Microsoft Loopの退職者データ保持が更新、Copilot Pagesの引き継ぎ手順と管理策

Microsoft LoopやCopilot Pagesに業務メモを残した社員が退職したとき、「上司へ自動的に引き継がれる」と考えているなら注意が必要です。Copilot Pages、Copilot Notebooks、Loopの「マイ ワークスペース」に保存された個人所有コンテンツは、OneDriveと同じ保持期間に従う一方、上司へのアクセス付与や通知は自動では行われません。

そのため管理者は、保持期間が切れる前に、後任者などを所有者として追加して必要なページをコピーさせるか、SharePoint PowerShellでコンテナー全体のプリンシパル所有者を変更する必要があります。アクセス権を付与しただけでは、データの保存は完了しません。

この記事では、2026年7月7日に更新されたMicrosoft 365ロードマップ項目421612と、同時期に具体化されたMicrosoft公式ドキュメントを基に、対象データ、利用条件、管理者の対応手順、失敗しやすいポイントを整理します。

目次

Microsoft Loop、Copilot Pages、Microsoft 365 appの今回の更新内容

Microsoft 365ロードマップの項目421612は、日本時間の2026年7月7日に更新され、ステータスは「Launched」となっています。一般提供時期は2026年4月、対象はWorldwideのStandard Multi-Tenant環境、プラットフォームはWeb、製品はMicrosoft 365 appとして掲載されています。(マイクロソフト)

今回のテーマは、Copilotの回答精度や生成AIモデルの更新ではありません。社員が退職した後に、個人所有のLoopワークスペースやCopilot Pagesを誰が、いつまでに、どのように保存するかというデータライフサイクルの更新です。

確認項目公式情報の内容
ロードマップID421612
ステータスLaunched
一般提供時期2026年4月
ロードマップ更新日2026年7月7日、日本時間
対象環境Worldwide、Standard Multi-Tenant
対象プラットフォームWeb
主な対象ユーザー所有のLoopワークスペース、Copilot Pagesなど
目的退職者のコンテンツが削除される前に、管理者や関係者が保存できるようにする

ロードマップでは、退職者のユーザー所有Loopワークスペースについて、保持と削除のワークフローを管理し、必要な関係者へアクセスを提供してデータを保存できるようにする機能として説明されています。(マイクロソフト)

ただし、Microsoftの管理者向け手順を確認すると、OneDriveのように上司へ自動委任される仕組みではありません。実際のオフボーディングでは、管理者による手動操作、またはPowerShellやPower Automateを組み合わせた自社運用が必要です。(Microsoft Learn)

結論:OneDriveと同じ保持期間でも引き継ぎは自動ではない

退職者のユーザーアカウントを削除すると、ユーザー所有のLoopコンテナーは、組織で設定しているOneDriveの削除済みユーザー保持期間に従います。

一方、引き継ぎ方法には大きな違いがあります。

項目退職者のOneDriveユーザー所有のLoopコンテナー
上司へのアクセス付与条件を満たすと自動委任される自動委任されない
上司への通知自動通知の仕組みがある自動通知されない
保存方法ファイルの移動やコピーLoopページなどを別のワークスペースへコピー
コンテナー全体の所有者変更OneDrive固有の引き継ぎで対応PowerShellでプリンシパル所有者を変更可能
管理者の操作一部自動化されている原則として手動対応が必要

Microsoftは、ユーザー所有のLoopコンテナーでは上司への自動委任や自動通知が行われないため、管理者が手動で引き継ぐ必要があると説明しています。保持期限までに処理しなければ、コンテンツは最終的に完全削除されます。(Microsoft Learn)

「後任者を所有者に追加した」ことと、「必要なデータを保存した」ことは別です。

所有者として追加された後任者は、保持期間中にページを別のワークスペースへコピーするなど、実際の保存作業を完了させる必要があります。単にアクセスできる状態にしただけでは、元のコンテナーが削除された際にコンテンツも失われます。(Microsoft Learn)

対象になるデータとデータ境界

今回のワークフローを正しく運用するには、「Loopで作成したコンテンツはすべて同じ場所に保存される」と考えないことが重要です。

ユーザー所有コンテナーに保存されるもの

次のコンテンツは、ユーザーごとに作成される1つのSharePoint Embeddedコンテナーを共有します。

  • Microsoft 365 Copilot appで作成したCopilot Pages
  • Copilot Notebooks
  • Microsoft Loopの「マイ ワークスペース」

