Microsoft Learnの「Creating a Dataflow (legacy) – Power BI」は、Power BIの従来型データフロー、つまり Dataflow Gen1 の作成方法を説明する公式ドキュメントです。結論から言うと、既存のDataflow Gen1はすぐに使えなくなるわけではありませんが、MicrosoftはDataflow Gen1を「legacy」状態と位置付け、新規のデータ準備・統合プロジェクトでは Dataflow Gen2 in Data Factory for Microsoft Fabric の利用を推奨しています。(Microsoft Learn)
そのため管理者が今すぐ確認すべきことは、「従来の作成手順」そのものよりも、既存のPower BIデータフローがどこで使われているか、Premium・Pro・PPU・Fabric容量のどれに依存しているか、移行時に更新が必要な接続先や更新スケジュールがどれだけあるかです。この記事では、「Creating a Dataflow (legacy) – Power BI」の内容をもとに、影響範囲、設定変更、移行期限、管理者が確認すべきポイントを実務目線で整理します。
Creating a Dataflow (legacy) – Power BIとは何か
「Creating a Dataflow (legacy) – Power BI」は、Power BIサービス上でDataflow Gen1を作成する方法を説明するMicrosoft Learnの記事です。Dataflow Gen1は、Power BIワークスペース内でテーブルを作成・管理し、Power Queryを使ってデータの取得、変換、更新スケジュール管理を行うための仕組みです。Microsoft Learnでは、データフローはPower BIサービスのワークスペースで管理するテーブル群であり、My Workspaceでは利用できないと説明されています。(Microsoft Learn)
従来、Dataflow Gen1は次のような用途で使われてきました。
- Excel、SQL Server、Azure SQL、SharePointなどからデータを取得し、Power Queryで整形する
- 複数のPower BIレポートで共通利用するマスターデータや日付テーブルを作る
- セマンティックモデルの前段で、データクレンジングや列加工を共通化する
- 部門単位で再利用可能なデータ準備レイヤーを作る
ただし現在の公式情報では、Dataflow Gen1は新機能投資の対象外となり、新規プロジェクトではDataflow Gen2が推奨されています。つまり、Dataflow Gen1は「今あるものを維持する機能」として見直し、今後の拡張はGen2を前提に設計する段階に入っています。(Microsoft Learn)
今回の更新ポイントは「作成手順」よりもレガシー化の明確化
「Creating a Dataflow (legacy) – Power BI」で最も重要なのは、従来の作成方法が残っている一方で、ページ名と案内内容がDataflow Gen1のレガシー状態を明確に示している点です。
Microsoftは、Dataflow Gen1について「legacy state」であり、今後の新機能投資は行わないと説明しています。新しいデータ準備やデータ統合プロジェクトでは、Power Query体験を継承しつつ、より多くの出力先、パイプライン連携、組み込みAIなどを備えるDataflow Gen2の作成を推奨しています。(Microsoft Learn)
管理者が受け止めるべき意味
この変更は「明日からDataflow Gen1が停止する」という意味ではありません。実務上は、次のように捉えるのが現実的です。
| 観点 | これまでの見方 | 今後の見方 |
|---|---|---|
| 新規作成 | Power BI内の標準的なデータ準備手段 | 原則としてDataflow Gen2を優先検討 |
| 既存運用 | 継続利用を前提に改善 | 依存関係を棚卸しし、段階移行を計画 |
| 機能追加 | 今後の強化を期待できる | 新機能はGen2側に集約される |
| 管理対象 | Power BIワークスペース単位で確認 | Fabric容量、出力先、パイプライン、権限まで含めて確認 |
| リスク | 更新失敗や所有者変更の問題 | 将来的な移行コスト・互換性・運用標準の分散 |
特にグローバル企業では、地域ごとのワークスペース、異なるライセンス体系、データ所在地、ゲートウェイ構成が混在しやすいため、「誰がどのDataflow Gen1を使っているか」を早めに可視化することが重要です。
