Microsoft TeamsのAdaptive card-based app更新とは?SharePointエージェント追加と管理ポイント

Microsoft Teamsの「Adaptive card-based app & copilot agent link unfurling in Teams」は、名前だけ見ると開発者向けの細かな仕様変更に見えます。しかし実務上のポイントはシンプルです。Teamsのチャットやチャネルから、SharePointで作成されたエージェントを見つけて会話に追加しやすくなる更新です。

2026年6月2日時点で確認できるMicrosoft 365 Roadmap ID 515465では、対象サービスはMicrosoft Teams、状態はIn development、対象プラットフォームはDesktopとMac、クラウドはWorldwide、一般提供予定はJuly CY2026です。Roadmap API上の更新日時は2026-05-26 23:00:59 UTCで、日本時間では2026年5月27日の更新として扱えます。なお、Microsoft 365 Roadmapの提供時期は予定であり、変更される可能性があります。(Microsoft)

管理者がまず見るべきなのは、Teams上の表示そのものよりも、SharePointエージェントの権限、Microsoft 365 Copilotまたは従量課金の利用条件、Teamsアプリ管理、外部ユーザーを含む会話での扱いです。開発者は、Adaptive Card、リンク展開、Teamsアプリ/Copilotエージェントのパッケージング、モバイル表示の制約を確認しておく必要があります。

目次

Microsoft TeamsのAI/Copilot更新で何が変わるのか

今回の更新では、Teamsのチャットやチャネルの参加者一覧、つまりrosterのドロップダウンからAdd agents and botsを選ぶことで、コンテキスト内ストアが開き、SharePointエージェントを発見して会話に追加できるようになる予定です。追加されたエージェントは、グループの会話内で共同作業に使えます。(Microsoft)

従来は、SharePoint側でエージェントを見つける、リンクをコピーする、Teamsに貼り付ける、会話に追加する、といった流れになりやすく、利用者にとって「どのエージェントをどこで探せばよいか」が分かりにくい場面がありました。更新後は、Teamsの会話の流れからエージェントを追加しやすくなるため、SharePoint上のナレッジをチャットやチャネルの文脈で使いやすくなります。

観点これまで起きがちな状況更新後に期待される動き
エージェントの発見SharePoint側で探す、共有リンクを受け取るなど、導線が分散しやすいTeamsのチャットやチャネル内からSharePointエージェントを探しやすくなる
追加操作リンク共有やTeamsストア経由など、利用者が手順を知らないと迷いやすいAdd agents and botsから会話に追加する導線が分かりやすくなる
リンク展開エージェントのURLを貼っても、利用者が「何をすればよいか」を判断しづらいエージェントリンクの展開により、Teams内で追加操作へ進みやすくなる
業務利用個人がSharePoint内で質問する使い方に寄りやすいチームやプロジェクトの会話内で、エージェントを@メンションして使いやすくなる

Microsoft Supportでは、SharePointエージェントのリンクをTeamsに共有すると、会話へ追加するよう促され、追加後は個人への@メンションと同じようにエージェントへ質問できると説明されています。リンクを貼っただけで追加しない場合、URLは見えてもチャット内でエージェントと対話できない点に注意が必要です。(Microsoft Support)

Adaptive card-based app & copilot agent link unfurlingの意味

「Adaptive card-based app & copilot agent link unfurling」という表現は、利用者向けに言い換えると、エージェントやアプリのリンクをTeamsに貼ったとき、単なるURLではなく、内容や操作ボタンを持つカードとして展開し、会話に追加しやすくする仕組みです。

Teamsでは、メッセージ拡張機能やリンク展開により、外部システムやアプリの情報をカードとして表示できます。Microsoft Learnでは、メッセージ拡張機能はTeamsやOutlookのメッセージ内で外部システムに対する検索やアクションを可能にし、リンク展開はTeamsのチャットメッセージでも利用できると説明されています。(Microsoft Learn)

