Outlookの0x80004005でフォルダー更新に失敗する場合の確認方法|Exchangeのバージョンを確認

従来のOutlookでメールフォルダーが自動更新されず、[送受信]から[フォルダーの更新]を実行すると 0x80004005 が表示される場合、最初に確認するのはOutlookやOfficeのクライアントビルドではありません

確認すべきなのは、メールボックスを収容しているExchangeサーバーのバージョンです。Microsoftは、この既知の同期問題について、サーバービルド 15.21.0155.000 より新しいバージョンに修正が含まれると案内しています。サーバーバージョンは、従来のOutlookにある[Outlook接続状態]の[バージョン]列で確認します。([マイクロソフト サポート][1])

この記事では、確認するバージョンの違い、[Outlook接続状態]の開き方、バージョン番号の比較方法、条件に当てはまらない場合の切り分けまで解説します。

目次

Outlookの0x80004005で最初に確認すること

今回の既知問題に対する確認ポイントは、次のとおりです。

確認項目内容
対象アプリ従来のOutlook for Windows
主な症状メールフォルダーが自動更新されない
再現操作[送受信]→[フォルダーの更新]
表示されるエラー0x80004005、操作に失敗した旨のメッセージ
確認するバージョンExchangeサーバーのビルド
確認場所[Outlook接続状態]の[バージョン]列
修正の基準15.21.0155.000 より新しいサーバービルド

重要なのは、修正条件が次のように表記されている点です。

> 15.21.0155.000

これは「15.21.0155.000 以上」ではなく、15.21.0155.000 より大きいバージョンを意味します。したがって、15.21.0155.000 と完全に同じ値は、表記上は修正済みの条件を満たしません。([マイクロソフト サポート][1])

この既知問題に当てはまる症状

Microsoftが案内している問題は、従来のOutlookで次のような状態になるものです。

  • 新着メールやフォルダーの内容が自動的に反映されない
  • Outlookを開いたままでもメールフォルダーが更新されない
  • [送受信]タブから[フォルダーの更新]を実行しても改善しない
  • 手動更新時に 0x80004005 と「操作に失敗しました」に相当するエラーが表示される

Microsoftの案内では、問題の状態は「修正済み」とされ、修正を含むサーバービルドの展開について説明されています。([マイクロソフト サポート][1])

なお、公式ページの適用先には新しいOutlookも記載されていますが、問題の説明では従来のOutlookと、[送受信]→[フォルダーの更新]という操作が示されています。この記事では、画面や操作を混同しないよう、従来のOutlook for Windowsに限定して解説します。([マイクロソフト サポート][1])

同じ0x80004005でも別の問題である場合

0x80004005 は、このフォルダー同期問題だけに使われる専用のエラーコードではありません。

次のような場面で表示される場合は、今回の既知問題とは別に切り分ける必要があります。

  • Outlookの起動時に表示される
  • メールの送信時だけ発生する
  • 添付ファイルを開くと発生する
  • PSTファイルや共有フォルダーの操作で発生する
  • IMAPアカウントの同期時に発生する
  • フォルダー更新ではなく、アカウント追加時に発生する

今回の案内と照合できるのは、主に「フォルダーが更新されず、手動更新で 0x80004005 が発生する」という組み合わせです。

確認するのはOfficeではなくExchangeサーバーのバージョン

Outlookには、複数の「バージョン」があります。ここを取り違えると、正しい調査ができません。

バージョンの種類主な確認場所今回の判定に使うか
ExchangeサーバーのバージョンOutlook接続状態の[バージョン]列使う
Outlookのクライアントバージョン[ファイル]→[Officeアカウント]→[Outlookのバージョン情報]直接の判定には使わない
Officeのビルド番号[Officeアカウント]の製品情報直接の判定には使わない
WindowsのバージョンWindowsの[設定]→[システム]→[バージョン情報]直接の判定には使わない

例えば、[Outlookのバージョン情報]に表示されたOfficeのビルド番号を、15.21.0155.000 と比較しても意味がありません。

15.21.0155.000 と比較するのは、Microsoftの案内どおり、[Outlook接続状態]に表示されるメールボックス側のサーバービルドです。([マイクロソフト サポート][1])

