Excel 2016 KB5002877とは?June 2026 security updateの使い方と導入前確認

Excel 2016 June 2026 security update KB5002877 は、Excelの新しい使い方を追加する更新ではなく、Excel 2016の脆弱性を修正するためのセキュリティ更新です。迷ったときの結論はシンプルで、対象が Excel 2016のMSI版 であれば、基本は Microsoft Update またはWindows Update経由で適用し、手動で入れる場合は32ビット版・64ビット版を間違えないように選びます。

特に注意したいのは、Microsoft Download Centerで配布されるKB5002877は、Office 2016のClick-to-Run版には適用されない点です。Microsoft 365やOffice 365 HomeのようなClick-to-Run版を使っている場合は、KB5002877の単体インストーラーを探すより、Officeアプリ内の更新機能や管理者の更新ポリシーを確認するのが正しい進め方です。(Microsoft サポート)

目次

Excel 2016 June 2026 security update KB5002877 の使い方・設定で迷うポイント

KB5002877は何をする更新なのか

KB5002877は、2026年6月9日付で公開されたExcel 2016向けのセキュリティ更新です。Microsoft Supportでは、Microsoft Excelのリモートコード実行の脆弱性と情報漏えいの脆弱性を修正する更新として説明されています。(Microsoft サポート)

ここでいう「使い方」は、Excelの新機能を操作するという意味ではありません。実務上は、次の3つを正しく行うことがポイントです。

  • 自分のExcel 2016が対象か確認する
  • 正しい方法で更新を適用する
  • 適用後にExcelや業務ファイルが問題なく開けるか確認する

更新後にリボンへ新しいボタンが増えたり、関数が追加されたりするタイプの更新ではないため、「インストールしたのに見た目が変わらない」という状態は珍しくありません。セキュリティ更新は、普段の操作画面では変化が分かりにくいものだと考えておきましょう。

まず確認すべき前提条件

KB5002877で最も迷いやすいのは、「Excel 2016なら必ず入るのか」という点です。MicrosoftのKBページでは、適用にはExcel 2016のリリース版がインストールされている必要があると説明されています。また、Download Centerの更新プログラムはOffice 2016のMSI版向けで、Microsoft Office 365 HomeなどのClick-to-Run版には適用されません。(Microsoft サポート)

確認項目見る場所判断のポイント
Excel 2016かどうかExcelを開く → ファイル → アカウント製品名にExcel 2016またはOffice 2016系の表記があるか確認
MSI版かClick-to-Run版かファイル → アカウント → 製品情報、またはExcelのバージョン情報Download Center版のKB5002877はMSI版向け。Click-to-Run版では別の更新経路を使う
32ビット版か64ビット版かファイル → アカウント → Excelのバージョン情報手動ダウンロード時にx86とx64を間違えない
管理対象PCかどうか会社・学校のPC、更新設定が変更できないPC個人で実行せず、IT管理者の配布方針を確認する

Officeの製品名、バージョン番号、インストール形式、32ビット・64ビットの情報は、Officeアプリの「アカウント」画面や「Excelのバージョン情報」から確認できます。(Microsoft サポート)

Office 2016はサポート終了済みだが、更新が出る場合がある

Excel 2016を使っている人が混乱しやすいのが、「Office 2016はサポート終了したはずなのに、なぜ2026年6月の更新があるのか」という点です。

Microsoft Learnでは、Office 2016のサポートは2025年10月14日に終了したと説明されています。一方で、Microsoftの裁量により、2025年10月14日以降もOffice 2016向けに1つ以上の更新が提供される場合があるとも説明されています。2026年6月時点では、Office 2016の最新Public UpdateとしてJune 2026 PUが掲載されています。(Microsoft Learn)

つまり、KB5002877が提供されているからといって、Office 2016が通常のサポート状態に戻ったわけではありません。実務では、KB5002877を適用しつつ、Office 2024やMicrosoft 365 Appsなど、サポートされる環境への移行も並行して検討するのが安全です。

