Windows 11でPCのネット接続を共有する方法|モバイル ホットスポットの設定手順

Windows 11では、「モバイル ホットスポット」を有効にすると、PCが利用しているWi-Fi・有線LAN・携帯回線をスマートフォンやタブレットへ共有できます。基本の流れは、共有元の回線を選ぶ、Wi-Fiで共有する、ネットワーク名とパスワードを確認する、スマートフォンから接続するの4段階です。

特に、ホテルや会議室でPCだけが有線LANにつながっている場合や、SIM・eSIMを搭載したPCの通信をほかの端末でも使いたい場合に便利です。ただし、携帯回線を共有すると契約中のデータ通信量を消費するため、料金プランや利用上限を先に確認しておきましょう。([マイクロソフト サポート][1])

目次

Windows 11のモバイル ホットスポットとは

モバイル ホットスポットは、Windows 11搭載PCを簡易的な無線アクセスポイントとして利用する機能です。

一般的なスマートフォンのテザリングとは、通信を共有する方向が異なります。

  • スマートフォンのテザリング:スマートフォンの回線をPCへ共有する
  • Windows 11のモバイル ホットスポット:PCの回線をスマートフォンなどへ共有する

Windows 11では、PCが接続している次の回線を共有元として選択できます。

PCが利用している接続主な利用場面
EthernetPCが有線LANにつながっている
Wi-FiPCが接続中のWi-Fiをほかの端末にも共有したい
携帯電話回線SIM・eSIM搭載PCの通信を共有したい

共有方法には、Wi-Fiまたは対応するBluetoothを選択できます。通常は、速度と接続のしやすさからWi-Fiを選ぶのが基本です。([マイクロソフト サポート][1])

設定前に確認すること

モバイル ホットスポットを有効にする前に、次の点を確認してください。

PC自体がインターネットに接続できているか

最初に、PCのブラウザでWebページを開けるか確認します。

PC側がインターネットにつながっていなければ、モバイル ホットスポットを有効にしても、スマートフォンからインターネットを利用できません。

どの回線を共有するか決める

PCに複数の回線がある場合は、共有元を間違えないようにします。

たとえば、PCが有線LANと携帯回線の両方に接続されている状態で、誤って携帯回線を共有すると、意図せずデータ通信量を消費する可能性があります。

管理されたPCでは利用が制限されることがある

会社や学校、自治体などから貸与されたPCでは、組織のセキュリティポリシーによってモバイル ホットスポットが無効化されている場合があります。

設定項目が表示されない、またはスイッチがグレーになっている場合は、管理者へ確認してください。許可なく設定変更や制限の回避を行うべきではありません。

Windows PCの接続をモバイル ホットスポットで共有する方法

モバイル ホットスポットの設定画面を開く

  1. WindowsキーとIキーを押して「設定」を開きます。
  2. 「ネットワークとインターネット」を選択します。
  3. 「モバイル ホットスポット」を選択します。

スタートメニューから「設定」を開き、同じ順番で進んでも構いません。

共有元のインターネット接続を選ぶ

「インターネット接続の共有元」で、スマートフォンなどへ共有したい回線を選択します。

利用状況選ぶ共有元
LANケーブルで接続しているEthernet
PCがWi-Fiで接続しているWi-Fi
SIMやeSIMで通信している携帯電話回線

選択肢の名称は、PCに搭載されているネットワーク機器や接続状況によって異なります。

共有元に目的の回線が表示されない場合は、その回線がPC上で接続済みになっているか確認してください。

Wi-FiまたはBluetoothで共有する

「共有」で、ほかの端末へ接続を共有する方法を選びます。

基本的には「Wi-Fi」を選択します。Wi-Fiは既定の共有方法であり、通常はBluetoothより高速です。

Bluetoothを利用する場合は、PCと受信側の両方が対応している必要があります。Bluetoothの選択肢が表示されない場合は、Wi-Fiで共有してください。([マイクロソフト サポート][1])