コンテナー名は、最初にMicrosoft 365 Copilot appを使用した場合は「Pages」、最初にLoopを使用した場合は「My workspace」と表示されることがあります。ただし、SharePoint管理センターでは、いずれもアプリケーション名が「Loop」として表示されます。(Microsoft Learn)

コンテンツ主な保存先今回の退職者ワークフロー
Copilot Pagesユーザー所有のSharePoint Embeddedコンテナー対象
Copilot Notebooks同じユーザー所有コンテナー対象
Loopのマイ ワークスペース同じユーザー所有コンテナー対象
共有Loopワークスペーステナント所有またはグループ所有コンテナー同じ手順とは限らない
TeamsやOutlook内のLoopコンポーネントOneDriveまたはSharePoint各保存先のライフサイクルに従う

共有ワークスペースとは扱いが異なる

Loopコンテナーには、主に次の所有形態があります。

  • ユーザー所有:特定ユーザーにひも付く個人用コンテナー
  • テナント所有:組織で共有するLoopワークスペース
  • グループ所有:Microsoft 365グループなどに関連付けられたワークスペース

ロードマップ項目421612の中心は、ユーザー所有コンテナーです。チームで利用している共有ワークスペースまで、退職者個人のアカウント削除によって同じように削除されるわけではありません。(Microsoft Learn)

実務では、重要なプロジェクト情報を個人の「マイ ワークスペース」やCopilot Pagesだけに残さず、共有ワークスペースや管理されたSharePointサイトへ移すルールを設けると、退職時のリスクを減らせます。

利用条件と管理者が確認すべき前提

退職者コンテンツの管理を始める前に、環境、権限、ライセンス、保持期間を確認します。

確認項目主な条件
対象クラウドロードマップ上はWorldwideのStandard Multi-Tenant
管理者権限SharePoint Embedded Administrator
管理画面SharePoint管理センター
Copilot Pagesの利用OneDriveライセンスと有効なOneDriveサイト
Copilot Notebooksの利用Microsoft 365 CopilotまたはCopilot Chatのライセンス
LoopコンポーネントOneDriveまたはSharePointライセンス
Loopワークスペース対象ライセンスのLoopワークスペース用サービスプラン
削除済みユーザーの保持期間OneDriveの保持日数設定に従う

管理操作には、SharePoint Embedded AdministratorロールとSharePoint管理センターへのアクセスが必要です。(Microsoft Learn)

Copilot PagesにはOneDriveライセンスと有効なOneDriveサイトが必要です。Copilot Notebooksには、Microsoft 365 CopilotまたはCopilot Chatのライセンスが必要とされています。Loop側では、コンポーネントとワークスペースで必要なライセンス条件が異なります。(Microsoft Learn)

保持期間は30日から3650日の範囲で設定できる

SharePoint管理センターでは、「削除したユーザーのOneDriveにあるファイルを保持する日数」を30日から3650日の範囲で設定できます。ユーザー所有のLoopコンテナーも、このOneDriveの保持期間に従います。(Microsoft Learn)

保持期間を決める際は、単に長く設定すればよいわけではありません。次の期間を合計して、十分な余裕があるか判断します。

  1. 人事部門からIT部門へ退職情報が届くまでの日数
  2. 管理者が対象コンテナーを特定するまでの日数
  3. 部門責任者が保存要否を判断するまでの日数
  4. 後任者がPagesやLoopページを整理・コピーするまでの日数
  5. 作業完了を確認し、アクセス権を解除するまでの日数

たとえば保持期間が30日でも、退職情報の連携に10日、保存要否の判断に10日かかれば、実作業に使える期間は10日しか残りません。既存のOneDrive保持期間を、そのままLoopにも適用して問題がないか見直す必要があります。

退職者データを引き継ぐ2つの方法

Microsoftの公式手順では、必要なコンテンツだけを保存する方法と、コンテナー全体を恒久的に移管する方法が示されています。

比較項目後任者を所有者として追加プリンシパル所有者を変更
主な目的必要なコンテンツだけを選んで保存コンテナー全体を後任者へ引き継ぐ
操作方法SharePoint管理センターまたはPowerShellSharePoint PowerShell
元の退職者との関連元の退職者がプリンシパル所有者のまま新しいユーザーがプリンシパル所有者になる
削除スケジュール元の退職者にひも付いたまま新しい所有者を基準にリセットされる
後任者の作業ページやワークスペースをコピーする原則としてコンテナー全体を引き継ぐ
適した場面一部の業務情報だけ残したい個人コンテナー全体に継続利用価値がある
主な注意点コピーを忘れると削除される不要な個人メモまで引き継ぐ可能性がある