KB5002877の導入方法は3つある

Microsoft Supportでは、KB5002877の入手方法として、Microsoft Update、Microsoft Update Catalog、Microsoft Download Centerの3つが案内されています。自分で細かく選ぶ必要がない環境なら、まずはMicrosoft UpdateまたはWindows Update経由を優先するのが分かりやすい方法です。(Microsoft サポート)

方法向いている人主な使い方注意点
Microsoft Update一般ユーザー、個人利用、少数台のPC自動更新を有効にして、Office更新も受け取るOffice更新を受け取る設定がオフだと表示されない場合がある
Microsoft Update CatalogIT管理者、手動配布したい人KB番号で検索し、必要なパッケージを入手適用対象やアーキテクチャの確認が必要
Microsoft Download Center単体インストーラーで手動適用したい人x86またはx64の実行ファイルをダウンロードして実行MSI版Office 2016向け。Click-to-Run版には適用しない

Microsoft Updateで適用する場合

一般ユーザーが最初に確認すべきなのは、Windows UpdateでOfficeなど他のMicrosoft製品の更新も受け取る設定です。Windows 11では「設定」→「Windows Update」→「詳細オプション」から、Windows更新時に他のMicrosoft製品の更新も受け取る設定をオンにできます。Windows 10でも「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「詳細オプション」から同様の設定を確認できます。(Microsoft サポート)

設定の考え方は次の通りです。

状況確認すること対応
Windows Updateには更新が出るがOffice更新が出ない他のMicrosoft製品の更新を受け取る設定オフならオンにして再確認
会社のPCで設定を変更できない管理者が更新を制御している可能性個人で手動適用せず、IT部門に確認
何度確認してもKB5002877が出ないすでに適用済み、対象外、Click-to-Run版の可能性インストール形式と更新履歴を確認
更新後に再起動を求められるExcelやOffice関連ファイルが使用中の可能性作業ファイルを保存して再起動

Excelアプリ内の「更新オプション」で確認する場合

Officeアプリから更新を確認する場合は、ExcelやWordを開き、「ファイル」→「アカウント」→「更新オプション」→「今すぐ更新」を選びます。Microsoft Supportでは、更新オプションが見当たらない場合、先に「更新を有効にする」を選ぶ必要がある場合があると説明されています。(support.office.com)

ただし、この方法ですべてのOffice 2016環境にKB5002877が表示されるとは限りません。特にボリュームライセンス版や企業管理下のPCでは、更新オプションが表示されない、またはグループポリシーで管理されていることがあります。その場合は、Microsoft Updateを使うか、社内のヘルプデスク・IT管理者に確認します。(support.office.com)

Microsoft Download Centerから手動で入れる場合

手動でKB5002877を入れる場合は、Microsoft Download Centerの公式ページから、32ビット版または64ビット版のファイルを選びます。Download Centerでは、64ビット版のファイル名は excel2016-kb5002877-fullfile-x64-glb.exe、32ビット版は excel2016-kb5002877-fullfile-x86-glb.exe と案内されています。(Microsoft)

手順は次の流れです。

手順操作失敗しやすいポイント
1Excelと他のOfficeアプリを閉じるファイルを開いたままだと更新に失敗することがある
2Excelの32ビット・64ビットを確認するWindowsが64ビットでもOfficeが32ビットの場合がある
3公式Download Centerから該当ファイルを選ぶx86とx64を取り違えない
4ダウンロードしたexeを実行する管理者権限を求められる場合がある
5再起動を求められたら再起動する後回しにすると更新が完了しない場合がある
6更新履歴やExcelの動作を確認する表示名や場所は環境によって異なる

管理者がファイルの真正性を確認する場合は、Microsoft SupportのKBページに掲載されているSHA256ハッシュ情報を照合すると安全です。KBページでは、x86版とx64版それぞれのSHA256ハッシュが示されています。(Microsoft サポート)

