WSUSがMicrosoft Updateと同期できない(HTTP 401/0x80072EFE)原因とKB4022720の対処法

Windows Server 2012 R2 の WSUS が突然 Microsoft Update と同期できなくなり、HTTP 401 Unauthorized や 0x80072EFE、invalid header、HTTPERR の 404 が大量に出る――この手のトラブルは「プロキシが怪しい」と思われがちですが、実は WSUS サーバー側の重要更新不足が原因になることがあります。ここでは KB4022720(または置き換え先ロールアップ)の確認から、適用後の再同期までを実務目線で整理します。

目次

よくある症状:WSUS が Microsoft Update と同期できない

発生パターンとして多いのは「これまで問題なく運用できていたのに、ある時期から急に同期だけが失敗し始めた」というケースです。プロキシ環境であっても、プロキシ側に明確な変更がないと言われることがあり、原因切り分けが難航しがちです。

WSUS 管理コンソールで手動同期を実行すると、次のようなエラーが混在して表示されることがあります。

  • HTTP 401: Unauthorized
  • 0x80072EFE(接続が異常終了した、などの通信系エラー)
  • “invalid header” などヘッダー関連の例外
  • HTTPERR ログに 404 NotFound が大量に出る
表に出やすいエラー意味(ざっくり)まず見るべき場所
HTTP 401: Unauthorized要求が拒否されている(認証・仕様不一致・要求形式の問題など)WSUS 同期ログ/イベントログ(WSUS)/プロキシログ
0x80072EFE接続が途中で切断された、通信が維持できないネットワーク経路、TLS/暗号設定、プロキシ、WinHTTP 設定
invalid headerヘッダーが想定外(クライアントが古くて解釈できない、など)OS 更新状況、.NET/WinHTTP/Windows Update 関連の更新
HTTPERR 404 が大量存在しない URL へのアクセスが発生しているIIS の HTTPERR ログ、WSUS/IIS 構成、要求先 URL の変化

ログの場所(切り分けで頻繁に参照するもの)

「どこを見ればいいか分からない」状態だと切り分けが止まるため、WSUS 障害の定番ログを先に押さえておきます。

種類代表的な場所見るポイント
HTTPERR ログ%windir%\system32\LogFiles\HTTPERR\同期実行の時間帯に 404 / 401 が雪崩れていないか
WSUS ログC:\Program Files\Update Services\LogFiles\同期処理の例外、要求先、失敗のタイミング
イベントログ(WSUS)イベント ビューアー(WSUS 関連)同期失敗イベント、例外の種類、連続性

結論:WSUS サーバー側(Windows Server 2012 R2)の重要更新不足を最優先で疑う

今回のケースで最初に当たりたい結論は、WSUS サーバー(Windows Server 2012 R2)側に重要な更新が入っておらず、Microsoft Update 側の仕様変化に追随できていない可能性が高い、という点です。

WSUS の同期処理は、単体の「WSUS アプリ」だけで完結しているわけではありません。HTTP 通信(WinHTTP)、暗号スイートや証明書(SChannel)、.NET など、OS 側の基盤コンポーネントの影響を受けます。結果として OS の更新が不足していると、同期で 401 やヘッダー例外、接続断といった形で表面化しやすくなります。

まず確認する更新:KB4022720(未適用なら先に導入して再同期)

対処としてはシンプルで、KB4022720 の適用有無を確認し、未適用であれば先にインストールしてから WSUS の再同期を行います。

ただし、KB4022720 は後続の更新(いわゆる月例ロールアップ等)に置き換え(含まれている)ため、環境によっては「KB4022720 が見つからない」こともあります。その場合は、次の置き換え先(またはそれ以降の月例ロールアップ)が入っているかを確認してください。

確認したい更新位置づけポイント
KB4022720優先して確認したい更新未適用なら導入 → 再起動 → WSUS 再同期
KB4025336KB4022720 を含む置き換え先の例KB4022720 が見つからない場合に確認
KB4039871KB4022720 を含む置き換え先の例月例ロールアップ運用なら導入済みのことが多い
KB4025335KB4022720 を含む置き換え先(プレビュー)の例環境によってはプレビューを入れていない場合もある

