Windows 11の音声アクセス設定方法|Windows+Hの音声入力との違いを解説

日本語の声でアプリを開く、ボタンをクリックする、画面をスクロールする、文章を入力するといった操作まで行いたい場合は、Windows 11の「音声アクセス」を使います。

Windows + Hで起動する「音声入力」は、カーソルのある入力欄へ文字を入力するための機能です。PC全体を音声で操作する機能ではありません。音声アクセスはWindows 11 バージョン22H2以降で日本語に対応しており、初回に言語ファイルをダウンロードすれば、インターネットに接続していない状態でも利用できます。一方、Windows + Hの音声入力はオンライン音声認識を使用するため、利用時にインターネット接続が必要です。([マイクロソフト サポート][1])

目次

Windowsの音声アクセスとWindows+Hの音声入力の違い

音声アクセスと音声入力は、どちらもマイクを使うため混同されやすい機能です。しかし、主な目的は大きく異なります。

比較項目音声アクセスWindows+Hの音声入力
主な目的PCやアプリの操作、文字入力文章の音声入力
操作できる範囲アプリの起動、ウィンドウ切り替え、クリック、スクロール、マウス操作、文字入力カーソルのあるテキスト入力欄
起動方法設定画面またはWindows検索Windows + H
インターネット接続初回設定時に必要。設定後はオフラインでも利用可能利用時に必要
日本語対応対応対応
対応OSWindows 11 バージョン22H2以降Windows 11で利用可能
向いている用途手を使わずにPC全体を操作したい場合メールや文書を素早く入力したい場合

Windows + Hの音声入力にも、改行、Backspace、直前の語句の削除など、入力を補助する音声コマンドはあります。ただし、アプリの起動や画面上のボタンのクリックなど、Windows全体を操作することは目的としていません。([マイクロソフト サポート][2])

音声アクセスが向いているケース

音声アクセスは、次のような使い方に向いています。

  • マウスやキーボードを使わずにアプリを開きたい
  • 音声でWebページをスクロールしたい
  • 画面上のボタンやメニューを音声で選択したい
  • 音声だけでメールの作成から送信操作まで進めたい
  • 手や腕への負担を抑えてPCを使いたい
  • インターネットに接続できない環境でも音声操作を使いたい

文章を入力するだけなら、設定が不要ですぐ使えるWindows + Hの方が手軽です。PC全体を操作したい場合は音声アクセス、文字入力だけを効率化したい場合は音声入力、と判断すると分かりやすいでしょう。

音声アクセスを設定する前に確認すること

音声アクセスを設定するには、次の環境が必要です。

確認項目必要な条件
OSWindows 11 バージョン22H2以降
マイク内蔵マイク、USBマイク、ヘッドセットなど
インターネット初回の言語ファイル取得時に必要
使用言語日本語を選択可能
マイク権限Windowsのプライバシー設定で許可されていること

Windowsのバージョンは、[設定]→[システム]→[バージョン情報]にある「Windowsの仕様」で確認できます。「22H2」より新しいバージョンであれば、OSの条件を満たしています。

音声アクセスが表示されない場合は、先に[設定]→[Windows Update]から更新プログラムを適用してください。音声アクセスはWindows 11 バージョン22H2以降で利用できます。([マイクロソフト サポート][1])

Windows 11で音声アクセスを初めて設定する方法

設定から音声アクセスを有効にする

  1. Windows + Iを押して[設定]を開きます。
  2. 左側の[アクセシビリティ]を選択します。
  3. [音声]または[音声認識]の項目を開きます。
  4. [音声アクセス]をオンにします。

音声アクセスが見つからない場合は、設定画面上部の検索欄に「音声アクセス」と入力してください。Windows検索で「音声アクセス」または「voice access」と検索して起動する方法もあります。([マイクロソフト サポート][1])

日本語の言語ファイルをダウンロードする

音声アクセスを初めて起動すると、ようこそ画面が表示されます。

  1. 言語の一覧から[日本語]を選択します。
  2. 説明とプライバシーに関する内容を確認します。
  3. [同意して続行]を選択します。
  4. 日本語の言語ファイルがダウンロードされるまで、画面を閉じずに進めます。

言語ファイルは、端末上で音声を認識するために使用されます。ダウンロードの途中で音声アクセスを終了した場合は、次回の起動時に初期設定をやり直す必要があります。([マイクロソフト サポート][1])

使用するマイクを選択する

言語ファイルの準備が完了すると、マイクの設定画面が表示されます。

  1. 使用するマイクを選択します。
  2. マイクに向かって通常の声量で話します。
  3. 入力が認識されていることを確認します。
  4. [続行]を選択します。

