Windows Updateの適用後にREAGENTC.EXE実行時に「The Windows RE image was not found」と表示されるトラブルは、回復パーティションやwinre.wimファイルの不備が原因で起こりがちです。私も以前、このエラーに悩まされ、修復に数時間かかった経験があります。でも、もうご安心ください。本記事では対処方法や回復パーティションの再設定などをわかりやすくご紹介します。作業時に感じた注意点やちょっとしたコツも盛り込みましたので、きっとお役に立てるはずです。
Windows Update適用後にREAGENTC.EXEエラーが発生する背景
Windows RE(回復環境)とは何か
Windows REはシステムトラブル時に起動し、トラブルシューティングや初期化、その他各種の修復が行える便利な回復環境です。Windows 10やWindows Serverなどでは通常、回復パーティションと呼ばれる専用の領域にこのWindows REを格納しておき、必要時にはそこから起動してシステムを復旧します。
エラーの原因が起きるパターン
1. Windows Updateで回復環境が更新される際に、回復パーティションがうまくマウントされず「winre.wim」ファイルの配置がずれる。
2. 回復パーティション自体が存在しない、または容量不足でアップデートによる再配置に失敗する。
3. BitLockerなどディスク暗号化が有効になっている場合に、回復環境の更新や再設定がブロックされる。
4. 手動で回復パーティションを縮小や削除してしまい、Windows REの置き場所がなくなる。
5. システムファイルが破損しており、Windowsが回復イメージを認識できなくなる。

私が以前遭遇したケースでは、最新の累積アップデートを適用後に再起動したところ、WinREの場所がうまく設定されずREAGENTC.EXEがエラーを吐きました。回復パーティションを手動で移動していたのを忘れていたのが原因でした。
なぜ回復環境が重要か
Windows REがうまく動作しないと、システムのトラブルシューティングや回復操作ができなくなります。万一Windowsが起動しなくなったときも、回復環境が正しく使えないと修復手段が限られてしまい、業務や日常利用に大きな支障を来すことがあります。
主なエラーメッセージと状況
「The Windows RE image was not found」
このエラーは回復パーティションやwinre.wimファイルが正しく配置されていないときに表示されがちです。物理的にファイルが存在しなかったり、パスが誤っているときにも生じます。
「Windows RE cannot be enabled on a volume with BitLocker Drive Encryption enabled」
BitLockerがオンになっているドライブでは、回復環境の設定が制限されます。この場合は一時的にBitLockerを停止するか、暗号化を解除してから回復イメージを有効にしなければなりません。
WinREを再度有効化するための基本手順
SFCを使ったシステムファイル修復
SFC(システムファイルチェッカー)を使うことでWindowsの重要ファイルが破損していないかをチェックできます。管理者権限のコマンドプロンプトで以下のコマンドを実行すると、システムファイルの問題を修復できる可能性があります。
sfc /scannow
ただし、SFCだけでは解決しないケースも多いので、次のステップも継続的に確認してください。
REAGENTCコマンドによるWinREの再有効化
Windowsの回復環境を制御するREAGENTCコマンドで、回復環境を明示的に無効化→有効化する方法です。管理者権限のコマンドプロンプトで以下の操作を行います。
reagentc /disable
reagentc /enable
もしすでに「Disabled」と表示される場合は、一度「/disable」を実行したうえで再度「/enable」を試すと成功するケースもあります。
BitLocker環境での注意点
BitLockerが有効なドライブで「Windows RE cannot be enabled on a volume with BitLocker Drive Encryption enabled」というエラーが出る場合は、以下のいずれかを行いましょう。
BitLockerを一時停止する
システムドライブを右クリックし「BitLockerの管理」から一時停止を選ぶか、管理者権限のPowerShellやコマンドプロンプトで「Manage-bde -protectors -disable C:」のように指定します。設定が反映されれば回復環境の再設定ができる可能性があります。
BitLockerを解除する
システム要件やセキュリティポリシーに問題がなければ、暗号化自体を解除してから回復環境を再設定するのが確実です。ただし、解除には時間がかかる場合もありますし、セキュリティ上のリスクを伴うので注意が必要です。
winre.wimファイルが不足している場合の対処方法
winre.wimの配置場所
通常は「C:\Windows\System32\Recovery」に存在しますが、何らかの理由でファイルが消失または破損すると、「The Windows RE image was not found」というエラーが発生します。
他の正常な同バージョンWindowsからコピー
同じエディションとバージョンのWindowsを持つマシンから、winre.wimをコピーする方法が手軽です。ただしコピー先で「reagentc /setreimage」してパスを指定してあげる必要があります。
Windows ISOイメージから抽出
Microsoft公式サイトなどで同じエディションとバージョンのISOをダウンロードし、「install.wim」または「install.esd」内にある「Windows\System32\Recovery\winre.wim」を取り出す方法です。7-Zipなどで展開ができます。
回復パーティションの有無・容量不足への対応
回復パーティションの確認
Disk Management(ディスクの管理)やdiskpartコマンドを使って、回復パーティションがどのように配置されているか確認しましょう。サーバー環境や仮想マシンでは回復パーティションが存在しないケースもあります。
パーティションのサイズ変更・新規作成
もし回復パーティションが小さすぎたり、そもそも存在しない場合は手動で作成します。Microsoftの公式ドキュメントを参照しながらdiskpartでサイズ変更し、回復パーティションを確保しましょう。