Dataflow Gen1で作成できる主なパターン
Microsoft Learnでは、Dataflow Gen1の作成方法として複数のパターンが紹介されています。単なる操作手順としてではなく、どのパターンが移行や管理に影響しやすいかを意識して確認しましょう。(Microsoft Learn)
| 作成方法 | 概要 | 実務での使いどころ | 管理上の注意点 |
|---|---|---|---|
| 新しいソースから作成 | データソースに接続し、新しいテーブルを作成 | SQL、Excel、Web、SharePointなどからデータ準備を始める | 資格情報、ゲートウェイ、更新頻度を記録する |
| リンクテーブル | 既存データフローのテーブルを読み取り専用で参照 | 共通マスターや日付テーブルを複数データフローで再利用 | Power BI Premiumが必要。依存関係が深くなりやすい |
| 計算テーブル | リンクテーブルをもとに変換・結合・集計した新しいテーブルを作成 | 集計済みテーブルや部門別加工データを作る | Premium専用機能。移行時に変換ロジックの再確認が必要 |
| CDMフォルダー | ADLS Gen2上のCommon Data Model形式ファイルを参照 | 他アプリが出力したCDM形式データをPower BIで使う | ADLS Gen2権限、JSONへの直接パス、エンドポイント条件を確認 |
| インポート/エクスポート | JSONとしてデータフロー定義を移動 | ワークスペース間移行、バックアップ、検証環境作成 | インポート後にIDが変わるため依存先の更新が必要 |
この中で、移行時に特に注意が必要なのは リンクテーブル と 計算テーブル です。複数のDataflow Gen1が連鎖している場合、1つのデータフローだけをGen2に変えても下流のセマンティックモデルやExcel接続が追従できないことがあります。
影響範囲:誰が、どの環境で影響を受けるのか
今回のポイントは、Power BIを利用するすべての組織に同じ影響が出るわけではないことです。影響範囲は、ライセンス、容量、既存データフローの使い方、Fabricの有効化状況によって変わります。
Premium・Fabric容量を利用している組織
PremiumまたはFabric容量を利用している組織は、Dataflow Gen2への移行検討を最も進めやすい層です。Microsoftは、Premium顧客でFabricにアクセスできる場合、Dataflow Gen2を推奨パスとして示しています。Gen2では、出力先の拡張、パイプライン連携、監視、パフォーマンス、AI支援などが強化されています。([Power BI][2])
ただし、すぐに全件移行するのではなく、次のような順序が安全です。
- 新規案件はDataflow Gen2で設計する
- 更新失敗が多いDataflow Gen1や、処理時間が長いDataflow Gen1を優先して検証する
- リンクテーブルや計算テーブルを多用しているワークスペースを棚卸しする
- 下流のセマンティックモデル、Excel、Power Apps、Power Automateの接続を確認する
- 検証済みのものから段階的に切り替える
Pro・Premium Per Userを中心に使っている組織
ProやPremium Per User、つまりPPUを中心にDataflow Gen1を使っている組織では、移行判断がやや複雑です。Microsoftのブログでは、Pro/PPU環境でDataflow Gen1に依存している顧客について、既存ワークロードは継続利用できる一方、Gen2への移行に関するガイダンスは今後共有されると説明されています。([Power BI][2])
この場合、管理者が急いで行うべきことは「Fabricへの全面移行」ではなく、まず利用実態の把握です。
| 確認項目 | 具体的な確認内容 |
|---|---|
| 利用部門 | どの部門がDataflow Gen1を作成・更新しているか |
| 重要度 | 業務報告、経営レポート、月次処理などに使われているか |
| 更新頻度 | 毎日、毎時、月次など、失敗時の影響がどれくらい大きいか |
| 所有者 | 退職者・異動者が所有者になっていないか |
| 依存先 | セマンティックモデル、Excel、Power Appsが参照していないか |
| 代替策 | Dataflow Gen2、Power Query、データウェアハウス、Lakehouseで置き換え可能か |
