Microsoft 365のSharePoint Site Usage Report変更点|最終アクティビティ日を解説

Microsoft Learnの公式情報が2026年6月15日に更新され、Microsoft 365管理センターの「SharePoint Site Usage Report」で、最終アクティビティ日(UTC)が更新される条件が具体化されました。

結論として、今回の中心は新機能の追加や画面変更ではありません。ファイルの閲覧・削除・同期、共有リンクの作成、ページ表示など、サイトを「アクティブ」と判定する操作が明確になった点が重要です。一般ユーザーの対応は不要ですが、最終アクティビティ日を基準に休眠サイトを整理している管理者は、判定ルールを見直す必要があります。(Microsoft Learn)

目次

Microsoft 365のSharePoint Site Usage Reportは何が変わったのか

2026年6月15日の公式情報では、「最終アクティビティ日(UTC)」を更新するイベントが、次の5グループに分類されました。

  • ActiveFiles
  • AnonymousLinkShared
  • CompanyLinkShared
  • FilesSynced
  • PagesViewed

さらに、それぞれのグループに含まれる具体的な監査ログイベントも公開されています。

公式ページ上では、新しい列の追加、管理画面の大幅な変更、テナント側での機能有効化などは案内されていません。今回の変更は、既存レポートの数字をどのように解釈すべきかを明確にした更新と考えるのが適切です。(Microsoft Learn)

確認項目2026年6月15日の更新内容
レポート画面新画面や新しい列の追加は記載なし
主な変更最終アクティビティ日を更新するイベントを明文化
管理上の影響休眠サイトや削除候補サイトの判定基準を見直す必要がある
一般ユーザーへの影響通常のSharePoint操作に直接的な変更はない
管理者の対応既存の棚卸しルールとイベント定義を照合する

SharePoint Site Usage Reportで確認できること

SharePoint Site Usage Reportは、SharePoint管理センターの「アクティブなサイト」とは異なり、Microsoft 365管理センターから確認する使用状況レポートです。

表示手順は次のとおりです。

  1. Microsoft 365管理センターを開く
  2. 「レポート」を選択する
  3. 「使用状況」を選択する
  4. レポート一覧から「SharePoint」を選択する
  5. 「サイトの使用状況」タブを開く

レポートでは、過去7日、30日、90日、180日の傾向を表示できます。列の追加・削除やCSV形式でのエクスポートにも対応しています。(Microsoft Learn)

主に確認できる項目は次のとおりです。

分類主な項目
サイト情報サイトURL、サイトID、所有者、地域、ルートWebテンプレート
利用状況最終アクティビティ日、ファイル数、アクティブファイル数
容量使用済みストレージ、割り当て済みストレージ
閲覧状況ページビュー、アクセスされた一意のページ数
共有状況匿名リンク、組織内リンク、ゲスト向けリンク、メンバー向けリンク
ガバナンス秘密度ラベル、外部共有設定、管理対象外デバイスのポリシー

使用状況データはリアルタイムではありません。Microsoftの案内では、通常は24~72時間以内に利用可能になりますが、数日かかる場合もあります。確認直前の操作が反映されていなくても、すぐに障害とは判断しないようにしましょう。(Microsoft Learn)

最終アクティビティ日を更新する5つのイベントグループ

今回の更新で最も重要なのが、どの操作によって最終アクティビティ日が更新されるかという点です。

イベントグループ含まれる主なイベント管理上の意味
ActiveFilesFileAccessed、FileCheckedIn、FileCheckedOut、FileCheckOutDiscarded、FileCopied、FileDeleted、FileDownloaded、FileModified、FileMoved、FileRenamed、FileRestored、FileUploadedファイルの閲覧や編集だけでなく、削除、移動、名前変更、ダウンロードでも更新される
AnonymousLinkSharedAnonymousLinkCreated、AnonymousLinkUpdated「リンクを知っている全員」が利用できる匿名リンクの作成・更新が対象
CompanyLinkSharedCompanyLinkCreated組織内のユーザー向けリンクの作成が対象
FilesSyncedFileSyncDownloadedFull、FileSyncDownloadedPartial、FileSyncUploadedFull、FileSyncUploadedPartialOneDrive同期アプリによるダウンロードやアップロードも対象
PagesViewedPageViewed、ClientViewSignaledSharePointページの表示や、Web・モバイルクライアントからの表示通知が対象

FileSyncDownloadedPartialとFileSyncUploadedPartialは、旧OneDrive同期アプリのGroove.exeとともに非推奨になったイベントですが、公式表にはイベント定義として掲載されています。(Microsoft Learn)

