GitHub CopilotでGemini 3.6 Flashが表示されないときの管理者ポリシー確認手順

GitHub Copilot BusinessまたはCopilot Enterpriseを契約しているのに、モデル選択画面へGemini 3.6 Flashが表示されない場合は、最初に管理者ポリシーを確認してください。企業向けプランでは、対象プランを契約しているだけでは利用できず、管理者が「Gemini 3.6 Flash Preview」ポリシーを有効化する必要があります。

ただし、ポリシーを有効にしてもすぐに表示されるとは限りません。Gemini 3.6 Flashは2026年7月21日から段階的に展開されているため、管理設定に問題がなくても、対象アカウントへの提供がまだ始まっていない可能性があります。公式案内に沿った確認順序は、ライセンス、Enterpriseポリシー、Organizationポリシー、段階展開、クライアント環境の順です。(The GitHub Blog)

目次

最初に確認すべきポイント

Gemini 3.6 Flashが表示されないときは、次の順番で切り分けます。

優先度確認項目正常な状態問題がある場合の対応
1CopilotプランとライセンスBusinessまたはEnterpriseのシートが割り当てられているライセンス割り当てを見直す
2Enterprise側の設定Gemini 3.6 Flashの利用が許可されているEnterprise ownerが有効化する
3Organization側の設定ModelsでGemini 3.6 Flashが許可されているOrganization ownerが有効化する
4段階展開対象アカウントまで提供されている時間を置いて再確認する
5クライアント対応クライアントを最新版で使用しているIDEや拡張機能を更新する
6ログインアカウントCopilotライセンスがあるGitHubアカウントで認証しているサインアウト後に正しいアカウントで再認証する

Copilotで利用できるモデルは、契約プランだけでなく、利用しているクライアントと、OrganizationまたはEnterpriseが設定したモデル制限によっても変わります。対象プランであることは必要条件ですが、それだけでモデル一覧への表示が保証されるわけではありません。(GitHub Docs)

対象プランなのにGemini 3.6 Flashが表示されない理由

管理者による明示的な許可が必要

Gemini 3.6 Flashは、Copilot Pro、Pro+、Max、Business、Enterpriseの対象モデルです。一方、Copilot BusinessとCopilot Enterpriseでは、組織の管理者がCopilot設定にある「Gemini 3.6 Flash Preview」ポリシーを有効にしなければ、ユーザーはモデルを選択できません。(The GitHub Blog)

つまり、次の状態では表示されません。

  • Copilot Businessのシートは割り当てられているが、Organizationのモデルポリシーが未設定
  • Organizationでは許可したが、上位のEnterprise設定で制限されている
  • EnterpriseからOrganizationへ判断が委任されているが、Organization側で有効化していない
  • モデル自体がEnterpriseの許可モデル一覧へ追加されていない
  • 特定Organization向けのアクセスルールから対象組織が外れている

企業環境では、ユーザー側で設定を変更して解決できない場合があります。最初からIDEの再インストールを行うのではなく、管理者設定を先に確認するのが効率的です。

段階展開の対象にまだ到達していない

GitHubはGemini 3.6 Flashを一斉提供ではなく、段階的に展開しています。そのため、ポリシーが正しく設定されていても、モデル一覧にまだ追加されていない場合があります。

特にリリース直後は、次のような状態が起こり得ます。

  • 他社では表示されているが、自社では表示されない
  • 個人向けアカウントでは表示されるが、Businessアカウントでは表示されない
  • 管理設定を有効化したが、対応クライアントのモデルピッカーに出てこない

公式Changelogでも、表示されない場合は段階展開を待って再確認するよう案内されています。ポリシーが有効であることを確認できた場合は、設定を何度も切り替えるより、時間を置いて再確認する方が安全です。(The GitHub Blog)

EnterpriseポリシーがOrganization設定より優先されている

GitHub Copilotのポリシーは、EnterpriseとOrganizationの両方で管理できます。

Enterprise ownerが利用可否を明示的に決定している場合、Organization ownerはその設定を上書きできません。Organizationの管理画面で設定が固定されている、項目が編集できない、モデルが一覧に現れないといった場合は、Enterprise側の制限を疑います。(GitHub Docs)

複数階層がある企業では、次の順番で確認してください。

  1. EnterpriseでGemini 3.6 Flashが許可されているか
  2. 対象Organizationにモデル利用が許可されているか
  3. 対象ユーザーがそのOrganizationからCopilotライセンスを受け取っているか
  4. ユーザーが正しいGitHubアカウントでログインしているか

Enterprise管理者が確認する手順

Enterprise配下でCopilot BusinessまたはCopilot Enterpriseを利用している場合は、Enterprise ownerが上位ポリシーを確認します。

Copilotポリシーを確認する

  1. GitHubで対象のEnterpriseアカウントを開きます。
  2. 画面上部の「AI controls」を開きます。
  3. サイドバーから「Copilot」を選択します。
  4. Gemini 3.6 Flashに関するポリシーを探します。
  5. 「Gemini 3.6 Flash Preview」と表示されている場合は、利用を許可する設定に変更します。
  6. Organizationへ判断を委任する場合は、対象Organization側でも設定が必要であることを確認します。