Pro/PPUの組織では、現時点で不明な点を無理に断定せず、Microsoftの追加案内を待ちながら、移行しやすい構成に整えておくのが現実的です。
グローバル・政府系・規制業種の組織
グローバル企業や政府系環境では、データ所在地、リージョン、Multi-Geo、GCCなどが影響します。MicrosoftのDataflow制限事項では、政府機関向け環境やADLS Gen2、Multi-Geo、ゲートウェイなどに関する制約が明記されています。(Microsoft Learn)
特にグローバル向けに確認すべきポイントは次の通りです。
- 各リージョンのPower BI/Fabric機能提供状況
- データ所在地要件とOneLake・ADLS Gen2の設計
- オンプレミスデータゲートウェイの配置場所
- テナント単位のFabric有効化ポリシー
- 部門ごとのワークスペース作成権限
- 個人所有のDataflow Gen1が業務クリティカルになっていないか
設定変更として確認すべきポイント
「Creating a Dataflow (legacy) – Power BI」自体はDataflow Gen1の作成手順を扱う記事ですが、管理者にとって重要なのは、作成後の設定と移行時に抜けやすい設定です。
ワークスペースとライセンス
Dataflow Gen1はPower BIサービスのワークスペースで作成します。Microsoft Learnでは、My Workspaceではデータフローを利用できず、作成にはPremiumワークスペース、Proライセンス、PPUライセンスなどが関係すると説明されています。(Microsoft Learn)
実務では、次のような状態を避けるべきです。
- 個人の検証用ワークスペースに近い場所で重要なデータフローが動いている
- 所有者が1人だけで、退職・異動時に更新できなくなる
- 部門ごとに同じデータソースへのDataflow Gen1が乱立している
- Premium前提のリンクテーブルや計算テーブルを、非Premium前提の運用に持ち込んでいる
ゲートウェイと資格情報
オンプレミスデータや閉域ネットワーク内のデータソースを使っている場合、ゲートウェイ設定は移行時の失敗ポイントになりやすい部分です。Dataflow Gen1では、所有者変更後にデータソース接続が無効になることがあり、必要に応じてPower Query Onlineで開き直し、ゲートウェイマッピングや認証情報を再設定する必要があります。(Microsoft Learn)
管理者は、少なくとも次の情報を台帳化しておくべきです。
| 項目 | 記録すべき内容 |
|---|---|
| データフロー名 | ワークスペース内の正式名称 |
| 所有者 | 現在の所有者、代替管理者 |
| データソース | SQL、SharePoint、Excel、API、オンプレミスDBなど |
| 認証方式 | OAuth、組織アカウント、サービスアカウント、ゲートウェイ接続 |
| 更新頻度 | 日次、週次、月次、複数回更新 |
| 下流影響 | セマンティックモデル、レポート、Excel、Power Apps |
| 移行優先度 | 高・中・低 |
更新スケジュール
Dataflow Gen1の価値は、Power Queryで整形したデータをスケジュール更新できる点にあります。ただし、共有容量では更新時間に制約があり、Premiumでは容量やメモリ、同時実行の影響を受けます。Microsoft Learnの制限事項では、共有容量では1テーブルあたり2時間、1データフローあたり3時間の更新制限、Premiumでは1データフローあたり24時間の更新制限が示されています。(Microsoft Learn)
移行を検討する際は、単に「更新できるか」ではなく、次を確認してください。
- 更新に何分かかっているか
- 失敗率が高い時間帯はないか
- 複数のDataflow Gen1が同じソースに同時アクセスしていないか
- 参照元データベースに負荷をかけていないか
- 下流のセマンティックモデル更新と順序が合っているか
移行期限はどう考えるべきか
現時点で重要なのは、MicrosoftがDataflow Gen1の将来について「legacy state」と明言している一方、すべての環境に対する一律の終了日を確定情報として扱うべきではない点です。Microsoftの公式ブログでは、既存のGen1データフローは当面動作を続けるが、具体的なリタイア日は調整中であり、Premium容量でGen1を利用している顧客にはリタイア前に少なくとも12か月前の通知を行うと説明されています。([Power BI][2])
