Copilotの自然言語スケジュール作成が使えない理由|Roadmap 531913中止と代替手順

Microsoft 365 Copilotに「毎週月曜日の午前9時に、今週の予定をまとめて」のような自然な文章を入力しても、スケジュールプロンプトが自動作成されないのは不具合ではありません。この操作を実現する予定だった「Roadmap ID 531913」は、2026年6月の一般提供予定から一転し、正式に「Cancelled」となりました。

ただし、中止されたのは自然言語からスケジュール設定を自動生成する機能です。既存の「Scheduled prompts(スケジュールされたプロンプト)」そのものは、Microsoft 365 Copilotのメニューから手動で作成できます。利用できない場合は、ライセンス、利用画面、オプションの接続エクスペリエンスを確認する必要があります。(Microsoft)

目次

Copilotの自然言語スケジュール作成が使えない理由

Microsoftが計画していたRoadmap ID 531913は、ユーザーが会話形式で実行内容と日時を指定すると、Copilotが意図を読み取り、スケジュールプロンプトを自動作成する機能でした。

たとえば、次のような依頼を想定した機能です。

毎週金曜日の午後4時に、今週の未対応メールと来週の予定をまとめて

通常のCopilotへの質問として回答するだけでなく、「毎週金曜日の午後4時」という実行条件を認識し、定期実行するプロンプトとして登録する構想でした。

しかし、Microsoftの公式ロードマップデータでは、現在の状態が「Cancelled」とされています。公式説明も「この機能を進めることができなくなった」という内容に変更されています。(Microsoft)

項目公式情報
機能名Natural language support for Scheduling prompts
Roadmap ID531913
対象サービスMicrosoft Copilot(Microsoft 365)
対象プラットフォームDesktop、Mac、Web
プレビュー予定2025年11月
一般提供予定2026年6月
現在の状態Cancelled
公式データの更新日時2026年7月14日(UTC、日本時間では7月15日)

重要なのは、一般提供時期が延期されたのではなく、中止された点です。「自分のテナントへの展開が遅れている」「アプリの更新が不足している」という状態ではありません。

Microsoftは具体的な中止理由を公表していない

Microsoftの公式説明では、この機能を進められなくなったことと謝罪のみが記載されています。技術的な問題、セキュリティ上の判断、利用率、開発優先順位など、具体的な理由は示されていません。代替機能や新しい提供時期も発表されていません。(Microsoft)

したがって、現時点で次のような理由を断定することはできません。

  • 自然言語による日時認識の精度が不足していた
  • 誤ったスケジュール登録を防ぐために中止した
  • Power AutomateやCopilot Coworkへ機能を統合する予定がある
  • 管理やコンプライアンス上の問題があった

いずれも可能性としては考えられますが、Microsoftが公式に説明した内容ではありません。

Roadmap 531913のページが表示されないこともある

Microsoft 365 Roadmapでは、一般提供済み、中止、延期となった項目がWebサイトから削除される場合があります。そのため、Roadmap ID 531913のURLを開いても、該当機能の詳細が表示されず、ロードマップのトップページに近い画面が表示されることがあります。

Microsoft自身が、一般提供、中止、延期となった情報はWebサイトから削除される場合があると説明しています。ロードマップ項目が見つからないことを「提供開始された証拠」と判断しないよう注意が必要です。(Microsoft)

中止されたのはScheduled prompts全体ではない

Roadmap ID 531913の中止によって、Microsoft 365 Copilotのスケジュール機能がすべて廃止されたわけではありません。

中止されたのは、自然な文章から実行日時や頻度を推測し、Copilotがスケジュールを自動作成する部分です。一方、既存のプロンプトをメニューからスケジュールする操作は、Microsoftの公式サポートで現在も案内されています。(マイクロソフトサポート)

操作現在の扱い
自然な文章だけでスケジュールを自動作成するRoadmap 531913で中止
実行済みプロンプトのメニューからスケジュールする公式サポートで案内中
実行日時や頻度を手動設定する利用可能
スケジュールを編集するRoadmap 531912で提供済み
スケジュールを一時停止・削除する管理画面から操作可能

既存スケジュールの日時を編集するRoadmap ID 531912は「Launched」となっており、2026年1月の一般提供として登録されています。自然言語による自動作成と、既存のScheduled promptsは別の機能として管理されていることが分かります。(Microsoft)

自然言語で依頼したときの動作はどう変わるのか

Roadmap 531913が実現していれば、次のような入力だけでスケジュールが作成される想定でした。

毎朝8時に、今日の会議と重要な未読メールをまとめて

しかし、この機能は中止されたため、通常のCopilot Chatに同じ文章を入力しても、定期実行の設定画面が自動的に開くとは限りません。その場で依頼内容に回答したり、スケジュールの作り方を説明したりするだけになる可能性があります。