EnterpriseのCopilotポリシーは、ドロップダウン、トグル、またはポリシー名を開いた先の設定画面から変更します。管理画面の構成は機能によって異なるため、単に一覧を見るだけでなく、ポリシー名も開いて確認してください。(GitHub Docs)

許可モデル一覧も確認する

Enterprise管理画面に「Configure allowed models」が表示される場合は、Gemini 3.6 Flashが許可モデルに含まれているかも確認します。

  1. 「AI controls」を開きます。
  2. 「Copilot」を選択します。
  3. 「Configure allowed models」を開きます。
  4. Gemini 3.6 Flashが一覧にない場合は「Add models」から追加します。
  5. モデルの公開範囲を確認します。

公開範囲には、主に次の考え方があります。

設定意味
EnabledEnterprise内のOrganizationでモデルを有効にする
Optional各Organizationが利用可否を選択する
Targeted model rule指定したOrganizationだけにモデルを許可する

「Optional」の場合、Enterprise側の作業だけでは完了しません。Organization ownerがOrganization設定の「Models」からGemini 3.6 Flashを許可する必要があります。

また、Targeted model ruleを使用している場合は、対象Organizationがルールに含まれているか確認してください。許可モデル管理機能は公開プレビューとして提供されているため、画面構成や項目名が変更される可能性があります。(GitHub Docs)

Organization管理者が確認する手順

Enterprise側で利用が許可されている、またはOrganizationへ判断が委任されている場合は、Organization ownerがモデルポリシーを確認します。

  1. GitHub右上のプロフィール画像をクリックします。
  2. 「Organizations」を選択します。
  3. 対象Organizationを開きます。
  4. Organization名の下にある「Settings」を開きます。
  5. サイドバーの「Code, planning, and automation」から「Copilot」を選択します。
  6. 「Models」を開きます。
  7. Gemini 3.6 Flashまたは「Gemini 3.6 Flash Preview」を探します。
  8. ユーザーが利用できる設定へ変更します。

「Policies」ではCopilot機能全体やプライバシー関連の設定を管理し、「Models」では基本モデル以外のモデル利用可否を管理します。Gemini 3.6 Flashが見つからない場合は、「Policies」だけでなく「Models」も必ず確認してください。(GitHub Docs)

Organization側で変更できない場合

次の状態では、Enterprise設定を確認する必要があります。

  • モデルの設定欄がグレーアウトしている
  • ドロップダウンを変更できない
  • Gemini 3.6 FlashそのものがOrganizationの一覧にない
  • 「Enterpriseによって管理されている」という趣旨の表示が出る
  • 設定を変更しても利用不可の状態が維持される

Organization ownerは、Enterprise ownerが明示的に固定したポリシーを上書きできません。Organization側だけを確認して「設定済み」と判断しないように注意してください。

ポリシー設定後にユーザー側で確認すること

管理者がポリシーを有効化した後は、対象ユーザーのクライアント環境を確認します。

対応するモデル選択画面を使用する

Gemini 3.6 Flashは、次のクライアントや機能のモデルピッカーで提供されます。

  • Visual Studio Code
  • Visual Studio
  • GitHub Copilot CLI
  • GitHub Copilot cloud agent
  • GitHub Copilot app
  • JetBrains IDE
  • Xcode
  • Eclipse

利用している製品や画面によって、選択できるモデルは異なります。対応していない画面でモデルを探しても表示されないため、まずCopilot Chatなどのモデルピッカーを開いて確認します。(The GitHub Blog)

IDEとCopilot拡張機能を更新する

新しいモデルでは、一定以上のIDEまたは拡張機能バージョンが必要になる場合があります。

2026年7月時点のGitHub Docsでは、Gemini 3.6 FlashについてVisual Studio 17.14.22または18.1.0が掲載されています。一方、Visual Studio Code、JetBrains IDE、Xcode、Eclipseの最低バージョンは未確定の項目が残っています。

古いクライアントで「表示されない」と判断せず、次を実施してください。

  1. IDE本体を最新版へ更新する
  2. GitHub Copilot拡張機能またはプラグインを更新する
  3. IDEを完全に終了して再起動する
  4. Copilot Chatを開き直す
  5. モデルピッカーを再確認する

GitHubも、最近追加されたモデルを利用するときは、IDEや拡張機能を最新状態にすることを推奨しています。(GitHub Docs)

GitHubアカウントを再確認する

業務用と個人用のGitHubアカウントを併用している場合、Copilotライセンスを持たないアカウントでIDEへログインしていることがあります。

次の項目を確認してください。

  • IDEで認証中のGitHubユーザー名
  • Copilot BusinessまたはEnterpriseのシートが割り当てられたユーザー名
  • 対象Organizationへの所属状況
  • Enterprise Managed Usersを使用している場合の業務用アカウント
  • 複数のGitHubアカウントが同時に認証されていないか

