Excelでアンケートの自由回答、顧客レビュー、問い合わせ履歴、バグ報告のような文章中心のデータを扱うと、「数は集計できるのに、何が言われているのかを読むのに時間がかかる」という壁に当たりがちです。2026年4月16日時点で注目したいのは、Microsoftが案内している Copilot in Excelによるテキストベースデータの洞察抽出 です。Microsoft公式サポートでは、Copilot in Excelで大量のテキストを要約し、主要テーマや感情を把握し、分析結果を列としてブックに追加できると説明されています。(マイクロソフトサポート)
結論から言うと、Copilot in Excelのテキストデータ分析は、自由記述データを「読む作業」から「分類し、確認し、次の施策に落とす作業」へ進めるための実務的な入口です。ただし、AIの出力をそのまま正解として扱うのではなく、元データの確認、列設計、プロンプト設計、サンプル検証を組み合わせることで価値が大きくなります。
Copilot in Excelのテキストデータ分析で何が変わるのか
これまでExcelでのデータ分析というと、売上、件数、金額、比率、日付などの数値データを集計する使い方が中心でした。ピボットテーブル、グラフ、フィルター、関数を使えば、数値の傾向は比較的つかみやすいからです。
一方で、次のような文章データは扱いにくいものでした。
- アンケートの自由回答
- ECサイトやアプリのレビュー
- カスタマーサポートの問い合わせ履歴
- 営業メモや商談メモ
- 不具合報告、バグ説明、改善要望
- 社内ヒアリングのコメント
これらは1件ずつ読めば意味は分かります。しかし、数百件、数千件になると「よく出る不満は何か」「ポジティブな声とネガティブな声はどう違うか」「優先して対応すべきテーマは何か」を人力だけで整理するのは大変です。
Copilot in Excelのテキストデータ分析が重要なのは、Excel上の文章データに対して、自然言語で質問しながら要約、テーマ抽出、感情の整理、分類列の追加まで進められる点です。Microsoftの案内でも、ユーザーが自分の言葉で依頼を入力し、必要に応じてフォローアップ質問を行い、満足した結果を「Insert column」でブックに追加できる流れが示されています。(マイクロソフトサポート)
つまり、Copilot in Excelは単なる「数値表の補助」から、文章を含む業務データの初期分析にも使える方向へ広がっています。
Microsoft 365 Copilotでできる主なテキスト分析
Microsoftが案内している「Get insights from text-based data with Copilot in Excel」の内容を実務目線で整理すると、特に使いやすいのは次の用途です。
| できること | 実務での使い道 | 具体例 |
|---|---|---|
| 大量テキストの要約 | コメント全体の傾向を短時間で把握する | 500件のレビューを読み、主な評価ポイントを要約する |
| 主要テーマの抽出 | 頻出する話題や課題を分類する | 「価格」「UI」「配送」「サポート対応」などに整理する |
| 感情・トーンの把握 | 好意的、不満、要望などの傾向を見る | 顧客満足度の背景を自由回答から確認する |
| フォローアップ質問 | 初回分析を深掘りする | 「不満の中で緊急度が高いものを教えて」と追加で聞く |
| 分析結果の列追加 | 後続の集計やフィルターに使う | 各行に「テーマ」「感情」「優先度」列を追加する |
特に便利なのは、分析結果を列として追加できる点です。たとえば、レビュー本文の横に「主なテーマ」「感情」「対応優先度」といった列を作れば、その後はピボットテーブルやフィルターで集計しやすくなります。
文章を読んで終わりではなく、構造化されたExcelデータに変換する ことが、Copilot in Excelを実務で活用するポイントです。
向いているデータと向いていないデータ
Copilot in Excelのテキスト分析は万能ではありません。向いているデータを選ぶことで、出力の精度と実務での使いやすさが大きく変わります。
| データの種類 | 向き・不向き | 理由 |
|---|---|---|
| アンケート自由回答 | 向いている | 同じ設問に対する回答が並ぶため、テーマ抽出しやすい |
| 顧客レビュー | 向いている | 評価理由、満足点、不満点を分類しやすい |