KB の適用状況を確認する方法(GUI とコマンド)

現場では「見つからない=未適用」と早合点してしまうことがあります。まずは、WSUS サーバー自身に対象 KB(または置き換え先)が入っているかを確実に確認しましょう。

GUI(コントロールパネル)で確認

  • 「プログラムと機能」→「インストールされた更新プログラムを表示」
  • 検索欄で KB 番号(例:4022720)を検索

PowerShell / コマンドで確認

リモート作業や、GUI が重い環境ではコマンド確認が確実です。

# まず KB4022720 を直接確認
Get-HotFix -Id KB4022720

# KB4022720 が見つからない場合は置き換え先も確認
$kbs = "KB4022720","KB4025336","KB4039871","KB4025335"
$kbs | ForEach-Object {
  $_ + " : " + (Get-HotFix -Id $_ -ErrorAction SilentlyContinue | Select-Object -ExpandProperty InstalledOn -ErrorAction SilentlyContinue)
}

Get-HotFix でヒットしない場合でも、更新プログラムが「累積更新」や「ロールアップ」として別の形で表示されるケースもあります。運用ルール上、月例ロールアップを入れている環境なら、該当時期以降のロールアップ導入有無を棚卸しするのが近道です。

適用手順:ロールアップ導入 → 再起動 → WSUS 再同期

未適用と判断できたら、次の流れで進めます。ポイントは「更新の導入」と「再起動」を省略しないこと、そして「適用後に同期をやり直して結果を確認する」ことです。

手順作業内容実務メモ
事前確認WSUS の役割・IIS が稼働しているか、空き容量、バックアップ方針を確認DB が肥大化している環境は作業前に空き容量を必ず確保
更新の適用KB4022720 または置き換え先(あるいは後続ロールアップ)を導入「Security Only」中心の環境はロールアップ不足が起こりやすい
再起動OS 再起動保留中の再起動が残ると WSUS/IIS の挙動が不安定になりやすい
サービス確認WSUS サービスと IIS の起動、イベントログを確認WSUSService、W3SVC など
同期再実行WSUS 管理コンソールから同期を実行成功/失敗だけでなく、エラーの種類が変わったかも見る

同期を PowerShell で叩いて状況を揃える(任意)

GUI での操作が難しい場合や、作業手順を標準化したい場合は PowerShell から同期を開始できます(環境によりモジュール名が異なることがあります)。

# 例:UpdateServices モジュールが利用できる場合
Import-Module UpdateServices -ErrorAction SilentlyContinue
$wsus = Get-WsusServer
$sub = $wsus.GetSubscription()
$sub.StartSynchronization()

実行後は、WSUS 管理コンソールの同期結果や WSUS のイベントログでエラーが解消しているかを確認します。

適用後の確認ポイント:「直った」と判断する基準

同期が 1 回成功しても、すぐに「完全復旧」とは言い切れません。少なくとも次のポイントを押さえておくと、再発や取りこぼしを減らせます。

確認項目OK の目安NG の例
同期結果「成功」になり、更新のメタデータ取得が進む401/0x80072EFE が継続、または別の通信エラーに変化
HTTPERR ログ404 が沈静化し、短時間に大量発生しない同期実行のたびに 404 が雪崩のように増える
イベントログWSUS 関連のエラーが減り、警告が解消する同期失敗イベントが連続し、同じ例外が繰り返される
管理コンソール「同期した更新プログラム」の日付が進む最終同期日時が更新されない/途中で停止する

補足:Security Only 運用だと「直すための修正」が入りにくい

「セキュリティのみ更新(Security Only)」中心で運用している環境では、セキュリティ修正は入っていても、Windows Update クライアントや通信周りの不具合修正が入らないことがあります。その結果、プロキシやネットワークが正常でも WSUS の同期だけが失敗し続ける、という状況が起こり得ます。