Adaptive Cardは、テキスト、画像、ボタン、入力欄などを組み合わせられるカード形式です。Teamsではボットやメッセージ拡張機能の結果などでAdaptive Cardが使われますが、Teams上で利用できるAdaptive Cardのバージョンやモバイル表示には制約があります。特にTeamsモバイルアプリではAdaptive Card v1.2までの対応とされており、新しいスキーマを使うと正しく表示されない可能性があります。(Microsoft Learn)

今回のTeams更新は、利用者にとっては「SharePointエージェントをTeamsの会話に追加しやすくなる機能」です。一方、開発者や管理者にとっては、カード表示、リンク展開、アプリの権限、エージェントの表示範囲をまとめて確認するきっかけになります。

対象範囲と展開時期

Roadmap ID 515465の主な情報を整理すると、次のとおりです。Microsoftのロードマップ上では、2026年1月29日にロールアウトを一時停止した旨のメモも残っています。その後、現在の一般提供予定はJuly CY2026として表示されています。(Microsoft)

項目内容
Roadmap ID515465
機能名Microsoft Teams: Adaptive card-based app & copilot agent link unfurling in Teams
対象サービスMicrosoft Teams
状態In development
リリースフェーズTargeted Release、General Availability
一般提供予定July CY2026
対象プラットフォームDesktop、Mac
対象クラウドWorldwide(Standard Multi-Tenant)
作成日2025-10-16
更新日2026-05-26 23:00:59 UTC、JSTでは2026-05-27

ここで重要なのは、DesktopとMacが対象として明記されていることです。Teamsモバイルでの同等の体験を前提に社内展開を設計すると、利用者から「自分の画面に出ない」という問い合わせが増える可能性があります。初期展開では、Windows版Teams、Mac版Teams、対象指定リリースのユーザーを中心に検証するのが安全です。

また、Roadmapの一般提供予定は月単位の目安です。社内展開計画では、「7月に全員へ一斉展開される」と決め打ちせず、Microsoft 365管理センターのMessage Center、Teams管理センター、実際のクライアント表示をあわせて確認してください。

利用者は何ができるようになるのか

利用者側の変化は、SharePointエージェントをTeamsの会話に持ち込みやすくなることです。たとえば、プロジェクトのSharePointサイトに仕様書、議事録、FAQ、手順書が集約されている場合、その内容をもとにしたエージェントをチームのチャネルに追加し、メンバーが会話の中で質問できます。

主な利用シーンは次のようになります。

利用シーン具体例効果
プロジェクトチャネルプロジェクト計画書、課題管理表、議事録をもとに質問する新メンバーが過去経緯を確認しやすくなる
営業チームのグループチャット製品資料や提案テンプレートをもとに提案文の下書きを作るSharePointを開かずに必要情報へ近づける
情シス・ヘルプデスク社内FAQや申請手順から回答案を出す同じ質問への一次対応を効率化できる
部門横断の会議チャット関連ドキュメントをもとに要点を確認する会議後の確認作業を減らしやすい

Teamsアプリストアからも、SharePointで作成されたエージェントを見つけてチャットやチャネルへ追加できます。Microsoft Supportでは、TeamsアプリストアのAgentsカテゴリから、ユーザーの最近の利用状況に基づいたSharePointエージェントの一覧が表示され、エージェントをチャットやチャネルへ追加できると説明されています。(Microsoft Support)

ただし、検索対象が常にテナント内の全エージェントになるとは限りません。同じSupportページでは、検索はパーソナライズされた最近のエージェント一覧に対して機能すると説明されています。目的のエージェントが見つからない場合は、Teams側だけで探すのではなく、SharePoint側の権限、共有状態、利用履歴、エージェント名を確認する必要があります。(Microsoft Support)