| 問い合わせ履歴 | 向いている | 問題カテゴリ、緊急度、対応傾向を整理しやすい |
| バグ報告 | 向いている | 発生条件、影響範囲、再現性の整理に使いやすい |
| 複数の話題が混ざった長文メモ | やや注意 | 1セルに複数の論点が入ると分類がぶれやすい |
| 行と列に整理されていない文章ファイル | 不向き | Excel上で扱うには、まず表形式への整理が必要 |
| 厳密な法的判断や医療判断を含む文章 | 不向き | AIの要約だけで判断せず、専門家確認が必要 |
実務では、まず1行1件の形式にそろえることが大切です。たとえばアンケートなら「回答者ID」「回答日」「部署」「設問」「自由回答」のように列を分けます。レビューなら「投稿日」「商品名」「評価点」「レビュー本文」「購入地域」のように整理します。
1セルに長い文章を詰め込むよりも、分析したい単位を1行に分けたほうが、Copilotにも人間にも扱いやすいデータになります。
Copilotに読ませやすいExcel表の作り方
Copilot in Excelで分析を始める前に、表の形を整えておく必要があります。Microsoftは、Copilot in Excelを使うにはデータをExcelテーブル、またはサポートされる範囲として整える必要があると説明しています。サポートされる範囲では、ヘッダーが1行であること、重複ヘッダーや空白ヘッダーがないこと、空行・空列・結合セルがないことなどが条件として示されています。(マイクロソフトサポート)
文章データを扱う場合は、次のような列設計にすると分析しやすくなります。
| 列名 | 入れる内容 | ポイント |
|---|---|---|
| id | 一意の番号 | 後で元回答を追跡できるようにする |
| date | 回答日・投稿日 | 月別、週別の傾向分析に使える |
| segment | 顧客属性、部署、地域など | 分析結果を比較しやすくする |
| product_or_topic | 商品名、サービス名、対象機能 | テーマの混在を防ぐ |
| text | 自由回答、レビュー本文、問い合わせ内容 | Copilotに読ませる中心列 |
| rating | 評価点や満足度 | テキスト感情とのズレを確認できる |
| status | 対応済み、未対応など | アクション管理に使える |
避けたいのは、見た目を優先したExcelです。結合セル、途中の空白行、小計行、複数段ヘッダー、装飾だけの列が多い表は、AIにも集計機能にも読み取りにくくなります。
Copilotで分析する表は、人に見せる報告書ではなく、機械が読みやすいデータ表 として作るのがコツです。
使い始める前に確認したい前提条件
Copilot in Excelを使うには、機能が有効なMicrosoft 365環境が必要です。Microsoftサポートでは、Excel、Word、PowerPoint、OneNoteにCopilotが表示されない場合、Microsoft 365サブスクリプションに含まれていない、または組織の設定で利用できない可能性があると案内されています。(マイクロソフトサポート)
また、MicrosoftのFAQでは、Copilot in ExcelはOneDriveまたはMicrosoft 365 SharePointに保存され、自動保存がオンになっているExcelファイルで利用できると説明されています。対象ファイル形式としては、.xlsx、.xlsb、.xlsm が挙げられています。(マイクロソフトサポート)
企業や学校の環境では、ライセンス、アプリのバージョン、ネットワーク、プライバシー設定などの要件も関係します。Microsoft Learnでは、Microsoft 365 Copilotの展開にはライセンス、ID、メールボックス、サポートされるプラットフォーム、ネットワークアクセスなどの前提条件があると説明されています。(Microsoft Learn)
利用できない場合は、まず次を確認しましょう。
| 確認項目 | 見るべきポイント |
|---|---|
| Copilotボタンの有無 | ExcelのホームタブにCopilotが表示されるか |
| アカウント | Copilotが有効な職場・学校アカウントでサインインしているか |
| 保存場所 | OneDriveまたはSharePointに保存されているか |
| 自動保存 | AutoSaveがオンになっているか |
