Visual StudioでGitHubプルリクエストをレビューする方法|行コメント・Approve・Copilot連携

Visual StudioからGitHubのプルリクエストをレビューする場合は、対象リポジトリを開き、**[Git]→[GitHub]→[View Pull Requests]**からPRを選択します。変更ファイルの差分を開いた後、行番号の左側にあるgutterからインラインコメントを追加し、最後にレビューを送信します。承認する場合は[Approve]を選びますが、これはマージとは別の操作です。([Microsoft for Developers][1])

ただし、Visual Studio 2026の18.9公式リリースノートでは、PR一覧はInsidersでプレビュー機能「View pull requests for a Git repository」を有効にした環境を対象として案内されています。本記事もこの条件を基準とし、Stable Channelのすべての環境で同じ画面や操作が利用できるとは断定しません。([Microsoft Learn][2])

目次

Visual StudioでGitHubのPRレビューを始めるための条件

最初に、次の条件を確認します。

確認項目内容
Visual StudioVisual Studio 2026 Insidersを基準とする
プレビュー機能View pull requests for a Git repositoryを有効化する
リポジトリGitHub上の対象リポジトリをVisual Studioで開く
GitHubアカウント対象PRを閲覧・レビューできるアカウントで接続する
権限ApproveやMergeを行う場合はリポジトリ側の権限が必要
Copilot連携使用する場合はGitHub Copilotが利用可能な状態にする

Visual Studio 2026では、Stable ChannelとInsiders Channelを別々に導入できます。Insiders Channelは新機能を早期に試すためのチャネルであり、最新のInsidersリリースのみがサポート対象です。業務用PCへ導入する場合は、既存のStable環境を置き換えるのではなく、必要に応じてサイドバイサイドで検証するのが安全です。([Microsoft Learn][3])

「View pull requests for a Git repository」を有効化する

PR一覧が表示されない場合は、Visual Studioのプレビュー機能を確認します。

  1. Visual Studioを起動する
  2. [Tools]を開く
  3. [Options]を選択する
  4. [All Settings]を展開する
  5. [Preview Features]を開く
  6. **[View pull requests for a Git repository]**を有効にする
  7. 設定を確定する

Visual Studioのビルドや設定画面によっては、[Tools]→[Manage Preview Features]からプレビュー機能の一覧を開く構成になっている場合があります。Visual Studioのチャネル、エディション、バージョンは[Help]→[About]で確認できます。([Microsoft Learn][4])

「Pull Request Comments」との違い

プレビュー機能の一覧には、似た目的の設定が表示されることがあります。

プレビュー機能主な用途
View pull requests for a Git repositoryPR一覧を表示し、埋め込みのPRビューで変更内容を確認する
Pull Request CommentsPRブランチをチェックアウトし、通常のコードエディター上でコメントを表示・追加する

本記事で扱うのは、主にPR一覧から埋め込みのPRビューを開いてレビューする方法です。そのため、まず確認すべき設定は「View pull requests for a Git repository」です。

一方、PRブランチをチェックアウトして普段のコードエディター上にコメントを表示したい場合は、「Pull Request Comments」も別途確認します。2つは別の設定であり、片方を有効にしても、もう片方まで自動的に有効になるとは限りません。([Microsoft Learn][4])

Visual Studio内でGitHubのプルリクエストを開く

準備ができたら、対象のGitHubリポジトリをVisual Studioで開きます。

Gitメニューから開く

上部メニューから次の順に選択します。

Git
  └ GitHub
      └ View Pull Requests

[View Pull Requests]を開くと、そのリポジトリに関連するPR一覧が読み込まれます。確認したいPRを選択すると、Visual Studio内にPRの概要が表示されます。([Microsoft for Developers][1])