必要なコンテンツだけを保存する

通常の退職対応では、後任者やデータ管理担当者をコンテナーの所有者として追加します。その後、Container Redirect URLを渡し、必要なページを別のLoopワークスペースなどへコピーしてもらいます。

所有者として追加しても、プリンシパル所有者は退職者のままです。そのため、元の削除スケジュールは停止しません。(Microsoft Learn)

この方法は、次のようなケースに適しています。

  • プロジェクトの決定事項だけ残したい
  • 顧客対応の記録だけ共有ワークスペースへ移したい
  • 個人的な下書きや不要なページは引き継ぎたくない
  • 部門責任者が保存対象を選別する必要がある

コンテナー全体を恒久的に移管する

ユーザー所有コンテナー全体を引き継ぐ必要がある場合は、SharePoint PowerShellのSet-SPOContainerを使用して、プリンシパル所有者を変更します。

プリンシパル所有者を変更すると、新しい所有者がコンテナーのライフサイクル基準となり、退職者の削除スケジュールから切り離されます。(Microsoft Learn)

この方法が適するのは、たとえば次のケースです。

  • Copilot PagesやLoopのマイ ワークスペース全体が、特定業務のナレッジベースになっている
  • 後任者がページ構成を含めて継続利用する必要がある
  • ページ数が多く、個別コピーでは対応しきれない
  • 保存対象を選別するより、コンテナー全体を保持する方が合理的

ただし、個人的なメモや引き継ぐ必要のない情報まで含まれる可能性があります。恒久移管の前に、データ所有部門、情報管理部門、必要に応じて法務部門の承認を得る運用が安全です。

SharePoint管理センターで行う具体的な引き継ぎ手順

対象コンテナーを検索する

SharePoint管理センターで、次の順に対象を絞り込みます。

  1. SharePoint管理センターを開く
  2. 「Containers」から「Active containers」を開く
  3. Application nameを「Loop」で絞り込む
  4. 必要に応じてOwnership typeを「User」に絞り込む
  5. Principal ownerで退職者のユーザー名を検索する
  6. 対象コンテナーの内容、所有者、削除予定を確認する

Copilot Pages、Copilot Notebooks、Loopのマイ ワークスペースは、個別の製品名ではなく、アプリケーション名「Loop」として表示されます。Copilot Pagesだけを検索する専用フィルターがあるとは限らないため、プリンシパル所有者を基準に探す方法が確実です。(Microsoft Learn)

後任者を所有者として追加する

対象コンテナーを開き、Membershipから後任者またはデータ管理担当者をOwnerとして追加します。

Ownerを追加すると、そのユーザーはコンテナー内のすべてのコンテンツへアクセスできます。閲覧対象を一部のページだけに限定する操作ではないため、追加する相手は慎重に選定してください。(Microsoft Learn)

Container Redirect URLを共有する

Membershipで権限を追加した後、対象コンテナーのContainer Redirect URLを取得し、後任者へ共有します。

このURLを開くと、権限を持つユーザーはLoopから対象コンテナーへアクセスできます。割り当てられたコンテナーは、Loopのナビゲーション上で「Assigned」などの領域に表示されます。(Microsoft Learn)

通知には、少なくとも次の内容を含めます。

  • 対象となる退職者
  • 対象コンテナーへのURL
  • 保存作業の期限
  • 保存先となる共有ワークスペース
  • Copilot Notebookを再作成する必要があるか
  • 作業完了の報告方法
  • 問い合わせ先

「確認してください」だけでは作業が止まりやすいため、「何を、どこへ、いつまでにコピーするか」を明記することが重要です。

保存完了を確認してアクセスを解除する

後任者から完了連絡を受けたら、次の項目を確認します。

  • 必要なPagesやLoopページが移動またはコピーされている
  • コピー先を業務メンバーが閲覧できる
  • リンク先のファイルにアクセスできる
  • Copilot Notebookの参照情報が再構成されている
  • 保存対象と対象外の記録が残っている
  • 一時的に追加したOwner権限が解除されている

所有者として追加したアクセスが自動的に失効するとは限りません。一時アクセスとして運用する場合は、解除作業までオフボーディング手順に含めてください。PowerShellではRemove-SPOContainerUserを使用して追加した所有者を削除できます。(Microsoft Learn)