| ファイル形式 | 古い形式や特殊な形式ではなく、対応形式か |
| 管理者設定 | 組織でCopilotの利用が許可されているか |
| 表の形式 | Excelテーブル、またはサポートされる範囲になっているか |
「Copilotが見つからない」「分析できない」ときは、プロンプトの書き方よりも、ライセンス、保存場所、表の形式が原因になっているケースが多いです。
Copilot in Excelでテキストデータから洞察を得る基本手順
Microsoftの案内では、Excelを開き、データをテーブルまたはサポートされる範囲に整え、ホームタブのCopilotボタンから依頼を入力し、分析結果を確認する流れが示されています。分析の確認時には、Copilotが参照したデータのソースを確認でき、必要に応じてフォローアップ質問を行える点も説明されています。(マイクロソフトサポート)
実務で使うなら、次の流れがおすすめです。
| 手順 | 作業内容 | 失敗しないポイント |
|---|---|---|
| 1 | 元データをコピーして作業用シートを作る | AI分析前に原本を残す |
| 2 | 1行1件、1列1項目の表に整える | 結合セルや空行をなくす |
| 3 | Excelテーブル化する | ヘッダー名を分かりやすくする |
| 4 | Copilotに目的を伝える | 「何を知りたいか」を明確に書く |
| 5 | 出力結果の根拠を確認する | 代表的な元データを必ず読む |
| 6 | 必要なら追加質問する | 分類基準や粒度を調整する |
| 7 | 結果を列として追加する | 後で集計できる形にする |
| 8 | ピボットテーブルやフィルターで集計する | 洞察を意思決定につなげる |
最初から完璧な分析を狙うより、まず小さく試すのが現実的です。100件程度のサンプルでプロンプトと分類基準を調整し、納得できたら全体に広げると失敗しにくくなります。
すぐ使えるプロンプト例
Copilot in Excelのテキスト分析では、あいまいな依頼よりも、対象列、目的、出力形式、分類基準を指定したほうが実務で使いやすい結果になります。MicrosoftのFAQでも、具体的に質問し、参照したいテーブルやデータ範囲、列ヘッダーを明確に指定するとよいと説明されています。(マイクロソフトサポート)
全体傾向をつかむプロンプト
text列の自由回答を読み、回答全体の主要テーマを5つに分類してください。
各テーマについて、短い説明、代表的なコメント例、件数の目安を示してください。
最初に全体像をつかむときに使います。件数は厳密な集計ではなく目安として扱い、重要テーマを見つけるための入口にしましょう。
不満点を抽出するプロンプト
review_text列から、顧客が不満を感じている内容を抽出してください。
不満の種類を「価格」「機能」「使いやすさ」「サポート」「配送」「その他」に分類し、
各分類の代表的なコメントを3件ずつ示してください。
レビュー分析やNPS後の自由回答分析に向いています。分類軸を指定すると、後で集計しやすい形になります。
改善要望を優先度で分けるプロンプト
comment列の改善要望を読み、対応優先度を「高」「中」「低」に分類してください。
優先度は、顧客影響の大きさ、発生頻度、業務への支障の大きさを基準にしてください。
分類理由も1文で付けてください。
プロダクト改善、社内システム改善、ヘルプデスク運用で使いやすいプロンプトです。優先度の基準を先に書くことで、出力のぶれを減らせます。
バグ報告を整理するプロンプト
bug_description列を読み、報告内容を「再現性あり」「再現性不明」「UI表示の問題」「処理速度の問題」「データ不整合」「その他」に分類してください。
可能であれば、影響範囲と追加確認が必要な点も示してください。
Microsoftのサンプルプロンプトにも、バグ説明を専門的なトーンで箇条書きにする例が示されています。(マイクロソフトサポート) 実務では、分類だけでなく「次に確認すべき情報」まで出させると、開発チームやサポートチームに渡しやすくなります。
分析結果を列にしたいときのプロンプト
text列の各コメントについて、次の3つの列を追加するための分析をしてください。
1. main_theme:最も近いテーマ
2. sentiment:positive、neutral、negativeのいずれか
3. action_needed:対応が必要ならYes、不要ならNo
分類基準も説明してください。
