「ペイントが起動しない」「どこかで消してしまったかも…」というときに検索でよくヒットするのが dism /Online /Add-Capability /CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0 というコマンドです。ただ、いきなり実行するのは少し不安ですよね。本記事では、このコマンドが「何をしているのか」を丁寧に分解しつつ、MS Paint を安全かつ効率よく復旧する手順を、初心者向けの GUI 操作からトラブルシュート用のコマンドまで順番に解説します。
この記事のゴール
このページを読み終えるころには、次のようなことが分かるようになります。
dism /Online /Add-Capability /CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0が具体的に何をしているのか- MS Paint(ペイント)が不調なときに試すべき順番と、楽な復旧手順
- DISM を使った MS Paint の再インストール(再追加)・修復のやり方
- よくあるエラーコードと、それぞれの対処方法
- 企業 PC やオフライン環境など、少し特殊な環境で注意すべきポイント
DISM コマンドと MS Paint 機能の関係
まずは、問題のコマンドが何を意味しているのかを分解してみましょう。
dism /Online /Add-Capability /CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0
ざっくり言うと、このコマンドは「Windows に用意されている MS Paint のオプション機能を、今動いている OS に追加(再インストール)する」命令です。各パラメータの意味を表にまとめると次のようになります。
| 要素 | 意味・役割 |
|---|---|
dism | Windows イメージを管理するための純正ツール「Deployment Image Servicing and Management」の実行ファイル。 OS の修復・機能の追加・削除などを行う管理者向けツールです。 |
/Online | 「今起動している Windows(オンラインのイメージ)」に対して処理を行う指定。「オフラインでマウントした別のイメージ」ではありません。 |
/Add-Capability | Windows に用意されている「オプション機能(Capability)」を追加・有効化するサブコマンドです。 日本語 IME 追加や .NET 関連、RSAT などと同じ仕組みで管理されます。 |
/CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0 | 追加したい機能の ID を指定しています。ここでは「MS Paint の機能パッケージ」を表します。0.0.1.0 はバージョン指定ですが、実際には環境に合ったビルドが自動的に選択されます。 |
つまり、このコマンドを 管理者権限のコマンドプロンプト で実行すると、以下のような動作をします。
- MS Paint が削除されている場合 → Windows Update / 機能オンデマンド(FoD)のソースから必要ファイルをダウンロードして再インストール
- MS Paint のファイルが破損・不整合になっている場合 → 正常なコンポーネントを再配置して修復
- MS Paint がすでに正常 → 何も変更しない、もしくは再確認のみ
DISM 自体が OS の「中身」を直接さわる強力なツールなので、やみくもにコマンドを試すより、まず GUI の簡単な手段から順に試していくのが安全です。
MS Paint が不調なときの典型的な症状
「ペイントが壊れているのか、それとも別の原因なのか」を切り分けるために、まずよくある症状を整理しておきましょう。
- スタートメニューや検索から「ペイント」を起動しても、一瞬で消える / 反応がない
- 「このアプリを開くことができません」系のエラーが出る
- ペイントだけでなく、Microsoft Store アプリ全般の起動がおかしい
C:\Windows\System32\mspaint.exeが存在しない、またはダブルクリックしても動かない- Paint 3D と混同していて「どっちがどれか分からない」状態になっている
特に、Windows のバージョンによっては Paint が「従来のシステムコンポーネント + Store アップデート」の二重構成になっていることがあり、単純にアンインストール / 再インストールするだけでは症状が解決しないケースもあります。そのため、「アプリの修復 → Store からの再インストール → DISM による機能追加」 の順番でアプローチするのが現実的です。
初心者向け:GUI で試せる基本的な復旧ステップ
まずはコマンドを使わずに、設定画面や Microsoft Store から行える復旧手順を紹介します。これだけで直るケースがかなり多いので、順番に試してみてください。
アプリの「修復」「リセット」を試す
Windows 10 / 11 では、多くのアプリが「修復」「リセット」の機能を持っています。MS Paint も同様で、軽度な不具合ならこの操作だけで解決することがあります。
| 項目 | 操作内容 |
|---|---|
| 設定を開く | Win + I キーで「設定」を開く |