運用方針メリット落とし穴
Security Only変更量を抑えやすい非セキュリティ修正(WSUS/通信/互換性)が取りこぼされやすい
月例ロールアップ修正がまとまって入り、結果的に復旧が早いことが多い変更量が増えるため検証が必要

今回のように「同期が止まる」タイプの障害は、ロールアップ(置き換え先を含む)を入れることが解決に直結しやすい傾向があります。運用ルール上ロールアップが難しい場合でも、少なくとも WSUS を担うサーバーについては、影響とメリットを比較して方針を決めるのが現実的です。

それでも改善しない場合の追加チェック(現場で詰まりやすい順)

KB 適用で多くは解消しますが、環境によっては複合要因になっていることもあります。再同期しても改善しない場合は、次の項目を上から順に確認すると遠回りになりにくいです。

WinHTTP のプロキシ設定を確認する

WSUS や Windows Update 関連の通信は、IE の設定ではなく WinHTTP のプロキシ設定を参照する場面があります。プロキシ環境で「設定は変えていない」のに同期が止まる場合でも、サーバー側の WinHTTP 設定が空だったり、古い設定が残っていたりすることがあります。

netsh winhttp show proxy

必要に応じて、IE 設定を WinHTTP に取り込む例です。

netsh winhttp import proxy source=ie

明示的に指定する場合は、環境のポリシーに合わせて設定します(例)。

netsh winhttp set proxy proxy-server="http=proxy.example.local:8080;https=proxy.example.local:8080" bypass-list="<local>"

証明書・TLS の問題が混ざっていないかを見る

0x80072EFE は「接続断」として表に出ますが、根っこが TLS/証明書関連であることもあります。Windows Server 2012 R2 は比較的古い世代のため、暗号設定や中間証明書の状態によっては、外部サービス側の更新で影響を受けることがあります。

  • サーバーの時刻ずれ(数分〜数十分のずれでも影響するケースあり)
  • ルート証明書・中間証明書の更新状況
  • セキュリティ製品による SSL インスペクションの有無(プロキシ側で実施している場合)

この領域は環境依存が大きいため、WSUS だけでなく「同じサーバーから https で外部に出られるか」という観点で切り分けると判断しやすくなります。

WSUS 側の整合性チェック(reset / checkhealth)

更新を入れた後でも、WSUS コンテンツや DB の状態次第で動作が重くなり、同期がタイムアウトすることがあります。影響範囲を見極めつつ、次のコマンドで整合性を確認します。

cd "C:\Program Files\Update Services\Tools"
wsusutil.exe checkhealth
wsusutil.exe reset

reset はコンテンツの照合・再ダウンロードを伴うことがあるため、回線やディスクに余裕がある時間帯で実施するのが安全です。

復旧を早めるためのチェックリスト

最後に、同様の障害が起きたときに「最短で復旧するための順番」をチェックリストとしてまとめます。運用手順書に貼り付けて使える形を意識しています。

チェック項目確認方法次のアクション
KB4022720 または置き換え先が入っているかGet-HotFix / 更新履歴未適用なら導入して再起動
WSUS サービス/IIS が正常かサービス状態、イベントログ停止・エラーなら原因を先に解消
WinHTTP プロキシ設定が適切かnetsh winhttp show proxy必要なら import / set proxy
同期後のエラー内容が変化したか同期結果、HTTPERR、WSUS ログエラーが変化したら次の層(TLS/証明書等)を疑う
WSUS の整合性wsusutil checkhealth / resetコンテンツ/DB の問題が疑われる場合に実施

まとめ

Windows Server 2012 R2 上の WSUS が「HTTP 401 Unauthorized」「0x80072EFE」「invalid header」などで Microsoft Update と同期できない場合、プロキシやネットワークの前に、WSUS サーバー自身の重要更新(KB4022720 または置き換え先)不足を疑うのが近道です。対象更新を適用して再起動し、WSUS の再同期を行うことで改善するケースが多く、Security Only 運用の環境ほど効果が出やすい傾向があります。適用後もログと同期結果を確認し、必要に応じて WinHTTP プロキシや WSUS の整合性チェックまで進めると、復旧を最短化できます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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