管理者が最初に確認すべきポイント

ライセンスと従量課金の条件を整理する

SharePointエージェントは、利用者のライセンスや課金設定に依存します。Microsoft Supportでは、SharePointエージェントを利用するにはMicrosoft 365 Copilotライセンス、または組織で有効化されたSharePoint Agentsの従量課金サービスが必要と説明されています。編集する場合は、これに加えてSharePointサイトの編集権限も必要です。(Microsoft Support)

SharePoint管理者向けドキュメントでは、エージェントへのアクセスはCopilotライセンス割り当て、または従量課金の課金ポリシーに割り当てたセキュリティグループで制御できるとされています。Microsoft 365 Copilot for SharePointのサービスプランをユーザー単位でオン/オフにすることもできますが、この変更はOneDriveやSharePointページ作成時のCopilotにも影響するため、安易に切り替えない方がよいでしょう。(Microsoft Learn)

実務では、次の3点を先に決めてください。

確認項目判断基準
誰に使わせるか全社展開ではなく、まずは業務ドキュメントが整っている部門から試す
Copilotライセンスで使うか、従量課金を使うかコスト管理、対象ユーザー、部門別の利用量を見て決める
利用できないユーザーへの説明「Teamsにボタンがない」「エージェントが見つからない」問い合わせに備える

なお、TeamsのCopilot agents追加に関するSupportページでは、グループチャットにCopilot agentsを追加する操作自体について「Copilotライセンスは不要」と説明されています。一方で、SharePointエージェントを実際に利用する条件はMicrosoft 365 Copilotライセンスまたは従量課金に依存します。追加操作と、SharePointデータを使うエージェントの利用条件は分けて考えるのが安全です。(Microsoft Support)

Teams管理センターでエージェントとアプリの利用可否を確認する

Teamsでは、エージェントやアプリの利用可否を管理者が制御できます。Microsoft Learnでは、Teams管理センターのTeams apps > Manage appsから、組織内で利用できるエージェントやアプリの状態を確認し、許可またはブロックできると説明されています。(Microsoft Learn)

特に確認すべき場所は次のとおりです。

管理場所確認すること
Teams admin center > Teams apps > Manage appsSharePointエージェントや関連アプリが許可されているか
Teams apps > Permission policies従来のアプリ権限ポリシーでエージェントやアプリがブロックされていないか
App centric managementアプリ単位で、利用できるユーザーやグループが適切に割り当てられているか
Microsoft 365 admin center > Integrated apps統合アプリ管理側とTeams側の状態が矛盾していないか

App centric managementに移行済みのテナントでは、アプリ単位でユーザーやグループに利用可否を割り当てる運用が中心になります。Microsoft Learnでは、移行時に既存の権限ポリシーや組織全体設定を棚卸しし、競合がある場合は手動でアプリの可用性を編集する必要があると説明されています。(Microsoft Learn)

一方、未移行のテナントではアプリ権限ポリシーの確認も残ります。Microsoft Learnでは、アプリ権限ポリシーでMicrosoftアプリ、サードパーティアプリ、カスタムアプリごとに、特定アプリやCopilot agentsの許可・ブロックを設定できるとされています。ポリシー変更の反映には数時間かかる場合があるため、検証時はすぐに結果が出ない前提で計画してください。(Microsoft Learn)

SharePointの権限設計を見直す

この更新で最も重要なのは、TeamsのUIではなくSharePoint側の権限です。Microsoft Supportでは、SharePointエージェントは質問したユーザーの権限に基づいて応答し、エージェントを共有しても、エージェントが参照するサイト、ページ、ファイルの権限は自動的には変更されないと説明されています。(Microsoft Support)

つまり、Teamsのチャネルにエージェントを追加しても、権限のないユーザーにSharePoint上の機密情報がそのまま見えるわけではありません。ただし、逆に言えば「権限を広く付けすぎているSharePointサイト」では、エージェントによって見つけやすくなる情報も広くなります。Copilotやエージェント導入前のSharePoint権限棚卸しが不十分な組織ほど、導入後に情報管理の不安が表面化しやすくなります。