Command Paletteから開く

メニューから目的のコマンドを見つけにくい場合は、次のショートカットでCommand Paletteを開きます。

Ctrl + Shift + P

検索欄で「View Pull Requests」などと入力し、該当するコマンドを実行します。メニュー構成を覚えていなくても、コマンド名から機能を呼び出せます。([Microsoft for Developers][1])

PRを専用タブで開く

PRを選択すると、最初はView Pull Requests内のメイン領域に内容が表示されます。複数のPRを比較したい場合や、広い領域で差分を確認したい場合は、PRヘッダーにある[Open in New Tab]を使用します。

専用タブで開くと、コードや別のPRと並べて配置しやすくなります。複数のレビューを同時に進める場合にも便利です。([Microsoft Learn][4])

PRの概要と変更ファイルを確認する

PRを開くと、概要画面から次の情報を確認できます。

  • PRのタイトルと説明
  • 既存のコメント
  • 変更されたファイル
  • コミット
  • レビュアーや関連情報
  • チェックや競合の状態

コードだけを読み始めるのではなく、最初にPRの説明と変更目的を確認してください。実装が正しく見えても、PRの目的と一致していなければレビューとしては不十分です。

左側のファイル一覧から差分を開く

PRビューの左側には、変更されたファイルの一覧が表示されます。確認したいファイルを選択すると、中央の領域に差分が表示されます。

Visual Studioの差分表示では、言語に応じた構文強調表示を利用できます。C#などでは、ファイル内の型やメンバー構成も確認しながらレビューできます。([Microsoft for Developers][1])

ファイル全体と変更箇所の要約表示を使い分ける

既存ファイルが変更されたPRでは、次の2種類の見方を使い分けられます。

表示方法適した場面
ファイル全体を表示周辺処理やクラス全体との整合性を確認したい
変更箇所をまとめた表示長いファイルから変更点だけを素早く確認したい

変更箇所だけを見るとレビューは速くなりますが、前後の状態や副作用を見落としやすくなります。

たとえば、メソッド内の条件式が1行だけ変更されていても、その戻り値を呼び出し元がどのように扱っているかによって影響は変わります。重要な変更では、要約表示だけで終わらせず、ファイル全体も確認するのが安全です。([Microsoft for Developers][1])

1行または複数行にインラインコメントを追加する

差分を確認し、指摘や質問を残したい箇所が見つかったら、gutterからインラインコメントを追加します。

1行にコメントする手順

  1. PRのファイル一覧から対象ファイルを開く
  2. コメントしたい行を確認する
  3. 行の左端にあるgutterを選択する
  4. インラインコメントの入力欄を開く
  5. コメントを入力する

gutterとは、コードの左側にある行番号や変更マークが表示される領域です。

複数行を対象にコメントする手順

複数行をまとめて指摘したい場合は、先に対象範囲を選択します。

  1. コメント対象の先頭行から末尾行までを選択する
  2. 選択範囲の左側にあるgutterを選択する
  3. インラインコメントを入力する

複数行コメントは、条件分岐全体、例外処理、ループ処理など、1行だけでは意図が伝わりにくい指摘に適しています。Visual Studioでは、1行または選択した複数行に対してインラインコメントを追加できます。([Microsoft for Developers][1])

コメントは「問題・根拠・依頼」を明確にする

「ここは危険です」「修正してください」だけでは、作成者が何を直せばよいのか分かりません。

たとえば、次のように具体化します。

customerがnullになる経路が残っているため、この行で
NullReferenceExceptionが発生する可能性があります。

メソッドの先頭でnullを検証するか、このケースを確認できる
単体テストの追加を検討してください。

レビューコメントには、次の3点を含めると伝わりやすくなります。

  • 何が問題なのか
  • どのような条件で問題になるのか
  • どの対応を求めているのか

単なる好みの指摘であれば、「必須修正」なのか「提案」なのかも明確にします。

提案です。ここは早期returnにするとネストが浅くなり、
正常系の処理を追いやすくなると思います。

コメントはレビュー送信まで保留される

PRビューで追加したコメントは、レビューを送信するまで保留されます。そのため、ファイルごとにコメントを即座に公開するのではなく、複数の指摘をまとめて1回のレビューとして整理できます。([Microsoft for Developers][1])