つまり、管理者は「移行期限が発表されてから考える」のでは遅く、「期限が出ても慌てない状態を作る」ことが重要です。
移行優先度の判断基準
すべてのDataflow Gen1を一度に移行しようとすると、接続切れ、更新失敗、レポート差分、権限漏れが起きやすくなります。次の基準で優先順位を付けると、現実的な移行計画を作れます。
| 優先度 | 対象 | 理由 |
|---|---|---|
| 高 | 経営レポート、月次締め、顧客向けレポートに使うDataflow Gen1 | 停止時の業務影響が大きい |
| 高 | 所有者が不明、退職者、個人管理のDataflow Gen1 | 継続運用リスクが高い |
| 高 | 更新時間が長い、失敗が多いDataflow Gen1 | Gen2検証による改善余地がある |
| 中 | 部門共通マスター、日付テーブル、参照テーブル | 依存先が多く、計画的な切り替えが必要 |
| 中 | リンクテーブルや計算テーブルを含むDataflow Gen1 | 依存関係の把握に時間がかかる |
| 低 | 検証用、単発利用、更新停止済みのDataflow Gen1 | 削除またはアーカイブを検討 |
Dataflow Gen2へ移行する場合の選択肢
Microsoftは、Dataflow Gen1からDataflow Gen2への移行方法として、Save As機能、Power Queryのコピー&ペースト、Power Queryテンプレート、REST APIなどを案内しています。Data Factory in Microsoft FabricのSave As機能では、既存のDataflow Gen1を新しいDataflow Gen2(CI/CD)アイテムとして保存できます。(Microsoft Learn)
Save Asで移行する
小規模な移行や、まず1本だけ検証したい場合は、Save Asが最も始めやすい方法です。ワークスペース内の既存データフローのメニューから「Save as Dataflow Gen2」を選び、新しいDataflow Gen2として作成します。(Microsoft Learn)
ただし、Save Asには注意点があります。Microsoft Learnでは、Dataflow Gen2のSave Asではスケジュール更新設定がコピーされず、Dataflow Gen1のSave Asでは増分更新設定がコピーされないと説明されています。また、Fabricが利用できないPower BI ProワークスペースやPPUワークスペース、またはFabricアイテム作成が管理者設定で無効な場合、Save Asは利用できません。(Microsoft Learn)
Save As後に必ず確認する項目
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| クエリ | 変換ステップが正しく再現されているか |
| 出力先 | Lakehouse、Warehouse、Azure SQLなど適切な出力先を選んだか |
| 資格情報 | データソース認証が再設定されているか |
| 更新スケジュール | 移行後に手動で設定したか |
| 増分更新 | Gen1側の設定が必要に応じて再設計されているか |
| 下流接続 | セマンティックモデルやExcelが新しい出力先を参照しているか |
| 権限 | 利用者がGen2や出力先にアクセスできるか |
Power Queryテンプレートやコピー&ペーストで移す
クエリロジックを精査しながら移行したい場合は、Power Queryテンプレートやコピー&ペーストも選択肢になります。Microsoftの移行シナリオでは、単純に既存ソリューションをコピーするだけでなく、Dataflow Gen2の新機能を活かしてモダナイズすることが推奨されています。(Microsoft Learn)
たとえば、Dataflow Gen1で複数のリンクテーブルを連鎖させていた場合、Gen2ではLakehouseやWarehouseに出力し、下流のPower BIセマンティックモデルから直接参照する構成に変えたほうが管理しやすくなるケースがあります。
REST APIで一括移行する
大量のDataflow Gen1を管理している大企業では、手動移行だけでは現実的ではありません。Microsoftは、バルク移行や自動化ではREST APIを利用できると説明しています。(Microsoft Learn)