確認すべき観点は次のとおりです。

確認項目よくある失敗対応策
サイト権限部門外のユーザーにも閲覧権限が残っている所有者、メンバー、閲覧者を棚卸しする
ドキュメントライブラリ古い機密資料が同じライブラリに残っているエージェントの対象ソースから外す、権限を分離する
.agentファイル作成者や編集者が分からない所有者、目的、対象範囲を命名ルールで管理する
共有リンクリンクを受け取った人が使える範囲を誤解するエージェント共有時に、元データの権限は変わらないと周知する

SharePoint管理者向けドキュメントでは、SharePointエージェントは.agentファイルとして扱われ、そのファイルの権限がエージェントへのアクセスや編集を制御すると説明されています。また、エージェントの応答は、ユーザーがアクセスできるデータソースの権限に依存します。(Microsoft Learn)

サイト所有者による承認と命名ルールを決める

SharePointでは、サイトメンバーが自分のエージェントを作成して利用でき、編集権限を持つ他のサイトメンバーが利用、編集、共有できる場合があります。サイト所有者はエージェントを承認し、サイトの既定エージェントとして設定できます。(Microsoft Support)

そのため、管理者は「作成を禁止するか」だけでなく、「使いやすく管理できる状態にするか」を考える必要があります。全社的に利用するなら、次のような命名ルールを決めておくと混乱を減らせます。

ルール例
部門名を入れる営業部_提案資料エージェント
対象範囲を入れる情シス_FAQ_社内向け
機密度を分ける人事_公開FAQと人事_管理者向けFAQを分ける
所有者を明確にするエージェント説明欄やSharePointのファイル情報に管理部門を記載する

エージェントが増えるほど、利用者は「どれを使えばよいか」で迷います。Teamsから見つけやすくなる更新だからこそ、エージェントの乱立を防ぎ、承認済みエージェントを優先的に使わせる運用が重要です。

外部ユーザー、1対1チャット、モバイルの制約に注意する

Microsoft Supportでは、SharePointで作成されたエージェントについて、外部ユーザーまたはゲストユーザーがグループチャットやチャネルに含まれている場合、エージェントは回答を拒否すると説明されています。また、SharePointで作成されたエージェントとの1対1チャットはまだ利用できず、Teamsモバイルアプリではすべての機能が完全にはサポートされていないとされています。(Microsoft Support)

これは、社外メンバーと共同作業をしている組織では特に重要です。たとえば、取引先を含むプロジェクトチャネルに社内向けSharePointエージェントを追加しても、期待どおりに回答できない場合があります。外部コラボレーション用のチャネルでは、エージェントを使う前に、会話参加者の属性とデータソースの権限を確認してください。

ケース想定される問題推奨対応
ゲストを含むチャネルエージェントが回答しない社内メンバーだけのチャネルで利用する
1対1で使いたいSharePoint作成エージェントとの1対1チャットが未対応グループチャットまたはチャネルで使う
スマートフォン中心の現場ボタンやカード表示がPCと異なる可能性初期展開はDesktop/Mac中心に案内する
機密資料を含むサイト回答の共有時に権限差が出る回答を投稿する前のレビュー手順を周知する

SharePointエージェントが回答をチャットに自動投稿できないケースでは、質問したユーザーが回答をプレビューし、内容を確認してから投稿する流れになります。これは機密情報の誤共有を防ぐための重要な挙動です。(Microsoft Support)

開発者が確認すべき技術ポイント

今回のRoadmap項目は、主にMicrosoft TeamsとSharePointエージェントの標準体験に関する更新です。そのため、すべての開発者が既存アプリを修正しなければならない、という話ではありません。ただし、Teamsアプリ、メッセージ拡張機能、Copilotエージェント、Adaptive Cardを扱っている開発チームは、同じ体験に合わせて設計を見直す価値があります。

