Windows 11(24H2)で、青い「This app can’t run on your PC」(日本語環境では「このアプリは PC で実行できません」)が突然表示されて困っていませんか。特にタスクバーのウィジェットから Microsoft Edge でリンクを開いた瞬間に出る場合、Windows の破損ではなく「Edgeの拡張機能(とくにセキュリティ系)」が引き金になっていることがあります。原因の切り分け方と、実際に再発が止まった対処手順をまとめます。
症状と再現条件を整理する
まずは「いつ・どこで・何をしたら出るのか」を整理すると、原因に最短距離で近づけます。特定の操作で高確率に再現するなら、その操作が呼び出しているアプリや補助プログラムに原因がある可能性が高いからです。
| 確認項目 | 記録する内容 | ポイント |
|---|---|---|
| OS環境 | Windows 11 / 24H2、PCのメーカー、CPU | アップデート直後に始まったかもメモ |
| 発生タイミング | ウィジェットからリンクを開く瞬間/Edge起動中の遷移時など | 「必ず同じ操作で出るか」を確認 |
| 影響範囲 | Edgeだけか/Chromeなど他ブラウザーでも出るか | 拡張機能やセキュリティソフトの共通点が見えやすい |
| 実害 | 表示だけで処理は進むのか/リンクが開かないのか | 「邪魔だが致命的ではない」パターンは拡張機能起因が多い |
| 直前に入れたもの | ウイルス対策ソフト、Web保護ツール、VPN、広告ブロッカーなど | セキュリティ系はリンク遷移に介入しやすい |
「This app can’t run on your PC」は何が起きているメッセージか
このメッセージは、ざっくり言うと「Windows が何かのアプリ(実行ファイル)を起動しようとしたが、起動できなかった/起動してはいけないと判断した」時に出ます。よくある原因は、アプリの互換性(32/64bitなど)、スマートスクリーンのブロック、壊れた実行ファイル、権限やポリシーの制限などです。
ただし今回のように「ウィジェット → Edgeでリンクを開く」という“ブラウザー操作”で出る場合、Edgeそのものが壊れているというより、ブラウザーに組み込まれた拡張機能やセキュリティソフトが、裏で補助プログラムを呼び出して失敗しているケースが目立ちます。表示される青いダイアログは同じでも、原因は「Windows全体」ではなく「ブラウザー周辺部品」になりがちです。
原因の傾向:ブラウザー拡張機能(特にセキュリティ系)が引き金になりやすい
同様の現象は Edge だけでなく、Chrome など別ブラウザーでも報告されることがあります。共通点になりやすいのが、次のタイプの拡張機能です。
| 拡張機能のタイプ | ありがちな機能 | 相性問題が出やすいタイミング |
|---|---|---|
| セキュリティ連携 | 危険サイト警告、ダウンロード検査、フィッシング対策 | リンククリック直後、リダイレクト時、新規タブ起動時 |
| パスワード管理 | ログイン補助、フォーム自動入力、認証情報の保護 | ログイン画面表示時、認証リクエスト送信時 |
| 広告ブロック/追跡防止 | スクリプト遮断、トラッカー無効化、要素削除 | ページ読み込み開始直後、外部スクリプト読込時 |
| VPN/プロキシ | 通信経路変更、証明書挿入、DNS書き換え | サイトアクセス開始時、HTTPS確立時 |
これらは「リンクをクリックした瞬間」や「新しいタブ/新しいウィンドウを開いた瞬間」に動作します。ウィジェットからの起動は通常のブラウジングよりも特殊な経路(既定ブラウザー起動、プロトコル呼び出し、WebView2経由など)を通るため、拡張機能の不具合が表面化しやすいと考えられます。
どのアプリ/プロセスがエラーを出しているかを絞り込む方法
「犯人を特定したい」場合、手がかりを取る順番が重要です。いきなり難しいツールに行かず、まずはWindows標準のログで“発生時刻”を押さえ、次に必要なら詳細ツールで“何を起動しようとして失敗したか”を追います。
信頼性モニターで“発生時刻と関連アプリ”をつかむ
信頼性モニターは、アプリのクラッシュやエラーの履歴をカレンダー形式で追える機能です。青いダイアログが出た直後の時刻付近に、Edgeやウィジェット関連のエラーが残っていないか確認します。
- スタートメニューで「信頼性」と検索し、「信頼性履歴の表示」を開く
- エラーが出た日をクリックし、下部の一覧を確認する
- 「アプリケーションの失敗」「Windowsの失敗」などを開いて、関連するアプリ名やモジュール名をメモする
ここで「msedge」「Widgets」「WebView2」などが見えればかなり有力です。逆に何も残らないこともあります。その場合は次へ進みます。
イベント ビューアーで“ブロックや起動失敗”のログを探す
イベント ビューアーはログの量が多いですが、時間で絞れば現実的に追えます。
- スタートメニューで「イベント」と検索し、「イベント ビューアー」を開く
- 左の「Windowsログ」→「アプリケーション」「システム」を順に確認
- 右の「現在のログをフィルター」で、エラーが出た時刻付近(数分〜10分)に絞る
