Windows 11アップグレード後に文書が見つからないときの探し方|初期化せず復旧

Windows 11へのアップグレード後に文書が見つからなくなっても、すぐに「このPCをリセット」したり、Windowsを再インストールしたりしないでください。

最初に行うべきなのは、エクスプローラーの「このPC」から、ファイル名や拡張子を使ってPC全体を検索することです。その後、以前のユーザープロファイル、Windows.old、OneDrive、一時プロファイル、Windows検索の不具合を順番に確認します。

特にWindows.oldが作成されている場合、保存される期間はアップグレードから原則10日間です。追加のアップグレードやリセット、再インストールを行うと、元のWindows.oldが削除される可能性があります。初期化する前に、現在残っているデータを探し切ることが重要です。([マイクロソフト サポート][1])

目次

Windowsアップグレード後に見つからない文書を探す順番

確認する順番は次のとおりです。

順番確認する場所主な確認内容
1エクスプローラーの「このPC」ファイル名、ファイルの一部、拡張子で検索する
2C:\Users以前使っていたユーザー名のフォルダーを探す
3C:\Windows.oldアップグレード前のユーザーフォルダーを確認する
4OneDrivePC内のOneDriveフォルダーとWeb版を確認する
5一時プロファイル本来とは異なるユーザー環境でサインインしていないか確認する
6Windows検索インデックスや検索機能の不具合を切り分ける
7ごみ箱・バックアップ削除済みファイルや既存のバックアップから復元する

ファイルが見つかったら、その場で編集を始めるのではなく、まず外付けストレージや分かりやすい別フォルダーへコピーしてください。

探し終わるまで初期化や再インストールをしない

文書が見つからない状態で、次の操作を行うのは避けましょう。

  • 「このPCをリセットする」の実行
  • USBメモリなどからのWindows再インストール
  • 続けて別の大型アップデートを実行する
  • 「以前のWindowsのインストール」を含むストレージのクリーンアップ
  • Windows.oldの手動削除
  • OneDriveのフォルダーを確認せずに同期解除や大量削除を行う

Microsoftの案内では、既存のWindows.oldがある状態で、さらにWindowsのインストール、アップグレード、更新、リセットを行うと、元のWindows.oldが削除される場合があります。文書を探す前に操作を重ねると、回収できる可能性を自分で下げてしまいます。([マイクロソフト サポート][2])

エクスプローラーでPC全体を検索する

最初に、現在の保存場所を決めつけず、PC全体を検索します。

ファイル名が分かる場合

  1. Windowsキー + Eを押してエクスプローラーを開きます。
  2. 左側の「このPC」を選択します。
  3. 右上の検索欄に、探しているファイル名を入力します。
  4. 検索結果が出そろうまで待ちます。
  5. 見つかったファイルを右クリックし、「ファイルの場所を開く」を選択します。

完全なファイル名を覚えていない場合は、一部分だけ入力します。

例えば「令和8年度農業祭実施計画.docx」を探す場合は、次のような語句で検索します。

農業祭
実施計画
令和8

日付や年度の表記が曖昧な場合は、短い特徴的な単語から探すのが効果的です。

拡張子から文書をまとめて探す

ファイル名を覚えていない場合は、拡張子で検索します。

探すファイル検索欄に入力する文字
Word文書*.docx
古いWord文書*.doc
Excelファイル*.xlsx
PDF*.pdf
PowerPoint*.pptx
テキストファイル*.txt

検索結果が多い場合は、「更新日時」で並べ替え、アップグレード前後の日付を重点的に確認します。

Microsoftも、エクスプローラーで「このPC」を選択してデバイス全体を検索し、*.docなどのワイルドカードを使ってファイル形式ごとに探す方法を案内しています。([マイクロソフト サポート][1])

見つかった場所を必ず確認する

検索結果にファイルが表示されても、すぐに元のフォルダーへ移動しないでください。

まず「ファイルの場所を開く」で、保存先が次のどれに該当するか確認します。

C:\Users\現在のユーザー名
C:\Users\以前のユーザー名
C:\Users\ユーザー名\OneDrive
C:\Windows.old

保存場所が分かったら、必要な文書を新しいフォルダーや外付けUSBメモリへコピーします。

以前のユーザープロファイルを確認する

Windowsのアップグレード時に、別のMicrosoftアカウントやローカルアカウントでサインインすると、以前の文書が別のユーザープロファイル内に残っていることがあります。

