Microsoft 365 Archiveでは、エンドユーザーがWeb版のOneDriveまたはSharePointからアーカイブ済みコンテンツを検索できます。検索結果を手掛かりに保存先のSharePointサイトを特定し、サイト全体がアーカイブされている場合は、SharePoint管理者へ再アクティブ化を依頼する流れです。
重要なのは、アーカイブ済みサイトの一覧を直接検索する機能ではなく、サイト内のファイルやファイル本文を検索し、再アクティブ化が必要なサイトを見つける機能だという点です。サイト単位でアーカイブされたコンテンツは、エンドユーザーが直接開いたり、サイトを自分で再アクティブ化したりすることはできません。(Microsoft Learn)
Microsoft 365 Archive Searchとは
Microsoft 365 Archive Searchは、サイトアーカイブまたはファイルアーカイブによって保管されたコンテンツを、エンドユーザーが検索できる機能です。
Microsoft 365 Roadmapでは、次の内容で公開されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| Roadmap ID | 494999 |
| 機能名 | Microsoft 365: M365 Archive Search |
| 公式ステータス | Launched |
| 対象クラウド | Worldwide(Standard Multi-Tenant) |
| 対応プラットフォーム | Web |
| 一般提供時期 | 2025年7月 |
この機能はWeb向けに一般提供されており、アーカイブ済みデータを検索可能にすることで、どのサイトを再アクティブ化すべきかエンドユーザーが判断できるようにすることを目的としています。
検索できるのはアクセス権のあるコンテンツだけ
アーカイブ済みコンテンツの検索には、通常のMicrosoft 365検索と同様にアクセス許可のトリミングが適用されます。
そのため、検索結果に表示されるのは、原則として自分がアクセス権を持っているコンテンツだけです。また、ファイル名だけでなく、ファイル本文に含まれる文字列も検索対象になります。(Microsoft Learn)
例えば、ファイル名を覚えていなくても、次のような語句から見つけられる可能性があります。
- プロジェクト名
- 顧客名や取引先名
- 年度や会議名
- 文書内に記載されていた固有の表現
- 製品名や案件番号
OneDriveからアーカイブ済みコンテンツを検索する方法
OneDriveのWeb版では、検索結果にある[アーカイブ済み]の絞り込みを利用します。
検索手順
- ブラウザーでMicrosoft 365にサインインします。
- Web版のOneDriveを開きます。
- 画面上部の検索欄に、探しているファイルに関係するキーワードを入力します。
- 検索結果画面で[アーカイブ済み]の絞り込みを選択します。
- 表示されたファイル名や保存場所から、対象のSharePointサイトを確認します。
- 必要なファイルを開き、アーカイブ状態と再アクティブ化方法を確認します。
Microsoftの公式案内では、OneDrive Web検索で[アーカイブ済み]のピルを選択すると、ファイル単位でアーカイブされたコンテンツと、アーカイブ済みサイト内のコンテンツの両方が検索結果に返されます。(Microsoft Learn)
検索キーワードの組み合わせ例
一般的な単語だけでは結果が多くなりやすいため、2つ以上の条件を組み合わせるのが効果的です。
| 探しているもの | 検索キーワードの例 |
|---|---|
| 過去の事業計画 | 事業名、年度、計画 |
| 顧客向け提案書 | 顧客名、製品名、提案 |
| 会議資料 | 会議名、開催月、議題 |
| 引き継ぎ資料 | 部署名、担当者名、引き継ぎ |
| 契約関係の文書 | 取引先名、契約、更新年度 |
ファイル名を完全に覚えていない場合は、文書内で使われていた固有名詞を優先してください。「資料」「報告書」などの一般的な語句だけで検索すると、必要な結果を絞り込みにくくなります。
SharePointからアーカイブ済みコンテンツを検索する方法