判断が難しい場合は、一度GitHubとCopilotからサインアウトし、ライセンスが割り当てられたアカウントだけで再認証します。

「Preview」というポリシー名を見落とさない

管理者が混乱しやすいのが、「Gemini 3.6 Flash」と「Gemini 3.6 Flash Preview」の表記です。

2026年7月時点のGitHub Docsでは、Gemini 3.6 Flashのリリース状態はGAとして掲載されています。一方、2026年7月21日の公式Changelogでは、BusinessおよびEnterprise管理者が有効化する項目を「Gemini 3.6 Flash Preview policy」と案内しています。(GitHub Docs)

これは、モデルのリリース状態と、管理画面上のポリシー名を分けて考える必要があることを意味します。管理画面に「Preview」と付いた項目しかなくても、別の旧モデルだと判断せず、Gemini 3.6 Flashの利用を制御するポリシーとして確認してください。

管理画面の表記が更新された場合に備え、次の両方で探すと見落としを防げます。

  • Gemini 3.6 Flash
  • Gemini 3.6 Flash Preview

症状から原因を切り分ける

症状考えられる原因確認先
Organization全員に表示されないEnterpriseまたはOrganizationのポリシーAI controls、OrganizationのModels
一部のOrganizationだけ表示されないOptional設定またはTargeted model ruleEnterpriseの許可モデル設定
一人だけ表示されないライセンス、ログインアカウント、クライアントCopilotシート、IDE認証情報
GitHub上では表示されるがIDEでは出ないIDEまたは拡張機能が古いIDEとCopilotプラグイン
ポリシーは有効だが誰にも表示されない段階展開が未到達、またはEnterprise側の別制限公式Changelog、Enterprise設定
Organization側で設定を変更できないEnterpriseで固定されているEnterprise owner
管理画面にもモデルがない段階展開、許可モデル未追加、権限不足EnterpriseのAI controls

「表示されない」という同じ症状でも、全員に起きているのか、一部ユーザーだけなのかで原因が変わります。問い合わせを受けた管理者は、最初に影響範囲を確認すると切り分けが速くなります。

有効化前に料金と運用ルールも確認する

Gemini 3.6 Flashは、利用量に応じた課金体系の対象となる場合があります。GitHubのリリース案内では、プロバイダーの価格に基づく従量課金として扱われることが案内されています。また、Organization設定の「Models」は、追加コストが発生する可能性があるモデルの利用可否を管理する場所でもあります。(The GitHub Blog)

全社で一度に有効化する前に、次を確認しておくと安全です。

  • AIクレジットや利用上限の管理方法
  • 利用を許可するOrganization
  • 検証対象となる開発チーム
  • 生成コードのレビュー基準
  • 機密情報をプロンプトへ入力しない運用
  • 利用量を定期確認する担当者
  • ポリシー変更の承認手順

EnterpriseのTargeted model ruleを利用できる場合は、最初に検証用Organizationだけへ許可し、問題がないことを確認してから対象を広げる方法が実務的です。

また、ポリシー変更者が増えると設定が意図せず変わる可能性があります。GitHubは、ポリシーを変更できる管理者を定期的に見直し、監査ログで設定変更を確認する運用を案内しています。(GitHub Docs)

解決しない場合に集める情報

ポリシー、ライセンス、クライアントを確認しても表示されない場合は、GitHubサポートへ問い合わせる前に次の情報をまとめます。

  • Copilot BusinessまたはEnterpriseの契約種別
  • 対象Enterprise名とOrganization名
  • 対象ユーザーのGitHubユーザー名
  • Copilotシートの割り当て状況
  • Enterprise側ポリシーのスクリーンショット
  • Organization側Models設定のスクリーンショット
  • 利用しているIDEとバージョン
  • Copilot拡張機能のバージョン
  • GitHub.comや別のIDEでは表示されるか
  • 他のユーザーにも同じ問題が起きているか
  • 最初に確認した日時

特に重要なのは、ポリシーが有効であることを示す画面、影響を受けるユーザー数、クライアントのバージョンです。これらが揃っていれば、段階展開の問題なのか、設定やライセンスの問題なのかを判定しやすくなります。

管理者はポリシーと段階展開を分けて確認する

Copilot BusinessまたはCopilot EnterpriseでGemini 3.6 Flashが表示されない場合、最優先で確認するのは「Gemini 3.6 Flash Preview」ポリシーです。

対応の順番は次のとおりです。

  1. 対象ユーザーにCopilotライセンスがあるか確認する
  2. Enterpriseの「AI controls」でモデル利用を許可する
  3. Organizationの「Copilot」から「Models」を確認する
  4. 対応IDEとCopilot拡張機能を更新する
  5. 正しいGitHubアカウントで再認証する
  6. すべて正常なら段階展開の到達を待って再確認する

対象プランであることと、実際にモデルを選択できることは同じではありません。企業環境では、上位ポリシー、Organization設定、段階展開、クライアントの4層を順番に確認することが、最も確実な解決方法です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

コメント

コメントする

目次