エクスプローラーのアドレス欄に、次のパスを入力してください。

C:\Users

表示されたフォルダーの中に、現在とは異なるユーザー名のフォルダーがないか確認します。

以前のユーザー名が見つかった場合は、次の場所を順番に開きます。

C:\Users\以前のユーザー名\Documents
C:\Users\以前のユーザー名\Desktop
C:\Users\以前のユーザー名\Downloads
C:\Users\以前のユーザー名\Pictures
C:\Users\以前のユーザー名\OneDrive

現在使用しているプロファイルの場所は、Windowsキー + Rを押し、次の文字を入力すると確認できます。

%USERPROFILE%

現在のプロファイルとは異なるフォルダーがC:\Usersに残っている場合は、その中にアップグレード前の文書がないか確認します。

Microsoftも、アップグレード時に新しいMicrosoftアカウントを作成した場合、以前のファイルが別の管理者アカウント側に残っている可能性があると案内しています。([マイクロソフト サポート][1])

会社や学校、自治体などが管理するPCでは、他のユーザープロファイルへのアクセスが制限されている場合があります。アクセス権を無理に変更せず、情報システム担当者へ確認してください。

Windows.oldに以前の文書が残っていないか確認する

アップグレード方法によっては、以前のWindows環境がWindows.oldに保存されます。

エクスプローラーで次の場所を確認してください。

C:\Windows.old

フォルダーが存在する場合は、次の順番で開きます。

C:\Windows.old\Users
C:\Windows.old\Users\以前のユーザー名

その中にある「ドキュメント」「デスクトップ」「画像」などを確認します。

代表的な保存場所は次のとおりです。

C:\Windows.old\Users\以前のユーザー名\Documents
C:\Windows.old\Users\以前のユーザー名\Desktop
C:\Windows.old\Users\以前のユーザー名\Downloads

必要なファイルが見つかったら、フォルダーごと移動するのではなく、必要な文書を現在のドキュメントフォルダーや外付けストレージへコピーします。

Program FilesWindowsなどのシステムフォルダーを、現在のCドライブへ上書きしてはいけません。Windows.oldから回収するのは、Word文書、Excelファイル、PDF、写真などの個人用ファイルに限定してください。

Windows.oldからファイルを回収できる期間は、アップグレードから原則10日間です。また、「このPCをリセットする」を実行した場合はWindows.oldが作成されません。該当するフォルダーがある場合は、ほかの作業より先に確認しましょう。([マイクロソフト サポート][2])

OneDriveの保存先を確認する

Windows 11では、「ドキュメント」や「デスクトップ」がOneDrive側に保存されている場合があります。

まずPC内で、次のフォルダーを確認します。

C:\Users\ユーザー名\OneDrive

職場や学校のアカウントを利用している場合は、次のような名前になっていることがあります。

C:\Users\ユーザー名\OneDrive - 組織名

それぞれの中にある「ドキュメント」「デスクトップ」フォルダーを確認してください。

Web版OneDriveでも探す

PC内のOneDriveフォルダーだけでなく、ブラウザからWeb版OneDriveも確認します。

確認する順番は次のとおりです。

  1. ファイルを保存したMicrosoftアカウントでOneDriveにサインインします。
  2. 上部の検索欄からファイル名やキーワードを検索します。
  3. 左側の「ごみ箱」を確認します。
  4. 個人用OneDriveでは「個人用Vault」も確認します。
  5. 個人用と職場・学校用の両方のアカウントを確認します。

個人用Microsoftアカウントと職場・学校用アカウントを併用している場合、想定とは別のOneDriveに文書を保存していることがあります。

Microsoftは、OneDrive上のファイルを探す場合、各端末の同期先となるWeb版OneDriveから検索を始めることを推奨しています。Web版では、検索、ごみ箱、個人用Vault、別アカウントの順に確認できます。([マイクロソフト サポート][3])

