Bluetooth対応補聴デバイスをWindows 11で使えるか確認する方法|LE Audio対応条件

Bluetooth対応の補聴デバイスは、条件がそろえばWindows 11 PCに直接接続し、動画や音楽、通話などの音声をストリーミングできます。ただし、「Bluetooth対応」「Bluetooth Low Energy対応」という表記だけでは、PCで使えるとは判断できません。

確認すべきなのは、PCと補聴デバイスの両方がBluetooth LE Audioに対応しているかどうかです。まずWindows 11の設定画面に「使用可能な場合はLE Audioを使用する」が表示されるか確認し、その後、補聴デバイスの仕様に「Bluetooth LE Audio対応」と明記されているかを調べます。([マイクロソフト サポート][1])

目次

Windows 11に補聴デバイスをつなぐためのLE Audio対応条件

Windows 11で補聴器や人工内耳などの補聴デバイスを利用するには、次の条件をすべて満たす必要があります。

確認対象必要な条件確認する場所
WindowsWindows 11を使用している「設定」→「システム」→「バージョン情報」
WindowsのバージョンLE AudioはWindows 11 バージョン22H2以降が基本条件Windowsの仕様
PCのBluetoothBluetooth LE Audioに対応しているWindowsのLE Audio設定、PCメーカーの仕様
オーディオ機能対応するオーディオコーデックとドライバーがあるPCメーカーのサポートページ
補聴デバイスBluetooth LE Audioに対応している製品仕様、メーカーへの問い合わせ
詳細設定機能プリセット調整などはWindows 11 バージョン24H2以降Windows Update、デバイスの対応状況

PC側では、Bluetooth機能だけでなく、Bluetooth無線とオーディオサブシステムの双方にLE Audio対応ドライバーが必要です。補聴デバイス側も、単なるBluetooth接続ではなく、Bluetooth LE Audioによる音声ストリーミングに対応していなければなりません。([マイクロソフト サポート][1])

「Bluetooth対応」だけでは判断できない

次のような表記だけでは、Windows 11で補聴デバイスとして利用できるか確定できません。

製品仕様の表記Windows 11でのLE Audio対応判断
Bluetooth対応判断できない
Bluetooth Low Energy、BLE対応判断できない
Bluetooth 5.x対応世代だけでは判断できない
MFi対応Windowsとの互換性は保証されない
ASHA対応Windowsとの互換性は保証されない
Bluetooth LE Audio対応対応候補になる
Windows 11のLE Audio対応を明記比較的確実に判断できる

Bluetooth LE AudioはBluetooth Low Energyを利用した技術ですが、Bluetooth Low Energyに対応するすべての機器がLE Audioに対応しているわけではありません。

また、ASHAは主にAndroid向け、MFiはApple製品向けに利用される独自方式です。ASHAやMFiに対応していても、Windows 11のLE Audioで直接ストリーミングできるとは限りません。([マイクロソフト サポート][1])

PCがBluetooth LE Audioに対応しているか確認する

最初に、Windows 11の設定画面からPC側の対応状況を確認します。PCの商品ページに「Bluetooth LE対応」と書かれていても、それだけではLE Audio対応を確定できません。

Windows 11のバージョンを確認する

次の手順でWindowsのバージョンを確認できます。

  1. WindowsキーとRキーを同時に押します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」にwinverと入力します。
  3. 「OK」を選択します。
  4. 表示された画面でバージョンを確認します。

Bluetooth LE Audioの基本的な対応条件はWindows 11 バージョン22H2以降です。ただし、補聴デバイスのオーディオプリセットや周囲音量をWindowsから変更する機能には、Windows 11 バージョン24H2以降が必要です。([マイクロソフト サポート][1])

バージョンが古い場合は、「設定」→「Windows Update」から更新を確認してください。

「使用可能な場合はLE Audioを使用する」を確認する

PC側の対応可否を確認するうえで、最も分かりやすい方法です。

  1. 「スタート」を開きます。
  2. 「設定」を選択します。
  3. 「Bluetoothとデバイス」を選択します。
  4. 「デバイス」を開きます。
  5. 「デバイスの設定」まで画面を移動します。
  6. 「使用可能な場合はLE Audioを使用する」があるか確認します。
  7. 表示されている場合はオンにします。

この項目が表示されていれば、Windowsが現在のハードウェアとドライバーをLE Audio対応として認識している可能性が高いと判断できます。

項目自体がない場合、そのPCは現時点ではLE Audioを利用できません。原因として、Bluetoothハードウェアの非対応、オーディオ機能の非対応、ドライバーの不足や不整合が考えられます。([マイクロソフト サポート][2])

設定が表示されないときに確認すること

「使用可能な場合はLE Audioを使用する」が見つからない場合は、次の順序で確認します。

  1. Windows Updateを実行する
  2. PCを再起動する
  3. PCメーカーのサポートページを開く
  4. Bluetoothドライバーを確認する
  5. オーディオドライバーを確認する
  6. BIOSやファームウェアの更新情報を確認する
  7. PCメーカーに型番を伝えてLE Audio対応状況を問い合わせる