Copilot Notebookで特に失敗しやすいポイント

Copilot Notebookは、通常のLoopページと同じ感覚でコピーできるとは限りません。

ノートブック全体を一括移管する機能はない

Microsoftの公式手順では、Copilot Notebookを別ユーザーへ一括移管するワークフローは提供されていません。後任者は、新しいノートブックを作成し、必要な情報を手動で再構成します。(Microsoft Learn)

主な作業は次のとおりです。

  1. 新しいCopilot Notebookを作成する
  2. 必要なメンバーへ共有する
  3. 元のノートブックに登録されていた参照ファイルを追加する
  4. Copilot Pagesを新しい保存先へ移す
  5. 概要やカスタム指示を作り直す
  6. 回答や要約に必要な情報がそろっているか確認する

参照ファイルとノートブックの構成情報は別物

Copilot Notebookから参照していたWord、Excel、PowerPointなどのファイルは、元のOneDriveやSharePointに残ります。ユーザー所有コンテナーが削除されたからといって、参照元ファイルまで直ちに削除されるわけではありません。

一方、どのファイルを参照していたかというノートブック側の整理情報は失われる可能性があります。ファイル自体が残っていても、後任者が組み合わせを再現できなければ、実務上はナレッジを失った状態になります。(Microsoft Learn)

個別ノートブックのごみ箱を前提にしない

Copilot Notebooksには、エンドユーザーが個別に削除したノートブックを復元するためのごみ箱が用意されていません。管理者によるコンテナー単位の復旧可能性と、個別ノートブックの復元は分けて考える必要があります。(Microsoft Learn)

重要なノートブックは、退職時だけでなく、平常時から参照ファイル一覧や目的、カスタム指示を別途記録しておくと安全です。

管理者制御では2つの作成ポリシーを確認する

Copilot Pages、Copilot Notebooks、Loopのマイ ワークスペースは、同じユーザー所有コンテナーを共有します。そのため、個人用コンテナーの新規作成を防ぎたい場合、Copilot側とLoop側の両方を制御しなければなりません。

確認する主なポリシーは次の2つです。

ポリシー制御する主な機能
Create and view Copilot Pages and Copilot NotebooksCopilot PagesとCopilot Notebooks
Create Loop workspaces in LoopLoopのワークスペース作成

片方だけを無効にしても、もう片方のサービスからユーザー所有コンテナーが作成される可能性があります。個人用コンテナーを作成させない方針であれば、同じ対象ユーザーに対して両方のポリシーを無効にします。(Microsoft Learn)

なお、作成ポリシーを無効にしても、既存のコンテンツが自動削除されるわけではありません。権限を持つ既存コンテンツは、引き続き表示または編集できる場合があります。ポリシー変更を退職者データの削除手段として使わないでください。(Microsoft Learn)

コンプライアンス要件がある組織の確認事項

ユーザー所有のLoopコンテナーはSharePoint Embedded上に保存されるため、通常のSharePointサイトと同一の管理方法がすべて適用されるとは限りません。

Microsoftは、SharePoint Embeddedコンテナー内のコンテンツについて、Microsoft Purviewによる保持、法的保留、監査、エクスポートなどの管理手段を案内しています。一方、Information Barriersはサポートされていません。Information Barriersが必須となる環境では、Copilot PagesやCopilot Notebooksの作成を無効にする判断も必要です。(Microsoft Learn)

導入前または運用見直し時には、次の項目を確認してください。

  • 退職者のコンテンツがPurviewの保持ポリシー対象になっているか
  • 訴訟や調査に備えた法的保留の手順があるか
  • 管理者操作とコンテンツアクセスを監査できるか
  • Information Barriersが必須となる部門で利用を許可してよいか
  • Multi-Geo環境でユーザーの優先データ所在地を管理できているか
  • M&Aや組織再編でテナントをまたぐ移行が発生しないか

既存のSharePoint EmbeddedコンテナーをMicrosoft 365テナント間で移管する、サポート済みの一般的な方法は提供されていません。M&Aやクロステナント移行が予定されている組織では、コンテナーをそのまま移すのではなく、必要なコンテンツを事前に別の保存先へ移す計画が必要です。(Microsoft Learn)

PowerShellとPower Automateで大規模環境を効率化する

退職者が少ない組織では、既存の退職チェックリストへ手順を追加する方法でも対応できます。一方、毎月多数の入退社が発生する組織では、対象コンテナーの検索、アクセス付与、通知を自動化した方が漏れを防げます。

Microsoftも、大規模組織ではPowerShellによるアクセス処理と、Power Automateによる通知の自動化を検討できると案内しています。(Microsoft Learn)