SharePointのWeb検索からも、アーカイブ済みコンテンツを探せます。
Microsoftの検索概要では、SharePoint Web検索で[ファイルの種類]ドロップダウンを開き、[アーカイブ済み]を選択して検索結果に含める手順が案内されています。(Microsoft Learn)
検索手順
- ブラウザーでSharePointを開きます。
- 検索欄にプロジェクト名やファイル内のキーワードを入力します。
- 検索結果の絞り込みを開きます。
- [ファイルの種類]から[アーカイブ済み]を選択します。
- 結果に表示されたファイルの保存場所やサイト名を確認します。
画面上の名称や配置はMicrosoft 365の更新や表示言語によって変わることがあります。[アーカイブ済み]がすぐに見つからない場合は、検索結果画面のフィルターやファイル種類のメニューを確認してください。
検索結果から再アクティブ化すべきサイトを特定する
検索結果にアーカイブ済みファイルが表示されても、すぐにサイト全体の再アクティブ化を依頼するのではなく、まず次の情報を確認します。
- ファイル名
- 保存先のサイト名
- サイトURL
- ドキュメントライブラリ名
- ファイルが必要な業務上の理由
- 必要な利用期間
- 同じサイト内でほかに必要なコンテンツがあるか
Microsoft 365 Archive Searchは、アーカイブ済みコンテンツの発見を支援する機能です。検索結果から保存先サイトを確認し、そのサイトを再び利用する必要があるか判断するところまでが、エンドユーザー側の主な役割になります。
サイトURLを記録してから管理者へ依頼する
管理者に「昔のサイトを戻してください」とだけ伝えると、対象サイトを特定できないことがあります。
最低でも次の内容を添えて依頼してください。
件名:Microsoft 365 Archiveサイト再アクティブ化依頼
対象サイト名:営業企画2024
対象サイトURL:検索結果に表示されたURL
必要なファイル:製品A_販売計画.xlsx
利用目的:次年度計画の比較資料として参照するため
希望時期:8月10日まで
利用予定期間:確認後、再アーカイブ可能
利用予定期間まで伝えると、管理者は「恒久的にアクティブへ戻すのか」「一時的に戻して再アーカイブするのか」を判断しやすくなります。
ファイルアーカイブとサイトアーカイブの違い
検索結果には、ファイル単位でアーカイブされたものと、サイト全体のアーカイブに含まれるものが混在する可能性があります。
両者では再アクティブ化できる人が異なります。
| 比較項目 | ファイル単位のアーカイブ | サイト全体のアーカイブ |
|---|---|---|
| アーカイブ対象 | 個別のファイル | SharePointサイト全体 |
| エンドユーザーによる再アクティブ化 | 読み取り権限があれば可能 | 原則として不可 |
| 操作場所 | Web版SharePointまたはOneDrive | SharePoint管理センター |
| 必要な権限 | 対象ファイルの読み取り権限 | SharePoint管理者など |
| アクセス回復までの時間 | 状態によって即時または最大24時間 | 状態によって即時または最大24時間 |
| 再アクティブ化時の注意 | ファイルの再アクティブ化料金は不要 | 推定価格の確認画面が表示される場合がある |
ファイル単位でアーカイブされている場合、読み取りアクセス権を持つユーザーは、ファイルが保存されているSharePointまたはOneDriveから[再アクティブ化]を実行できます。処理が完了すると、開始したユーザーにメールが届きます。(Microsoft Learn)
一方、アーカイブ済みサイト内のファイルは、サイトそのものをSharePoint管理者が再アクティブ化するまでアクセスできません。検索結果にファイルが表示されることと、その場でファイルを開けることは別です。(Microsoft Learn)
[再アクティブ化の要求]ボタンが表示される場合
管理者が申請先のURLを設定している組織では、アーカイブ済みコンテンツへアクセスしたときに[再アクティブ化の要求]ボタンが表示されます。
ボタンを押すと、管理者が指定した次のような申請先へ移動します。
