「Windows 10, version 1607 and Windows Server 2016 known issues and notifications」の2026年6月17日更新で重要なのは、6月9日に配信されたKB5094122の適用後、一部のサードパーティ製アプリからWordやExcelなどを開けなくなる既知の問題が追加されたことです。6月17日に新しい更新プログラムが配信されたわけではありません。Microsoftの変更履歴では、既知の問題の追加日は6月16日と記載されています。(マイクロソフトサポート)
影響するのは、主にOLE Automationを使ってOfficeアプリを呼び出す業務ソフトです。Officeをスタートメニューやファイルから直接開く通常の使い方では、影響を受けない可能性があります。管理者はKBの削除を急ぐのではなく、業務ソフトとOfficeの連携テスト、暫定回避、サポート終了に向けた移行計画を並行して進める必要があります。
2026年6月17日に確認された変更点
今回の変更内容を整理すると、次のとおりです。
| 確認項目 | 内容 |
|---|---|
| 変更の種類 | 既知の問題に関する情報追加 |
| 原因となる更新 | KB5094122 |
| KBのリリース日 | 2026年6月9日 |
| 適用後のOSビルド | 14393.9234 |
| 主な症状 | サードパーティ製アプリからOfficeを起動できない、または文書を開けない |
| 暫定回避 | Officeアプリや対象文書を直接開く |
| 恒久対応 | 今後のWindows Updateで修正予定 |
| Edgeへの直接的な変更 | 今回の差分には記載なし |
KB5094122は、Windows Server 2016、Windows 10 Enterprise 2016 LTSB、Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBを対象とする累積的なセキュリティ更新プログラムです。(マイクロソフトサポート)
サードパーティ製アプリからOfficeを開けない既知の問題
KB5094122をインストールした環境では、特定のサードパーティ製アプリがMicrosoft Officeアプリを起動できないことがあります。アプリからOffice文書を生成・表示しようとしても反応せず、エラーメッセージも表示されない場合があります。
影響する可能性があるOfficeアプリには、次のものが含まれます。
- Word
- Excel
- PowerPoint
- Access
- その他、サードパーティ製アプリから呼び出されるOfficeアプリ
Microsoftは、影響する可能性がある製品例として、CCH Engagement、Workpaper Manager、Dentrix、Softdent、Zoteroなどを挙げています。これら以外でも、同様の方法でOfficeと連携する業務ソフトは影響を受ける可能性があります。(マイクロソフトサポート)
OLE Automationとは
OLE Automationは、あるアプリから別のアプリを操作するためのWindowsの仕組みです。
例えば、会計ソフトの「Excelへ出力」ボタンを押すと、裏側でExcelが起動して帳票が表示されることがあります。このような処理にOLE Automationが使われている場合、今回の問題に該当する可能性があります。(Microsoft Learn)
影響度が高い環境
特に確認を優先したいのは、次のような環境です。
| 環境 | 影響度の目安 |
|---|---|
| 業務ソフトからWordやExcelの帳票を自動生成している | 高い |
| 文献管理ソフトからWordを呼び出している | 高い |
| RDS環境でOffice連携型の業務ソフトを利用している | 高い |
| Officeをスタートメニューから直接起動している | 比較的低い |
| Officeを導入していないWindows Server 2016 | この問題に限れば低い |
単にOfficeがインストールされているだけで、必ず問題が起こるわけではありません。判断基準は、別のアプリがOfficeを自動的に起動・操作しているかです。
WindowsとMicrosoft Edgeで何が変わるのか
Windowsでは既知の問題が追加された
6月17日時点で確認された主な差分は、新機能の追加ではなく、すでに配信済みのKB5094122に対する注意事項の追加です。
したがって、6月17日付の更新プログラムを新たに探す必要はありません。まず、対象端末にKB5094122がインストールされているか、該当する業務フローがあるかを確認します。
Microsoft Edge固有の変更はない
今回の公式情報には、Microsoft Edgeのバージョン、ブラウザーポリシー、料金、サポート期限に関する変更は記載されていません。