ただし、API移行は「一括コピー」だけを目的にすると失敗しやすくなります。移行前に、依存関係、所有者、接続先、更新頻度、利用部門を整理し、対象を絞ったうえで自動化するのが安全です。
Gen1とGen2の違いを実務目線で比較
Dataflow Gen2は、Dataflow Gen1と同じPower Query体験を引き継ぎながら、FabricのData Factory上で動作する新しい世代のデータフローです。Microsoft Learnでは、Gen2は出力先の柔軟性、監視、パイプライン連携、高性能処理、Recent data、Copilotなどの機能を備えると説明されています。(Microsoft Learn)
| 比較項目 | Dataflow Gen1 | Dataflow Gen2 |
|---|---|---|
| 位置付け | Power BIの従来型データフロー | Microsoft Fabric Data Factoryの新世代データフロー |
| 今後の投資 | 新機能投資なし | 新機能投資の中心 |
| 操作体験 | Power Query | Power Queryを継承 |
| 出力先 | 主にデータフロー内部ストレージ | Lakehouse、Warehouse、Azure SQL、ADLS Gen2、Snowflakeなど複数 |
| パイプライン連携 | 限定的 | Data Pipelineとの連携が可能 |
| 監視 | 基本的な更新履歴中心 | Monitoring Hubや詳細な更新追跡 |
| AI支援 | 限定的 | Copilotによる自然言語支援など |
| 移行時の注意 | 既存資産が多い | Fabric容量・権限・出力先設計が必要 |
重要なのは、Gen2は単なる「Gen1の後継UI」ではないことです。データの保存先、更新の管理、運用監視、権限設計まで変わるため、移行はBIチームだけでなく、IT管理者、データ基盤チーム、セキュリティ担当者を含めて進めるべきです。
管理者が今すぐ確認すべきチェックリスト
Dataflow Gen1を使っている可能性がある組織では、まず棚卸しから始めるのが最も効果的です。Microsoftの移行シナリオでも、データフローと依存アイテムのインベントリ作成が推奨されています。(Microsoft Learn)
テナント全体の棚卸し
- Dataflow Gen1を含むワークスペース一覧を作る
- 所有者、共同管理者、最終更新日を確認する
- 更新に失敗しているDataflow Gen1を抽出する
- Premium、PPU、Pro、Fabric容量のどこで動いているか分類する
- 重要レポートやセマンティックモデルとの依存関係を確認する
依存関係の確認
- Power BIセマンティックモデルがDataflow Gen1を参照していないか
- ExcelブックがPower Query経由でDataflow Gen1を参照していないか
- Power AppsやPower Platform側で利用されていないか
- リンクテーブルが複数階層に連鎖していないか
- ワークスペース間参照が存在しないか
Microsoft Learnでは、リンクテーブルの依存関係や、セマンティックモデルがデータフローを使っているかを把握するためのREST APIやScanner APIの活用も紹介されています。大規模環境では、手作業ではなくAPIや管理レポートで把握する方が現実的です。(Microsoft Learn)
Fabric設定の確認
Dataflow Gen2へ移行するには、Fabricアイテムの作成が許可されている必要があります。Save As機能は、Fabricが利用できない環境や、管理者設定でFabricアイテム作成が無効な場合には使えません。(Microsoft Learn)
確認すべき設定は次の通りです。
| 設定 | 確認内容 |
|---|---|
| Fabric有効化 | テナント、容量、ユーザーグループ単位で有効か |
| ワークスペース容量 | Fabric容量または対応する容量に割り当てられているか |
| 作成権限 | 対象ユーザーがDataflow Gen2を作成できるか |
| 出力先権限 | Lakehouse、Warehouse、Azure SQLなどに書き込めるか |
| ゲートウェイ | オンプレミス接続がGen2でも成立するか |
| 監査 | 誰が移行・変更したか追跡できるか |
よくある失敗と回避策
Dataflow Gen1をそのままコピーして終わらせる
移行でありがちな失敗は、Gen1のクエリをGen2に移しただけで完了と考えることです。Dataflow Gen2では出力先を明示的に設計できるため、下流の接続方法も見直すべきです。