ユーザー所有コンテナーを一覧化する

Loop Web Application IDを指定して、ユーザー所有コンテナーを抽出できます。

$loopAppId = 'a187e399-0c36-4b98-8f04-1edc167a0996'

Get-SPOContainer -OwningApplicationId $loopAppId |
    Where-Object OwnershipType -EQ 'UserOwned' |
    Format-Table

Loop Web Application IDと、Get-SPOContainerを使用した検索方法はMicrosoftの管理者向けドキュメントに記載されています。(Microsoft Learn)

後任者をOwnerとして追加する

Add-SPOContainerUser `
    -ContainerId '<container-id>' `
    -LoginName '[email protected]' `
    -Role Owner

Ownerを追加しても、そのユーザーがプリンシパル所有者になるわけではありません。複数のOwnerを設定できますが、プリンシパル所有者は1人です。(Microsoft Learn)

コンテナー全体のプリンシパル所有者を変更する

Set-SPOContainer `
    -Identity '<container-url-or-id>' `
    -CurrentPrincipalOwner '[email protected]' `
    -NewPrincipalOwner '[email protected]'

プリンシパル所有者の変更は、ユーザー所有コンテナーに対して実行します。処理中のコンテナーへ同じ変更を重ねて実行すると、不完全な状態になる可能性があるため、前の処理が完了してから次の操作を行ってください。事前検証には、利用可能な環境で-WhatIfを使う方法もあります。(Microsoft Learn)

一時的に追加したOwnerを削除する

Remove-SPOContainerUser `
    -ContainerId '<container-id>' `
    -LoginName '[email protected]' `
    -Role Owner

プリンシパル所有者は、このコマンドで単純に削除することはできません。必要な場合は、先に別のユーザーへプリンシパル所有権を移します。(Microsoft Learn)

自動化には承認工程を残す

退職情報を受け取った直後に、すべてのコンテナーを自動的に恒久移管する設計は避けた方が安全です。

実務では、次のような流れが適しています。

  1. 人事システムや退職申請から対象ユーザーを取得する
  2. PowerShellでユーザー所有コンテナーの有無を確認する
  3. 部門責任者へ保存要否を照会する
  4. 必要な場合だけOwnerを追加する
  5. Power Automateで保存期限とURLを通知する
  6. 作業完了を記録する
  7. 一時Ownerを削除する
  8. 恒久移管が必要な場合だけ、承認後にプリンシパル所有者を変更する

この設計なら、不要な個人データの引き継ぎを避けつつ、重要な業務情報の削除漏れも防げます。

自社で対応が必要か判断するチェック項目

次の表で、対応の優先度を判断できます。

状況対応判断
Copilot PagesまたはCopilot Notebooksを利用している退職手順への追加が必要
Loopのマイ ワークスペースを許可している退職手順への追加が必要
重要な業務情報を個人ワークスペースへ保存している優先度が高い
毎月複数の退職者が発生するPowerShellによる一覧化を推奨
OneDrive保持期間が30日など短い保持期間と社内処理日数の再確認が必要
法的保留や監査が必要Purviewを含む運用設計が必要
Information Barriersが必須利用制限を含めた再検討が必要
M&Aやクロステナント移行を予定している事前エクスポートやコピー計画が必要
個人用機能を全員に対して無効化している既存コンテナーがないか確認したうえで優先度を下げられる
共有のグループ所有ワークスペースだけを利用している今回の個人所有ワークフローの影響は限定的

「機能を無効化しているから対応不要」と判断する前に、既存のユーザー所有コンテナーを一度棚卸ししてください。ポリシーを後から無効化しても、すでに作成されたコンテンツは残るためです。

退職者対応に今すぐ追加すべき3つの作業

Microsoft LoopとCopilot Pagesの退職者データ保持では、OneDriveの保持期間を利用できます。しかし、OneDriveのような上司への自動委任や通知は行われません。

まず、Get-SPOContainerまたはSharePoint管理センターで、ユーザー所有コンテナーがどの程度存在するか確認します。次に、退職チェックリストへ「対象コンテナーの検索」「後任者へのアクセス付与」「保存完了の確認」「一時権限の解除」を追加します。

最後に、保存方法を明確に分けてください。必要な情報だけを残す場合はOwnerを追加してページをコピーし、コンテナー全体を継続利用する場合はプリンシパル所有者を変更します。

最も避けるべきなのは、アクセス権を付与した時点で引き継ぎが完了したと判断することです。保持期限、コピー先、完了確認者まで決めて初めて、退職者のLoopおよびCopilot Pagesデータを安全に引き継げます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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