Visual Studioを複数起動していると、タスクバーやAlt+Tabの一覧だけでは、どのウィンドウがどのソリューションなのか判断しにくくなります。似た構成のプロジェクトを並行して扱っていると、別のリポジトリを誤って編集する原因にもなります。
Visual Studio 2026の新しい設定画面では、Tools > Optionsの「Applies to」を現在のソリューションへ切り替えてからカラーテーマを変更することで、ソリューションごとに異なる配色を設定できます。設定したテーマはすぐに反映され、ソリューションを閉じて開き直しても保持されます。([Microsoft for Developers][1])
Visual Studioでソリューションごとに色を変える手順
ソリューション固有のカラーテーマは、次の手順で設定します。
- 色を変更したいソリューションをVisual Studioで開きます。
- メニューから「Tools」を開きます。
- 「Options」を選択します。
- 設定画面上部の「Applies to」を確認します。
- 適用先をユーザープロファイルから現在のソリューションへ切り替えます。
- 「Color theme」を別のテーマへ変更します。
設定を変更すると、カラーテーマはその場で切り替わります。再起動や「Apply」ボタンによる確定操作は必要ありません。Microsoftによると、テーマは即時反映される設定の一つです。([Microsoft for Developers][1])
| 操作箇所 | 選択する内容 |
|---|---|
| Tools > Options | 新しい設定画面を開く |
| Applies to | 現在開いているソリューション |
| Color theme | 他のソリューションと区別できるテーマ |
本記事の手順は、Visual Studio 2026で導入された新しいTools > Options設定画面を前提としています。「Applies to」が表示されない場合は、使用しているVisual Studioのバージョンと設定画面を確認してください。
テーマはソリューションを開き直しても保持される
現在のソリューションを適用先にしてテーマを変更すると、その設定はソリューション固有の値として保存されます。
Visual Studioを終了し、後日同じソリューションを開き直した場合も、設定したテーマが再び適用されます。一方、別のソリューションを開いたときは、そのソリューションに保存されている設定が使用されます。([Microsoft for Developers][1])
例えば、次のように役割ごとにテーマを分けられます。
| ソリューション | テーマの例 | 見分け方 |
|---|---|---|
| 本番サービス | Dark | 本番関連の作業 |
| クライアントアプリ | Blue | フロントエンド作業 |
| 検証用プロジェクト | Light | テストや試行作業 |
配色は、単に好みで選ぶよりも、同時に開くソリューション同士の差が大きくなるように選ぶのが効果的です。
似た色合いのテーマでは、Alt+Tabで切り替えた直後に区別できません。画面全体を詳しく見なくても、周辺視野で違いが分かる程度のコントラストを持たせると、誤操作を減らしやすくなります。
ソリューション固有の設定はsettings.VisualStudio.jsonに保存される
ソリューションごとの設定は、ソリューションルートに作成される次のファイルへ保存されます。
settings.VisualStudio.json
保存場所は、通常、.slnまたは.slnxファイルと同じ階層です。
MyApplication/
├─ MyApplication.slnx
├─ settings.VisualStudio.json
├─ src/
└─ tests/
このファイルには、既定値から変更したソリューション固有の設定が記録されます。カラーテーマだけでなく、「Applies to」を現在のソリューションにした状態で変更したほかの設定も、同じ仕組みで保存される可能性があります。([Microsoft for Developers][1])
そのため、テーマを変更した後も適用先を現在のソリューションにしたままにすると、続けて変更した設定までソリューション固有になる点に注意が必要です。
カラーテーマだけをソリューションごとに変えたい場合は、設定後に「Applies to」をユーザープロファイルへ戻しておくと、意図しない設定の保存を防ぎやすくなります。
settings.VisualStudio.jsonをGitで共有するか判断する
settings.VisualStudio.jsonは、通常のJSONファイルとしてソース管理の対象にできます。
チーム全員で同じテーマや設定を使いたい場合は、Gitなどのソース管理へ含めます。リポジトリを取得したメンバーがソリューションを開くと、そのリポジトリに保存されたソリューション固有の設定を利用できます。
一方、自分だけの識別用としてテーマを変えたい場合は、.gitignoreへ追加し、リポジトリへコミットしない運用が適しています。([Microsoft for Developers][1])
| 利用目的 | settings.VisualStudio.jsonの扱い |
|---|---|
| チーム共通の設定にする | ソース管理へ含める |
| 自分だけの配色にする | .gitignoreへ追加する |
| 共有するか未決定 | ファイル内容を確認してから判断する |
個人用にする場合は、.gitignoreへ次のように追加します。
settings.VisualStudio.json