ノートPCでは、内蔵マイク、Webカメラのマイク、Bluetoothヘッドセットなど、複数の入力機器が表示されることがあります。実際に話す位置に最も近いマイクを選んでください。

設定後にマイクを変更したい場合は、画面上部の音声アクセスバーにある設定ボタンから[既定のマイクを選択する]を開きます。([マイクロソフト サポート][1])

対話型ガイドで基本操作を確認する

マイクの設定後は、音声アクセスの対話型ガイドを開始できます。ガイドでは、メニューの選択、マウスポインターの操作、文章の入力などを練習できます。

ガイドを後から開く場合は、音声アクセスバーの[ヘルプ]から[対話型ガイドの開始]を選択します。「音声アクセス ガイドを開く」と話して起動することもできます。([マイクロソフト サポート][3])

最初に試したい日本語の音声コマンド

音声アクセスを起動すると、画面上部に音声アクセスバーが表示されます。マイクが「リッスン状態」になっていることを確認してから、次のようなコマンドを試します。

やりたいこと音声コマンドの例
Microsoft Edgeを開く「Edgeを開く」
Wordへ切り替える「Wordに切り替える」
デスクトップを表示する「デスクトップに移動」
画面を下へ動かす「下にスクロール」
ウィンドウを閉じる「ウィンドウを閉じる」
保存ボタンを押す「保存をクリック」
画面上の項目に番号を付ける「数値の表示」
マウス操作用のグリッドを出す「グリッドの表示」
一時的に待機状態にする「音声アクセス スリープ」
利用できるコマンドを確認する「何を言うことができますか」

アプリ名や画面上の項目名を指定すると、音声アクセスが該当するアプリやボタンを探します。複数の候補がある場合は、それぞれに番号が表示されるため、目的の番号を話して選択します。([マイクロソフト サポート][4])

ボタン名が認識されないときは「数値の表示」を使う

画面上のボタン名が分からない場合や、「保存をクリック」と言っても反応しない場合は、数値オーバーレイが便利です。

  1. 「数値の表示」と話します。
  2. 操作できる項目の上に番号が表示されます。
  3. 目的の番号を話します。
  4. 番号が付かない場所は「グリッドの表示」を使います。

例えば、保存ボタンに「5」と表示された場合は、「5」または「5をクリック」と話します。

数値オーバーレイは、ボタン、メニュー、リンクなど、Windowsが操作対象として認識できる項目に番号を付けます。画像の一部分や番号が付かない場所を操作するときは、グリッドオーバーレイを使って位置を指定します。([マイクロソフト サポート][5])

グリッドを使って任意の場所をクリックする

「グリッドの表示」と話すと、画面が複数の区画に分割されます。

  1. 「グリッドの表示」と話します。
  2. 操作したい場所が含まれる番号を話します。
  3. 必要に応じて、さらに細分化された番号を話します。
  4. 目的の位置まで絞り込んだら「クリック」と話します。
  5. 終了するときは「キャンセル」と話します。

グリッドを使えば、通常のボタンとして認識されない画像やキャンバス上の場所にもマウスポインターを移動できます。ただし、数値オーバーレイやグリッドオーバーレイは、複数ディスプレイ環境ではプライマリモニター上で最も安定して動作します。([マイクロソフト サポート][6])

音声アクセスのマイク状態を理解する

音声アクセスには、主に3つのマイク状態があります。

状態動作
リッスン状態音声を聞き取り、有効なコマンドを実行する
スリープ状態ウェイクアップ用のコマンド以外には反応しない
マイクオフ音声を聞き取らない

スリープ状態とリッスン状態は、Alt + Shift + Bで切り替えられます。マイクのオン・オフは、Alt + Shift + Cで切り替えられます。

作業中の会話を誤ってコマンドとして認識させたくない場合は、音声アクセスを終了するのではなく、スリープ状態にしておくと再開しやすくなります。完全に聞き取りを止めたい場合は、マイクをオフにします。([マイクロソフト サポート][3])

コマンドが文字として入力される場合はモードを確認する

音声アクセスには、次の3つのモードがあります。

モード動作
既定のモード音声コマンドと文字入力の両方を使用する
コマンドモード音声をPC操作用のコマンドとして扱う
ディクテーションモード音声を文字入力として扱う