一時プロファイルでサインインしていないか確認する

アップグレード後に、普段とは異なるデスクトップが表示されている場合は、一時プロファイルでサインインしている可能性があります。

次のような症状がある場合は注意してください。

  • デスクトップのアイコンがほとんど消えた
  • 壁紙や各種設定が初期状態になった
  • 「アカウントにサインインできません」と表示された
  • 一時プロファイルでサインインしている旨の警告が出た
  • %USERPROFILE%C:\Users\TEMPなどの見慣れない場所を示す

一時プロファイル上でアップグレード後に作成した文書がある場合は、サインアウトや再起動をする前に、外付けUSBメモリなどへコピーしてください。

コピーが終わったらPCを再起動し、本来のアカウントでサインインできるか確認します。状況によっては、複数回の再起動が必要になることがあります。

Microsoftは、一時プロファイルからサインアウトすると、そのプロファイル上で作業したファイルが失われる可能性があるため、先に外部ドライブへバックアップするよう案内しています。([マイクロソフト サポート][1])

Windows検索の不具合を切り分ける

ファイルが削除されたのではなく、Windows検索が正常に動作していない可能性もあります。

次の状態なら、検索側の不具合を疑います。

  • フォルダーを直接開くとファイルがあるのに、検索結果には出ない
  • 保存場所とファイル名が分かっているのに検索できない
  • 以前は検索できていたファイルが一斉に表示されなくなった
  • 新しく作成したテスト用ファイルも検索に出ない

検索とインデックス作成のトラブルシューティングを実行する

Windows 11のバージョンによって画面名が多少異なることがありますが、基本的な操作は次のとおりです。

  1. 「設定」を開きます。
  2. 「プライバシーとセキュリティ」を選択します。
  3. Windows検索に関する設定を開きます。
  4. 「詳細なインデックス作成オプション」を開きます。
  5. 「詳細設定」を選択します。
  6. 「検索とインデックス作成のトラブルシューティング」を実行します。

設定画面から見つけにくい場合は、スタートメニューで次の言葉を検索します。

インデックスのオプション

検索機能を直す前でも、エクスプローラーからC:\UsersC:\Windows.oldを直接開けば、手動で文書を確認できます。検索が直るまで待つのではなく、直接確認も並行して行いましょう。

Microsoftの公式手順でも、「詳細なインデックス作成オプション」から検索とインデックス作成のトラブルシューティングを実行する方法が案内されています。([マイクロソフト サポート][1])

隠しファイルも確認する

通常の文書が隠しファイルになることは多くありませんが、保存場所の確認時には隠し項目の表示が役立つ場合があります。

エクスプローラーの「表示」から「隠しファイル」または「隠し項目」を有効にします。表示したシステムファイルは、内容が分からないまま削除しないでください。

ごみ箱と既存のバックアップから復元する

検索しても見つからない場合は、削除済みファイルとバックアップを確認します。

PCのごみ箱

デスクトップの「ごみ箱」を開き、ファイル名や削除日時を確認します。

見つかった場合は、対象ファイルを右クリックして「元に戻す」を選択します。元の保存場所が分からない場合は、復元後にもう一度エクスプローラーで検索してください。

OneDriveのごみ箱

OneDriveに同期されていた文書は、PCのごみ箱ではなく、Web版OneDriveのごみ箱に入っていることがあります。

個人用と職場・学校用でごみ箱が分かれているため、両方のアカウントを利用している場合はそれぞれ確認します。([マイクロソフト サポート][3])

「バックアップと復元(Windows 7)」を確認する

「バックアップと復元(Windows 7)」は、Windows 11にも残っている機能ですが、アップグレード前にその方式でバックアップを作成していた場合だけ利用できます。

事前のバックアップがない状態で開いても、消えた文書を新たに復旧できる機能ではありません。

バックアップがある場合は、次の手順で確認します。

  1. バックアップを保存した外付けストレージを接続します。
  2. スタートメニューで「コントロールパネル」を検索します。
  3. コントロールパネル内で「バックアップ」を検索します。
  4. 「バックアップと復元(Windows 7)」を開きます。
  5. 「別のバックアップを選択してファイルを復元する」を選択します。
  6. 対象のバックアップを指定して復元します。