Bluetoothドライバーだけを更新しても、オーディオ側のドライバーやコーデックが対応していなければLE Audioは利用できません。Microsoftも、Bluetooth無線とオーディオコーデックの両方について、メーカー提供のLE Audio対応ドライバーが必要と案内しています。([マイクロソフト サポート][2])

ドライバーは、Windows UpdateまたはPCメーカーの公式サポートページから入手してください。出所の不明なドライバー配布サイトは避けたほうが安全です。

補聴デバイス側のLE Audio対応を確認する

PC側が対応していても、補聴デバイス側がBluetooth LE Audioに対応していなければ接続できません。

確認するときは、製品シリーズ名だけでなく、正確な型番を調べることが重要です。同じシリーズでも、発売時期やグレードによって対応機能が異なる場合があります。

製品仕様で確認する表記

メーカーの商品ページ、取扱説明書、サポートページで、次の表記を探します。

  • Bluetooth LE Audio
  • LE Audio対応
  • Windows 11 LE Audio対応
  • Windows PCへの直接ストリーミング対応
  • TMAP対応
  • 対応OSまたは対応機器の一覧

「スマートフォンに接続可能」「専用アプリに対応」とだけ書かれている場合は、Windows 11での音声ストリーミング対応を意味するとは限りません。

メーカーに確認するときの質問例

仕様ページだけで判断できない場合は、次のように問い合わせると確認しやすくなります。

この製品はBluetooth LE Audioに対応していますか。Windows 11 PCから、専用中継機器を使わずに音楽や通話音声を直接ストリーミングできますか。

あわせて、次の点も確認します。

  • 対応するWindows 11のバージョン
  • 利用に必要なファームウェア
  • 左右両方への同時ストリーミング対応
  • 通話音声への対応範囲
  • Windows上で利用できる音量・プリセット設定
  • 専用送信機やアクセサリーが必要か

Windows 11と補聴デバイスを接続する手順

PCと補聴デバイスの双方がBluetooth LE Audioに対応していることを確認したら、クイック設定からペアリングします。

接続前の準備

接続を始める前に、次の状態にしておきます。

  • 補聴デバイスを十分に充電する
  • PCのBluetoothをオンにする
  • 補聴デバイスをPCの近くに置く
  • 補聴デバイスのペアリング方法を確認する
  • PCの音量を低めにしておく

補聴デバイスを検出可能な状態にする方法は、製品によって異なります。充電ケースから取り出す、電源を入れ直す、専用ボタンを長押しするなどの操作が必要な場合があります。

クイック設定からペアリングする

  1. 補聴デバイスをペアリングモードにします。
  2. タスクバー右側のネットワーク、音量、またはバッテリーのアイコンを選択します。
  3. Bluetooth欄の右側にある「Bluetoothデバイスの管理」を選択します。
  4. 「新しいデバイス」に補聴デバイスが表示されるまで待ちます。
  5. 表示された補聴デバイス名を選択します。
  6. 追加の確認画面が表示された場合は、画面の案内に従います。

左右が別々のデバイスとして認識される機種では、片方を接続した後に、もう片方の接続を求める画面が表示されることがあります。その場合は、続けて「接続」を選択します。([マイクロソフト サポート][1])

Swift Pairで接続する

補聴デバイスがSwift Pairに対応している場合、ペアリングモードにするとWindows 11に通知が表示されることがあります。

「新しいBluetoothデバイスが見つかりました」と表示されたら、「接続」を選択してください。ただし、すべての補聴デバイスがSwift Pairに対応しているわけではありません。通知が出なくても、クイック設定から通常のペアリングを行えます。([マイクロソフト サポート][1])

接続後に音声を確認する

ペアリングが完了したら、PCの音量を低くした状態で動画やシステム音を再生します。

音が補聴デバイスから出ない場合は、タスクバーの音量アイコンを開き、音声の出力先として補聴デバイスが選択されているか確認してください。

通話にも利用する場合は、TeamsやZoomなどのアプリ側でもスピーカーの出力先を確認します。マイク入力に利用できるかどうかは、補聴デバイスの機種や構成によって異なるため、メーカー仕様も確認してください。

Windows 11 24H2以降で利用できる補聴デバイス設定

Windows 11 バージョン24H2以降では、対応する補聴デバイスについて、Windowsの設定やクイック設定から次の項目を調整できます。

  • オーディオプリセット
  • アンビエントサウンドの音量
  • バッテリー残量の確認
  • 接続状態の確認

設定手順は次のとおりです。

  1. タスクバーのネットワーク、音量、またはバッテリーアイコンを選択します。
  2. 「Bluetoothデバイスの管理」を開きます。
  3. 補聴デバイスを接続します。
  4. ペアリング済みデバイスから補聴デバイスを選択します。
  5. 「プロパティ」を開きます。
  6. 表示されたプリセットやアンビエントサウンド音量を調整します。