- Microsoft Formsで作成した申請フォーム
- 社内の問い合わせフォーム
- ITサービス管理システム
- SharePoint上の申請ページ
- 社内ヘルプデスクのチケット作成画面
このボタンは自動的に表示されるものではありません。管理者がリダイレクトURLを設定していない場合、[再アクティブ化の要求]ボタンは表示されません。(Microsoft Learn)
ボタンがない場合は、検索結果からサイト名とURLを記録し、社内のSharePoint管理者またはヘルプデスクへ連絡してください。
管理者が再アクティブ化申請先を設定する方法
SharePoint管理者は、Set-SPOTenantコマンドレットの-ArchiveRedirectUrlを使って、再アクティブ化申請先を設定できます。
Set-SPOTenant -ArchiveRedirectUrl "https://<tenant>.sharepoint.com/sites/ArchiveRequest"
設定を削除する場合は、空文字を指定します。
Set-SPOTenant -ArchiveRedirectUrl ""
複数地域テナントでは、地域ごとにURLを設定する必要があります。リダイレクトURLが設定されていない環境では、エンドユーザーに[再アクティブ化の要求]ボタンは表示されません。(Microsoft Learn)
申請フォームに入れておきたい項目
管理者が申請フォームを用意する場合は、少なくとも次の項目を設けると運用しやすくなります。
- 申請者
- 対象サイト名
- 対象サイトURL
- 必要なファイルやフォルダー
- 再アクティブ化の理由
- 利用開始希望日
- 利用終了予定日
- サイト所有者または承認者
- 再アーカイブの可否
検索機能と申請フォームを連携させることで、「どのサイトを戻せばよいか分からない」という問い合わせを減らせます。
管理者がサイトを再アクティブ化する流れ
サイト全体がアーカイブされている場合は、SharePoint管理者などが管理センターで操作します。
- SharePoint管理センターを開きます。
- [アーカイブ済みサイト]で対象サイトのURL、状態、ストレージを確認します。
- 対象サイトを選択します。
- コマンドバーから[アーカイブ]を開きます。
- [再アクティブ化]を選択します。
- 推定価格の確認画面が表示された場合は、内容を確認して実行します。
- サイトが[再アクティブ化中]から[アクティブ]へ移動するまで確認します。
再アクティブ化が完了すると、サイトは[アクティブなサイト]へ戻り、原則としてアーカイブ前のアクセス許可、リスト、ページ、ファイル、フォルダー構造、サイトレベルのポリシー、メタデータが復元されます。また、サイトのストレージ使用量は再び通常のストレージクォータへ計上されます。(Microsoft Learn)
ただし、アーカイブ中もごみ箱内のコンテンツは通常どおり期限切れになります。保持ポリシーによって削除対象になったコンテンツも、アーカイブ中だからといって削除が止まるわけではありません。(Microsoft Learn)
再アクティブ化にかかる時間
再アクティブ化にかかる時間は、アーカイブ後の経過日数と現在の状態によって異なります。
| アーカイブ状態 | 状態の説明 | 再アクティブ化時間の目安 |
|---|---|---|
| 最近アーカイブされた | アーカイブ後7日以内 | 原則として即時 |
| アーカイブ済み | アーカイブから7日経過後 | 最大24時間 |
| 再アクティブ化中 | 復元処理を実行中 | 完了まで待つ |
アーカイブから7日以内であれば、再アクティブ化は即時に行われます。7日を過ぎて通常のアーカイブ済み状態になると、完了まで最大24時間かかる場合があります。(Microsoft Learn)
緊急の業務で必要な場合でも、依頼直後に利用できるとは限りません。締切が決まっている資料は、少なくとも前日までに検索と申請を済ませておくのが安全です。
アーカイブ済みコンテンツが検索結果に出ないときの確認事項
Web版を利用しているか
Roadmap ID 494999の対応プラットフォームはWebです。デスクトップアプリ内の検索だけで判断せず、ブラウザー版のOneDriveまたはSharePointを確認してください。