「インストールできない」ときに見るべき原因

KB5002877が入らない場合、原因は大きく分けて「対象外」「形式違い」「管理ポリシー」「更新環境の問題」の4つです。

症状よくある原因対応
「この更新プログラムは適用できません」と表示されるOfficeがClick-to-Run版、対象外のOffice、すでに適用済みOfficeの製品名・インストール形式・更新履歴を確認
x64版を実行したら失敗するOfficeが32ビット版Excelのバージョン情報でビット数を確認し、x86版を使う
更新オプションが見当たらないボリュームライセンス版、企業のグループポリシーMicrosoft Updateを使うか、管理者に確認
Windows Updateに出てこないMicrosoft製品の更新を受け取る設定がオフWindows Updateの詳細オプションを確認
ダウンロード版を実行しても進まないOfficeアプリが起動中、権限不足、空き容量不足Officeを閉じ、管理者権限と空き容量を確認
更新後にExcelの動作が不安定アドイン、マクロ、古いテンプレートとの相性セーフモード起動やアドイン無効化で切り分ける

Office更新がうまく動かない場合、Microsoft Supportでは、インターネット接続の確認、更新オプションが表示されない場合のMicrosoft Update利用、Officeアプリを開けない場合の修復などが案内されています。(support.office.com)

導入前に確認したい実務チェックリスト

Excel 2016を業務で使っている場合、セキュリティ更新とはいえ、何も確認せずに本番PCへ入れるのは避けた方が安全です。特にマクロ、アドイン、古い帳票テンプレート、外部システム連携を使っている環境では、更新後の動作確認を前提に進めましょう。

個人利用・小規模利用の場合

個人PCや少数台のPCなら、次の順番で進めると失敗しにくくなります。

確認項目理由
作業中のExcelファイルを保存する更新中にExcelを閉じる必要があるため
重要なブックをバックアップするマクロや外部リンク付きファイルのトラブルに備えるため
Excelのビット数を確認する手動インストール時のファイル選択ミスを防ぐため
Windows UpdateのOffice更新設定を確認する自動更新で入る可能性があるため
更新後に普段使うファイルを開く表示、計算、マクロ、印刷設定の異常を早く見つけるため

会社・学校・共有PCの場合

企業や学校のPCでは、ユーザーが個別にDownload Centerから実行ファイルを入れるより、管理者の配布方針に従う方が安全です。特に、WSUS、Microsoft Configuration Manager、Intune、グループポリシーなどで更新を管理している環境では、手動適用が管理状態を乱すことがあります。

管理者側では、少なくとも次の点を確認しておくと実務トラブルを減らせます。

確認項目見るべきポイント
対象端末のOffice形式MSI版Office 2016か、Click-to-Run版か
32ビット・64ビットの混在配布パッケージの取り違えを防ぐ
既存アドインExcel COMアドイン、VSTOアドイン、会計・販売管理ソフト連携
マクロ利用署名付きマクロ、共有テンプレート、外部データ接続
検証端末本番配布前に代表的な業務ファイルを開いて確認
ロールバック手順更新削除の可否、復元ポイント、バックアップ方針

KB5002877適用後に確認すること

更新が終わったら、「インストールできたか」だけでなく、「業務に使うExcelが問題なく動くか」を確認します。

まず見るべき場所

Windows Update経由で入れた場合は、Windowsの更新履歴でKB5002877が表示されるか確認します。Windows 11では「設定」→「Windows Update」→「更新の履歴」、Windows 10では「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」→「更新の履歴」から確認できます。Microsoft Supportでも、Windows Updateの更新履歴からインストール済み更新を確認できると説明されています。(Microsoft サポート)

手動インストールした場合は、コントロールパネルの「インストールされた更新プログラム」や、組織で使っている更新管理ツール側の適用状況も確認します。環境によって表示名や反映タイミングが異なるため、KB番号で検索すると見つけやすくなります。