送信前には、次の点を確認してください。

  • 同じ内容を複数箇所へ重複して書いていないか
  • PRの説明を読めば解消する質問ではないか
  • 必須修正と任意提案を区別できているか
  • 人ではなくコードや設計を対象にした表現になっているか
  • コメント対象の行が適切か

レビューを送信してApproveする

すべてのファイルとコメントを確認したら、レビューを送信します。

PRを承認する場合は、PRビュー右上の[Approve]を選択します。Approveを実行すると、GitHub側のレビュー状態が更新されます。([Microsoft for Developers][1])

ApproveとMergeは別の操作

Approveを押しても、PRが自動的にマージされるとは限りません。

操作意味
Approveレビュアーとして変更内容を承認し、GitHub上のレビュー状態を更新する
MergePRの変更を対象ブランチへ統合する
Auto-merge必要な承認やチェックがそろった後に自動でマージするよう設定する

Approveは、あくまでレビュー結果を表明する操作です。MergeやAuto-mergeは、変更をブランチへ反映するための別操作です。

リポジトリに必須レビュー数、CIテスト、ステータスチェック、ブランチ保護ルールなどが設定されている場合、1人がApproveしても直ちにマージできないことがあります。Visual StudioのMergeやAuto-mergeも、GitHub側に設定されたポリシーに従います。([Microsoft for Developers][1])

Approveする前に確認したい項目

最低限、次の項目を確認してから承認します。

  • PRの目的と実装内容が一致している
  • 主要な変更ファイルを確認した
  • 例外処理や境界値に明らかな問題がない
  • 認証情報や個人情報が含まれていない
  • 必要なテストが追加または更新されている
  • 既存機能への影響を確認した
  • 保留中の重要コメントが残っていない
  • CIや必須チェックの状態を確認した

小さなPRでも、Approveは「ざっと見た」という意味ではありません。リポジトリの運用ルールに沿って、承認に必要な範囲を確認したうえで実行します。

GitHub CopilotにPRを追加してレビューを補助する

PRの変更量が多い場合は、PRをGitHub Copilot Chatの文脈へ追加できます。

PR一覧からAdd to Chatを使う

PR一覧で対象のPRを右クリックし、[Add to Chat]を選択します。これにより、そのPRをCopilot Chatの文脈として利用できます。

PR番号を指定する

Copilot Chatから直接指定する場合は、次の形式を使用します。

#pullrequest:<PR番号>

たとえば、PR番号が125の場合は次のように指定します。

#pullrequest:125

PRを文脈へ追加すると、Copilotに変更内容の要約や確認ポイントを質問できます。([Microsoft for Developers][1])

PRレビューで使える質問例

このPRの変更目的と影響範囲を要約してください。
例外処理、後方互換性、セキュリティの観点から
確認すべき箇所を列挙してください。
この変更に対して不足している可能性がある
単体テストのケースを挙げてください。
変更された公開APIと、呼び出し元への影響を整理してください。
このPRで特に注意して人が確認すべきファイルを、
理由付きで優先順位順に挙げてください。

Copilotの説明と人間の承認を混同しない

Copilotは変更内容の理解、論点の整理、テスト観点の洗い出しには役立ちます。しかし、Copilotの回答がそのままGitHubのApproveになるわけではありません。

次の操作は分けて考える必要があります。

  • CopilotにPRを説明させる
  • 人が差分と影響を確認する
  • 人がレビューコメントを送る
  • 権限を持つ人がApproveする
  • 条件を満たした後にMergeまたはAuto-mergeする

AIが「問題ありません」と回答しても、リポジトリ固有の仕様、外部システムとの連携、運用手順、セキュリティ要件まで把握しているとは限りません。最終的なレビュー結果は、人が根拠を確認して決定します。

