Excel「=COPILOT」関数は中止|対象環境・終了日と代替策

Excelの「=COPILOT」関数を待っていた人や、試用中のブックを使い続けたい人にとって、今回の変更は確認が必要です。Microsoftは「=COPILOT」関数の一般提供を進めず、2026年9月14日以降、この関数を利用できなくすると案内しています。終了するのはセルに入力する関数であり、ExcelのCopilot機能全体ではありません。(マイクロソフトサポート)

デスクトップ・Mac・Web向けの提供計画を整理するとともに、既存ブックの確認方法、結果の保存手順、Copilotパネルや通常のExcel関数への置き換え方を解説します。すでに業務で試している場合は、一般提供を待つのではなく、必要な結果を保存し、更新方法を見直すことが先決です。

目次

Excel「=COPILOT」関数は3つのプラットフォームで提供計画が中止

今回の対象は、Excelの数式から生成AIを呼び出す「=COPILOT」関数です。デスクトップ・Mac・Web向けに分かれていた、3件のロードマップが中止対象になりました。

対象プラットフォーム一般提供計画の扱い
デスクトップ版Excel「=COPILOT」関数の一般提供を中止
Excel for Mac「=COPILOT」関数の一般提供を中止
Excel for the web「=COPILOT」関数の一般提供を中止

関連するロードマップIDは、499658・499659・499660です。2026年8月20日付のロードマップ更新記録には、3件すべてに、この機能を今後進めない旨のMicrosoftの説明が掲載されています。そこに残っている「2027年1月」という予定月は、中止前の計画であり、新たな提供予定ではありません。(Planet Technologies)

一般提供の中止と、プレビューの終了日は分けて考える

「一般提供を中止した」という情報だけでは、試用中の機能がいつまで動くのかは分かりません。今回は、Microsoftの公式サポートにも2026年9月14日から利用できなくなるという終了日が明記されています。2026年9月3日時点では、終了が予告されている段階です。(マイクロソフトサポート)

また、2025年8月18日に公開されたMicrosoft 365 Insiderの紹介記事にも、同じ終了案内が追記されています。古い紹介記事に使い方が残っていても、今後の継続利用を前提にはできません。(TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM)

Microsoftのロードマップ自体も、情報は変更される可能性があり、中止・延期された項目などは削除されると説明しています。検索結果に残った「開発中」や過去の予定月より、公式サポートの終了告知を優先して判断しましょう。(Microsoft)

終了する「COPILOT関数」と、継続する「ExcelのCopilot」は別機能

「ExcelのCopilotが中止」とまとめてしまうと、影響範囲を誤解しやすくなります。今回終了するのは、次のようにセルの数式に直接記述する使い方です。

=COPILOT("この問い合わせを20文字以内で要約してください", A2)

この関数は、指示文と参照セルの情報をAIに渡し、生成された回答をセルに返すものでした。文章の要約、分類、説明文の作成などが想定されていました。(マイクロソフトサポート)

一方、Excelの画面からCopilotを開き、「この表を分類して」「数式を作って」と依頼する機能は別です。現在のExcelのCopilotでは、ブックの編集、数式の生成、グラフやピボットテーブルの作成などが案内されています。(マイクロソフトサポート)

比較項目終了する「=COPILOT」関数継続するExcelのCopilot
操作の入口セルに数式を入力するCopilotパネルから依頼する
指示の置き場所数式の引数チャットの入力欄
結果の扱い関数の結果としてセルに返す回答を確認する、またはブックを編集する
移行時の考え方数式への依存を見直す作業手順として置き換えを検討する

Microsoftが案内している代替先は、Copilotパネルです。ただし、同じ作業を依頼できることと、既存の数式をそのまま置き換えられることは別です。セル参照を含む関数として処理する設計と、Copilotへ依頼して結果を書き込む設計では、更新の手順を分けて考える必要があります。(TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM)

例えば、問い合わせの内容を更新するたびに分類も更新したい場合、分類結果を一度セルに書き込んだだけで移行完了とはいえません。「いつ、どの範囲を、誰が再分類するか」まで決めておくことが重要です。

既存ブックで最初に確認するのは「COPILOTを含む数式」

すでに試用している場合は、機能を復活させる方法を探すより、影響するブックとセルを特定しましょう。

数式を対象に、ブック全体を検索する

Windows版Excelでは、次の流れで確認できます。

  1. 対象ブックを開き、Ctrl + Fで検索画面を表示します。
  2. 検索する文字列にCOPILOTを入力し、オプションで検索範囲を「ブック」、検索対象を「数式」に設定します。
  3. 「すべて検索」で見つかったシート名・セル位置・数式を確認します。