Excelの動作確認で見るポイント

更新直後は、次のファイルを1つずつ確認すると実用上の問題を発見しやすくなります。

確認対象見るポイント
空のブックExcelが正常に起動するか
普段使う業務ファイル開く、保存、再計算、印刷ができるか
マクロ付きブックマクロの実行、ボタン、フォームが動くか
外部リンク付きブック参照先ファイルやデータ接続でエラーが出ないか
アドイン利用ファイル追加メニュー、独自関数、連携機能が動くか
共有テンプレートレイアウト崩れや保護設定の不具合がないか

セキュリティ更新は不具合修正が主目的ですが、古いアドインや独自マクロは、更新をきっかけに問題が表面化することがあります。特に「毎月の請求書」「経費精算」「在庫管理」「CSV取込」「外部システム連携」のように業務停止につながるファイルは、更新後すぐに開いて確認しておくと安心です。

よくある質問

KB5002877を入れるとExcelの画面や機能は変わる?

基本的には、目に見える新機能追加を期待する更新ではありません。KB5002877はセキュリティ更新であり、Excelの脆弱性を修正することが目的です。更新後にリボンや関数一覧が変わらなくても、適用に失敗したとは限りません。(Microsoft サポート)

Microsoft 365を使っているPCにもKB5002877を手動で入れるべき?

Microsoft Download CenterのKB5002877は、Office 2016のMSI版向けです。Microsoft Supportでは、Microsoft Office 365 HomeなどのClick-to-Run版には適用されないと説明されています。Microsoft 365やClick-to-Run版を使っている場合は、Officeアプリの更新機能や管理者が指定する更新チャネルを確認してください。(Microsoft サポート)

Excel 2016なのにKB5002877が表示されないのはなぜ?

考えられる理由は複数あります。すでに適用済み、OfficeがClick-to-Run版、Download Center版とビット数が違う、Microsoft Updateの設定がオフ、または会社の管理ポリシーで更新が制御されている場合があります。まずは「ファイル」→「アカウント」で製品情報を確認し、次にWindows Updateの詳細オプションと更新履歴を見ます。

32ビット版と64ビット版はどちらを選ぶ?

Windowsのビット数ではなく、OfficeまたはExcelのビット数に合わせます。64ビット版Windows上で32ビット版Officeを使っているケースは珍しくありません。Excelを開き、「ファイル」→「アカウント」→「Excelのバージョン情報」で32ビットか64ビットかを確認してから選びましょう。(Microsoft サポート)

更新を削除してもよい?

セキュリティ更新は、特別な理由がない限り削除しない方が安全です。Microsoft Supportでも、インストール済み更新の削除は必要な場合に限る扱いで説明されています。業務アプリとの相性問題が出た場合は、まずアドインの無効化、Office修復、検証端末での再現確認を行い、管理者がいる環境では独断で削除しないようにしてください。(Microsoft サポート)

迷ったときの判断基準

KB5002877で迷ったら、次の順番で判断するとスムーズです。

判断すること結論
Excel 2016を使っているか使っていなければKB5002877は対象外
Office 2016のMSI版かMSI版ならKB5002877の対象になり得る
Click-to-Run版かDownload Center版は使わず、Office側の更新経路を確認
会社のPCかIT管理者の方針を優先
手動適用が必要かx86/x64を確認して公式ページから入手
更新後に確認するものは何か更新履歴、Excel起動、業務ファイル、マクロ、アドイン

Excel 2016 June 2026 security update KB5002877は、目立つ新機能ではなく、古いExcel環境をできるだけ安全に使うための更新です。まずは自分のOfficeがMSI版かClick-to-Run版かを確認し、一般ユーザーはMicrosoft Updateを優先します。手動で入れる場合は、32ビット版・64ビット版を必ず確認し、更新後は普段使うブック、マクロ、アドインの動作まで確認してください。

Office 2016はすでにサポート終了済みの製品です。KB5002877を適用することは重要ですが、それだけで長期的に安全な環境になるわけではありません。更新の適用と同時に、サポートされるOffice環境へ移行する計画も進めておくことが、実務上もっとも安全な対応です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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