Copilot SearchでSharePointを信頼済み情報源にする方法|権威あるサイトの設定手順

Copilot Searchで社内規程や手順書を探したとき、古い資料や個人作成のメモが公式文書より目立つと、利用者はどれを信じればよいのか判断できません。こうした問題に対応するのが、SharePointの「権威あるサイト(Authoritative Sites)」です。

管理者が公式のSharePointサイトを信頼済み情報源として指定すると、そのサイトにある企業ニュース、ポリシー、更新情報などがCopilot Searchで優先的に扱われます。Microsoft 365 Copilotのリリースノートでは、ロードマップID「561323」として案内されています。(Microsoft Learn)

現行の個別設定ドキュメントでは、PowerShellまたはCSOM APIを使ってサイトを指定します。最大100サイトまで登録でき、設定が検索体験へ反映されるまで最大72時間かかる点に注意が必要です。(Microsoft Learn)

目次

Copilot SearchのSharePoint信頼済みサイトとは

英語の正式名称は「SharePoint Authoritative Sites」です。Microsoft Learnの日本語版では「権限のあるサイト」「信頼できるサイト」など表記に揺れがありますが、本記事では意味が伝わりやすいように「権威あるサイト」または「信頼済みサイト」と表記します。

SharePointサイトを権威あるサイトとして指定すると、Microsoft Search、Microsoft 365 Copilot、その他のAIエージェントに対して、そのサイトの情報が公式・信頼済み・検証済みであることを示すシグナルが送られます。(Microsoft Learn)

指定後に変わることと、変わらないことを整理すると次のとおりです。

項目権威あるサイト指定後の扱い
Copilot Searchの検索順位公式情報源として優先的に扱われる
利用者からの見え方「From your organization」など、組織由来であることを示す表示が付く場合がある
SharePointの閲覧権限新しい閲覧権限が付与されるわけではない
指定範囲ページや文書単位ではなくサイト単位
個人用サイト指定できない
検索結果の1位表示必ず最上位になることを保証する機能ではない

この機能は検索ランキングに「公式情報である」という判断材料を加えるものです。アクセス権の変更、文書の承認、情報の正確性確認を自動化する機能ではありません。

権威あるサイトを指定すると何が改善されるのか

従来のCopilot Searchでは、検索対象に複数の類似文書がある場合、それぞれが公式情報かどうかを明確に区別できないことがありました。

権威あるサイトを指定すると、そのサイトにある会社の方針、社内規程、公式ニュースなどが優先されます。Microsoftは、これにより情報の信頼性と関連性が高まり、非公式な情報による混乱を減らせると説明しています。(Microsoft Learn)

活用効果が高い情報

特に効果が期待できるのは、複数の部署やサイトに似た情報が存在する組織です。

情報の種類権威あるサイトに指定する例
就業規則・人事制度人事部が管理する社内規程サイト
情報セキュリティ情報システム部門のセキュリティポリシーサイト
社内手続き総務部の申請・届出ポータル
製品・サービス情報製品管理部門の公式ナレッジサイト
障害・保守情報ITサービス管理部門の公式アナウンスサイト
自治体・公共機関の庁内情報例規、庁内手順、情報セキュリティ基準を管理する公式サイト

たとえば、「在宅勤務の申請方法」と検索したとき、過去のプロジェクトサイトに残っている説明ではなく、人事部が管理する最新の手続きページを優先させる、といった使い方ができます。

権威あるサイトを設定するための前提条件

設定前に、ライセンス、管理者ロール、PowerShell環境を確認します。

確認項目主な要件
基本ライセンスOffice 365 E3、E5、A5、Microsoft 365 E1、E3、E5、A5など、対応する基本サブスクリプション
Copilot関連ライセンスMicrosoft Copilotライセンスなど、対象機能を利用できる契約
管理者ロールSharePoint管理者、またはSharePoint Advanced Management管理者
管理ツール最新のSharePoint Online Management Shell
対象サイトサポートされているSharePoint Onlineサイト
テナント対象機能が有効になっていること