ファイルを削除しただけでもアクティブと判定される

FileDeletedも対象イベントに含まれます。

たとえば、長期間使われていなかったサイトで、管理者が不要ファイルを1件削除すると、その操作によって最終アクティビティ日が更新される可能性があります。

そのため、最終アクティビティ日が新しいというだけでは、利用部門がサイトを業務で継続利用しているとは判断できません。

同期処理だけで日付が更新されることがある

OneDrive同期アプリによるアップロードとダウンロードも対象です。

ユーザーがブラウザーでSharePointサイトを開いていなくても、同期対象ファイルに変更があればアクティビティとして扱われます。ブラウザー利用の有無を調べたい場合は、最終アクティビティ日だけでなく、ページビューなども併せて確認する必要があります。

ページ表示とファイル表示は同じではない

PageViewedはSharePointページの表示を表しますが、ブラウザーからドキュメントライブラリ内のファイルを表示した操作は除外されます。

「ページビューが少ないため使われていない」と判断しても、実際にはドキュメントライブラリを中心に利用されている可能性があります。

システムアカウントによる操作にも注意する

公式のイベント説明では、FileAccessedとFileModifiedにユーザーだけでなくシステムアカウントによる操作も含まれます。

したがって、最近の日付が表示されていても、人が業務目的で利用したとは限りません。重要な削除判断では、監査ログやサイト所有者への確認を組み合わせる必要があります。(Microsoft Learn)

5分以内の同一操作は繰り返し記録されない場合がある

次のイベントには、同じユーザーと対象に対する操作を5分間再記録しない仕組みがあります。

  • FileAccessed
  • FileModified
  • PageViewed

短時間に同じファイルやページを何度も開いても、すべてが個別イベントとして記録されるわけではありません。レポートや監査ログの件数を、実際のクリック回数と同一視しないことが重要です。(Microsoft Learn)

誰に影響する変更なのか

対象者影響度確認すべきこと
SharePoint管理者高い休眠サイトや削除候補の抽出条件
Microsoft 365管理者高いレポート閲覧権限、匿名化設定、CSV運用
情報システム・ガバナンス担当者高い保持、アーカイブ、外部共有の確認手順
レポートを自動処理している担当者高い最終アクティビティ日の判定ロジック
サイト所有者中程度管理者から継続利用の確認を求められる可能性
一般ユーザー低い通常は対応不要

特に影響が大きいのは、次のような条件で削除候補を自動抽出している組織です。

最終アクティビティ日が180日以上前
→ 休眠サイトとして所有者に通知
→ 応答がなければアーカイブまたは削除

今回の定義を踏まえると、ファイル削除や同期処理で日付が更新されたサイトが候補から外れる可能性があります。反対に、ページビューがなくてもファイル中心で利用されているサイトを誤って休眠扱いする可能性もあります。

設定・更新・移行・料金・期限の確認結果

項目確認結果
管理設定レポート閲覧権限と、サイトURLなどの匿名化設定を確認する
アプリの更新クライアントアプリの更新指示は記載されていない
テナント設定の変更新機能を有効化するための設定変更は案内されていない
データ移行移行作業や既存データの変換は案内されていない
CSV形式の変更新しい列やスキーマ変更は公式ページで案内されていない
追加料金今回の更新に伴う追加料金の案内はない
対応期限管理者が設定変更を完了すべき期限は案内されていない
推奨対応休眠サイト判定や自動処理のルールを見直す

「追加料金の案内がない」ことは、すべての契約で無条件に利用できることを意味しません。実際の利用可否は、組織が契約しているMicrosoft 365プランと管理者権限を確認してください。

レポートを見るために必要な管理者権限

Microsoft 365の使用状況レポートは、次のいずれかのロールを持つ管理者が閲覧できます。

  • グローバル管理者
  • SharePoint管理者
  • レポート閲覧者
  • 使用状況概要レポート閲覧者
  • Exchange管理者
  • Teams管理者
  • Teams通信管理者
  • ユーザーエクスペリエンス成功マネージャー
  • AI管理者

使用状況概要レポート閲覧者など、一部のロールではユーザーの詳細情報を確認できません。

Microsoftは、必要最小限の権限を使用することを推奨しています。レポート確認のためだけにグローバル管理者を常用せず、レポート閲覧者やSharePoint管理者など、業務に合ったロールを選びましょう。(Microsoft Learn)

サイトURLや所有者が表示されない場合の確認方法

Microsoft 365の使用状況レポートでは、プライバシー保護のため、ユーザー名、グループ名、サイト情報などが既定で非表示になります。

SharePoint Site Usage Reportでは、サイトIDやサイトURLも匿名化設定の対象です。必要な情報が表示されない場合は、グローバル管理者が次の設定を確認します。