ここで選択できるプリセットは、Windowsが新しく作成するものではありません。利用者や聴覚の専門家によって補聴デバイス側に設定されたプリセットを、Windowsから切り替える機能です。

また、Windows 11が24H2以降でも、補聴デバイスのモデルや設定が対応していなければ、プリセットやアンビエントサウンドの項目は表示されません。項目がないことだけで、LE Audio接続そのものが失敗しているとは判断できません。([マイクロソフト サポート][1])

接続できないときの確認ポイント

補聴デバイスが一覧に表示されない

次の点を確認します。

  • ペアリングモードが終了していないか
  • 別のスマートフォンへ自動接続されていないか
  • PCのBluetoothがオンになっているか
  • 補聴デバイスをPCの近くに置いているか
  • 左右それぞれにペアリング操作が必要な機種ではないか
  • メーカー指定の初期化や再ペアリング操作が必要でないか

一般的なBluetoothデバイスが一覧に表示されない場合は、「設定」→「Bluetoothとデバイス」→「デバイス」にあるBluetoothデバイスの検出設定を「詳細設定」に変更すると、見つかることがあります。([マイクロソフト サポート][3])

ペアリングはできるが音が出ない

次の順序で確認します。

  1. クイック設定で補聴デバイスが「接続済み」になっているか確認する
  2. Windowsの出力デバイスを補聴デバイスへ切り替える
  3. 再生アプリを終了して開き直す
  4. 補聴デバイスを切断して再接続する
  5. 登録済みデバイスから削除して再ペアリングする
  6. Bluetoothとオーディオのドライバーを更新する
  7. 補聴デバイスの正確な型番がLE Audio対応か再確認する

「Bluetooth機器として登録できた」ことと、「LE Audioで音声を再生できる」ことは同じではありません。ペアリングだけ成功しても、必要なLE Audio機能がそろっていない場合があります。

片方からしか音が出ない

左右の補聴デバイスが別々に認識される構成では、両方の接続が完了しているか確認します。

最初の補聴デバイスを接続した後、「もう一方の補聴器が見つかりました」などの案内が表示された場合は、続けて接続してください。表示されない場合は、メーカーの取扱説明書にある左右ペアリング手順を確認します。([マイクロソフト サポート][1])

USB Bluetoothアダプターを付ければ使えるとは限らない

Bluetoothを内蔵していないPCでは、一般的なBluetooth機器をUSBアダプターで追加できます。しかし、補聴デバイスをWindows標準のLE Audio機能で利用する場合、汎用USB Bluetoothアダプターを接続するだけで対応できるとは限りません。

Microsoftが示す補聴デバイス向けの条件には、工場出荷時から統合されたBluetooth LE機能と、メーカー提供の対応ドライバーが含まれています。購入前に、アダプター側がWindows 11のBluetooth LE Audioと補聴デバイスの直接接続に対応すると明記しているか確認してください。([マイクロソフト サポート][1])

会社や学校のPCで設定を変更できない

組織に管理されているPCでは、ドライバーの更新やBluetooth設定の変更が制限されていることがあります。

設定項目がグレー表示になっている、Windows Updateを実行できない、ドライバーをインストールできない場合は、無理に変更せずシステム管理者へ確認してください。

対応可否を最短で判断するチェックリスト

次の順序で確認すると、購入や接続作業の前に対応可否を判断しやすくなります。

  • Windows 11を使用している
  • 「使用可能な場合はLE Audioを使用する」が表示されている
  • 設定をオンにできる
  • PCメーカーがLE Audio対応を案内している
  • Bluetoothとオーディオの対応ドライバーが入っている
  • 補聴デバイスの正確な型番を確認した
  • 製品仕様に「Bluetooth LE Audio対応」と明記されている
  • MFiやASHAの表記だけで判断していない
  • 補聴デバイスをペアリングモードにできる
  • 必要に応じて左右両方を接続している

最も重要なのは、PCの設定にLE Audio項目があることと、補聴デバイスの仕様にBluetooth LE Audio対応が明記されていることです。

どちらか一方でも確認できなければ、接続できると決めつけず、PCメーカーまたは補聴デバイスメーカーに型番を伝えて確認してください。両方の対応を確認できたら、クイック設定からペアリングし、低い音量から再生テストを行いましょう。
[1]: https://support.microsoft.com/ja-jp/accessibility/windows/using-hearing-devices-with-your-windows-11-pc “Windows 11 PC での聴覚デバイスの使用 | Microsoft Support”
[2]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/hardware/bluetooth/check-if-a-windows-11-device-supports-bluetooth-low-energy-audio “Windows 11 デバイスで Bluetooth Low Energy オーディオがサポートされているかどうかを確認する | Microsoft Support”
[3]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/hardware/bluetooth/pair-a-bluetooth-device-in-windows “Windows で Bluetooth デバイスをペアリングする | Microsoft Support”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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