たとえば、これまでPower BIデータフローコネクターで参照していたモデルを、移行後はLakehouseやWarehouseのテーブルを参照する形に変更した方が、運用やパフォーマンス面で適している場合があります。Microsoftの移行シナリオでも、Gen2では可能な限りデータ出力先機能を利用することが推奨されています。(Microsoft Learn)
更新スケジュールの再設定を忘れる
Save As後に更新スケジュールが自動的に引き継がれないケースがあります。移行後の検証では、手動更新が成功したかだけでなく、スケジュール更新が期待通りに動くかを必ず確認してください。(Microsoft Learn)
所有者変更で接続が壊れる
Dataflow Gen1では、所有者が変わると元の接続認証が使えなくなり、データソース接続が無効になることがあります。特に退職者や異動者が作成したデータフローは、早めに所有者と資格情報を見直す必要があります。(Microsoft Learn)
リンクテーブルの依存関係を見落とす
リンクテーブルは再利用性を高める便利な機能ですが、移行時には依存関係の見落としが起きやすくなります。上流データフローを変更した結果、下流のデータフローやセマンティックモデルが更新できなくなることがあります。
対策として、移行前に「上流・下流の一覧」を作り、Dataflow ID、Workspace ID、参照テーブル名を記録しておきましょう。
実務でのおすすめ対応手順
管理者が取るべき対応は、いきなり全面移行することではありません。まずは影響を把握し、移行しやすいものから検証することです。
| フェーズ | 実施内容 | 成果物 |
|---|---|---|
| 現状把握 | Dataflow Gen1の一覧化、所有者確認、更新状況確認 | データフロー台帳 |
| 影響分析 | 下流のセマンティックモデル、Excel、Power Appsを確認 | 依存関係マップ |
| 方針決定 | 継続利用、廃止、Gen2移行、別基盤化を分類 | 移行方針表 |
| 検証 | 代表的なDataflow Gen1をSave Asまたは手動移行 | PoC結果 |
| 設計 | 出力先、権限、更新順序、監視方法を決める | 運用設計書 |
| 段階移行 | 優先度の高いものから切り替え | 移行済み一覧 |
| 定着化 | 新規作成ルール、命名規則、監査、教育を整備 | 管理ルール |
特に新規プロジェクトについては、明確な理由がない限りDataflow Gen2を前提にするのが安全です。既存のDataflow Gen1は、重要度が高いものから検証し、不要なものは削除またはアーカイブして、移行対象を減らしましょう。
まとめ:Dataflow Gen1は維持から移行準備のフェーズへ
「Creating a Dataflow (legacy) – Power BI」は、Power BIのDataflow Gen1作成方法を説明する記事ですが、現在の重要ポイントは、Dataflow Gen1がレガシー状態に入り、新規投資の中心がDataflow Gen2へ移っていることです。既存のDataflow Gen1がすぐに止まるわけではありませんが、今後の新規開発や大規模な改修では、Dataflow Gen2を前提に検討するべき段階です。(Microsoft Learn)
管理者はまず、Dataflow Gen1の利用状況を棚卸しし、所有者、データソース、更新スケジュール、下流依存関係を可視化してください。そのうえで、業務影響の大きいもの、更新失敗が多いもの、Premium機能に強く依存しているものから順に、Dataflow Gen2への移行検証を進めるのが現実的です。
今後のポイントは、「いつ終了するか」だけを待つことではありません。期限が発表されたときに慌てないよう、今のうちにデータフロー資産を整理し、新規案件ではDataflow Gen2、既存案件では段階的な移行計画という形に切り替えていくことが、最もリスクの低い対応です。
[2]: https://powerbi.microsoft.com/de-ch/blog/dataflows-thank-you-for-eight-years-of-gen1-and-why-gen2-is-the-future/ “
Dataflows: Thank you for eight years of Gen1—and w… – Microsoft Fabric Community
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