特定のアプリだけで文字が重複する、変換候補が正しく表示されない、Enterキーで意図しない動作になるといった症状がある場合は、Microsoft IMEを一時的に以前のバージョンへ切り替え、同じ操作を再現して比較します。
Windows 11では、Microsoft IMEの「全般」にある互換性設定から、以前のバージョンのMicrosoft IMEを使用できます。ただし、旧バージョンへ固定するための設定ではありません。原因を切り分ける目的で使用し、テスト後は現在のMicrosoft IMEへ戻すのが基本です。([マイクロソフト サポート][1])
Microsoft IMEの不具合を以前のバージョンで切り分ける方法
Microsoft IMEを以前のバージョンへ切り替えるには、次の順番で操作します。
- タスクバー右側にある「あ」または「A」のIMEアイコンを右クリックします。
- 「設定」を選択します。
- 「全般」を開きます。
- 画面下部にある「互換性」を探します。
- 「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」をオンにします。
- 問題が起きていたアプリを開き、同じ文字列を入力します。
Microsoftの案内でも、現在のIMEで問題が発生した場合の互換性設定として、以前のバージョンを使用する方法が示されています。([マイクロソフト サポート][1])
切り替え後もアプリの動作が変わらない場合は、対象アプリをいったん終了してから起動し直し、再度テストしてください。
Windows 11の設定画面から開く方法
タスクバーのIMEアイコンから設定を開けない場合は、Windows 11の「設定」から移動できます。
- 「スタート」を開きます。
- 「設定」を選択します。
- 「時刻と言語」を開きます。
- 「言語と地域」を選択します。
- 「日本語」の右側にある「…」を選択します。
- 「言語のオプション」を開きます。
- 「Microsoft IME」の右側にある「…」を選択します。
- 「キーボード オプション」を開きます。
- 「全般」を選択します。
- 「互換性」にある「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」をオンにします。
Microsoft公式の案内でも、「設定」から「時刻と言語」「言語と地域」「日本語」「Microsoft IME」の順にキーボード設定を開く手順が示されています。([マイクロソフト サポート][1])
Windows 11の更新状況によって、項目名や「…」ボタンの位置が多少異なることがあります。その場合も、「日本語」の言語オプションから「Microsoft IME」の設定を探してください。
切り替える前に症状を記録する
以前のIMEに切り替える前に、現在の症状を簡単に記録しておくと、比較結果が分かりやすくなります。
最低限、次の内容を残します。
- 問題が起きるアプリ名
- 問題が起きる入力欄
- 入力した文字列
- 実際に起きた動作
- 本来期待していた動作
- ほかのアプリでも再現するか
たとえば、次のように記録します。
ブラウザの検索欄では正常。業務アプリの商品名欄では「とうきょう」と入力すると文字が二重になる。以前のIMEでは二重入力が発生しない。
「入力がおかしい」だけでは、IME、アプリ、キーボードのどこに原因があるのか判断しにくくなります。どのアプリの、どの入力欄で、何を入力すると、どうなるのかまで記録することが重要です。
変更前後で同じ条件を使ってテストする
Microsoft IMEの新旧を比較するときは、入力条件を変えないようにします。
| 比較項目 | そろえる内容 |
|---|---|
| アプリ | 同じアプリを使用する |
| 入力欄 | 同じ画面、同じ入力欄で試す |
| 文字列 | 同じ読み、記号、数字を入力する |
| 入力モード | ひらがな、半角英数などをそろえる |
| キーボード | 同じキーボードを使用する |
| 操作 | 変換、確定、Backspaceなど同じ順番で操作する |
おすすめのテスト文字列は、症状が再現しやすいものです。
- 人名や地名など、変換候補が複数出る言葉
- 数字と記号を含む文字列
- 長めの文章
- 全角と半角が混在する文字列
- 問題発生時に実際に入力していた文字列
たとえば「とうきょうとしんじゅくく1-2-3」と入力し、変換候補の表示、スペースキーでの変換、Enterキーでの確定、Backspaceでの修正を比較します。
比較結果から原因の範囲を判断する
以前のMicrosoft IMEへ切り替えた結果は、次のように判断できます。
| テスト結果 | 考えられる状況 | 次に確認すること |
|---|---|---|
| 以前のIMEでは改善する | 現在のIMEとアプリの互換性が関係している可能性がある | Windowsとアプリの更新、フィードバック送信 |
| 以前のIMEでも変わらない | IME以外の原因である可能性がある | アプリ設定、キーボード、常駐ソフト |
| 特定アプリだけで発生する | アプリ側の入力処理が関係している可能性がある | アプリの更新、別の入力欄、開発元の情報 |
| すべてのアプリで発生する | Windows全体または入力機器側の問題の可能性がある | キーボード接続、配列、ドライバー |
| 特定の入力欄だけで発生する | その入力欄固有の制御が関係している可能性がある | 別画面や別種類の入力欄で比較 |
以前のIMEで改善したとしても、「現在のMicrosoft IMEだけが故障している」と断定はできません。アプリ側が特定のIME動作を前提としている場合や、IMEとアプリの組み合わせでのみ発生する場合もあります。
反対に、以前のIMEでも症状が変わらない場合は、IME設定を何度も変更するより、アプリやキーボード側へ調査範囲を広げた方が効率的です。
以前のIMEでは直らない可能性が高い症状
「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」は、日本語入力の互換性を確認するための設定です。すべての入力トラブルを直す機能ではありません。
次のような症状は、別の原因を優先して確認します。