| アプリ一覧 | アプリ → インストール済みアプリ(または「アプリと機能」)を開く |
| ペイントを探す | 一覧から ペイント または Microsoft Paint を探し、右側の「…」をクリックして 詳細オプション を開く |
| 修復 | 修復 ボタンをクリックして完了まで待つ。ユーザーデータは基本的に保持されます。 |
| リセット | 修復で直らない場合は リセット を実行。アプリの設定は初期化されます。 |
修復・リセット後は、Windows を一度再起動してからペイントを起動し直すと動作が安定しやすくなります。
Microsoft Store から再インストールする
次のステップは、いったんアプリをアンインストールしてから Store 版を入れ直す方法です。
- 先ほどと同じように「設定 → アプリ → インストール済みアプリ」から ペイント を開く
- アンインストール を実行し、画面の指示に従って削除
- スタートメニューまたはタスクバーから Microsoft Store を起動
- 検索ボックスに Microsoft Paint と入力して検索
- 表示されたアプリを選び、入手 または インストール をクリック
もし Store 自体の動作がおかしい場合は、キャッシュクリアを試してみます。
Win + R → wsreset.exe → Enter
数十秒ほど黒いコンソールが表示された後、自動的に Store が起動すればキャッシュクリア完了です。その後、もう一度 Paint の再インストールにチャレンジしてみてください。
コマンドで確認:MS Paint 機能が入っているかチェックする
GUI での操作では状況が分かりづらい場合、DISM や PowerShell で「そもそも Paint の機能がインストールされているのか」を確認してみましょう。
DISM で MS Paint 機能の状態を確認
管理者としてコマンドプロンプトを起動し、次のコマンドを実行します。
dism /Online /Get-CapabilityInfo /CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0
数秒待つと、Capability の情報が表示されます。中でも注目したいのは State の行です。
| State の値 | 状態 | 意味・次のアクション |
|---|---|---|
| Installed | インストール済み | 機能自体は入っています。ファイル破損の可能性があるため、/Add-Capability の再実行や sfc /scannow を検討。 |
| NotPresent | 未インストール | Paint の機能がない状態です。今回の /Add-Capability コマンドで追加を試します。 |
| InstallPending | インストール中/保留 | Windows Update または前回のコマンドが処理中の可能性。再起動後に再確認すると状態が変わることがあります。 |
PowerShell で Paint 関連の Capability を一覧表示
PowerShell からも同様の情報を確認できます。管理者として PowerShell を開き、次のコマンドを実行します。
Get-WindowsCapability -Online | Where-Object Name -like "*MSPaint*"
関連する Capability が 1 行または複数行表示され、その中に Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0 が含まれていれば、存在を確認できます。
本題:DISM で MS Paint を追加・再インストールする手順
ここからが質問のコマンドの出番です。GUI でうまくいかない場合、DISM で機能を直接追加・修復していきます。
前提:管理者権限でコマンドプロンプトを開く
- スタートボタンを右クリック
- ターミナル(管理者) または Windows PowerShell(管理者) / コマンドプロンプト(管理者) を選択
- 「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか?」と聞かれたら はい をクリック
以降のコマンドは 必ず管理者権限 で実行してください。通常のユーザー権限ではエラーになったり、途中で止まったりすることがあります。
Paint の機能を追加 / 復元するコマンド
基本となるコマンドは次の 1 行です。
dism /Online /Add-Capability /CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0
実行後、しばらく待つと進行状況(%)が表示され、完了すると「操作は正常に完了しました。」といったメッセージが出ます。完了したら Windows を念のため再起動し、スタートメニューから「ペイント」を起動してみてください。
一度削除してから入れ直す場合
どうしても挙動がおかしいときは、「Capability を一度削除 → 再度追加」という手順が有効なケースがあります。
REM Paint 機能を削除
dism /Online /Remove-Capability /CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0
REM 再度 Paint 機能を追加