SharePoint Advanced Managementの前提条件では、少なくとも1人のユーザーにMicrosoft Copilotライセンスが割り当てられている場合、Copilot展開を支援するSharePoint Advanced Management機能を利用できるとされています。管理操作には適切なSharePoint管理者ロールも必要です。(Microsoft Learn)

ただし、権威あるサイトの個別ドキュメントではMicrosoft Copilotライセンスが必要と明記されています。契約内容や対象テナントによって表示状況が異なる可能性があるため、設定前にMicrosoft 365管理センターでライセンスを確認してください。(Microsoft Learn)

権威あるサイトに指定すべきSharePointサイトの選び方

すべてのSharePointサイトを指定すればよいわけではありません。最大100サイトという上限があるだけでなく、信頼済みサイトを増やしすぎると「どれが本当の公式情報なのか」という問題が再発します。

指定候補は、次の条件で判断します。

組織として正式に管理されている

部署名が付いているだけでは不十分です。情報の承認者、更新担当者、問い合わせ先が明確であることを確認します。

正式版と下書きが分離されている

検討中の資料、会議メモ、過去版が正式文書と同じ場所に大量に保存されているサイトは、そのまま指定しない方が安全です。

正式版だけを公開するライブラリを作るか、承認済み情報を専用サイトに集約します。

情報の更新ルールがある

次のような運用ルールがあるサイトを優先します。

  • 文書ごとに更新責任者が決まっている
  • 改定日や適用開始日が記載されている
  • 古い文書を定期的に削除またはアーカイブしている
  • 廃止された手続きへのリンクが残っていない

類似情報の基準となるサイトである

複数部署が同じ手順を掲載している場合は、元となる公式サイトだけを指定します。

たとえば、人事部の規程サイトと各部門の案内サイトに同じ内容があるなら、人事部の規程サイトを権威あるサイトにし、各部門は公式ページへのリンクを掲載する構成が適しています。

閲覧権限が適切に設定されている

権威あるサイトに指定しても、利用者の閲覧権限が自動的に変わるわけではありません。

全職員向けの情報なのに一部のグループしか閲覧できない、または機密情報を全社公開しているといった状態がないか、事前に確認します。

権威あるサイトに指定しない方がよいサイト

次のようなサイトは、整理してから指定するか、対象外とするのが適切です。

サイトの状態指定を避ける理由
一時的なプロジェクトサイトプロジェクト終了後に情報が更新されなくなる
個人や少人数のチームが管理するサイト組織として正式に承認された情報とは限らない
正式版と下書きが混在するサイトCopilotが検討中の内容を参照する可能性がある
古いマニュアルが大量に残っているサイト最新情報との競合が発生する
他サイトの文書を複製しているサイトどの文書が正本か分かりにくくなる
管理者や所有者が不明なサイト内容の正確性を継続的に維持できない

権威あるサイトは、単に「重要そうなサイト」を登録する仕組みではありません。組織における正本、つまり情報の唯一の基準となる場所を明確にするための機能です。

SharePointサイトをCopilot Searchの信頼済み情報源に指定する方法

Microsoft 365 Copilotのリリースノートには、SharePoint管理センターでサイトを選択して指定する操作例が掲載されています。一方、最新の個別設定ドキュメントでは、現行リリースはPowerShellまたはCSOM APIで構成すると明記されています。(Microsoft Learn)

管理センターに該当メニューが表示されない場合は、SharePoint Online Management Shellを使用するのが確実です。

SharePoint Online Management Shellをインストールする

管理者が利用するWindows環境でPowerShellを開き、次のコマンドを実行します。

Install-Module -Name Microsoft.Online.SharePoint.PowerShell -Force
Import-Module -Name Microsoft.Online.SharePoint.PowerShell

