Visual StudioのBYOK(旧BYOM)で自分のモデルを追加・移行する方法【18.10 Insiders】

Visual Studio 2026 18.10のBYOK(旧BYOM)を使うと、Microsoft Foundry、OpenAI、Anthropic、OllamaのモデルをVisual StudioのChatへ追加し、新しいAgent (Preview)で利用できます。

導入時の重要なポイントは、最新のVisual Studio 18.10 Insidersを使用し、従来のAsk/Agentではなく、新しいAgent (Preview)へ切り替えることです。以前のAsk/Agent向けBYOK体験はサポートされなくなりました。ただし、登録済みモデルをすべて無条件に再登録する必要があるわけではありません。公式リリースノートで再追加が明記されているのは、18.10 Insiders 1で登録したOllamaモデルをInsiders 2へ移行するケースです。([Microsoft Learn][1])

目次

Visual StudioのBYOKとは

Visual StudioのBYOKは、自分や組織が契約・運用しているAIモデルの接続先をVisual Studioへ登録し、Copilot Chatのエージェント機能から利用するためのプレビュー機能です。

モデルファイルそのものをVisual Studioへインポートする機能ではありません。各プロバイダーのAPIキー、デプロイ、エンドポイントなどを使って、Visual Studioからモデルへ接続します。

BYOKプレビューは、Community、Professional、Enterpriseの各エディションで既定有効と案内されています。また、GitHubへサインインしている場合だけでなく、サインインしていない場合もモデル追加フローを利用できます。([Microsoft Learn][1])

BYOMからBYOKへ表記が変わっている

この機能は、2026年8月24日のVisual Studio Blogでは「Bring Your Own Model」、略称「BYOM」として発表されました。一方、2026年9月8日のVisual Studio 2026リリースノートでは「Bring Your Own Key」、略称「BYOK」と表記されています。([Microsoft for Developers][2])

公開時点公式表記意味
2026年8月24日BYOMBring Your Own Model
2026年9月8日BYOKBring Your Own Key

古いブログ記事や検索結果ではBYOM、新しいリリースノートや画面説明ではBYOKと書かれている可能性があります。本記事では、新しいリリースノートに合わせてBYOKと表記します。

なお、表記が変わっても基本的な目的は同じです。自分で用意したAPIキーや組織のモデルデプロイをVisual Studioから利用します。

導入前に確認する条件

BYOKを設定する前に、次の条件を確認してください。

確認項目必要な状態
Visual Studio最新のVisual Studio 18.10 Insiders
使用するエージェント新しいAgent (Preview)
モデル接続先Microsoft Foundry、OpenAI、Anthropic、Ollamaのいずれか
接続情報APIキー、デプロイ情報、エンドポイントなど
GitHubサインインサインイン済み・未サインインのどちらでも対象

2026年9月8日のページは「September Update 18.10.0」のリリースノートとして掲載されていますが、BYOKの説明部分では、最新のVisual Studio Insiders 18.10をインストールして試すよう案内されています。したがって、現時点の確実な導入経路は18.10系であれば何でもよいという意味ではなく、最新のInsiders 18.10を使うことです。一般のStable環境すべてで同じ画面が表示されると判断しないようにしてください。([Microsoft Learn][1])

BYOKで接続できるプロバイダー

BYOKプレビューで案内されている接続先は次の4種類です。

プロバイダー接続対象カスタムエンドポイント
Microsoft FoundryFoundry上のモデルデプロイ公式説明では個別記載なし
OpenAIOpenAIのモデル接続対応
AnthropicAnthropicのモデル接続公式説明では個別記載なし
OllamaOllamaで提供するモデル対応

OpenAIとOllamaでは、標準の接続先だけでなくカスタムエンドポイントも利用できます。([Microsoft Learn][1])

ただし、カスタムエンドポイントへURLを入力できることと、すべてのOpenAI互換APIや独自サーバーが正常に動作することは別です。現在はプレビューであり、Microsoftはすべてのモデルとプロバイダーの組み合わせを認定しているわけではありません。接続後は、実際に必要なエージェント機能が動作するか確認してください。([Microsoft for Developers][2])

Visual Studioへ自分のモデルを追加する手順

最新のVisual Studio 18.10 Insidersを用意する

Visual Studio Installerを使用し、最新のVisual Studio 18.10 Insidersへ更新します。

すでに18.10 Insidersを使っている場合も、古いInsiders 1などにとどまっていないか確認してください。BYOKはバックエンド側の変更を含むため、同じ18.10系でもInsidersの更新状況が影響することがあります。