この使い方が、Copilot in Excelの価値を最も感じやすい場面です。列として追加すれば、テーマ別件数、ネガティブ比率、対応必要件数をピボットテーブルで集計できます。
良いプロンプトを書くための判断基準
テキスト分析のプロンプトは、短ければよいわけではありません。実務で再利用するなら、次の5点を入れると精度を確認しやすくなります。
| 要素 | 入れる内容 | 例 |
|---|---|---|
| 対象列 | どの列を分析するか | comment列を対象に |
| 目的 | 何を知りたいか | 解約理由を分類したい |
| 分類軸 | どの観点で分けるか | 価格、機能、サポート、競合比較 |
| 出力形式 | どんな形で返すか | 表形式で、分類名と理由を出す |
| 判断基準 | 迷ったときの基準 | 顧客影響が大きいものを優先度高にする |
逆に、次のようなプロンプトは実務では使いにくくなります。
このデータを分析して。
これでも何らかの結果は返る可能性がありますが、テーマの粒度、分類数、評価基準がCopilot任せになります。初期探索には使えても、業務レポートや継続分析には向きません。
おすすめは、最初に広く聞き、次に条件を絞る流れです。
まず全体の主要テーマを洗い出してください。
その中で、解約につながりそうな不満だけを抽出し、優先度順に並べてください。
各コメントに対して、最も近いテーマを1つだけ付与する列を作成してください。
このように段階を分けると、Copilotの出力を確認しながら分析を深められます。
テキスト分析を実務に落とし込む活用シーン
アンケート自由回答の分析
社内アンケートや顧客満足度調査では、選択式の設問だけでは理由が見えません。自由回答をCopilot in Excelで分析すると、スコアの背景を把握しやすくなります。
たとえば、満足度が低い回答だけに絞り込み、次のように依頼します。
満足度が3以下の回答について、free_comment列から不満の主な理由を分類してください。
分類ごとに、代表的なコメントと改善アクション案を出してください。
この結果を「不満テーマ」列として追加すれば、部署別、地域別、商品別にどの不満が多いかを確認できます。単なる感想の一覧が、改善施策の優先順位表に変わります。
顧客レビューの分析
レビュー分析では、星評価と本文のズレを見ると有益です。星4でも本文に改善要望が含まれることがありますし、星2でも特定機能だけは評価されていることがあります。
rating列とreview_text列を比較し、評価点と本文のトーンが一致していないレビューを見つけてください。
特に、評価点は高いが不満が含まれるレビューを抽出してください。
このような分析は、単純な平均評価では見落としやすい改善ポイントを拾うのに役立ちます。
サポート問い合わせの分類
問い合わせ履歴では、「件数が多いカテゴリ」と「緊急度が高いカテゴリ」は必ずしも一致しません。Copilotを使う場合は、分類と優先度を分けて考えると実務に使いやすくなります。
support_text列の問い合わせ内容をカテゴリ分類し、各カテゴリについて緊急度を高・中・低で評価してください。
緊急度の判断理由も示してください。
その後、カテゴリ列と緊急度列を追加し、ピボットテーブルで集計します。これにより、FAQを整備すべきカテゴリ、サポート体制を強化すべきカテゴリ、開発チームへエスカレーションすべきカテゴリを分けやすくなります。
バグ報告・改善要望の整理
開発チームにとって、自由記述のバグ報告は重要ですが、表現がばらつきやすいデータです。「画面が固まる」「反応しない」「保存できない」など、別の言葉で同じ問題を指している場合があります。
Copilotに類似内容のグルーピングを依頼すると、重複報告の整理に役立ちます。
bug_description列から、同じ原因の可能性がある報告をグループ化してください。
グループ名、共通する症状、代表的な報告、追加で確認すべき情報を表形式で出してください。
この出力をそのまま開発チケットにするのではなく、担当者が元データを確認したうえで、再現条件や影響範囲を補足すると精度が上がります。
数値分析とテキスト分析の使い分け
Copilot in Excelのテキスト分析は便利ですが、従来のExcel機能を置き換えるものではありません。むしろ、テキストから分類列を作り、その後にExcelの集計機能で数値化する流れが効果的です。