TeamsアプリとCopilotエージェントのパッケージを整理する

Microsoft Learnでは、Teamsアプリ、Officeアドイン、カスタムCopilotエージェントはいずれもMicrosoft 365向けアプリの一部として扱われ、単一のmanifestとアプリパッケージで関連機能をまとめられると説明されています。Teams、Microsoft 365 Copilot、Outlookなど複数のハブアプリで動く拡張を設計する場合は、manifest、TeamsJS、Microsoft 365 Agents Toolkitのバージョンを確認してください。(Microsoft Learn)

実務で確認すべき項目は次のとおりです。

項目確認内容
manifestMicrosoft 365向けの統合manifestを使う設計になっているか
配布単位Teamsアプリ、Copilotエージェント、Officeアドインを別々に配布しすぎていないか
リンク展開URLを貼ったとき、利用者が次に何をすべきか分かるカードになっているか
権限説明カードや詳細画面で、エージェントが何を参照するか説明できているか
管理者承認Teams管理センターやMicrosoft 365管理センターでブロックされる前提を考慮しているか

Adaptive Cardは表示制約を前提に設計する

Adaptive Cardは便利ですが、Teamsではすべての要素が自由に使えるわけではありません。Microsoft Learnでは、Teamsプラットフォームはリンク展開などの用途でAdaptive Card v1.5以前をサポートし、モバイルアプリではv1.2までの対応と説明されています。また、固定幅を指定して横スクロールを出さない、狭い表示領域でテストする、ファイルや画像アップロードに対応していない点に注意する、といった制約も示されています。(Microsoft Learn)

開発時のチェックリストは次のとおりです。

チェック項目理由
タイトルだけで内容が分かるかチャット内ではカードを一瞬で判断されるため
ボタン文言が具体的かOpenだけではなく、このチャットに追加のように行動を明確にする
権限やデータ元を表示しているかエージェント利用時の不安を減らすため
PC、Mac、狭い幅で崩れないかRoadmapの対象がDesktop/Macで、カード表示は幅の影響を受けるため
モバイルで代替導線があるかTeamsモバイルでは一部機能が不完全な可能性があるため
URLだけでも意味が通じるかリンク展開に失敗した場合のフォールバックになるため

カードは「かっこよく見せる部品」ではなく、利用者の判断を助けるUIです。エージェント名、目的、参照範囲、追加ボタン、管理者への問い合わせ先が分かる設計にすると、展開後の問い合わせを減らせます。

展開前にやるべき準備

この更新は、サーバー移行のような大規模作業ではありません。しかし、何も準備せずに広がると、エージェントの乱立、権限不備、利用者問い合わせが同時に発生します。管理者は「機能が出たら使う」ではなく、「どの部門から安全に使わせるか」を決めておくべきです。

フェーズやること完了の目安
事前確認Roadmap、Message Center、対象クライアント、ライセンスを確認する対象ユーザーと提供時期の見込みが説明できる
棚卸しSharePointサイト、ドキュメントライブラリ、既存エージェントを確認する重要サイトの所有者と権限が明確になっている
パイロット1〜2部門でTeamsチャネルにエージェントを追加して検証する主要な質問に回答でき、誤共有リスクが許容範囲
管理設定Teamsアプリ管理、App centric management、権限ポリシーを確認する対象者だけが使える状態を再現できる
利用者案内Add agents and botsの使い方、使えないケース、問い合わせ先を共有するヘルプデスクが一次回答できる
本番展開承認済みエージェントを中心に展開する命名ルール、所有者、更新責任者が決まっている
展開後利用状況、問い合わせ、権限不備を定期的に見直す不要なエージェントや古いデータソースを整理できる

SharePointのエージェント管理では、ファイル統計、検索、サイト利用状況などを使ってサイト上のエージェントを確認できるとされています。サイト単位だけでなく、SharePoint管理者として横断的に利用状況を見る運用も検討してください。(Microsoft Support)