Chatを開く

Visual Studioを起動し、GitHub Copilot Chatの画面を開きます。

BYOKのモデル追加は、Visual Studio全体の一般的なオプション画面ではなく、Chat内のモデル選択画面から開始します。

model pickerを開く

Chatのmodel pickerを開き、次のいずれかを選択します。

  • Add a model
  • Manage Models

初めて追加する場合はAdd a model、登録済みモデルを確認しながら追加・管理する場合はManage Modelsを選ぶと分かりやすいでしょう。

プロバイダーを追加する

モデル管理画面でAdd model providerを選び、使用するプロバイダーを指定します。

選択肢は次のいずれかです。

  • Microsoft Foundry
  • OpenAI
  • Anthropic
  • Ollama

その後、画面の案内に従って接続情報を入力します。必要な項目はプロバイダーによって異なるため、固定の入力項目がすべての接続先に共通するとは限りません。

たとえば、Microsoft Foundryでは対象デプロイの情報、OpenAIやAnthropicではプロバイダーから取得した認証情報、Ollamaでは接続するOllama環境の情報を用意します。

APIキーをソースコードや設定ファイルへ直接書き込むのではなく、Visual Studioが用意するモデル登録画面から設定してください。組織で利用する場合は、接続先や認証情報の扱いがセキュリティポリシーに適合しているかも確認します。

新しいAgent (Preview)へ切り替える

モデルを追加しただけでは、旧Ask/AgentのBYOK体験へ戻ることはできません。

Chatのagent pickerから、新しいAgent (Preview)を選択します。BYOKモデルは、この新しいAgent (Preview)のAgent Modeで使用します。公式の案内でも、モデル追加後はAgent Modeで作業を開始する手順になっています。([Microsoft Learn][1])

追加したモデルを選んで動作確認する

model pickerに追加したモデルが表示されることを確認し、そのモデルを選択します。

最初の確認では、いきなりコード変更を依頼するよりも、次のような読み取り中心の依頼から始めると、接続状態を確認しやすくなります。

このソリューションの構成を説明してください。
ファイルの変更は行わず、主要なプロジェクトと依存関係だけを整理してください。

応答が返るかだけでなく、使用予定のAgent機能が利用可能かも確認してください。

旧BYOM・旧BYOK設定から移行する方法

移行では、「利用モードの変更」と「モデル登録のやり直し」を分けて考える必要があります。

旧Ask/Agentから新Agent (Preview)への移行は必須

以前のAskモードや従来のAgentモードで提供されていたBYOK体験は、現在の方式ではサポートされません。

そのため、旧画面でモデルを使用できていた場合でも、今後は次の構成へ切り替えます。

旧Ask/旧Agent
    ↓
最新のVisual Studio 18.10 Insiders
    ↓
新しいAgent (Preview)
    ↓
model pickerからBYOKモデルを使用

これは設定ミスではなく、BYOKが新しいGitHub Copilot SDKベースのエージェント基盤へ移行したことによる変更です。([Microsoft Learn][1])

OllamaはInsiders 1からInsiders 2で再追加が必要

公式リリースノートでは、18.10 Insiders 1で追加したOllamaモデルは、18.10 Insiders 2で再追加する必要があると明記されています。Ollamaプロバイダーに関するバックエンド更新が理由です。([Microsoft Learn][1])

該当する場合は、次の手順で再登録します。

  1. Visual Studioを最新の18.10 Insidersへ更新する
  2. Chatのmodel pickerを開く
  3. Add a modelまたはManage Modelsを選ぶ
  4. Ollamaをモデルプロバイダーとして追加する
  5. 使用する接続先とモデルを設定する
  6. 新しいAgent (Preview)でモデルを選択する
  7. 応答と利用可能な機能を確認する

すべてのプロバイダーを一律に再登録しない

再追加が必要と明記されている条件を、Microsoft Foundry、OpenAI、Anthropicを含む全プロバイダーへ広げて解釈しないことが重要です。

現在の状態対応
旧Ask/Agentで使用していた新しいAgent (Preview)へ移行する
18.10 Insiders 1でOllamaを登録した最新版でOllamaを再追加する
OpenAI、Anthropic、Microsoft Foundryを登録済みまず更新後のmodel pickerで認識状況を確認する
モデルが表示されない、接続エラーになる対象モデルだけを再追加する
Stable版で項目が見つからない最新の18.10 Insidersで確認する

全モデルを削除して一から設定し直すと、正常な設定まで失う可能性があります。まずVisual Studioを更新し、Manage Modelsで登録状態を確認したうえで、必要なモデルだけを再追加してください。

BYOKが表示されない場合の確認ポイント

Stable版や古いInsidersを使っていないか

最初に確認するべきなのは、Visual Studioのチャネルとバージョンです。

リリースノートのページ見出しが18.10.0であっても、BYOKの導入手順は最新の18.10 Insidersを前提としています。Stable版でAdd a modelが見つからない場合、機能が無効なのではなく、導入チャネルが異なる可能性があります。

