x141VIDEO_ENGINE_TIMEOUT_DETECTED。表示エンジンが時間内に応答しなかったライブダンプのコード
0x117VIDEO_TDR_TIMEOUT_DETECTED。公式一覧でコード名を照合する

0x141の公式説明は、これはライブダンプ用の識別コードで、通常のブルースクリーンのbug checkには使われないと明記しています。ダンプのコードと、再起動後のイベント番号を同じものとして扱わないでください。

黒画面・ゲームの停止・PC全体の再起動を分けて記録すると、ダンプと症状を照合しやすくなります。

WATCHDOGのdmpは削除してよい?

診断用のメモリスナップショットという性質から、不要な過去のdmpは空き容量を確保するための整理対象にできます。ただし、調査中やメーカーへの問い合わせ前は、直近の再現時にできたファイルを保管してください。以下は診断資料を残してから整理する運用の提案です。削除がGPUフリーズの修正になるわけではありません。

  1. ゲームや作業を保存し、ダンプの書き込みが終わっている状態で確認します。
  2. エクスプローラーで C:\Windows\LiveKernelReports\WATCHDOG を開き、実際のdmpの名前・更新日時・サイズを確認します。Windowsが別のドライブなら実際の保存先を使います。
  3. 調査に必要なファイルを別の保存先へコピーし、コピーできたことを確認します。容量が大きい場合は保存先の空き容量も確認します。
  4. 不要と判断した古いdmpだけを選んで削除します。管理者の承認が必要な場合は正規の権限で操作し、アクセス権やフォルダー全体を強引に変更しないでください。

今後の調査に必要なダンプまで一括で消さず、発生時刻のメモを一緒に残してください。

フォルダーが再び増える場合は、新たな異常が記録されている可能性を調べます。作成日時と症状を照合してください。ファイルがない場合も、収集条件や取得できた内容に制約があるため、GPUが正常だとは証明できません。

ダンプを整理した後も、再現条件・ドライバー版・次の発生時刻を記録すると、容量の問題と再発の問題を区別できます。

ダンプを消して空き容量が増えたことと、同じ条件で画面フリーズが再発しなくなったことは別々に確認してください。

dmpを読むときはWinDbgでコードを確認する

  1. 調査用に保管したdmpをWinDbgで開きます。ファイルはテキストログではないため、拡張子をtxtへ変更しても解析にはなりません。
  2. MicrosoftのWinDbg解析ガイドに沿って、必要なシンボルの設定と !analyze による解析を行います。
  3. コード、関連モジュール、エラー、発生時刻を控え、同時刻の信頼性モニターやイベントログ、直前の更新と比較します。

解析にドライバー名が出ても、その名前だけで物理故障やドライバーの欠陥を確定しないでください。ダンプの一部のメモリが取得できていない場合もあります。解析が難しい場合は、結果と再現手順をメーカーへ渡します。

ダンプにはユーザーモードのメモリが含まれることがあります。公開掲示板へそのまま添付せず、サポートが指定する提出方法を使います。

タスクマネージャーから手動取得したライブダンプは、既定では %LocalAppData%\Microsoft\Windows\TaskManager\LiveKernelDumps に保存されます。公式の手動取得資料にあるこの場所を、システムが自動で作るWATCHDOGの場所と混同しないでください。

GPUフリーズの切り分けは変更履歴から始める

AMDの安定性トラブル資料は、ソフトウェアやハードウェアを変更する前に、発生時期と直前の更新、特定ゲームでの再現、機器変更を調べるよう案内しています。ドライバーだけに原因を絞らず、一度に1つの条件を変えて結果を記録します。

発生の条件まず調べること
ドライバー更新直後からGPU・PCメーカーの対応ドライバー、既知の問題、正常だった版との比較
特定ゲームだけゲームの更新、設定・Mod・オーバーレイの変更と、別ゲームでの再現
高負荷や時間経過で起きる機種の冷却状態、電源仕様、メーカー既定の動作設定
BIOS・メモリ設定変更後変更前の構成とメーカーが案内する既定設定。XMP等の追加設定も含めて確認

温度の数字や電源容量だけで部品交換を決めず、製品の仕様と発生条件をそろえて確認します。

ドライバーの更新・戻し・再インストール

正常だった版が分かる場合は、GPU・PCメーカーの案内に沿って戻せるか確認します。既知の問題は対象ドライバーのリリースノートで確認してください。ノートPC等では、PCメーカーの機種用パッケージも確認します。

AMDで通常の再インストールでは改善せず、クリーンアップが必要な場合はAMD Cleanup Utilityの公式手順を使う選択肢があります。これはAMDのグラフィックス/オーディオを削除し、AMDチップセットドライバーは変更しません。再インストールする対応パッケージを用意してから実施します。

  • Windows Updateの処理を完了してから進めます。
  • 公式手順ではセーフモードでの実行が推奨されています。画面が一時的に点滅・暗転することがあります。
  • 終了後は再起動が必要です。その後に対応ドライバーをインストールし、変更した版と再現結果を記録します。

DDUをAMD公式ツールとして扱わないでください。通常の更新のたびに削除ツールを使う必要がある、とも判断しないようにします。

BIOS・冷却・電源を確認するときの注意

まず製品の説明書とサポート手順を確認し、定格の設定、通気、ファン、接続、電源の対応仕様を調べます。一般的な温度の閾値や80 PLUS認証だけで正常・故障を判定できません。電源ユニット内部の分解を診断手順にしないでください。

BIOSの初期化・更新・旧版への変更を一括で行わず、機種メーカーが案内する対応方法で1項目ずつ確認します。

XMPなどの設定を変更していた場合は、メーカー既定の構成で比較します。原因を調べる段階でXMPを再度有効にすることを必須にしないでください。内部作業に不慣れな場合や保証対象の場合は、症状と資料をそろえてメーカーへ相談します。

TdrDelayの変更やダンプ抑止を修理の代わりにしない

MicrosoftのTDRレジストリ資料は、関連キーはドライバー開発時のテスト・デバッグ用で、一般利用者が変更すべきではないと明記しています。待ち時間の延長や検出の無効化を、フリーズの原因を直す手順として使わないでください。

ダンプを作らなくしただけでは、原因が解消したか確認できません。再発の有無と診断資料を分けて管理します。

問い合わせに残す情報

  • PC・GPU・電源の製品名、Windowsとドライバーの版
  • 発生日時、ゲームやアプリ名、黒画面だけか再起動まで起きるか
  • 直前の更新・設定・機器変更、試した操作とそれぞれの結果
  • 該当するdmpのコード・ファイル名・時刻と、メーカーが求めるシステム情報

メーカーへは「WATCHDOGがあった」だけでなく、再現条件と何を変えたかを一緒に伝えると、次の確認に進みやすくなります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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