dism /Online /Add-Capability /CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0
削除後・追加後には、それぞれ Windows の再起動を挟むとより確実です。ただし、企業 PC では組織のポリシーで削除が禁止されている場合もあるため、その場合は管理者に確認してから実行しましょう。
広範囲な不具合がありそうなときは SFC / DISM でシステム整合性をチェック
MS Paint だけでなく「他のアプリもおかしい」「Windows Update がやたらと失敗する」といった症状がある場合、システムファイル全体の整合性が崩れている可能性があります。その場合は、次の順番でシステムチェックを行うと効果的です。
SFC(システムファイルチェッカー)を実行
管理者コマンドプロンプトで、次のコマンドを実行します。
sfc /scannow
処理には 10〜30 分ほどかかることがあります。完了後に「Windows リソース保護は破損したファイルを発見し、それらを正常なファイルに修復しました」といったメッセージが表示された場合、再起動後に Paint の挙動が改善していることがあります。
DISM でコンポーネントストアを修復
SFC でも改善しない、あるいは「修復できなかったファイルがある」と表示される場合は、DISM の /RestoreHealth オプションで Windows のコンポーネントストア自体を修復します。
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
このコマンドは、Windows Update や機能オンデマンドのソースを利用して、破損したコンポーネントを修正します。完了後に再起動し、そのうえでもう一度 sfc /scannow を実行すると、より確実にシステムファイルが正常に戻りやすくなります。
これらを実施した後、改めて MS Paint の /Add-Capability を実行する、という流れもよく使われる手順です。
よくあるエラーコードと対処法
DISM や機能追加を実行していると、エラーコードが表示されることがあります。代表的なものと対処の方向性をまとめておきます。
| エラーコード | 主な原因 | 対処の方向性 |
|---|---|---|
| 0x800f0954 | WSUS 環境などで、機能オンデマンドの取得元が Windows Update ではなく社内サーバーに固定されている | ネットワークポリシーの影響が大きいエラー。 一時的にインターネット直接続に切り替えるか、管理者に「機能オンデマンドのソース設定」の確認を依頼します。 |
| 0x800f081f / 0x800f0906 | 必要なソースファイルが見つからない、または取得できない | FoD(Features on Demand)ISO や共有フォルダを用意し、/Source オプションでパスを指定して実行します。 |
| 0x8024402c / 0x8024401c など | プロキシやネットワーク切断による Windows Update へのアクセス失敗 | ネットワーク接続やプロキシ設定を確認。VPN 経由の場合はいったん切って試す、などの切り分けが有効です。 |
| 0x800f0922 | システム予約領域の空き容量不足など、OS 側の制約 | ディスクの空き容量を増やし、不要なアプリや一時ファイルを削除したうえで再実行します。 |
FoD ISO / 共有パスからのインストール例
企業環境などでインターネットアクセスが制限されている場合、管理者が用意した FoD ISO やネットワーク共有フォルダをソースとして指定することで解決できることがあります。
dism /Online /Add-Capability /CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0 /Source:D:\FoD /LimitAccess
/Source:D:\FoD… インストールソースのパス(ISO をマウントしたドライブや共有フォルダ)/LimitAccess… Windows Update にはアクセスせず、指定したソースだけを利用する指定
このような設定はユーザー側で勝手に変更せず、必ずシステム管理者の指示に従ってください。
「Paint」と「Paint 3D」「ストア版 Paint」の違い
実は「ペイント」と呼ばれるアプリにはいくつか種類があります。それぞれ混同しがちなので、ざっくり整理しておきます。
| 名称 | 実体 | 今回の DISM コマンドで対象になるか |
|---|---|---|
| MS Paint(従来のペイント) | mspaint.exe。Windows 95 時代からあるクラシックなアプリ。 | はい。今回の Capability(Microsoft.Windows.MSPaint)が対象です。 |
| Paint 3D | 3D オブジェクトやステッカー機能がある UWP アプリ。 | いいえ。別アプリ扱いなので、Microsoft Store から個別にインストール / 修復します。 |
| ストア版 Paint | Windows の一部で、従来の Paint が Store 経由でアップデートされる形に移行。 | ベースとしては Capability ですが、アップデートは Store が担うため、 Store の不調で影響を受けることもあります。 |