よくあるつまずきと対処法

つまずき原因として考えられること対処法
Add agents and botsが見えないロールアウト未到達、対象外クライアント、Teamsアプリ設定、ライセンス条件Desktop/Macで確認し、対象指定リリース、Teams管理センター、ライセンスを順に見る
SharePointエージェントが見つからない最近使ったエージェント一覧に出ていない、権限がない、名前が分かりにくいSharePoint側でリンク共有、エージェント名の見直し、権限確認を行う
エージェントは追加できたが回答が薄いデータソースに必要なファイルが含まれていない、質問者に権限がないエージェントの対象ソース、SharePoint権限、ファイルの配置を確認する
回答がチャットに自動投稿されない質問者と他メンバーの権限が異なる質問者が回答をプレビューして、投稿してよい内容か確認する
ゲスト入りチャネルで使えない外部ユーザーまたはゲストが含まれる会話では回答が拒否される場合がある社内メンバーだけのチャネルやグループチャットで使う
モバイル利用者から問い合わせが増えるTeamsモバイルでは一部機能が完全対応していない可能性がある初期案内ではDesktop/Mac中心の手順を明記する
エージェントが増えすぎるサイトメンバーが個別に作成し、承認ルールがないサイト所有者による承認、既定エージェント、命名ルールを導入する

特に注意したいのは、「エージェントが情報を漏らすかどうか」だけに関心が偏ることです。SharePointエージェントは基本的にユーザー権限に基づいて応答しますが、権限が広すぎるサイトでは、もともと見えていた情報がより発見されやすくなります。エージェント導入は、SharePoint権限の健全性を確認する良いタイミングです。

導入判断の目安

この更新は、次の条件を満たす組織ほど早めに試す価値があります。

早めに試しやすい組織慎重に進めるべき組織
SharePointのサイト所有者が明確所有者不明のサイトや古いライブラリが多い
部門ナレッジがSharePointに整理されている個人フォルダーや重複ファイルが多い
Microsoft 365 Copilotまたは従量課金の方針が決まっている誰が使えるか、コストを誰が負担するか未定
Teamsアプリ管理の運用があるTeamsアプリをほぼ未管理で許可している
パイロット部門とヘルプデスクが協力できる利用者教育や問い合わせ体制がない

おすすめは、全社展開ではなく、情報が整理されている部門の1つのチャネルから始めることです。たとえば情シスの社内FAQ、営業部の提案資料、製品部門の仕様書など、質問パターンがはっきりしている領域が向いています。

反対に、人事、法務、経営企画など機密情報が多い領域では、先にSharePoint権限とデータソースの整理を行ってから試すべきです。エージェントの便利さよりも、参照範囲と投稿先のコントロールを優先してください。

まず取るべき次のアクション

Microsoft Teamsの「Adaptive card-based app & copilot agent link unfurling in Teams」は、Teams上でSharePointエージェントを発見・追加しやすくする更新です。利用者には便利な導線追加ですが、管理者にとってはSharePoint権限、Copilotライセンス、従量課金、Teamsアプリ管理を見直すタイミングでもあります。

最初に行うべきことは、次の5つです。

  1. Roadmap ID 515465とMessage Centerで、自社テナントへの展開時期を確認する。
  2. Desktop/MacのTeamsで、対象指定リリースユーザーを使って表示を検証する。
  3. SharePointエージェントの所有者、対象ソース、.agentファイル、権限を棚卸しする。
  4. Teams管理センターで、エージェントや関連アプリの許可・ブロック設定を確認する。
  5. 1部門・1チャネルでパイロットし、問い合わせ内容と権限トラブルを記録する。

この機能の価値は、単に「Teamsからエージェントを追加できる」ことではありません。チームの会話の中で、SharePointに蓄積された知識を安全に使える状態を作ることにあります。便利さだけを先に広げるのではなく、権限、命名、承認、利用者教育をセットで整えることで、TeamsとCopilotエージェントを実務に定着させやすくなります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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