Excelでは、検索範囲をブック全体、検索対象を数式にして調べられます。表示されている結果だけを検索しないことがポイントです。(マイクロソフトサポート)

検索文字列は、先頭の「=」を付けないCOPILOTにすると確認しやすくなります。他の関数の中に組み込まれている数式も、候補として拾うためです。ただし、説明文などが見つかる場合もあるため、検索結果は数式バーで確認してください。

業務で使っているファイルだけでなく、翌月用のひな形、共有フォルダー内のテンプレート、配布済みの検証用ブックも点検対象にします。利用者本人が入力していなくても、他の人が作ったブックに含まれている可能性を見落とさないためです。

「結果を残す必要」と「今後も更新する必要」を分ける

見つかった数式は、用途を次の2つに分けると対応を決めやすくなります。

過去の結果を残せればよいものは、確認済みの結果を値として保存する方法が候補になります。例えば、実施済みアンケートの要約や、検証時に作った商品説明文です。

入力データに応じて今後も更新するものは、保存だけでなく代替処理が必要です。毎月増える問い合わせの分類や、新商品が追加されるたびに作成する説明文などが該当します。

この区別をせず、すべて値に変換すると、見た目は残っても業務上必要な更新が止まってしまいます。

生成済みの結果は、元ブックを残して値として保存する

必要な結果が表示できている間に、確認済みの内容を保存しておきましょう。Excelには、数式ではなく計算結果を「値」として貼り付ける方法があります。Microsoftも、数式を値へ置き換える前にブックのコピーを作り、参照先への影響を確認するよう案内しています。(マイクロソフトサポート)

別シートや別ブックへ「値のみ」で貼り付ける

安全に進めるには、元のブックを残したうえで、保存用のシートやブックを用意します。

「=COPILOT」の結果が表示されている範囲をコピーし、保存先で貼り付けメニューから「値」または「値のみ」を選択してください。貼り付け後は、数式バーにCOPILOT関数ではなく、保存した文章や数値が表示されることを確認します。(マイクロソフトサポート)

「=COPILOT」関数は、1つの数式から複数セルへ結果を展開する場合があります。数式が入っている先頭セルだけでなく、必要な出力範囲全体を保存することが大切です。(マイクロソフトサポート)

保存後は、元の結果と行数・列数・内容を照合します。フィルターをかけている場合や、途中に空欄がある場合は、保存漏れがないかも確認してください。

ブック全体を一括で値にしない

COPILOT関数をなくすために、ブック内の数式をすべて値へ変換する必要はありません。通常の集計式や参照式まで消してしまうと、別の更新処理にも影響します。

数式を値へ置き換えると、その数式は削除されます。元データを変更しても値は再計算されないため、保存用と運用用を分ける方が管理しやすくなります。(マイクロソフトサポート)

また、COPILOTの出力を別の数式や集計が参照している場合は、出力の保存だけで終わらせず、後続の処理も確認しましょう。

入力データ・指示文・確認日も残す

保存するのは、AIが返した文章だけでは不十分です。移行後に判断を再現しやすくするため、元データ、指示文、結果を確認した日も残しておくと役立ちます。

例えば、「返品に関する問い合わせ」と分類された結果だけでなく、どの文章を、どの分類基準で判定したのかを一緒に保存します。代替機能で同じ処理を試す際に、結果の違いを比較しやすくなります。

代替手段は「AIが必要な処理か」で選ぶ

「=COPILOT」の代替を考える際は、すべてを別のAI機能に移す必要はありません。文章の意味を扱う処理なのか、決まったルールで処理できるのかを先に分けましょう。

やりたいこと代替候補移行時の判断ポイント
問い合わせの要約、自由記述の分類、説明文の作成ExcelのCopilotパネル指示内容と出力先を明確にし、結果を確認する
商品コードなどを基に既存の情報を取得するXLOOKUPなどの参照関数正式なマスターデータを参照する
合計、平均、条件による判定SUM、AVERAGE、IFなど計算そのものは通常のExcel数式で行う
CSVの取り込み、列分割、形式統一、データ結合Power Query同じ変換手順を繰り返せる形にする

Microsoftも、正確性や再現性が必要な数値計算には通常のExcel関数を使い、ブック内のデータ検索にはXLOOKUPを使うよう案内しています。(マイクロソフトサポート)

Power Queryは、データを取り込み、段階的な変換を適用するための機能です。一度定義した変換は、データを更新した際に再適用できます。ただし、文章の意味を判断するAI分類と同じものではありません。(マイクロソフトサポート)

例えば、「商品コードから商品名を返す」処理なら、AIに推測させるよりマスターを参照する方が目的に合います。一方、「この苦情が配送・品質・接客のどれに近いか」を判断する処理では、Copilotによる分類を検討し、曖昧なものを人が確認する運用が考えられます。