探すべきキーワード(または発行元)の例は次のとおりです。
- Windows Error Reporting / Application Error
- SmartScreen(アプリとブラウザーコントロール関連)
- AppLocker / WDAC(企業PCでアプリ起動制御がある場合)
- SideBySide(ランタイムや依存関係)
ログに「どの実行ファイル(exe)がブロックされたか」が出ていれば大きな手がかりです。ただし、このメッセージが必ずログとして残るとは限りません。次の方法が最も確実です。
さらに確実に特定したい場合:Process Monitorで“起動しようとした実行ファイル”を捕まえる
Microsoft の Sysinternals にある Process Monitor(Procmon)は、「どのプロセスが、どの実行ファイルを起動しようとしたか」を追跡できます。少し上級者向けですが、再現条件がはっきりしているほど短時間で特定できます。
- 「Process Monitor(Procmon)」を入手して管理者として起動する
- キャプチャを開始し、すぐにフィルターを設定する
- フィルター例:Operation が「Process Create」だけになるようにする
- 別ウィンドウでウィジェットを開き、問題のリンクをクリックしてエラーを再現する
- Procmonに戻り、エラーが出た時刻前後の行を確認する
ここで「親プロセス(例:Widgets.exe / msedge.exe)」「起動しようとしたパス」「結果(ACCESS DENIED / NAME NOT FOUNDなど)」が分かります。“何が起動できなかったのか”が分かれば、対処は一気に具体的になります。
最短で解消する王道:Microsoft Edge の拡張機能を疑って切り分ける
原因特定に時間をかけるより「とにかく直したい」場合、最も効果が出やすいのが拡張機能の切り分けです。ポイントは、一度すべて無効化して“再発しない状態”を作り、それから1つずつ戻すことです。
拡張機能をすべてオフにして再現確認する手順
- Microsoft Edge を開く
- 右上の「…(三点リーダー)」をクリック
- 「拡張機能」→「拡張機能の管理」を開く
- 一覧に表示されている拡張機能を、いったんすべて「オフ」にする
- Edge を完全に終了する
- ウィジェットボードからリンクをクリックし、エラーが出るか確認する
| 手順 | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| すべてオフ | 拡張機能のスイッチを全て無効化 | 「一部だけオフ」だと原因が残って判定できない |
| 完全終了 | ウィンドウを閉じるだけでなく常駐も止める | バックグラウンド実行が残ると挙動が変わらないことがある |
| 同じ操作で再現 | ウィジェットから同じ種類のリンクをクリック | 別の操作だと原因が再現せず、誤判定しやすい |
Edgeを“完全に終了”させるコツ
Edge は設定次第で、ウィンドウを閉じてもバックグラウンドで動き続けることがあります。切り分け時は次を確認すると確実です。
- タスクバー右端の通知領域(タスクトレイ)に Edge のアイコンが残っていないか確認する
- タスクマネージャーで
msedge.exeが大量に残っている場合は一度終了する - Edge の「設定」→「システムとパフォーマンス」で、バックグラウンド実行やスタートアップブーストを一時的にオフにして検証する
エラーが止まったら“犯人の拡張機能”を特定する
全オフで再発が止まったなら、原因は拡張機能(または拡張機能と連動するセキュリティソフト)でほぼ確定です。ここからは次のやり方で特定します。
- 拡張機能を1つだけオンにする
- Edge を完全終了 → ウィジェットからリンクをクリック → 再発するか確認
- 再発した拡張機能が見つかったら、いったんオフに戻して再発しないことを確認
- 問題の拡張機能は削除、または更新(アップデート)を検討する
拡張機能が多い人は、1つずつだと時間がかかります。その場合は「半分ずつオンにして絞る(二分探索)」が早いです。例えば10個なら、5個オン→再発ならその5個の中、再発しなければ残り5個の中、というように切り分けます。
解決事例:不要になった McAfee 拡張機能を削除したら再発しなくなった
実際に多いのが、PC購入時に付属していたウイルス対策ソフトの関連拡張機能が、いつの間にか“中途半端に残っている”パターンです。たとえば McAfee 系の拡張機能が複数入っているのに、ソフト本体は使っていなかったり、既に無効化していたりすると、リンク遷移時に連携処理だけが走って失敗し、今回のようなダイアログにつながることがあります。
このケースでは、Edge に McAfee 関連の拡張機能が2つインストールされており、どちらも不要な状態でした。拡張機能を削除したところ、以降「This app can’t run on your PC」の青いダイアログは再発しなくなりました。
