Microsoft Learn「Detailed guide to the ExtensionSettings policy」の変更点と対応方法

Microsoft Learnの「Detailed guide to the ExtensionSettings policy」について、「既存のJSONを書き換える必要があるのか」「Copilotや拡張機能の制御が変わるのか」「移行期限や追加料金はあるのか」と気になる管理者も多いでしょう。

結論として、2026年6月15日付のMicrosoft Edge Beta 150.0.4078.13では、ExtensionSettings固有の新機能や移行指示は発表されていません。更新内容はバグ修正とパフォーマンス改善です。また、指定されたDetailed guide本体の最終更新表示は2024年1月12日のままです。したがって、2026年6月15日にExtensionSettingsのJSON仕様が一斉変更されたわけではありません。 (Microsoft Learn)

ただし、Microsoft Edge 149では重要な変更が行われています。Copilot Chatの表示や機能は、ExtensionSettingsや拡張機能ブロックでは制御できなくなり、専用ポリシーへ切り替わりました。一般的な拡張機能管理には引き続きExtensionSettingsを利用できますが、Copilotを旧方式で制御している組織は設定の見直しが必要です。 (Microsoft Learn)

目次

Microsoft Learnで確認できるExtensionSettings policyの変更点

2026年6月15日前後の公式情報は、次のように整理すると誤解を防げます。

確認項目公式情報の内容管理者が取るべき対応
Detailed guide本体ページ上の最終更新日は2024年1月12日設定方法の基礎資料として利用し、最新仕様は現行ポリシーリファレンスでも確認する (Microsoft Learn)
Edge Beta 150.0.4078.132026年6月15日公開。バグ修正とパフォーマンス改善のみExtensionSettingsのJSONを直ちに変更する必要はない (Microsoft Learn)
Edge 149Copilot Chatの制御を拡張機能ポリシーから専用ポリシーへ移行Copilotをブロックしている組織は専用ポリシーを追加する (Microsoft Learn)
Edge 150のポリシーEdge 150で追加された新規ポリシーはないEdge 149までの変更点を中心に確認する (Microsoft Learn)
ExtensionSettingsの対応環境Windows 77以降、macOS 77以降、Android 135以降。iOSは非対応Android管理ではWindows向けのレジストリ手順を流用しない (Microsoft Learn)

今回の実務上のポイントは、「ExtensionSettingsが廃止された」のではなく、Copilotだけが拡張機能管理の枠組みから切り離されたことです。

Edge 149以降はCopilotを専用ポリシーで管理する

従来は、Copilotに対応する拡張機能を個別にブロックしたり、ExtensionSettingsの*で拡張機能全体をブロックしたりすることで、Copilot Chatの表示を抑制できました。

Microsoft Edge 149以降は、ExtensionSettingsやExtensionInstallBlockListなどの拡張機能ポリシーが、Copilot Chatの表示や機能に影響しません。次の専用ポリシーを使用します。 (Microsoft Learn)

制御したい項目使用するポリシー無効化した場合
Edge for Businessのツールバーに表示されるCopilot ChatアイコンMicrosoft365CopilotChatIconEnabledCopilot Chatアイコンを非表示にする
アドレスバーのCopilot候補CopilotAddressBarSuggestionsEnabledCopilot Chatの候補を表示しない
一般的な拡張機能のツールバー表示ExtensionSettingsのtoolbar_state通常の拡張機能について表示状態を制御する

Microsoft365CopilotChatIconEnabledはMicrosoft Entra IDでサインインしたEdgeプロファイルを対象とし、WindowsとmacOSのEdge 139以降で利用できます。CopilotAddressBarSuggestionsEnabledはWindowsとmacOSのEdge 149以降が対象です。どちらも個人用Microsoftアカウントでサインインしたプロファイルには適用されません。 (Microsoft Learn)

Windows端末で両方を無効化するレジストリ設定例は次のとおりです。

reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge" /v Microsoft365CopilotChatIconEnabled /t REG_DWORD /d 0 /f

reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge" /v CopilotAddressBarSuggestionsEnabled /t REG_DWORD /d 0 /f

既存のExtensionSettingsにCopilot関連の拡張機能IDやsidebar_auto_open_blockedを設定していても、Edge 149以降のCopilot Chat制御としては不十分です。一般的なサイドバーアプリの制御と、Copilot Chatの制御を分けて管理してください。

ExtensionSettingsは一般的な拡張機能管理で引き続き利用できる

ExtensionSettingsは、拡張機能IDや更新URLごとに設定を割り当てる辞書型のポリシーです。既存のExtensionInstallForcelist、ExtensionInstallAllowlist、ExtensionInstallBlocklistなどより優先される場合があるため、複数のポリシーを併用するときは競合に注意が必要です。 (Microsoft Learn)

主な設定は次のとおりです。

用途主なフィールド
インストールの許可・禁止installation_mode
強制インストールforce_installedupdate_url
自動インストール後にユーザーが無効化可能normal_installedupdate_url
古いバージョンの無効化minimum_version_required
危険な権限の制限blocked_permissions
アクセス可能なWebサイトの制限runtime_allowed_hostsruntime_blocked_hosts
ツールバーへの表示toolbar_state
サイドバーアプリの自動起動防止sidebar_auto_open_blocked
ブロック時の案内blocked_install_message

原則禁止し、承認した拡張機能だけを強制インストールする例

{
  "*": {
    "installation_mode": "blocked",
    "blocked_install_message": "業務利用が必要な場合は情報システム部へ申請してください。"
  },
  "aaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa": {
    "installation_mode": "force_installed",
    "update_url": "https://edge.microsoft.com/extensionwebstorebase/v1/crx"
  }
}