Copilotパネルで文章分類を置き換える実践例

ここでは、A列の問い合わせを分類し、B列に分類結果を作成するケースを考えます。最初は本番ファイルのコピーを使い、少量のデータで試しましょう。

Copilotを開き、書き込み前にモードを確認する

現在の公式ガイドでは、Excel画面右下のCopilotアイコンから開く方法が案内されています。ボタンをリボンへ移動できる構成もあるため、リボン側に置いている場合はそちらから開きます。(マイクロソフトサポート)

ExcelのCopilotには、編集・プラン・チャットのモードがあります。まず処理方針を相談するならプランやチャット、実際にセルへ結果を書き込ませるなら編集モードを使います。編集モードではブックへ直接変更が加わるため、元データを残した検証用ファイルで始めると安心です。(マイクロソフトサポート)

対象範囲・分類基準・出力先を指定する

「この表を整理して」だけでは、期待する結果が伝わりにくくなります。Microsoftも、プロンプトを具体的にし、使用する列や範囲を指定することを勧めています。(マイクロソフトサポート)

例えば、次のように依頼します。

「問い合わせ」シートのA2:A21を読み、各行を「配送」「品質」「返品・交換」「その他」「要確認」のいずれかに分類してください。
分類結果は同じ行のB列に、判断理由はC列に短く記入してください。A列の文章と行順は変更しないでください。情報が足りないものは、推測せず「要確認」にしてください。

この指示では、入力範囲、出力列、行の対応関係、判断できない場合の扱いを指定しています。分類候補を固定しておくと、確認すべき観点も明確になります。

結果の確認と、次回更新の手順まで決める

結果が書き込まれたら、入力行と出力行が対応しているか、指定外の分類が混ざっていないか、曖昧な問い合わせが無理に分類されていないかを確認します。Copilotの出力には不正確な内容が含まれる可能性があるため、業務で使う前の検証が必要です。(マイクロソフトサポート)

継続運用するなら、「新しく追加した行だけを処理する」「分類基準を変えたときは過去分も見直す」といったルールも決めておきましょう。出力を作る操作だけでなく、再処理の範囲と確認担当者まで決めることで、関数に依存していた作業を置き換えやすくなります。

「使えない」ときに混同しやすい点

ライセンスを追加すればCOPILOT関数を使い続けられる?

Microsoftは関数そのものの提供終了を案内しています。そのため、この関数を継続利用する目的で、ライセンスの追加購入や試用プログラムへの参加を進めるべきではありません。(マイクロソフトサポート)

代替となるExcelのCopilotについては、契約しているライセンスや組織の設定によって利用できる内容が異なります。まず現在のアカウントで利用できる機能を確認し、業務上必要な処理を試してから判断しましょう。(マイクロソフトサポート)

Copilotボタンが見当たらないのも、関数の中止が原因?

セルに入力する関数の終了と、Copilotパネルへのアクセスは切り分けてください。

公式FAQでは、Copilotボタンが表示されない場合、アプリのバージョン、ライセンス、ネットワーク、プライバシー設定などの要件を確認するよう案内されています。会社や学校のアカウントでは、管理者に「COPILOT関数ではなく、ExcelのCopilotパネルを利用したい」と伝えると、確認対象が明確になります。(マイクロソフトサポート)

既存ブックは終了後も同じ結果を表示できる?

終了告知は、関数が利用できなくなることを明記しています。一方、その告知だけで、すべての既存ブックについて結果の表示や特定のエラー表示を保証することはできません。「保存してあるから大丈夫」と考えず、必要な結果を値として退避する方針が安全です。(マイクロソフトサポート)

すでに結果を取得できない場合は、元データと指示文を基に代替処理を検討します。以前の結果を確認できないまま、移行後の出力が完全に同一だと扱わないようにしましょう。

一般提供を待つより、既存ブックの保存と更新方法を見直す

Excelの「=COPILOT」関数は、デスクトップ・Mac・Web向けの一般提供計画が中止となり、公式には2026年9月14日から利用できなくなると案内されています。一方、Copilotパネルを使うExcelのAI機能は継続します。(Planet Technologies)

すでに使っている人は、まずブック内の数式を検索し、必要な結果を元データ・指示文とともに保存してください。これから導入する人は、COPILOT関数を前提とした計画を見直し、文章処理にはCopilot、決まった計算や参照には通常の関数、反復的な整形にはPower Queryというように用途を分けましょう。

移行の完了条件は、以前と似た結果が一度表示されることではありません。次にデータが増えたり変わったりしたときも、更新して確認できる状態にすることです。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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