ポイントは「無効化」ではなく「削除」まで行ったことです。無効化でも止まる場合はありますが、拡張機能側の補助プログラムや関連設定が残ると、別経路で呼ばれて再発することがあります。不要と判断できるなら削除まで進めるのが確実です。
まだ直らない場合に試せる追加チェック
拡張機能を全オフにしても再発する場合、原因は拡張機能以外(Edge本体の設定、ウィジェット側、セキュリティ製品、起動制御など)に寄っている可能性があります。次のチェックを上から順に試すと効率的です。
| 追加チェック | やり方(概要) | 狙い |
|---|---|---|
| 不要なセキュリティソフトの整理 | 使っていないウイルス対策ソフトやWeb保護ツールをアンインストール | ブラウザー連携の残骸を消し、起動失敗のトリガーを断つ |
| Edgeの修復・リセット | Windowsの「設定」→「アプリ」→「インストールされたアプリ」から修復、またはEdge設定のリセット | 壊れた設定や連携が原因の可能性を潰す |
| Windows / Edgeの更新 | Windows Update と Edge の更新を適用 | 既知の不具合が修正されている場合がある |
| 既定のブラウザー設定を確認 | 「設定」→「アプリ」→「既定のアプリ」で Edge / 既定ブラウザーを確認 | ウィジェットからの呼び出し経路がねじれていないかを見る |
| 新しいEdgeプロファイルで検証 | Edgeのプロファイルを追加し、拡張機能ゼロの状態で再現確認 | 現在のプロファイル固有の問題を切り分ける |
| ウィジェットを一時的にオフ | タスクバー設定でウィジェットをオフ(回避策) | 実害が小さいなら“出ない運用”に寄せる |
ウィジェット起点で出るときに意識したいポイント
ウィジェットは「ニュースや天気を軽く見る」用途のため、内部的には WebView 系の仕組みを使って表示・遷移します。ここにブラウザーの拡張機能やセキュリティソフトが絡むと、通常のブラウジングと違う経路で処理が走り、相性問題が起きることがあります。
- ウィジェットからのリンクは、既定ブラウザーや Edge の起動パラメータ経由で開かれる
- セキュリティ系拡張機能は、遷移・ダウンロード・リダイレクトのタイミングで介入する
- 補助プログラムの起動に失敗すると、Windows側が「このアプリはPCで実行できません」と表示することがある
つまり、「ウィジェットが悪い」「Edgeが悪い」と決め打ちする前に、間に挟まっている拡張機能/セキュリティ製品を疑うのが近道です。
再発防止のコツ:拡張機能とセキュリティ製品は“最小構成”が強い
エラーが止まった後も、同じ種類のトラブルを避けるために、次の運用をおすすめします。
- 使っていない拡張機能は削除:無効化だけだと残骸が残ることがある
- セキュリティソフトを多重に入れない:本体+拡張機能+別ツールで干渉しやすい
- 拡張機能は「必要なものだけ」:便利系より、まず安定性優先
- 更新を習慣化:Edge/拡張機能/Windows Update を同じタイミングで当てる
- 問題が出たら“最近追加したもの”から疑う:切り分けが速い
よくある質問
Edgeを修復・再インストールしても直らないのはなぜ?
今回のパターンでは、Edge本体よりも「拡張機能」や「セキュリティソフトの連携部品」が原因になっていることが多いからです。Edgeを修復しても、拡張機能が同じように動くなら症状は残ります。まずは拡張機能を全オフで判定するのが早道です。
拡張機能をオフにしても直らない場合は?
ウィジェット側の挙動、既定ブラウザーの関連付け、セキュリティ製品の本体側(拡張機能ではない常駐モジュール)などが原因の可能性があります。信頼性モニター/イベントビューアーで時刻付近のログを取り、必要なら Process Monitor で「起動しようとした実行ファイル」を特定すると、次の一手が明確になります。
表示は出るけどリンクは開く。放置しても大丈夫?
実害がない場合でも、裏で何らかの起動失敗やブロックが発生しているサインなので、放置より原因切り分けをおすすめします。特にセキュリティ製品が絡む場合、誤検知や過剰ブロックの可能性もあります。拡張機能の整理で止まるなら、それが最も安全で快適な解決策です。
まとめ
Windows 11(24H2)で「This app can’t run on your PC(このアプリはPCで実行できません)」が頻発し、特にウィジェットから Edge でリンクを開いたときに出やすい場合は、Windowsの修復よりもEdgeの拡張機能(とくにセキュリティ系)の相性を疑うのが近道です。
- 全拡張機能オフ → Edge完全終了 → ウィジェットから再現確認
- 止まったら、1つずつオンに戻して原因拡張機能を特定
- 実例では、不要な McAfee 関連拡張機能の削除で再発が解消
- さらに特定したい場合は、信頼性モニター/イベントビューアー/Process Monitor が有効
「どのアプリが悪いのか分からない」状態でも、再現条件がはっきりしているなら、拡張機能の切り分けだけで解決に到達できることが少なくありません。煩わしい青いダイアログを止めて、快適に使える状態に戻しましょう。

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