| 症状 | 優先して確認する項目 |
|---|---|
| キーを押しても反応しない | キーボードの接続、電池、USB端子 |
| 同じキーが連続入力される | キーの物理的な固着、チャタリング |
| 記号の位置がキートップと違う | 日本語・英語キーボードの配列設定 |
| Bluetoothキーボードが途切れる | Bluetooth接続、電池、省電力設定 |
| 音声入力だけ認識しない | マイク権限、音声入力、入力デバイス |
| 特定のショートカットだけ動かない | アプリのキー割り当て、常駐ソフト |
| リモート接続中だけ入力がおかしい | リモート接続側のキーボード設定 |
特に、メモ帳やブラウザなど複数のアプリでキーそのものが反応しない場合は、IMEよりも物理キーボードや接続状態を先に確認してください。
テスト後は現在のMicrosoft IMEへ戻す
比較が終わったら、次の手順で元の設定へ戻します。
- タスクバーの「あ」または「A」を右クリックします。
- 「設定」を選択します。
- 「全般」を開きます。
- 「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」をオフにします。
- 対象アプリを起動し直します。
- 同じ入力を行い、元の症状が再現するか確認します。
MicrosoftはIMEの改善を継続しており、問題がある場合はフィードバックの送信を案内しています。そのため、以前のIMEを恒久的な解決策として固定するのではなく、原因を調べるための一時的な比較手段として使うのが適切です。([マイクロソフト サポート][1])
業務上すぐに入力を続ける必要があり、以前のIMEでしか正常に動かない場合は、一時的に使用しながら、Windows Updateや対象アプリの更新状況も確認してください。
設定項目が表示されない場合の確認ポイント
「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」が見つからない場合は、次の点を確認します。
Microsoft IMEの設定を開いているか
Windowsには、Microsoft IME以外の日本語入力ソフトを追加できます。別のIMEを使用している場合、Microsoft IMEの互換性設定は表示されません。
「設定」から日本語のキーボード一覧を開き、「Microsoft IME」のキーボードオプションを選択してください。
「全般」の下部まで確認したか
互換性の項目は、「全般」画面の下部に配置されていることがあります。画面を下までスクロールしてください。
パソコンが組織によって管理されていないか
会社や学校、自治体などの管理端末では、設定変更が制限されている場合があります。
スイッチを変更できない、変更しても元に戻る、設定画面へ移動できない場合は、管理者へ次の内容を伝えます。
- 問題が起きるアプリ名
- 具体的な再現手順
- ほかのアプリでは正常か
- 以前のIMEで比較したいこと
- 表示されたエラーメッセージ
管理端末で設定制限を回避しようとして、レジストリや組織のポリシーを勝手に変更するのは避けてください。
よくある失敗と注意点
切り替え前後で違う文章を入力する
入力内容が違うと、IMEの違いによる改善なのか、変換する言葉による違いなのか判断できません。同じ文字列をコピーしておき、変更前後で使うと比較しやすくなります。
以前のIMEへ切り替えたままにする
以前のIMEで正常に入力できると、そのまま使い続けたくなります。しかし、まずは現在のIMEへ戻して再現を確認し、問題が継続する場合はアプリの更新やフィードバックにつなげます。
一度に複数の設定を変更する
IMEのバージョン、予測入力、キー設定、アプリ設定を同時に変更すると、どの変更が効果を持ったのか分からなくなります。
最初は「以前のバージョンのMicrosoft IMEを使う」だけを変更してください。その後、必要に応じて一つずつ追加確認します。
ユーザー辞書をすぐに削除する
変換候補がおかしい場合でも、最初からユーザー辞書を削除する必要はありません。辞書の初期化や削除を行うと、登録済みの単語を失う可能性があります。
まずは以前のIMEとの比較、別アプリでの入力、同じ単語以外での変換を試します。
改善した場合はフィードバックを送る
現在のIMEでは問題が起き、以前のIMEでは改善した場合は、フィードバックHubから報告すると原因の特定に役立ちます。
タスクバーのIMEアイコンを右クリックし、「フィードバックの送信」を選択する方法があります。Microsoftも、Microsoft IMEに関する問題や提案をフィードバックHubから送信するよう案内しています。([マイクロソフト サポート][1])
報告には、次の情報を含めます。
- 対象アプリの正式名称
- 問題が起きる画面や入力欄
- 再現する文字列
- 再現手順
- 現在のIMEで起きる症状
- 以前のIMEで改善したか
- 毎回発生するか、時々発生するか
画面を添付する場合は、氏名、メールアドレス、文書内容、顧客情報などが写っていないか確認してください。回復キー、秘密鍵、アクセストークン、パスワードなどの機密情報は含めないようにします。
Microsoft IMEを以前のバージョンへ戻すときの要点
特定アプリで入力がおかしい場合は、Microsoft IMEの「全般」にある互換性設定から、以前のバージョンへ一時的に切り替えます。
重要なのは、単に「直った」「直らない」で終わらせず、同じアプリ、同じ入力欄、同じ文字列で変更前後を比較することです。
以前のIMEで改善した場合は、アプリと現在のIMEの組み合わせが関係している可能性があります。テスト後は現在のIMEへ戻し、Windowsやアプリの更新確認、開発元への問い合わせ、フィードバックHubからの報告へ進みましょう。
[1]: https://support.microsoft.com/en-us/windows/hardware/input-devices/microsoft-japanese-ime “Microsoft Japanese IME | Microsoft Support”

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