すでにモジュールを導入している場合でも、IsAuthoritativeパラメーターが認識されないときは古いバージョンが残っている可能性があります。

SharePoint管理センターに接続する

テナント名がcontosoの場合は、次のように接続します。

$adminUrl = "https://contoso-admin.sharepoint.com"

Connect-SPOService -Url $adminUrl

contosoの部分は、自社のMicrosoft 365テナント名に置き換えてください。

対象サイトを権威あるサイトに指定する

次の例では、公式規程サイトを指定しています。

$siteUrl = "https://contoso.sharepoint.com/sites/official-policy"

Set-SPOSite -Identity $siteUrl -IsAuthoritative $true

公式ドキュメントでも、Set-SPOSiteIsAuthoritativeパラメーターを$trueにする方法が案内されています。(Microsoft Learn)

設定済みサイトを確認する

権威あるサイトとして指定されているサイトは、次のコマンドで一覧表示できます。

Get-SPOSite -Filter { IsAuthoritative -eq true } |
    Select-Object Url, Title, IsAuthoritative

Get-SPOSiteでは、IsAuthoritativetrueのサイトをサーバー側で絞り込めます。(Microsoft Learn)

期待するサイトURLが表示されることを確認してください。

Copilot Searchで反映状況を確認する

設定直後に検索結果が変わるとは限りません。サポートされている検索体験へ反映されるまで、最大72時間かかる場合があります。(Microsoft Learn)

確認時は、漠然と検索するのではなく、指定前後で同じ検索語を使います。

たとえば、公式規程サイトを指定した場合は次のような検索語が適しています。

  • 出張旅費の申請方法
  • 在宅勤務の対象条件
  • パスワード変更の手順
  • 情報セキュリティ事故の報告先
  • 最新の育児休業制度

正式文書が優先されるか、古い文書や非公式なメモが目立たなくなったかを確認します。

権威あるサイトの指定を解除する方法

サイトが廃止された場合や、公式情報源としての役割を別サイトへ移した場合は、指定を解除します。

$siteUrl = "https://contoso.sharepoint.com/sites/old-policy"

Set-SPOSite -Identity $siteUrl -IsAuthoritative $false

IsAuthoritativeパラメーターはTrueFalseの両方を受け付けます。(Microsoft Learn)

解除後は、再度一覧を確認します。

Get-SPOSite -Filter { IsAuthoritative -eq true } |
    Select-Object Url, Title, IsAuthoritative

検索体験から指定解除の効果が確認できるまでにも、一定の反映時間を見込んでください。

複数サイトを一括管理する場合はCSOMを利用する

数サイト程度であればSharePoint Online Management Shellが簡単です。一方、複数地域のテナントや、大量のサイトを定期的に追加・解除する環境ではCSOMが適しています。

CSOMでは次の操作が用意されています。

  • 権威あるサイトの一覧取得
  • サイトの指定
  • サイトの指定解除
  • 複数サイトの一括指定
  • 複数サイトの一括解除

CSOMを利用する場合は、バージョン16.1.26914.12004以降が必要です。また、PnP PowerShell、Microsoft Entra IDアプリの登録、必要なアクセス許可の設定などが必要になります。(Microsoft Learn)

管理方法向いているケース
SharePoint Online Management Shell数サイトを手動で指定する
PowerShellスクリプトCSVなどの管理台帳を使って定期処理する
CSOM API大量処理、システム連携、一括追加・解除を行う
SharePoint管理センター該当機能がテナントの画面に提供されている場合

初回導入ではPowerShellで少数サイトを指定し、運用が固まってから自動化する方が失敗を抑えられます。

設定が反映されないときの確認項目

症状確認する内容
IsAuthoritativeが認識されないSharePoint Online Management Shellを最新版に更新する
Set-SPOSiteでアクセス拒否になるSharePoint管理者ロールとライセンスを確認する
設定したサイトが一覧に出ないサイトURLの入力ミスや対象サイトの適格性を確認する
Copilot Searchの結果が変わらない最大72時間待ってから再確認する
個人用サイトを指定できないOneDriveなどの個人用サイトは対象外
ある地域だけ反映されないMulti-Geo環境では地域ごとに設定を管理する
追加できない100サイトの上限に達していないか確認する