  1. Microsoft 365管理センターで「設定」を開く
  2. 「組織設定」を選択する
  3. 「サービス」タブを開く
  4. 「レポート」を選択する
  5. 非表示になっているユーザー、グループ、サイト名を表示する設定を有効化する
  6. 設定を保存する

変更の反映には数分かかる場合があります。また、この設定はMicrosoft GraphやPower BIで取得する使用状況レポートにも適用され、識別可能な情報を表示した操作はMicrosoft Purviewの監査ログに記録されます。組織のプライバシーポリシーを確認してから変更してください。(Microsoft Learn)

なお、BYOKまたはCustomer Lockboxが有効な環境では、匿名化設定とは別の理由でSharePointサイトURLが表示されない場合があります。(Microsoft Learn)

管理者が今すぐ行うべき確認手順

180日レポートをCSVで保存する

まず、「サイトの使用状況」で180日を選択し、次の列を含めてCSVをエクスポートします。

  • サイトURL
  • サイト所有者
  • 最終アクティビティ日(UTC)
  • ファイル数
  • アクティブファイル数
  • 使用済みストレージ
  • ページビュー
  • 外部共有
  • 匿名リンク数
  • 秘密度ラベル

日本時間はUTCより9時間進んでいます。日本時間の午前0時から午前8時59分までに行われた操作は、UTC基準では前日として扱われる可能性があるため、日付境界の判断に注意してください。

削除候補ではなく確認候補として抽出する

最終アクティビティ日が古いサイトを、すぐに削除対象にしてはいけません。まずは「確認候補」として抽出します。

状況推奨する確認
日付が古く、容量も小さい所有者に継続利用の有無を確認
日付は新しいがページビューがない同期やファイル操作の有無を確認
日付更新の直前にファイルが削除されている整理作業による更新ではないか確認
所有者が退職・異動している新しい業務責任者を特定
外部共有が有効削除前に共有先と契約上の保持要件を確認
秘密度ラベルが設定されている保持・コンプライアンスポリシーを確認

監査ログとサイト所有者の確認を組み合わせる

重要なサイトでは、次の情報を組み合わせて判断します。

  1. SharePoint Site Usage Reportの最終アクティビティ日
  2. ファイル数とストレージ使用量
  3. ページビューとアクティブファイル数
  4. Microsoft Purviewの監査ログ
  5. サイト所有者または利用部門への確認
  6. 保持ポリシー、秘密度ラベル、外部共有設定

最終アクティビティ日は便利な一次スクリーニング指標ですが、削除可否を確定する証拠ではありません。

SharePoint Site Usage Reportで失敗しやすいポイント

アクティブファイル数が現在のファイル数より多い

レポート期間中にファイルが削除された場合、アクティブファイル数が現在のファイル数を上回ることがあります。

これは集計ミスとは限りません。アクティブファイル数は指定期間中に活動があったファイルを基準にする一方、ファイル数は現在の状態を示すためです。(Microsoft Learn)

外部共有の列だけで有効な設定を判断する

サイトの秘密度ラベルによって外部共有設定が変更されている場合、SharePoint Site Usage Reportの「外部共有」列には、実際に有効な設定が反映されないことがあります。

秘密度ラベルを使用している組織では、データアクセスガバナンスレポートも併用してください。(Microsoft Learn)

SharePoint管理センターのサイト数と一致しない

Site Usage Reportと、SharePoint管理センターの「アクティブなサイト」では、表示されるサイト数が一致しない場合があります。

一部のサイトテンプレートやURLが「アクティブなサイト」に含まれないことがあるためです。差分を見つけても、直ちにデータ欠損とは判断できません。(Microsoft Learn)

選択した日付を基準に28日分表示されると思い込む

レポートで特定の日を選択した場合、表に表示されるデータ範囲は、その選択日からではなく、現在の日付から最大28日間です。

過去の日付をクリックして当時の完全なサイト一覧を再現できるわけではない点に注意してください。(Microsoft Learn)

今回の変更で管理者が見直すべきこと

2026年6月15日の更新で重要なのは、SharePoint Site Usage Reportの最終アクティビティ日が、単純なファイル編集日ではないと明確になったことです。

ファイルのアクセス、削除、ダウンロード、同期、共有リンクの作成、ページ表示など、複数の操作で日付が更新されます。管理者は、既存の休眠サイト抽出処理やCSV分析ルールが「最終アクティビティ日だけで利用状況を確定する設計」になっていないか確認してください。

まず180日レポートをCSVで出力し、削除候補を数件抽出します。そのうえで、監査ログとサイト所有者への確認を加え、現在の判定ルールで誤判定が起きないか検証することが、最初に取るべき対応です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

コメント

コメントする

目次