確実に登録するには、次のように「プロンプトの内容」と「実行スケジュール」を分けて設定します。

  1. まず、実行したい内容をCopilotに送信する
  2. 送信済みプロンプトのメニューを開く
  3. 「このプロンプトをスケジュール設定する」を選ぶ
  4. 実行日時や頻度を手動で設定する

この方法であれば、Roadmap 531913の自然言語自動作成機能を必要としません。

現在利用できるスケジュールプロンプトの作成手順

Microsoftの公式サポートでは、Copilot Chatで実行したプロンプトを後からスケジュールする方法が案内されています。(マイクロソフトサポート)

利用前に確認する条件

スケジュールプロンプトを利用するには、次の条件を確認します。

確認項目必要な状態
アカウントMicrosoft 365の職場または学校アカウント
ライセンスMicrosoft 365 Copilotライセンス
利用場所Copilot Chat、TeamsのMicrosoft 365 Copilot、OutlookのWeb版またはデスクトップ版
接続機能オプションの接続エクスペリエンスが有効
登録上限最大10件のスケジュールプロンプト

Copilot Chatを開けることと、スケジュールプロンプトを使えることは同じではありません。公式要件ではMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要とされているため、ライセンスが割り当てられているか管理者に確認してください。(マイクロソフトサポート)

Copilot Chatから作成する

  1. Microsoft 365 CopilotのCopilot Chatを開きます。
  2. 職場または学校アカウントでサインインします。
  3. 定期実行したいプロンプトを入力し、一度実行します。
  4. 送信したプロンプトにマウスポインターを合わせます。
  5. 表示されたメニューから「このプロンプトをスケジュール設定する」を選びます。
  6. 実行日時、頻度、実行回数などを設定します。
  7. 必要に応じて、結果が準備できたときのメール通知を有効にします。
  8. 「保存」を選択します。

自然言語でスケジュールを自動生成するのではなく、プロンプトを実行した後にメニューからスケジュールを追加するのがポイントです。

実務で使いやすい設定例

毎朝の予定確認

プロンプト例:

今日の会議、重要な予定、対応が必要なメールを整理してください。最初に優先順位が高いものを3件示してください。

平日の午前8時などに設定すると、始業時の確認作業を短縮できます。

週次の未対応事項確認

プロンプト例:

今週のメールと会議から、私が対応すると決まった項目を抽出してください。期限、関係者、次の行動を表にしてください。

毎週金曜日の午後に実行すると、翌週へ持ち越す業務を整理しやすくなります。

会議後のアクション整理

プロンプト例:

今日出席した会議の決定事項とアクション項目をまとめてください。担当者と期限が確認できない項目は、その旨を明記してください。

毎日の終業前に設定すれば、会議内容の振り返りに利用できます。

作成したスケジュールプロンプトを確認・編集する方法

Copilotアプリの右上にある設定メニューから「スケジュールされたプロンプト」を開くと、登録済みのプロンプトを確認できます。

主な操作は次のとおりです。

操作用途
今すぐ実行次回予定を待たず、その場で実行する
スケジュールの編集実行日時や頻度を変更する
オフにする削除せずに定期実行を停止する
削除スケジュールプロンプトを完全に削除する

実行結果はCopilotの会話一覧に表示されます。スケジュール実行された会話は、通常の会話と区別できるアイコンや強調表示が付きます。(マイクロソフトサポート)

スケジュールメニューが表示されないときの確認方法

Roadmap 531913の中止と、既存のScheduled promptsが表示されない問題は分けて考える必要があります。

症状考えられる原因対処
自然文を入力しても自動登録されないRoadmap 531913が中止されたプロンプト実行後に手動でスケジュールする
「このプロンプトをスケジュール設定する」がないライセンスまたは利用画面が対象外Microsoft 365 Copilotライセンスと利用場所を確認する
組織内の全ユーザーにメニューがないオプションの接続エクスペリエンスが無効管理者がCloud Policyを確認する
一部のユーザーだけ表示されないユーザー自身が接続エクスペリエンスを無効化しているアカウントのプライバシー設定を確認する
プレビュー時代に作成した項目が一覧にないPower Automateを使用したレガシープロンプトPower Automate側で確認・管理する

ライセンスを確認する

Microsoftの公式要件では、Scheduled promptsの利用にMicrosoft 365 Copilotライセンスが必要です。

Microsoft 365管理センターで、対象ユーザーにライセンスが割り当てられているか確認します。Copilot Chatを利用できていても、必要なライセンス条件を満たしているとは限りません。(Microsoft Learn)

利用している画面を確認する

公式サポートでは、次の利用場所が案内されています。

  • Microsoft 365 CopilotのCopilot Chat
  • Microsoft Teams内のMicrosoft 365 Copilot
  • Outlook on the web
  • Outlookデスクトップ版

WordやExcelなど、別のCopilot画面で同じメニューを探している場合は、まずCopilot Chatから確認するのが確実です。(マイクロソフトサポート)

