Project for the WebからMPP移行を成功させる方法と注意点

少し前に、新しく登場したProject for the Webを使い始めたものの、「やっぱりデスクトップ版のMicrosoft Projectの豊富な機能が恋しくなってしまった」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。私自身も、Webベースのシンプルさに惹かれて使ってみたものの、タスク管理やガントチャートの使い勝手など、デスクトップ版の柔軟さに戻りたくなった経験があります。そこで今回は、Project for the Webとデスクトップ版のMicrosoft Project(MPP形式)をめぐる違いや、移行する際の対処法、さらに代替策としてのProject Online活用法などを、実体験を交えつつ詳しく解説していきます。

目次

Project for the Webとデスクトップ版Microsoft Projectの違い

プロジェクト管理ツールとしての両者は、名前こそ似ていますが、実は開発の系譜が異なるため、互換性や機能面で大きな差があります。ここでは、両者の特徴と違いについて深堀りしてみます。

Project for the Webの概略

Project for the Webは、ブラウザーさえあればタスクやスケジュール管理をすぐに始められる、軽量で使いやすいツールとして登場しました。直感的なUIが魅力で、初心者でも操作に迷いにくい設計がされています。

利用できる代表的な機能

・ドラッグ&ドロップでタスクを簡単に編集
・リストビュー、ボードビューなど複数の視点からのタスク管理
・Microsoft 365との連携(TeamsやPlannerとの親和性)

クラウドベースで常に最新の状態が共有されるため、煩雑なバージョン管理不要。

デスクトップ版のMPPファイルを読み込んだり、逆にProject for the WebのデータをMPP形式に書き出したりすることは現段階で不可。

私は初めてProject for the Webを触ったとき、あまりにも画面がシンプルで「本当にこれで十分?」と不安になりました。でも小規模なタスク管理には驚くほど快適だったんです。ただ大規模プロジェクトになると細かい設定が物足りない場面がありました。

デスクトップ版Microsoft Projectの概略

一方で、デスクトップ版Microsoft Projectは、プロジェクト管理ツールとして長年の歴史があります。MPP形式を扱い、ガントチャートやリソース管理など、細かい制御が可能です。プロジェクト規模が大きくなればなるほど、その高機能さが頼りになります。

利用できる代表的な機能

・詳細なガントチャート編集(タスク間の依存関係の設定など)
・レポート作成やEVM分析など高度なプロジェクト管理機能
・ローカルファイルとして保存しておき、必要に応じてクラウドへアップロード可能

複雑なプロジェクトでもリソース配分や予実管理を細やかに行えるため、大規模組織でも導入実績多数。

ローカルにインストールが必要。ライセンス形態や環境設定によっては初期コストが高い。

「移行」の問題点と現状の対応策

ここでは、Project for the Webからデスクトップ版へ移行するときに多くの方がつまずくポイントと、その回避方法を解説します。

Project for the Webで作成したプロジェクトをそのままMPPへは移せない

現時点では、Project for the WebのデータをMPP形式にエクスポートする機能は提供されていません。同じMicrosoft製品だからといってスムーズに行き来できるわけではなく、両者は別の仕組みで動作しています。私も「同じProjectなんだから当然読み込めるだろう」と思い込んでいたのですが、実際にはそうはいきませんでした。

公式に移行ツールが用意されていないため、タスク・日程を再入力する必要が出てくる。

Project Onlineとの混同に要注意

Microsoft 365のクラウドサービスといえば「Project Online」を連想される方も多いでしょう。ただし、Project for the WebとProject Online(旧称:Project Web App)とは、見た目も似ていますが別物です。Project Onlineはデスクトップ版との連携機能が豊富に用意されており、MPPファイルをクラウド上に保存して共同編集が可能です。一方でProject for the Webは新しい設計のため、まだデスクトップ版との接続が実装されていません。

Project Online活用がベストな場面

1. デスクトップ版とクラウド上で連携したいとき
2. 大規模プロジェクトで複数メンバーが同時編集する環境がほしいとき
3. 既存のMPPファイルをそのままクラウドにアップしてシームレスに使いたいとき

私は以前、Project Onlineを使って大規模プロジェクトを管理していましたが、メンバーの予定変更を即座に共有できるのがとても助かりました。デスクトップ版で作業した後、オンラインに発行を押すだけで最新版が全メンバーに行き渡るのです。

移行の具体的な手順・代替方法

「どうしてもProject for the Webで作成してしまったプロジェクトをデスクトップ版に反映したい」というケースがあります。以下に代表的なアプローチを紹介します。

1. Excel経由での転記

Project for the Webのタスクをエクスポートし、Excelを経由してデスクトップ版Projectへインポートを試みる方法があります。ただし、現時点でProject for the WebのエクスポートはExcel用に整形されるものではないため、後処理が必要になる可能性が高いです。