問題の中心は、Windows Update適用後のOLE AutomationとOfficeアプリの連携です。EdgeからWebサイトを閲覧する通常の操作を対象とした既知の問題ではありません。
影響を確認する手順
OSのエディションとビルドを確認する
Windowsキー + Rを押し、次のコマンドを入力します。
winver
KB5094122を適用した環境では、OSビルドが原則として14393.9234になります。
PowerShellでは、次のコマンドで確認できます。
Get-CimInstance Win32_OperatingSystem |
Select-Object Caption, Version, BuildNumber
対象となる主なエディションは、Windows Server 2016、Windows 10 Enterprise 2016 LTSB、Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBです。一般的なWindows 10 HomeやProのversion 1607を対象とした案内ではありません。(マイクロソフトサポート)
KB5094122のインストール状況を確認する
PowerShellを管理者として開き、次のコマンドを実行します。
Get-HotFix -Id KB5094122
インストールされていれば、KB番号やインストール日が表示されます。
画面から確認する場合は、Windows Updateの「更新の履歴を表示する」を開き、KB5094122を検索してください。
Office連携を実際にテストする
管理者は、Office単体の起動確認だけで終わらせないことが重要です。次のような実際の業務操作をテストします。
- 業務ソフトからWord帳票を出力する
- 会計・分析ソフトからExcelを起動する
- 文献管理ソフトからWordの引用機能を呼び出す
- 業務ソフトに登録されたOffice文書を開く
- バッチ処理やマクロからOfficeを起動する
「Wordを直接開けるから問題なし」と判断すると、業務開始後に連携部分だけが失敗する可能性があります。
問題が発生した場合の回避策
Microsoftが案内している暫定回避策は、影響を受けるサードパーティ製アプリからOfficeを起動せず、Officeアプリまたは対象文書を直接開くことです。(マイクロソフトサポート)
例えば、業務ソフトの「Excelで開く」ボタンが反応しない場合は、次の手順を試します。
- 業務ソフトからファイルを保存またはエクスポートする
- エクスプローラーで保存先を開く
- ExcelやWordを直接起動する
- Office側から保存したファイルを開く
組織向けには別の軽減策が用意されており、必要な場合はMicrosoftの法人向けサポートへの問い合わせが案内されています。恒久的な修正は今後のWindows Updateに含まれる予定ですが、公開日は明示されていません。(マイクロソフトサポート)
KB5094122の削除は第一選択にしない
KB5094122はセキュリティ更新プログラムです。業務ソフトが動かないという理由だけで直ちにアンインストールすると、修正済みの脆弱性が再び残る可能性があります。
まずは直接起動による回避、業務ソフト提供元への確認、Microsoftサポートへの相談を検討します。更新プログラムを削除する場合は、セキュリティ担当者と影響範囲を確認したうえで判断してください。
更新プログラムの展開で確認するポイント
SSUのKB5094141も必要
KB5094122をインストールするには、最新のサービススタック更新プログラムであるKB5094141が必要です。SSUが不足していると、KB5094122が表示されない、またはインストールできない場合があります。
Windows UpdateやWindows Update for BusinessではSSUが自動的に提供されます。Microsoft Update Catalogを使って手動展開する場合は、KB5094141を先に確認してください。(マイクロソフトサポート)
WSUSでは2つの更新を承認する
WSUSを利用している環境では、次の両方を承認します。
- SSU:KB5094141
- 累積更新プログラム:KB5094122
KB5094122は、WSUSで「セキュリティ更新プログラム」として同期されます。(マイクロソフトサポート)
展開時は、全端末への一括配信ではなく、Office連携型の業務ソフトを使うテストグループから適用する方法が安全です。
Secure Bootのポリシー変更とは分けて考える
KB5094122では、LimitSecureBootRequiredServiceDataという新しいグループポリシーも追加されています。
設定場所は次のとおりです。
コンピューターの構成
└ 管理用テンプレート
└ Windows コンポーネント
└ セキュア ブート