実際にはaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaを、対象となる32文字の拡張機能IDへ置き換えます。グループポリシーの「拡張機能管理設定の構成」に入力するときは、JSONを改行のない1行に変換します。 (Microsoft Learn)

個別設定は既定スコープの全項目を継承しない

最も失敗しやすいのが、*で指定した設定の継承です。

個別の拡張機能IDが定義されている場合、既定スコープから継承されるのは原則としてinstallation_modeupdate_urlだけです。blocked_permissionsruntime_blocked_hostsなどは自動継承されません。個別に許可した拡張機能にも同じ権限制限を適用したい場合は、その拡張機能IDの設定内にも記述します。 (Microsoft Learn)

update_urlの挙動を誤解しない

update_urlは、通常は初回インストール先として使われます。その後の更新には、拡張機能のマニフェストに記載された更新URLが使われます。

継続してポリシー側のURLを使用する場合はoverride_update_urlを確認します。ただし、Microsoft Edge Add-onsの更新URLを指定している場合、override_update_urlは無視されます。 (Microsoft Learn)

誰に影響するのか

対象影響
個人でEdgeを利用しているユーザー原則として対応不要。ExtensionSettingsやCopilotの専用ポリシーは、個人用Microsoftアカウントのプロファイルには適用されない
組織管理されたEdgeの利用者管理者が旧方式だけでCopilotをブロックしている場合、Edge 149以降でCopilotのアイコンや候補が表示される可能性がある
Edge・Active Directory管理者ExtensionSettings、ExtensionInstallBlockList、Copilot専用ポリシーの競合確認が必要
Intune・Microsoft 365管理者Edge管理サービスへJSONを移行する場合、既存設定の上書きとポリシー優先順位に注意が必要
拡張機能の開発・配布担当者update_url、最低バージョン、強制インストール条件を再確認する
Android管理者Edge 135以降ではExtensionSettingsに対応するが、Windows向けGPO・レジストリ手順は利用できない

設定・更新・移行・料金・期限で確認すべきこと

項目確認結果実務対応
設定一般的な拡張機能には既存のExtensionSettingsを継続利用できるCopilotだけは専用ポリシーへ分離する
更新2026年6月15日のEdge Beta更新に、ExtensionSettings固有の仕様変更は記載されていないEdge 149で導入されたCopilot制御変更を優先して確認する (Microsoft Learn)
移行GPOやレジストリからEdge管理サービスへの強制移行は案内されていない必要に応じてJSONのインポート・エクスポート機能を利用する
料金確認した公式情報に、ExtensionSettingsの利用料新設や価格変更の記載はないIntune形式の構成ポリシーを作成する場合はIntuneライセンスを確認する (Microsoft Learn)
期限ExtensionSettingsの廃止日や必須移行期限は記載されていないEdge 149は既にStableとして公開されているため、Copilotを管理する組織は早めに修正する (Microsoft Learn)

Microsoft Edge管理サービスでは、既存のExtensionSettings用JSONをインポートしたり、管理画面の設定をJSONとしてエクスポートしたりできます。ただし、インポートによって既存設定が上書きされる可能性があります。先にエクスポートしてバックアップを取得してください。 (Microsoft Learn)

また、Edge管理サービスのクラウドポリシーと端末側のGPO・MDMが競合した場合、標準状態ではGPOやMDMが優先されます。「管理画面では正しく設定したのに反映されない」という場合は、端末側のポリシーも確認が必要です。 (Microsoft Learn)

管理者向けの確認手順

  1. 対象端末でedge://policyを開きます。
  2. ExtensionSettingsMicrosoft365CopilotChatIconEnabledCopilotAddressBarSuggestionsEnabledを検索します。
  3. 現在のExtensionSettings JSONをエクスポートまたはコピーして保存します。
  4. JSON内の*、Copilot関連の個別設定、toolbar_statesidebar_auto_open_blockedを確認します。
  5. Copilot制御を専用ポリシーへ移します。
  6. 個別拡張機能に必要な権限・ホスト制限が明示されているか確認します。
  7. テストグループへ配布し、拡張機能のインストール、更新、削除、Copilot表示を確認します。
  8. 問題がなければ対象範囲を広げます。

Microsoftは、適用中のEdgeポリシーをedge://policyで確認する手順を案内しています。ポリシーが表示されない場合は、Edgeを再起動し、必要に応じてgpupdate /forceを実行します。 (Microsoft Learn)

見落としやすい注意点

  • Edge 149以降もExtensionSettingsでCopilotを非表示にできると思い込まない
  • *に指定した権限・ホスト制限が個別拡張機能にも継承されると考えない
  • update_urlを指定すれば、その後の更新にも必ず同じURLが使われると考えない
  • Edge管理サービスとGPOで同じ項目に異なる値を設定しない
  • テナント全体へ配布する前に、少数の端末とユーザーで動作を確認する
  • 古いDetailed guideだけで判断せず、現行のExtensionSettingsポリシーリファレンスも確認する

2026年6月15日時点で、ExtensionSettings自体の廃止や必須移行は発表されていません。既存の拡張機能管理設定を全面的に作り直す必要はありませんが、Edge 149以降ではCopilotの制御方法が変わっています。

最初にedge://policyで現在の設定を確認し、Copilotを旧方式で制御している場合は専用ポリシーへ切り替えてください。そのうえで、個別拡張機能の継承設定とupdate_urlを確認し、テスト配布後に本番環境へ反映するのが安全です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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