[アーカイブ済み]の絞り込みを選択したか
通常の検索結果だけを見ていると、アクティブなコンテンツのみを確認してしまうことがあります。
OneDriveでは[アーカイブ済み]の絞り込み、SharePointでは検索結果のフィルターにある[アーカイブ済み]を確認します。(Microsoft Learn)
自分にアクセス権があるか
検索結果にはアクセス許可のトリミングが適用されます。過去に閲覧できなかったサイトや、権限を持っていないサイト内のコンテンツは表示されません。(Microsoft Learn)
対象サイトが存在することは分かっているのに検索できない場合は、サイト名、過去の所有者、部署名などを管理者へ伝えて確認を依頼します。
検索語が一般的すぎないか
「会議」「資料」「報告」だけでは、結果を絞り込めません。
次のように、固有名詞を追加してください。
新製品A 2024 販売計画取引先名 契約 更新システム更改 移行手順部門名 予算 令和6年度
Microsoft 365 Copilotで探していないか
アーカイブ済みコンテンツは、Microsoft 365 Copilotのクエリでは使用されません。
「Copilotに質問すれば古い資料を探せる」と考えず、OneDriveまたはSharePointのWeb検索を利用してください。(Microsoft Learn)
ファイルを開けないことを削除と判断していないか
アーカイブ済みコンテンツは直接アクセスできないため、開こうとするとサイトまたはファイルがアーカイブされていることを示すメッセージが表示されます。
開けないからといって、データが削除されたとは限りません。まず保存先へ移動し、ファイル単位のアーカイブなのか、サイト全体のアーカイブなのかを確認します。(Microsoft Learn)
再アクティブ化すべきか判断する基準
検索で必要なファイルを見つけた後は、サイトを本当に再アクティブ化すべきか判断します。
再アクティブ化を検討しやすいケース
- 継続中の業務で複数のファイルを利用する
- 監査や契約更新で原本を確認する必要がある
- 後任者が過去の経緯を参照する
- サイト内のリストやページも再利用する
- 一時的な閲覧ではなく、編集や共同作業を再開する
目的を明確にした方がよいケース
- 必要なのが1つのファイルだけ
- 同じ資料が別のアクティブなサイトにも保存されている
- 内容確認後は再び利用する予定がない
- サイト所有者や責任部署が不明
- 機密情報を含み、アクセス権の再確認が必要
Microsoft 365 Archive Searchは、必要なデータを見つけるための入口です。検索結果が出たからといって、すべてのサイトをアクティブへ戻す必要はありません。
管理者は、申請理由、利用期間、ストレージへの影響、サイト所有者を確認したうえで、再アクティブ化後に再びアーカイブする時期まで決めておくと、サイトが放置されにくくなります。
Microsoft 365 Archive Searchを使うときの要点
Microsoft 365 Archiveでアーカイブ済みサイトを探す場合は、Web版のOneDriveまたはSharePointで、ファイル名や本文に含まれるキーワードを検索し、[アーカイブ済み]で絞り込みます。
検索結果から保存先サイトを特定した後の対応は、アーカイブの単位によって異なります。
- ファイル単位のアーカイブなら、読み取り権限を持つユーザーが再アクティブ化できる
- サイト全体のアーカイブなら、SharePoint管理者への依頼が必要
- 依頼時はサイト名、URL、必要なファイル、利用目的、利用期間を伝える
- [再アクティブ化の要求]ボタンがない場合は、社内ヘルプデスクへ直接申請する
- Microsoft 365 Copilotではなく、OneDriveまたはSharePointのWeb検索を使う
まずはWeb版OneDriveで、プロジェクト名や取引先名などの固有キーワードを入力し、[アーカイブ済み]の絞り込みを有効にしてください。必要なコンテンツが見つかったら、保存先サイトを確認して再アクティブ化の要否を判断します。

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