私が管理していたある仮想マシンでは、一度も回復パーティションが作成されていなかったため、winre.wimを配置しても無駄でした。そこでdiskpartで新しい回復パーティションを作り、そこにwinre.wimをコピーし直すことで解決できました。
具体的な修復手順の例
1. winre.wimファイルを用意
1-a. 正常なマシンまたはISOからwinre.wimをコピーしてきます。
1-b. 「C:\Windows\System32\Recovery」にwinre.wimが置いてあるか確認します。
2. 回復パーティションが存在するか確認
2-a. Windowsのディスクの管理かdiskpartでパーティション構成を調べます。
2-b. 必要であれば回復パーティションを作成し、ドライブレターを一時的に割り当てます。
3. REAGENTCでパスを設定
3-a. まずはコマンドプロンプト(管理者権限)で「reagentc /disable」
3-b. 次に、好きなパス(例:「C:\Recovery\WindowsRE」)を作成しwinre.wimをコピー
3-c. 「reagentc /setreimage /path C:\Recovery\WindowsRE /target C:\Windows」で回復イメージの場所を設定
3-d. 「reagentc /enable」で回復イメージを有効化
4. Windows Updateを再実行
最後に再起動を行い、Windows Updateを再度実行してみてエラーが解消されたかを確認します。
インプレース アップグレード(修復インストール)の選択肢
アップグレードとは
同じバージョンのWindowsメディアを使い、システムを初期化せずに上書きインストールする方法です。個人ファイルやアプリを保持したまま修復できるので、大掛かりな再インストールよりも負担が少ないです。
インプレース アップグレードのメリット
実施の注意点
大きなファイルのダウンロードとインストールが必要なので、事前にバックアップを取りネットワーク環境を安定させておきましょう。企業ネットワークであればセキュリティポリシーの確認も必須です。
トラブルシューティングを分かりやすくまとめた表
状況 | 想定される原因 | 対処方法 |
---|---|---|
REAGENTCで「The Windows RE image was not found」 | winre.wimが存在しない・パスの不整合 | winre.wimを用意してreagentc /setreimageで再設定 |
回復パーティションが見つからない | 手動で削除・サイズ不足・作成されていない | Diskpartなどで回復パーティションを作成または拡張 |
BitLockerエラー | 暗号化ドライブ上でREが有効化できない | BitLockerを一時停止または解除した後に再設定 |
アップデートが失敗し続ける | システムファイル破損・レジストリの不整合 | SFCやDISMを実行し、必要に応じて修復インストール |
修復作業のまとめ
手順を俯瞰して見る
1. SFCやDISMなどでシステムファイルの整合性をチェック
2. 回復パーティションの状態を確認し、必要なら追加または拡張
3. winre.wimを正しい場所に配置し、reagentcコマンドで再設定
4. BitLockerがあれば一時停止や解除を行い、有効化
5. 最後にWindows Updateや再起動を行い動作確認
日頃からの対策
普段から回復ドライブを作成しておくと、もしもの際に対処しやすくなります。また、大型アップデート前にシステムイメージバックアップを取得しておくと安心です。
補足: Windows Serverや企業環境での注意点
サーバー環境特有の問題
Windows Serverでは回復パーティションを作らずにインストールされるケースもあります。また、Hyper-Vなど仮想化環境を利用している場合、ディスク構成が特殊で回復環境が作られていないことがあります。
ドメイン環境の制約
ドメイン環境ではグループポリシーなどによってBitLockerの設定が管理されていることもあり、勝手に解除できないケースがあります。IT管理者の許可を得てから実施するのが安全です。



以前勤めていた企業では、サーバーOSの回復パーティションが作られていない状態で運用されており、障害が起きたときに相当苦労した記憶があります。サーバーでもトラブルが起きた際のことを考えて回復環境を整えておくのが鉄則ですね。
まとめと次のアクション
Windows Update適用後に「REAGENTC.EXE: The Windows RE image was not found」と表示されたら、まずは回復パーティションの有無とwinre.wimの配置を確認し、reagentcコマンドで正しくパスを設定してみてください。BitLockerの存在やパーティション容量なども忘れずチェックしましょう。どうしても改善しない場合は、インプレース アップグレードを検討するのも手です。
回復環境を元に戻せば、将来的なトラブル時にも落ち着いて対応できます。定期的にバックアップを行いつつ、アップデートやパーティション操作を行う際にはWinREが正常に動作するか確認しておくとより安心です。
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