「Paint 3D が起動しない」場合に今回の DISM コマンドを実行しても効果はありません。目的のアプリがどれなのか、スタートメニューのアイコン名や起動後の画面で確認しておきましょう。
まだ直らないときのチェックポイント
ここまでの手順をすべて試しても Paint が正常に動かない場合、もう少し範囲を広げて原因を探していく必要があります。
ユーザープロファイルの問題を疑う
同じ PC の別ユーザーアカウントでは Paint が普通に動く場合、現在のユーザープロファイル側に問題がある可能性があります。テストとして次のような流れを試します。
- 設定 → アカウント → 家族とその他のユーザー から、ローカルユーザーを一時的に作成
- そのユーザーでサインインして Paint を起動
- 問題が再現するか確認
新しいユーザーで問題が出ない場合は、プロファイル内の設定やキャッシュが壊れている可能性が高いため、必要に応じてユーザーの引っ越しを検討することになります。
セキュリティソフト・グループポリシーの影響
一部のセキュリティソフトや、企業環境のグループポリシーによって、特定アプリの起動やインストールが制限されている場合があります。
- サードパーティ製セキュリティソフトを利用している場合、一時的に保護を停止して挙動を確認する(自己判断が難しい場合はベンダーのサポートに相談)
- 企業 PC の場合は、自分でポリシーを変更せず、必ず情報システム部門に状況を説明して対応を依頼する
最終手段:Windows の修復インストール
Paint に限らず OS 全体の動作が怪しい、SFC や DISM を何度実行しても直らない…というレベルであれば、Microsoft 公式が案内している「修復インストール(インプレースアップグレード)」も検討対象になります。
ただし、これは OS レベルの大掛かりな作業になるため、事前のバックアップやバージョン対応など注意点が多い手順です。特に業務用 PC では、必ず管理者に相談したうえで実施してください。
DISM を安全に使うためのポイント
最後に、DISM でシステムを触るときに気をつけたいポイントをまとめておきます。
- コマンドをコピペする習慣をつける
タイプミスで別の Capability を削除してしまうなどの事故を防ぐため、公式ドキュメントや信頼できるサイトからコマンドをコピーして実行するのが安全です。 - 実行前にバッテリー・電源を確認
ノート PC で実行する場合は、途中で電源が切れないよう AC アダプターを接続しておきましょう。処理中に電源断になると、かえって不整合を招くことがあります。 - ログ(
C:\Windows\Logs\DISM)を活用する
DISM が失敗したとき、エラーコードだけでは原因が分からない場合があります。ログを確認することで、どのステップで失敗しているかのヒントが得られます。 - トラブルシュートの順番を意識する
いきなり/Remove-Capabilityを試すのではなく、
GUI での修復 → Store からの再インストール →/Add-Capability→ SFC / DISM /RestoreHealth
のように「負荷が軽くリスクの低いものから順に試す」のがおすすめです。 - 企業 PC では必ず管理者ポリシーを確認
WSUS やソフトウェア配布ツールで OS 構成が管理されている環境では、ユーザーが勝手に機能を追加・削除するとポリシー違反になる場合があります。困ったときは無理に自力で解決しようとせず、管理者に状況を共有しましょう。
まとめ:MS Paint の復旧は「簡単な手順から順番に」
ここまで、dism /Online /Add-Capability /CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0 の意味と、MS Paint を復旧するための具体的な手順を解説してきました。最後に、迷ったときに見返せるよう、最小構成の手順を整理しておきます。
- 設定から修復 / リセット
設定 → アプリ → インストール済みアプリ → ペイント → 詳細オプション → 「修復」 → ダメなら「リセット」。 - Microsoft Store から再インストール
ペイントをアンインストール → Store で「Microsoft Paint」を検索して再インストール。必要であればwsreset.exeで Store キャッシュもクリア。 - DISM で Paint 機能を追加 / 復元
管理者コマンドプロンプトで次を実行:dism /Online /Add-Capability /CapabilityName:Microsoft.Windows.MSPaint~~~~0.0.1.0 - システム全体の整合性チェック
まだダメな場合は、sfc /scannow→DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth→ 再起動 → 改めて 3 を実行。
この流れを押さえておけば、「ペイントが突然動かなくなった」「どこかで削除してしまったかも?」といったトラブルにも落ち着いて対処できます。DISM コマンドは確かに強力ですが、正しい意味と手順を理解していれば、MS Paint のような標準アプリを復旧するための頼もしい味方になってくれるはずです。

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