Officeのビルド番号も記録しておく理由

Officeのビルド番号は今回の修正判定には使いませんが、別の同期問題として調査するときには必要です。

管理者やサポートへ連絡する場合は、次の2つを分けて記録してください。

  • Exchangeサーバーのバージョン
  • Outlookクライアントのバージョンとビルド番号

「Outlookのバージョンは最新です」と伝えるだけでは、サーバー側の修正が適用されているかは判断できません。

Outlook接続状態からサーバーバージョンを確認する手順

従来のOutlookでは、一般に次の手順で[Outlook接続状態]を開けます。

  1. 従来のOutlookを起動します。
  2. 画面右下の通知領域を確認します。
  3. Outlookのアイコンが見つからない場合は、[隠れているインジケーターを表示します]を開きます。
  4. キーボードの Ctrl キーを押したまま、Outlookのアイコンを右クリックします。
  5. 表示されたメニューから[接続状態]または[接続ステータス]を選択します。
  6. [Outlook接続状態]画面の[バージョン]列を確認します。

通常の右クリックでは、[接続状態]が表示されないことがあります。先に Ctrl キーを押し、そのまま右クリックするのがポイントです。

Microsoftも、修正済みサーバービルドを確認する方法として、[Outlook接続状態]の[バージョン]列を案内しています。([マイクロソフト サポート][1])

複数の接続行が表示される場合

[Outlook接続状態]には、複数の行が表示されることがあります。

対象メールボックスの接続行を特定できる場合は、その行の[バージョン]を確認してください。どの行を見ればよいか判断できない場合は、次の情報を管理者に共有します。

  • [バージョン]列に表示された値
  • 対象が本人のメールボックスか共有メールボックスか
  • エラーが発生したフォルダー名
  • エラーが発生した日時
  • 0x80004005 が表示された操作

画面を外部の掲示板やサポート窓口に送る場合は、メールアドレス、組織のドメイン、内部サーバー名などを必要に応じて伏せてください。

15.21.0155.000との比較方法

バージョン番号は、ドットで区切られた数値を左から順番に比較します。

表示されたバージョン判定
15.21.0154.999基準より古い
15.21.0155.000基準と同じ。> の条件は満たさない
15.21.0155.001基準より新しい
15.21.0156.000基準より新しい
15.22.0001.000基準より新しい

先頭から順に比較し、最初に異なる部分で大小を判断します。

例えば、15.21.0156.000 は、3番目の数値である 01560155 より大きいため、新しいバージョンです。

一方、15.21.0155.000 は完全に同じです。公式案内が「より新しい」という条件である以上、同じ値を修正済みと決めつけないようにします。

サーバーバージョンが古い場合の対応

[Outlook接続状態]のバージョンが 15.21.0155.000 以下で、症状も公式案内と一致する場合は、サービス側の既知問題に該当する可能性があります。

この場合、利用者がOutlookの設定だけでExchangeサーバーを更新することはできません。

次の順序で対応します。

  1. 表示されたサーバーバージョンを記録する
  2. エラーが発生した日時とフォルダーを記録する
  3. 同じ組織内で複数ユーザーに発生していないか確認する
  4. Microsoft 365またはExchangeの管理者へ連絡する
  5. 管理者側でサービス状態や影響範囲を確認する
  6. 必要に応じてMicrosoftサポートへ問い合わせる

Microsoftも、組織への影響が大きく、利用中のサーバービルドが修正版より古い場合は、Microsoftサポートへ連絡するよう案内しています。([マイクロソフト サポート][1])

Outlookの再インストールだけでは判定できない

今回の修正対象はサーバービルドです。そのため、Outlookを再インストールしたり、Officeを更新したりしても、メールボックスを収容するサーバーのバージョン自体は変わりません。

Officeの更新は別の不具合を防ぐためには重要ですが、今回の既知問題については、まずサーバーバージョンを確認する必要があります。

修正済みバージョンでも同期しない場合

サーバーバージョンが 15.21.0155.000 より新しいにもかかわらず、フォルダーが更新されない場合は、今回とは別の同期エラーとして調査します。

次の順番で切り分けると、無関係な設定変更を減らせます。

Outlookを終了して再度確認する

従来のOutlookを完全に終了し、再度起動します。

その後、対象フォルダーを開き、[送受信]→[フォルダーの更新]を実行して、同じ 0x80004005 が再現するか確認します。

Outlook on the webと比較する

同じメールボックスをOutlook on the webで開き、フォルダーの内容を比較します。

切り分けの目安は次のとおりです。

状態考えられる方向
Webでは最新、従来のOutlookだけ古いクライアント、キャッシュ、プロファイルなどを調査
Webでもフォルダーが更新されないメールボックスやサービス側を調査
特定フォルダーだけ更新されないフォルダー固有の問題を調査
共有メールボックスだけ更新されない共有メールボックスの接続やキャッシュ設定を調査
複数ユーザーで同時発生組織またはサービス側の影響を調査