Microsoft Learnでも、ライセンス、機能の可用性、サイトURL、反映時間を確認するよう案内されています。(Microsoft Learn)

運用で失敗しやすいポイント

重要なサイトをすべて登録する

最大100サイト登録できますが、上限まで登録する必要はありません。

初回は、人事規程、情報セキュリティ、社内手続きなど、全社への影響が大きい3~10サイト程度から始めると検証しやすくなります。

サイト指定だけで情報品質が改善すると考える

サイト内に古い文書や誤った情報が残っていれば、それらも公式サイト内のコンテンツとして扱われます。

指定前に、次の整理を行うことが重要です。

  • 重複文書の削除
  • 古い手順のアーカイブ
  • タイトルと概要の見直し
  • 適用開始日と更新日の明記
  • 正式版と下書きの分離
  • 文書所有者の設定

ハブサイトを指定すれば関連サイトにも適用されると考える

権威あるサイトの指定はサイト単位です。ハブサイトに関連付けられているという理由だけで、すべての関連サイトが同じ扱いになると想定しない方が安全です。

対象となる各サイトについて、IsAuthoritativeの状態を個別に確認してください。

権威あるサイトを恒久的な設定として放置する

組織改編、サイト統合、担当部署の変更により、公式情報源は変わります。

Microsoftも、登録済みサイトを定期的に見直し、古いサイトや公式でなくなったサイトを削除するよう案内しています。(Microsoft Learn)

管理台帳に記録しておくべき項目

権威あるサイトは、PowerShellだけで管理するのではなく、台帳を作って管理すると運用しやすくなります。

管理項目記録例
サイト名全社規程ポータル
サイトURLhttps://contoso.sharepoint.com/sites/official-policy
指定理由就業規則・人事制度の公式情報源
情報所有部署人事部
サイト管理者人事システム担当
指定日2026年9月1日
最終確認日2026年9月3日
次回確認日2026年12月1日
解除条件新しい規程サイトへ移行した場合

少なくとも四半期または半年ごとに、サイトの所有者、更新状況、重複コンテンツ、アクセス権を確認します。

権威あるサイトに指定すると必ず検索結果の先頭に出るのか

必ず1位になることを保証する機能ではありません。

権威あるサイトの指定は、検索やAIが公式情報を判断するための重要なシグナルです。検索語との関連性、ユーザーのアクセス権、コンテンツ内容など、ほかの条件も検索結果に影響します。

権威あるサイトに指定すると閲覧権限は変わるのか

閲覧権限は変わりません。

この設定はコンテンツが公式であることを示すものであり、SharePointのアクセス権を付与する機能ではありません。利用者が対象文書を閲覧できない場合は、別途SharePointのサイト、ライブラリ、ファイルの権限を確認する必要があります。

OneDriveを信頼済み情報源に指定できるのか

個人用サイトは対象外です。OneDriveを個人用サイトとして使用している場合、権威あるサイトには指定できません。(Microsoft Learn)

組織の正式文書は個人のOneDriveではなく、担当部署が管理するSharePointサイトへ移す運用が適しています。

Copilot Searchで信頼できる情報を優先するための進め方

まず、社内で「この情報については、このサイトが正本である」と説明できるSharePointサイトを選定します。次に、重複文書や古い資料を整理してから、PowerShellでIsAuthoritativeを有効にします。

設定後は最大72時間の反映時間を考慮し、実際の業務で使われる検索語を使ってCopilot Searchを検証してください。問題がなければ対象を段階的に広げ、登録理由、所有部署、確認日を管理台帳に残します。

権威あるサイトの効果を高める鍵は、登録数を増やすことではありません。公式情報を少数の管理されたSharePointサイトに集約し、継続的に内容を更新することです。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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