| 目的 | 向いている方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 売上合計、平均、前年比を出す | 関数、ピボットテーブル | 数値計算は従来機能のほうが明確 |
| 自由回答のテーマを見つける | Copilot in Excel | 文章の要約や分類に向いている |
| テーマ別の件数を集計する | Copilotで列追加後、ピボットテーブル | 分類結果を数値で比較できる |
| データの取り込み・整形を自動化する | Power Query | 繰り返し処理や結合に向いている |
| 厳密な統計分析を行う | Python、R、専用BIツール | 再現性や詳細な検証に向いている |
| 経営層向けに要点をまとめる | Copilotの要約+人の編集 | 初稿作成は速いが、最終判断は人が行う |
ポイントは、Copilotを「最終判断者」ではなく「初期分析と構造化の補助」として使うことです。
たとえば、自由回答をCopilotで「テーマ」列に分類し、そのテーマ別件数をピボットテーブルで集計します。さらに、各テーマの代表コメントを人が確認し、重要度を判断します。この流れなら、AIのスピードと人間の判断力を両方活かせます。
注意点:AIの要約をそのまま信じない
MicrosoftのFAQでも、Microsoft 365 Copilotが生成する洞察、数式、表は不正確または不適切な場合があり、作成された内容を確認、編集、検証することが重要だと説明されています。(マイクロソフトサポート)
テキストデータ分析では、特に次の点に注意が必要です。
| 注意点 | 起こりやすい問題 | 対策 |
|---|---|---|
| 分類のぶれ | 同じ内容が別カテゴリに分かれる | 分類軸を明示し、サンプルで確認する |
| 少数意見の見落とし | 件数は少ないが重要な声が埋もれる | 「少数だがリスクが高い意見」を別途聞く |
| 皮肉や曖昧表現 | ポジティブ・ネガティブを誤る | 代表コメントを人が読む |
| 複数論点の混在 | 1件の回答に複数テーマが含まれる | 複数ラベル可にするか、主テーマのみ指定する |
| 機密情報 | 個人情報や社外秘が含まれる | 組織のデータ利用ルールに従う |
| 翻訳・多言語 | 言語によってニュアンスが変わる | 必要に応じて言語別に分析する |
| 過度な自動化 | 出力列を無検証で使う | 重要判断にはレビュー工程を入れる |
特に感情分析は、結果を絶対視しないほうが安全です。「negativeが30%だから問題が大きい」と判断する前に、どのようなコメントがnegativeに分類されたのかを確認しましょう。
よくある失敗と改善策
失敗:表の形が崩れていてCopilotがうまく読めない
複数段の見出し、結合セル、途中の小計行があると、Copilotだけでなく通常のExcel集計でも扱いにくくなります。
改善策は、分析用シートを別に作ることです。見た目を整えた報告用シートと、1行1件で整理した分析用シートを分けましょう。
失敗:分類カテゴリをCopilot任せにしすぎる
「分類して」とだけ依頼すると、毎回違う粒度のカテゴリが出ることがあります。初回の探索では便利ですが、月次レポートや継続分析には向きません。
改善策は、最初にカテゴリ候補を作り、次回以降はそのカテゴリに合わせて分類させることです。
次のカテゴリのいずれかに分類してください。
価格、機能、UI、サポート、配送、契約、その他。
迷う場合はその他にし、理由を示してください。
失敗:要約だけで終わってしまう
要約は便利ですが、要約文だけでは次の行動に移りにくい場合があります。
改善策は、「アクションに変換する」依頼を追加することです。
抽出したテーマごとに、担当部門、推奨アクション、確認すべき元コメントを示してください。
これにより、分析結果が会議資料や改善タスクに使いやすくなります。
失敗:AIの結果を検証せずに共有する
Copilotの文章は自然に見えるため、正しいと感じやすいのが落とし穴です。しかし、分類ミスや過度な一般化が含まれる可能性があります。
改善策は、上位テーマごとに代表コメントを3〜5件確認することです。重要な意思決定に使う場合は、ランダムサンプルを抽出して人がチェックする工程を入れましょう。
分析結果をレポートに変える実務フロー
Copilot in Excelのテキスト分析は、単発の要約で終わらせず、レポート作成までつなげると価値が高まります。
おすすめの流れは次の通りです。