オプションの接続エクスペリエンスを確認する

Scheduled promptsは、Officeの「追加のオプションの接続エクスペリエンス」に依存します。

管理者がCloud Policyでこの設定を無効にすると、組織内のユーザーにはスケジュールプロンプトのアイコンや管理メニューが表示されなくなります。管理者側で有効になっていても、ユーザーが自身のプライバシー設定から無効化している場合があります。(Microsoft Learn)

管理者が確認するポリシーは、次の設定です。

Officeでの追加のオプションの接続エクスペリエンスの使用を許可する

この設定はScheduled prompts以外のMicrosoft 365機能にも影響します。スケジュール機能だけを有効にするつもりで変更すると、ほかの接続機能まで動作が変わる可能性があるため、組織のポリシーを確認してから変更してください。

無効化後も以前のスケジュールが実行される場合がある

オプションの接続エクスペリエンスを無効にすると、ユーザーは既存のスケジュールプロンプトを表示・管理できなくなります。

一方、Microsoftの管理者向け資料では、以前に登録されたプロンプトはスケジュールが終了するまで実行され続けると説明されています。メニューが消えたからといって、すべての定期実行が即座に停止するわけではありません。(Microsoft Learn)

組織で機能を停止する場合は、ポリシー変更前に既存スケジュールの棚卸しを行うことが重要です。

プレビュー時代のプロンプトが見つからない場合

Scheduled promptsは、以前のパブリックプレビューではPower Automateフローを利用していました。現在の機能はPower Automateフローに依存しない仕組みへ変更されています。

プレビュー期間中に作成した古いスケジュールプロンプトは、Microsoft 365 CopilotのScheduled prompts一覧に表示されない場合があります。その場合は、Power Automateで該当フローを確認します。古いプロンプトは有効期限が切れるまでPower Automate側で実行される可能性があります。(Microsoft Learn)

これはRoadmap 531913の中止とは別の問題です。既存項目が表示されない場合は、作成時期も確認してください。

Roadmap 531913は今後使えるようになるのか

2026年7月時点では、Roadmap ID 531913と同じ機能が改めて提供される予定は公表されていません。

公式データは「Cancelled」であり、説明にも提供延期や再設計中とは記載されていません。そのため、「いずれ自動的に表示される」と想定して待つべき状態ではありません。(Microsoft)

将来、似た機能が別のRoadmap IDや別製品の機能として登録される可能性はあります。ただし、現時点では公式情報がないため、既存の手動スケジュール機能を前提に運用するのが現実的です。

社内マニュアルや導入計画にRoadmap 531913を記載している場合は、次のように修正します。

  • 2026年6月提供予定という記述を削除する
  • 状態を「Cancelled」に変更する
  • 自然言語による自動作成と手動のScheduled promptsを区別する
  • 代替手順として、実行済みプロンプトからスケジュールする方法を掲載する
  • ライセンスとオプションの接続エクスペリエンスを利用条件に追加する

導入前に確認しておきたい運用上の注意点

自動実行させる内容を具体的にする

スケジュール設定が正しくても、プロンプトが曖昧では安定した結果を得にくくなります。

「重要なメールをまとめて」だけではなく、期間、対象、出力形式、優先順位の基準まで指定します。

改善例:

過去24時間に受信した未読メールから、私に対応が必要なものを抽出してください。送信者、件名、依頼内容、期限を表にし、期限が近い順に並べてください。

重要業務は最初に手動実行で検証する

いきなり定期実行にせず、同じプロンプトを数回手動で実行します。

期待した情報が取得できるか、対象期間が正しいか、不要な情報が多くないかを確認してからスケジュールを登録すると、毎回修正する手間を減らせます。

自動生成された内容を確定情報として扱わない

会議の決定事項、期限、担当者などを扱う場合は、元のメールや会議記録も確認します。Scheduled promptsは確認作業を効率化する機能であり、重要な判断を無条件に自動化する仕組みとして使うべきではありません。

Roadmap 531913中止後に取るべき対応

Copilotの自然言語によるスケジュールプロンプト作成が表示されない主な理由は、Roadmap ID 531913が正式に中止されたためです。アプリの再インストールや更新チャネルの変更を行っても、この機能が有効になるわけではありません。

一方、既存のScheduled promptsは引き続き利用できます。まずCopilot Chatでプロンプトを実行し、表示されたメニューから手動で日時と頻度を設定してください。

そのメニュー自体が表示されない場合は、次の順番で確認すると効率的です。

  1. Microsoft 365 Copilotライセンスの有無
  2. Copilot Chat、Teams、Outlookなど対象画面を利用しているか
  3. オプションの接続エクスペリエンスが有効か
  4. ユーザー自身のプライバシー設定で無効化していないか
  5. 古いPower Automateベースのプロンプトではないか

今後はRoadmap 531913の再開を前提にせず、現在提供されている手動のスケジュール設定を利用しながら、新しいRoadmap IDやMicrosoft 365 Copilotのリリースノートを確認するのが適切です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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