このポリシーは、Microsoftへ送信されるSecure Boot関連のサービスデータを制限するためのものです。Officeを開けない問題の修正設定ではありません。問題解決を目的として、このポリシーを変更しないよう注意してください。(マイクロソフトサポート)
同じKBには、15文字のホスト名を持つサーバーでDFS名前空間に問題が起こる不具合の修正や、desktop.iniの処理に関するセキュリティ強化も含まれます。後者により、ダウンロード先やリモートフォルダーのカスタムアイコン、ローカライズされたフォルダー名が表示されない場合がありますが、フォルダーへのアクセス自体には影響しません。(マイクロソフトサポート)
移行・料金・サポート期限で確認すべきこと
今回の既知の問題追加によって、WindowsやEdgeの料金が変わるわけではありません。ただし、対象OSはサポート終了が近いため、更新対応だけでなく移行費用も確認する必要があります。
| 対象製品 | サポート終了日 | 推奨する確認 |
|---|---|---|
| Windows 10 Enterprise 2016 LTSB | 2026年10月13日 | 後継OS、端末更新、業務アプリ互換性 |
| Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB | 2026年10月13日 | 機器メーカーの対応、イメージ更新、ESU |
| Windows Server 2016 | 2027年1月12日 | 新サーバーへの移行、OS更新、ESU、ライセンス |
サポート終了後は、通常のセキュリティ更新や修正を受けられなくなります。Windows 10 2016 LTSBとWindows Server 2016では期限が異なるため、同じ移行日程で管理しないことが重要です。(Microsoft Learn)
ESUの料金は個別に見積もる
Windows 10 Enterprise 2016 LTSB向けの拡張セキュリティ更新プログラムは、2026年4月から購入可能と案内されています。(TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM)
Microsoftは、2026年4月1日以降に提供される新しいESUについて、Azure、オンプレミス、他社クラウドといった配置場所や購入チャネルにかかわらず、同じリスト価格を適用する方針を示しています。実際の費用は契約条件や対象台数、サーバー構成によって確認が必要です。Microsoftの担当者またはライセンス販売パートナーに見積もりを依頼してください。(Microsoft)
「Azure上ならESUは必ず無償」といった過去製品の条件を、そのままWindows Server 2016へ当てはめないことが重要です。
よくある質問
WordやExcelを直接開ける場合は問題ない?
直接起動できても、業務ソフトから呼び出した場合だけ失敗する可能性があります。Office単体ではなく、実際の帳票出力や文書連携までテストしてください。
Microsoft Edgeだけを使っている端末も影響する?
今回の変更には、Edge固有の既知の問題や設定変更は記載されていません。Officeを自動操作するサードパーティ製アプリを利用していなければ、この問題の影響は限定的です。
Officeの再インストールで直る?
原因はOfficeの破損ではなく、Windows更新後の特定のアプリ連携に関する問題として案内されています。Officeの再インストールより先に、直接起動による回避と業務ソフト提供元への確認を行います。
修正版はいつ公開される?
Microsoftは今後のWindows Updateで修正するとしていますが、具体的な公開日は示していません。更新管理者はKB5094122の変更履歴とWindowsリリース正常性ページを継続して確認してください。(マイクロソフトサポート)
まず業務連携を確認し、移行計画も止めない
2026年6月17日に確認されたWindows 10 version 1607/Windows Server 2016の主な変更は、KB5094122適用後に、一部のサードパーティ製アプリからOfficeを開けなくなる既知の問題が追加されたことです。
最初に、対象端末のOSエディション、ビルド、KB5094122の有無を確認します。次に、業務ソフトからWordやExcelを開く操作をテストし、問題があればOfficeや文書を直接開く方法へ一時的に切り替えます。
同時に、Windows 10 2016 LTSBは2026年10月13日、Windows Server 2016は2027年1月12日にサポート終了を迎えます。今回の不具合対応だけで終わらせず、後継OSへの移行、業務アプリの互換性検証、ESU費用の確認まで進めることが必要です。

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