新しいAgent (Preview)を選択しているか

旧Ask/Agentでは、現在のBYOK体験を利用できません。

モデルを追加できても利用時に問題が起きる場合は、agent pickerで新しいAgent (Preview)が選択されているか確認してください。

model pickerの場所を確認する

BYOKは、一般設定の「AI」や「アカウント」だけを探しても見つからない可能性があります。

Chatを開き、モデル名が表示されているmodel pickerからAdd a modelまたはManage Modelsを探します。

GitHubへのサインインを必須だと思い込んでいないか

BYOKのモデル追加フローは、GitHubへサインインしている場合と、サインインしていない場合の両方を対象としています。サインアウト状態だから利用できないと決めつけず、まずVisual Studioが最新版か確認してください。([Microsoft Learn][1])

モデルを追加できてもAgent機能が使えない場合

BYOKでモデルを登録できたとしても、そのモデルがAgent Modeの全機能へ対応しているとは限りません。

公式リリースノートでは、モデルが対応していない機能について、Visual StudioがUI上で明確に示す方針が説明されています。モデルが追加できたかどうかだけでなく、利用したい機能が対応済みかをUIで確認してください。([Microsoft Learn][1])

非対応表示が出た場合、次のように切り分けます。

  • 別の対応モデルへ切り替える
  • 複雑なエージェント処理ではなく、質問やコード説明など範囲を限定する
  • カスタムエンドポイントではなく標準の接続先で確認する
  • プロバイダー側で対象モデルが利用可能になっているか確認する
  • 最新のVisual Studio Insidersへ更新する

モデル自体が応答できることと、Visual StudioのAgent機能に必要な能力を備えていることは同じではありません。

カスタムエンドポイントへ接続できない場合

OpenAIまたはOllamaのカスタムエンドポイントで接続エラーが発生する場合は、次の項目を確認します。

確認項目確認内容
エンドポイントURL、ポート番号、パスに誤りがないか
モデル名接続先で公開されているモデル名と一致しているか
認証情報APIキーが有効か、余分な空白が含まれていないか
サーバー状態Ollamaなどの接続先が起動しているか
ネットワークプロキシやファイアウォールで遮断されていないか
HTTPS証明書がWindows環境で信頼されているか
互換性接続先がVisual Studioの想定するAPIへ対応しているか

特に組織ネットワークでは、ブラウザからサイトを開けることと、Visual StudioからAPIへ接続できることは同じではありません。プロキシ認証、TLS検査、接続先ドメインの許可状況も確認してください。

また、OpenAIのカスタムエンドポイント設定が存在しても、すべての「OpenAI互換」を名乗るサービスの動作が保証されるわけではありません。まずは小さな依頼で応答を確認し、その後にAgent機能を段階的に試すのが安全です。

組織で利用するときの注意点

BYOKが既定有効であることと、組織として自由に利用してよいことは別です。

業務利用では、モデルを登録する前に次の点を整理してください。

  • ソースコードやプロンプトの送信先
  • 利用を許可するプロバイダー
  • APIキーの管理責任者
  • 個人契約と組織契約の区分
  • 利用料金の負担方法
  • 機密情報や個人情報を送信できるか
  • カスタムエンドポイントの管理者
  • 利用可能なモデルと用途

BYOKの利点は、組織で承認したMicrosoft Foundryのデプロイや、用途に合った外部プロバイダーをVisual Studioから選択できることです。一方、Visual Studioへ接続できるという理由だけで、データの取り扱いや契約条件まで自動的に解決されるわけではありません。

BYOK移行で押さえるべき結論

Visual Studio 2026 18.10でBYOKを利用する場合は、次の順序で進めます。

  1. 最新のVisual Studio 18.10 Insidersへ更新する
  2. Chatのmodel pickerを開く
  3. Add a modelまたはManage Modelsを選ぶ
  4. Microsoft Foundry、OpenAI、Anthropic、Ollamaのいずれかを接続する
  5. 新しいAgent (Preview)へ切り替える
  6. 追加したモデルを選択して動作を確認する

旧Ask/Agent向けのBYOK体験は利用できないため、新しいAgent (Preview)への移行が必要です。一方、モデルの再登録については、すべてのプロバイダーで必須と考えるべきではありません。公式に再追加が明記されているのは、18.10 Insiders 1からInsiders 2へ移行するOllamaモデルです。

まず最新のInsidersへ更新し、現在の登録状態をManage Modelsで確認してください。そのうえで、表示されないモデルや接続できないモデルだけを再追加するのが、設定を失いにくい移行方法です。
[1]: https://learn.microsoft.com/en-us/visualstudio/releases/2026/release-notes “Visual Studio 2026 release notes | Microsoft Learn”
[2]: https://devblogs.microsoft.com/visualstudio/unlocking-the-power-of-ai-for-every-developer-in-visual-studio-with-bring-your-own-model/ “Unlocking the Power of AI for Every Developer in Visual Studio with Bring your Own Model – Visual Studio Blog”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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