復元先を選択できる場合は、元のフォルダーへ直接上書きするのではなく、別の復元用フォルダーへ戻して内容を確認すると安全です。

Microsoftも、この機能による復元は、アップグレード前に外付けストレージへバックアップを作成していた場合に限られると案内しています。([マイクロソフト サポート][1])

見つからない原因を症状から判断する

現在の症状可能性が高い原因優先して確認する場所
デスクトップだけ空になった別のユーザープロファイル、OneDriveC:\Users、OneDrive
ドキュメント全体が空になった保存先の変更、別アカウント旧ユーザーフォルダー、OneDrive
ファイル名検索だけできないWindows検索の不具合インデックスのトラブルシューティング
アップグレード時に「何も引き継がない」を選んだWindows.oldへ一時退避C:\Windows.old\Users
デスクトップや設定が毎回初期状態になる一時プロファイル%USERPROFILE%、再サインイン
OneDriveのファイルだけ見つからないアカウント違い、同期先違いWeb版OneDrive、ごみ箱
ファイルを削除した可能性があるごみ箱またはバックアップPCとOneDriveのごみ箱

それでも文書が見つからない場合

ここまで確認しても見つからない場合は、次の点を整理します。

アップグレードではなく初期化やクリーンインストールではないか

通常のアップグレードと、「このPCをリセットする」やインストールメディアを使ったクリーンインストールでは、残るデータが異なります。

Microsoftによると、「このPCをリセットする」ではWindows.oldは作成されません。また、インストール時にドライブをフォーマットした場合は、元の内容が失われます。([マイクロソフト サポート][2])

別のドライブや外部ストレージも確認する

Cドライブだけでなく、次の保存先も確認します。

  • Dドライブなどの内蔵ドライブ
  • 外付けHDDやSSD
  • USBメモリ
  • NAS
  • 共有フォルダー
  • 職場や学校のファイルサーバー
  • SharePointやTeamsで共有されている文書

「このPC」で検索しても、接続されていない外付けストレージや、現在アクセスできないネットワーク上の文書は表示されません。

削除の可能性が高い場合は書き込みを増やさない

ごみ箱にもバックアップにもなく、削除された可能性が高い重要ファイルの場合は、そのPCで大容量ファイルを保存したり、復旧ソフトを同じドライブへインストールしたりするのは避けます。

業務上重要なデータや、再作成できないファイルであれば、PCの利用を最小限にして専門のデータ復旧事業者へ相談する判断も必要です。

初期化する前に確認すべき最終チェック

初期化を検討するのは、少なくとも次の確認が終わってからです。

  • 「このPC」でファイル名を検索した
  • *.docx*.pdfなどの拡張子でも検索した
  • C:\Users内の別ユーザーフォルダーを確認した
  • C:\Windows.old\Usersを確認した
  • PC内とWeb版のOneDriveを確認した
  • 個人用と職場・学校用の両アカウントを確認した
  • PCとOneDriveのごみ箱を確認した
  • 一時プロファイルでないことを確認した
  • Windows検索のトラブルシューティングを実行した
  • 既存の外付けバックアップを確認した

Windows 11のアップグレード後に文書が見つからない場合は、PC全体の検索、旧ユーザープロファイル、Windows.old、OneDriveの順に確認するのが基本です。

特にWindows.oldは保存期間が限られるため、フォルダーが存在する場合は最優先で必要な文書をコピーしてください。ファイルが見つかった後は、外付けストレージやOneDriveなど複数の場所にバックアップしてから、初期化や環境の整理を行いましょう。
[1]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/deployment/install-upgrade/find-lost-files-after-upgrading-windows “Windows のアップグレード後に失われたファイルを見つける | Microsoft Support”
[2]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/deployment/install-upgrade/retrieve-files-from-the-windows-old-folder-after-a-windows-upgrade “Windows アップグレード後に Windows.old フォルダーからファイルを取得する | Microsoft Support”
[3]: https://support.microsoft.com/ja-jp/onedrive/find-lost-or-missing-files-in-onedrive “OneDrive で喪失したか、見つからないファイルを検索する | Microsoft Support”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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