PR一覧やコメントが表示されない場合の確認ポイント

View Pull Requestsが見つからない

次の順に確認します。

  1. [Help]→[About]でVisual Studioのバージョンとチャネルを確認する
  2. Visual Studio 2026 Insidersが最新状態か確認する
  3. [View pull requests for a Git repository]が有効か確認する
  4. GitHubのリポジトリを開いているか確認する
  5. 対象リポジトリへアクセスできるGitHubアカウントで接続しているか確認する
  6. Command Paletteで「View Pull Requests」を検索する

18.9公式リリースノートでは、PR一覧はInsidersのプレビュー機能として案内されています。Stable環境でコマンドが表示されない場合に、すべての環境で利用できることを前提にトラブルと判断しないよう注意してください。([Microsoft Learn][2])

コメントを追加する場所が表示されない

埋め込みのPRビューでコメントする場合は、PRの概要画面ではなく、左側のファイル一覧から対象ファイルを開いて差分を表示します。そのうえで、対象行のgutterを確認します。

通常のコードエディター上にPRコメントを表示したい場合は、別機能である「Pull Request Comments」の有効化と、PRブランチのチェックアウトが必要です。([Microsoft Learn][4])

ApproveやMergeを実行できない

次の要因を確認します。

  • 自分にレビュー権限または書き込み権限がない
  • 必須チェックが完了していない
  • 競合が発生している
  • 必須レビュー数を満たしていない
  • ブランチ保護ルールで操作が制限されている
  • 自分が作成したPRを自分で承認できない運用になっている

Visual Studioにボタンが表示されていても、最終的な可否はGitHub側の権限とリポジトリポリシーに従います。

CopilotのAdd to Chatが表示されない

GitHub Copilotを利用する場合は、Copilotを利用できるGitHubアカウントでVisual Studioへサインインしているか確認します。また、PR一覧を開ける環境であること、使用中のVisual Studioビルドが対象機能に対応していることも確認してください。

実務で使いやすいPRレビューの進め方

Visual Studio内で効率よくレビューするなら、次の順序で進めます。

  1. PRの説明を読み、変更目的を把握する
  2. 変更ファイルの一覧から影響範囲を確認する
  3. 要約表示で変更全体を短時間で把握する
  4. 重要ファイルはファイル全体を表示する
  5. 必要に応じてCopilotへ要約や確認観点を質問する
  6. 1行または複数行へインラインコメントを追加する
  7. コメントの重複や表現を見直す
  8. CI、競合、必須チェックを確認する
  9. 問題がなければApproveする
  10. MergeやAuto-mergeは権限と運用ルールに従って別途実行する

特に重要なのは、差分を読む作業、コメントを送る作業、Approveする作業、Mergeする作業を分けて考えることです。

Visual Studio 2026 Insidersで「View pull requests for a Git repository」を有効にすると、ブラウザへ切り替えずにPRの概要、変更ファイル、差分、行コメントを確認できます。まずはプレビュー機能と利用チャネルを確認し、[Git]→[GitHub]→[View Pull Requests]から対象PRを開いてください。差分へコメントを追加した後、レビュー内容を見直して送信し、承認できる状態であれば[Approve]を実行します。
[1]: https://devblogs.microsoft.com/visualstudio/today-i-will-review-github-prs/ “Today I will… review GitHub PRs – Visual Studio Blog”
[2]: https://learn.microsoft.com/en-us/visualstudio/releases/2026/release-notes “Visual Studio 2026 release notes | Microsoft Learn”
[3]: https://learn.microsoft.com/en-us/visualstudio/releases/2026/release-rhythm “Visual Studio Channels and Release Rhythm | Microsoft Learn”
[4]: https://learn.microsoft.com/en-us/visualstudio/version-control/git-create-pull-request?view=visualstudio “Create a pull request in Visual Studio | Microsoft Learn”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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