これは原因を断定するものではなく、調査する範囲を絞るための判断材料です。

アカウントの種類を確認する

従来のOutlookで、[ファイル]→[アカウント設定]→[アカウント設定]を開き、対象アカウントの種類を確認します。

今回のサーバービルド基準は、Microsoft 365やExchangeのメールボックスについて照合するものです。

対象が次のアカウントである場合は、別の同期問題として調査します。

  • IMAP
  • POP
  • GmailをIMAPで追加したアカウント
  • プロバイダー独自のメールサービス

IMAPやPOPのアカウントでは、今回のExchangeサーバーバージョンを確認する方法は使えません。

オンプレミスExchangeでは基準を流用しない

自社内でExchange Serverを運用している場合は、15.21.0155.000 だけを見て、累積更新プログラムやセキュリティ更新プログラムの適用状況を判断しないでください。

オンプレミスExchange Serverでは、管理者が次の情報を確認します。

  • Exchange Serverの製品バージョン
  • 累積更新プログラム
  • セキュリティ更新プログラム
  • ハイブリッド構成の有無
  • 問題が発生しているメールボックスの配置先

今回の値は、Microsoftが公開した特定の既知問題と照合するための基準です。別のExchange環境へそのまま当てはめるものではありません。

最初からOSTファイルを削除しない

フォルダーが同期しないと、OSTファイルの削除やOutlookプロファイルの再作成を案内されることがあります。

しかし、今回の症状では、最初にOSTを削除するのは適切な順序ではありません。

先に確認する内容は次のとおりです。

  1. エラーが[フォルダーの更新]で発生しているか
  2. アカウントがMicrosoft 365またはExchangeか
  3. [Outlook接続状態]のサーバーバージョンはいくつか
  4. 修正済み条件を満たしているか
  5. Outlook on the webでも同じ状態か
  6. 他の利用者にも発生しているか

サーバー側の既知問題であれば、OSTを作り直しても根本的なサーバーバージョンは変わりません。また、キャッシュの再作成には時間がかかることがあります。

OSTの再作成やプロファイルの作り直しは、修正済みサーバーであることを確認し、別のクライアント同期問題と判断した後に検討します。

よくある間違いと正しい確認方法

よくある対応問題点正しい確認
Officeのビルドを15.21.0155.000と比較するクライアントとサーバーを混同しているOutlook接続状態の[バージョン]を見る
0x80004005ならすべて同じ原因と判断する別の操作でも表示される発生操作と症状を確認する
すぐOSTを削除するサーバー側問題なら解決しない先にサーバーバージョンを確認する
15.21.0155.000を修正済みと判断する公式表記は「より新しい」15.21.0155.001 以降か確認する
IMAPアカウントにも同じ手順を使うExchangeのサーバービルド基準を使えないアカウント種類を先に確認する
スクリーンショットをそのまま公開するメールアドレスやサーバー情報が含まれる必要な部分だけ残して伏せる

管理者やサポートへ伝える情報

問い合わせ時は、次の形式で整理すると状況が伝わりやすくなります。

使用アプリ:
従来のOutlook for Windows

アカウント種類:
Microsoft 365/Exchange/共有メールボックスなど

症状:
メールフォルダーが自動更新されない

再現手順:
[送受信]→[フォルダーの更新]

エラー:
0x80004005
表示されたメッセージ:

Exchangeサーバーバージョン:
Outlook接続状態の[バージョン]列の値

Outlookクライアントバージョン:
Officeビルド番号:

発生日時:
対象フォルダー:
影響を受けている人数:

Outlook on the webでの結果:
同じ症状が出る/Webでは正常

画面を添付するときは、次の情報を含めないよう注意してください。

  • パスワード
  • 多要素認証コード
  • 回復キー
  • アクセストークン
  • 秘密鍵
  • 不要なメール本文
  • 外部公開する必要のないメールアドレス
  • 組織内部のサーバー名

Outlookの0x80004005で確認すべきポイント

従来のOutlookでフォルダー更新時に 0x80004005 が発生した場合、確認すべきなのはOfficeのビルド番号ではなく、[Outlook接続状態]に表示されるExchangeサーバーのバージョンです。

Microsoftが示している修正の基準は、次のとおりです。

15.21.0155.000 より新しいバージョン

まず、Ctrl キーを押しながら通知領域のOutlookアイコンを右クリックし、[接続状態]を開いて[バージョン]列を確認してください。

サーバーバージョンが基準以下なら管理者へ連絡し、基準より新しいにもかかわらず同期できない場合は、アカウント種類、Outlook on the webでの状態、発生範囲を確認して、別の同期エラーとして切り分けます。OSTの削除やプロファイル再作成は、これらの確認を終えてから検討するのが安全です。
[1]: https://support.microsoft.com/en-us/support/known-issues/mailbox-folders-not-sync-with-0x80004005-error “Mailbox folders are not syncing with 0x80004005 error | Microsoft Support”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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