| ステップ | 作業 | 成果物 |
|---|---|---|
| 1 | 自由回答を表形式に整える | 分析用Excelテーブル |
| 2 | Copilotで主要テーマを抽出する | テーマ候補一覧 |
| 3 | 各行にテーマ・感情・優先度を付与する | 分類済みデータ |
| 4 | ピボットテーブルで集計する | テーマ別件数、割合 |
| 5 | 代表コメントを確認する | 根拠付きの示唆 |
| 6 | 対応アクションを整理する | 改善施策リスト |
| 7 | 翌月以降も同じ分類軸で比較する | トレンド分析 |
この流れを作っておくと、毎月の顧客の声、従業員アンケート、サポート問い合わせを継続的に追跡できます。
たとえば、ある月に「UIが分かりにくい」というテーマが多く、翌月に改善後のレビューで同テーマが減っていれば、施策の効果を確認しやすくなります。テキストデータを一度分類列に変換すれば、Excelの通常機能で時系列分析がしやすくなるのです。
ChatGPTに貼り付ける分析との違い
文章データの分析なら、ChatGPTなどのチャットAIにコピーして聞く方法もあります。ただし、Excel上で作業するデータ分析では、Copilot in Excelならではの利点があります。
| 比較項目 | Copilot in Excel | 外部チャットAIへの貼り付け |
|---|---|---|
| 作業場所 | Excel内で完結しやすい | データを別画面に移す必要がある |
| 元データとの紐づき | シート上の列や行と関連付けやすい | コピー範囲によって文脈が抜けやすい |
| 列追加 | 分析結果をブックに追加しやすい | 手作業で戻す必要がある |
| 大量データ運用 | Excelの表や集計と組み合わせやすい | 入力上限や貼り付けミスに注意 |
| ガバナンス | Microsoft 365環境の管理下で使える | 組織ルールの確認が必要 |
もちろん、どちらが常に優れているという話ではありません。Excelで管理している業務データを、そのまま分類・集計・報告につなげたいなら、Copilot in Excelのほうが自然です。一方、記事作成や一般的な文章の壁打ちには、外部の生成AIが向いている場面もあります。
導入を検討するExcelユーザー・分析担当者が次にやるべきこと
Copilot in Excelのテキストデータ分析を試すなら、いきなり全社データで始める必要はありません。まずは、リスクが低く、効果が見えやすいデータから始めるのがおすすめです。
最初の題材として向いているのは、次のようなデータです。
- 過去1か月分の問い合わせ履歴
- 直近の顧客アンケート自由回答
- 社内アンケートの改善要望
- アプリやサービスのレビュー100〜300件
- バグ報告やフィードバック一覧
最初に確認すべきゴールは、「完璧な自動分類ができるか」ではありません。見るべきなのは、次の3点です。
- 人が読む時間をどれだけ減らせるか
- 重要テーマを見落とさず拾えるか
- 分析結果を列として追加し、集計や改善アクションにつなげられるか
この3点が満たせるなら、Copilot in Excelは文章中心のデータセットに対して十分に試す価値があります。
まとめ:Copilot in Excelは「文章を読める表計算」への一歩
Copilot in Excelのテキストデータ分析は、Excelの価値を数値集計だけでなく、自由回答やレビュー、問い合わせ履歴のような文章データへ広げる動きです。大量テキストの要約、テーマ抽出、感情の把握、分析結果の列追加ができれば、これまで人力で読んでいたデータを、より短時間で意思決定に使える形へ変換できます。
一方で、AIの出力は検証が必要です。表の形式を整え、明確なプロンプトを使い、代表コメントを確認し、最終判断は人が行う。この基本を守ることで、Copilot in ExcelはExcelユーザーや分析担当者にとって、文章データから実用的な洞察を得る強力な補助ツールになります。
まずは、手元にある自由回答データをExcelテーブルに整え、「主要テーマを5つに分類してください」と依頼するところから始めてみましょう。そこから、分類列の追加、ピボットテーブルでの集計、改善アクションの整理へ進めれば、文章データは単なるコメント一覧ではなく、業務改善につながる分析資産になります。

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