作業手順例

1. Project for the Webのタスク一覧をコピーしてExcelに貼り付け
2. 列項目をデスクトップ版Projectのインポートに合うよう整形
3. デスクトップ版Project側で「新しいプロジェクトを作成」→「Excelインポート」を利用
4. マッピングがうまくいけばタスク名や期間などを取り込める

実際には手直しが多いこともあり、そこまで楽ではないかもしれません。私も試したことがありますが、タスクの階層や依存関係はどうしても再設定が必要になりました。

2. 手動で作り直す

小規模のプロジェクトやタスク数が少ない場合、いっそ手動でデスクトップ版に作り直してしまったほうが早いこともあります。必要な部分だけ見比べながら作成する手段です。

タスク情報の整理・再確認の機会にもなるため、次のフェーズへの計画を丁寧に見直せる。

規模が大きいと作業量が増加し、ヒューマンエラーが入りやすい。

3. Project Onlineへ切り替えてデスクトップ版と連携

Project for the Webを諦めて、Project Onlineの利用ライセンスを確保し、デスクトップ版と連携させるのも一つの方法です。
すでにProject for the Webで管理してきたタスクをProject Onlineへ直接移行する方法はありませんが、今後の運用を考えると、機能豊富なProject Onlineへの切り替えが得策なケースもあります。

Project Onlineとデスクトップ版連携の流れ

1. デスクトップ版Microsoft Projectを起動し、Project Online(PWA)のURL・アカウント情報を登録
2. MPPファイルとしてローカルに保存しておいたプロジェクトを開く、または新規に作成
3. 「ファイル」→「保存先指定」からProject Onlineを選び、アップロード
4. ブラウザーでProject Online(PWA)にアクセスし、保存したプロジェクトを参照・編集
5. デスクトップ版とProject Online側で同期が可能になる

実際に私は一度、Project for the Webのシンプルさではカバーしきれない規模にプロジェクトが成長してしまい、途中でProject Onlineに切り替えました。移行に多少の手間はかかりましたが、その後の管理・レポート作成が格段に楽になったのを覚えています。

Project for the Webとデスクトップ版を比較する表

以下に、両者を含む3つの選択肢をまとめた簡易的な比較表を作ってみました。現場の要件に合わせてどれを選ぶべきか、参考にしてみてください。

項目 Project for the Web デスクトップ版 Project (MPP) Project Online (PWA)
主な特徴 軽量で操作しやすいWebツール 高度な機能を持つローカルアプリ クラウドで大規模プロジェクトを管理
MPPファイルとの互換性 なし 原則フル対応 デスクトップ版との連携で利用可能
チームコラボ Microsoft 365グループと連携 主にローカル環境。共有には工夫が必要 ブラウザから同時アクセス・編集可
ライセンス Project Plan 1など Project Standard / Project Professional Project Plan 3以上
おすすめの用途 小規模なタスク管理や短期案件 詳細な管理やリソース配分が必要な大規模案件 組織全体でプロジェクトポートフォリオを一元管理

今後の展望

Microsoftは常に機能改善を行っているため、将来的にProject for the Webとデスクトップ版が直接連携できるようになるかもしれません。ただ、現状で具体的なロードマップは公開されておらず、いつ実装されるかは不透明です。もし両者の連携が実現すれば、まさに最強のプロジェクト管理ツールとして活躍してくれそうですが、今は待つしかありません。

私も、「ああ、早くProject for the Webで作ったタスクをMPPファイルに落とせるようになればいいのに…」と何度思ったことか。Microsoftの正式発表が楽しみですが、しばらくは手動対応が必要でしょうね。

まとめ

Project for the Webはシンプルで扱いやすく、クラウドで手軽に共同作業できる反面、デスクトップ版Microsoft Project(MPP形式)との互換性がないため、大規模管理や細かいスケジュール・リソース計画には物足りない場面があります。デスクトップ版としっかり連動したいなら、Project Onlineを利用するのがおすすめです。どうしても既存のProject for the WebデータをMPP形式へ移行したい場合は、Excel経由や手動での作り直しといった作業が発生することを覚悟する必要があります。

移行作業には多少の手間がつきものですが、その過程でタスクを再整理し、プロジェクトの全体像を改めて把握する良い機会になることもあります。プロジェクトの規模やチームの状況に応じて、最善の選択肢を見極めてみてください。

/* たとえばProject Onlineでプロジェクトを保存する際のPowerShellスクリプト例(概念イメージ) */
Connect-PnPOnline -Url https://xxxxx.sharepoint.com/sites/pwa -Credentials (Get-Credential)
Invoke-PnPQuery
Write-Host "プロジェクトオンラインに接続しました"

最後までお読みくださりありがとうございます。私も、最初はProject for the Webのシンプルさに感動しましたが、やはりデスクトップ版の自由度や拡張性も捨てがたいと感じています。あなたの環境やニーズに合った方法で、スムーズなプロジェクト管理を実現していただけると嬉しいです。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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