ただし、すでにGitで追跡されているファイルは、.gitignoreへ追加するだけでは追跡対象から外れません。コミット前に、Gitの変更一覧でファイルの状態を確認してください。
チーム共有前に内容を確認する
settings.VisualStudio.jsonをコミットする前に、差分を確認することが重要です。
「Applies to」を現在のソリューションに切り替えた後、テーマ以外の設定も変更していた場合、その値も同じファイルへ保存されている可能性があります。
チーム共通の設定として共有するなら、少なくとも次の点を確認します。
- テーマ以外の個人設定が含まれていないか
- チーム全員が利用できる設定か
- メンバーのアクセシビリティや視認性を損なわないか
- 単なる個人の好みを強制する内容になっていないか
ソリューションを識別する目的だけなら、無理にチーム共有する必要はありません。個人用ファイルとして除外した方が、メンバーごとに見やすい配色を選べます。
ソリューション固有のテーマを解除して元に戻す方法
ソリューション固有のテーマをやめたい場合は、ソリューションレベルに保存された該当設定を削除します。
ソリューション固有の値がなくなると、Visual Studioはユーザープロファイル側の設定へ戻ります。適用範囲が分かれているため、ソリューション用のテーマを試しても、普段使用しているユーザー設定が上書きされるわけではありません。([Microsoft for Developers][1])
全ソリューションで使用する既定テーマを変更したい場合は、次のように操作します。
- Tools > Optionsを開きます。
- 「Applies to」をユーザープロファイルへ戻します。
- Color themeを変更します。
ユーザープロファイルで変更した値は、ソリューション固有の値が設定されていないソリューションで使用されます。
JSONファイル全体を安易に削除しない
テーマを元に戻すために、settings.VisualStudio.jsonを確認せず削除するのは避けた方が安全です。
このファイルにテーマ以外のソリューション固有設定が含まれている場合、ファイル全体を削除すると、それらの設定も失われます。解除するときは、対象となるソリューション固有値だけを削除するのが基本です。
設定時に失敗しやすいポイント
Applies toがユーザープロファイルのままになっている
ユーザープロファイルを選択した状態でテーマを変更すると、現在のソリューションだけではなく、ソリューション固有設定のない環境全体の既定テーマが変わります。
変更前に、設定画面上部の「Applies to」を必ず確認してください。
テーマ変更後も現在のソリューションを選択したままにする
現在のソリューションを選択した状態では、その後に変更したほかの設定もソリューション固有として扱われます。
テーマの設定が終わったら、必要に応じて「Applies to」をユーザープロファイルへ戻しておくと安心です。
settings.VisualStudio.jsonを意図せずコミットする
ソリューションルートにファイルが作成されるため、Gitの変更一覧へ表示されることがあります。
個人用のテーマをチームへ共有したくない場合は、コミット前に.gitignoreへ追加します。反対に、チーム共通設定として利用する場合は、ファイルの差分をレビューしてからコミットします。
似たテーマを選んでしまう
色を変更しても、見た目の差が小さければ、ウィンドウを見分ける効果は限定的です。
複数のVisual Studioを同時に開く場合は、DarkとLightのように、画面を一目見ただけで判別できる組み合わせを選びます。
複数のVisual Studioを見分けるための実用的な設定例
複数のプロジェクトを並行して扱う場合は、テーマの割り当てルールを決めておくと、毎回判断しやすくなります。
例えば、環境別に分ける方法があります。
| 作業対象 | テーマの考え方 |
|---|---|
| 本番・リリース用 | 落ち着いた暗いテーマ |
| 開発中のブランチ | 普段使用する標準テーマ |
| 検証・実験用 | 明るく目立つテーマ |
| 保守対象の旧システム | 通常と大きく異なるテーマ |
重要なのは、「青はクライアント」「明るいテーマは検証環境」のように、自分やチームで意味を固定することです。
配色に意味を持たせれば、Visual Studioを切り替えた直後に、どの種類の作業環境を開いているか判断しやすくなります。
まずは間違えやすい2つのソリューションで試す
Visual Studio 2026では、Tools > Optionsの「Applies to」を現在のソリューションへ切り替えることで、ソリューションごとに異なるカラーテーマを設定できます。
設定は即時反映され、ソリューションを開き直しても保持されます。保存先は、.slnまたは.slnxと同じ階層にあるsettings.VisualStudio.jsonです。
最初に、普段取り違えやすい2つのソリューションを開き、明確に異なるテーマを割り当ててください。その後、settings.VisualStudio.jsonをチームで共有するのか、.gitignoreへ追加して個人設定にするのかを決めます。
最後に「Applies to」をユーザープロファイルへ戻しておけば、以降の設定を誤ってソリューション固有にするリスクも抑えられます。
[1]: https://devblogs.microsoft.com/visualstudio/stop-alt-tabbing-into-the-wrong-visual-studio/ “Stop alt-tabbing into the wrong Visual Studio – Visual Studio Blog”

コメント