「Edgeを開く」と話したのに、そのまま「Edgeを開く」と文章へ入力される場合は、ディクテーションモードになっている可能性があります。

PC操作を優先するときは「コマンド モード」、操作と文字入力の両方を使うときは「既定のモード」と話してください。([マイクロソフト サポート][3])

音声アクセスは初回設定後にローカルで処理できる

音声アクセスは、初回設定時に日本語の言語ファイルをインターネットから取得します。言語ファイルの準備が完了した後は、インターネットに接続していない状態でも、音声によるPC操作や文字入力を利用できます。

これに対し、Windows + Hの音声入力はAzure Speechサービスを使用したオンライン音声認識です。音声入力を使うたびに、インターネット接続が必要になります。([マイクロソフト サポート][1])

ただし、音声アクセスでも次の場面ではインターネット接続が必要になることがあります。

  • 初回の言語ファイル取得
  • 新しい言語への切り替え
  • 音声アクセスやWindowsの更新
  • 追加機能に必要なデータの取得

また、ローカル処理に対応していても、パスワード、PIN、BitLocker回復キー、秘密鍵、APIトークンなどを声に出すこと自体には、周囲に聞かれる危険があります。機密情報は音声で入力せず、キーボードやパスワード管理機能を使用するのが安全です。

音声アクセスが使えないときの確認ポイント

症状確認すること
音声アクセスが表示されないWindows 11 バージョン22H2以降か確認し、Windows Updateを実行する
日本語を選択できないインターネット接続を確認し、音声アクセスを再起動する
言語ファイルの取得が終わらないダウンロード途中で画面を閉じていないか確認する
声に反応しない音声アクセスバーがリッスン状態か確認する
別のマイクが反応する音声アクセスの設定から既定のマイクを変更する
コマンドが文章として入力される「既定のモード」または「コマンド モード」に切り替える
ボタンを操作できない「数値の表示」または「グリッドの表示」を使う
外部モニターで番号が出ないプライマリモニター上で試す

マイクのアクセス許可を確認する

マイクがまったく反応しない場合は、Windowsのプライバシー設定を確認します。

  1. [設定]を開きます。
  2. [プライバシーとセキュリティ]を選択します。
  3. [マイク]を開きます。
  4. [マイクへのアクセス]をオンにします。
  5. [アプリにマイクへのアクセスを許可する]をオンにします。
  6. [デスクトップ アプリにマイクへのアクセスを許可する]をオンにします。

音声アクセスによるマイクの使用は、Windowsのマイクに関するプライバシー設定の影響を受けます。([マイクロソフト サポート][1])

職場や学校から貸与されたPCで設定項目を変更できない場合は、組織の管理設定によって制限されている可能性があります。無理に設定を変更せず、情報システム担当者へ確認してください。

日本語でPC全体を操作するなら音声アクセスを選ぶ

Windows + Hは、メールや文書などに文章を入力するときに便利な機能です。一方、アプリの起動、画面のクリック、スクロール、ウィンドウ切り替えまで日本語の声で行いたい場合は、Windows 11の音声アクセスを使用します。

最初は次の順番で試すと、基本操作を理解しやすくなります。

  1. 音声アクセスを有効にする
  2. 日本語の言語ファイルをダウンロードする
  3. 使用するマイクを選択する
  4. 対話型ガイドを実行する
  5. 「Edgeを開く」と話す
  6. 「下にスクロール」と話す
  7. 「数値の表示」でボタンを選択する

文章入力だけならWindows + H、PC全体を音声で動かすなら音声アクセス、と使い分けることが重要です。
[1]: https://support.microsoft.com/ja-jp/accessibility/windows/voice-access/set-up-voice-access “音声アクセスの設定 | Microsoft Support”
[2]: https://support.microsoft.com/ja-jp/accessibility/windows/use-voice-typing-to-talk-instead-of-type-on-your-pc “音声入力を使用して、PC 上でタイプをする代わりに話す | Microsoft Support”
[3]: https://support.microsoft.com/ja-jp/accessibility/windows/voice-access/get-started-with-voice-access “音声アクセスを開始する | Microsoft Support”
[4]: https://support.microsoft.com/ja-jp/accessibility/windows/voice-access/use-voice-to-work-with-windows-and-apps “音声で Windows やアプリを操作する | Microsoft Support”
[5]: https://support.microsoft.com/ja-jp/accessibility/windows/voice-access/use-voice-to-interact-with-items-on-the-screen “音声で画面上のアイテムを操作する | Microsoft Support”
[6]: https://support.microsoft.com/ja-jp/accessibility/windows/voice-access/use-the-mouse-with-voice “音声でマウスを操作する | Microsoft Support”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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