ネットワーク名とパスワードを編集する

「プロパティ」を展開し、「編集」を選択します。環境によっては、プロパティが最初から表示されている場合もあります。

次の項目を設定します。

設定項目設定のポイント
ネットワーク名自分で見分けやすく、個人名を含めない名前にする
ネットワーク パスワード推測されにくい長めの文字列にする
ネットワーク帯域接続端末や利用場所に合わせて選ぶ

設定後に「保存」を選択します。

ネットワーク名には、氏名、勤務先名、住所、電話番号などを含めないほうが安全です。周囲の端末にもネットワーク名が表示される可能性があるためです。

パスワードは、短い単語や誕生日、電話番号などを避けます。「12345678」やネットワーク名と同じ文字列など、推測しやすいものは設定しないでください。

ネットワーク帯域を選ぶ

利用できる場合は、ネットワーク帯域を変更できます。表示される選択肢は、PCの無線LANアダプターやドライバーによって異なります。

帯域向いている使い方
使用可能なすべてのネットワーク帯域・自動特別な理由がなければ最初に選ぶ
2.4GHz古い端末を接続する、PCから少し離れて使う
5GHzPCの近くで速度を重視する

スマートフォン側にネットワーク名が表示されない場合は、2.4GHzへ変更すると接続できることがあります。反対に、PCの近くで大容量ファイルを扱う場合は、対応端末同士で5GHzを利用したほうが適していることがあります。

迷った場合は、最初は「自動」または初期設定のまま試してください。

モバイル ホットスポットをオンにする

ページ上部にある「モバイル ホットスポット」をオンにします。

オンにしたあと、画面に次の情報が表示されていることを確認します。

  • ネットワーク名
  • ネットワーク パスワード
  • 接続済みデバイス数
  • QRコードが表示される場合はその内容

Windows 11では、設定したネットワーク名とパスワードを使うほか、表示されたQRコードを受信側端末で読み取って接続できる場合があります。([マイクロソフト サポート][1])

スマートフォンやタブレットから接続する

モバイル ホットスポットをオンにしたら、受信側の端末で接続します。

iPhoneやiPadの場合

  1. 「設定」を開きます。
  2. 「Wi-Fi」を選択します。
  3. Windows 11で設定したネットワーク名を選択します。
  4. パスワードを入力します。
  5. Wi-Fiの接続マークが表示されたことを確認します。

QRコードが表示されている場合は、カメラで読み取って接続できることがあります。

Androidの場合

  1. 「設定」を開きます。
  2. 「ネットワークとインターネット」または「接続」を開きます。
  3. 「Wi-Fi」を選択します。
  4. Windows 11で設定したネットワーク名を選択します。
  5. パスワードを入力して接続します。

Androidはメーカーによって設定項目の名称が異なります。「Wi-Fi」「インターネット」「接続」などの項目を探してください。

接続後はインターネット通信まで確認する

Wi-Fiマークが表示されただけでは、インターネットを利用できるとは限りません。

スマートフォン側でブラウザを開き、Webページが表示されるか確認します。可能であれば、Wi-Fi接続中であることを確認してからテストしてください。

クイック設定から素早くオン・オフする方法

一度設定を済ませたあとは、タスクバーのクイック設定からモバイル ホットスポットを切り替えられます。

  1. タスクバー右側のネットワーク、音量、バッテリーの領域を選択します。
  2. 「モバイル ホットスポット」を探します。
  3. 項目を選択してオンまたはオフを切り替えます。

モバイル ホットスポットが見つからない場合は、クイック設定の次ページを表示します。環境によっては、矢印を選択して別のページへ移動する必要があります。

「モバイル ホットスポット」を右クリックまたは長押しして「設定に移動」を選ぶと、ネットワーク名やパスワードなどを確認できます。オンの状態では、接続中の端末数もクイック設定に表示されます。([マイクロソフト サポート][1])

接続できないときの確認ポイント

スマートフォンにネットワーク名が表示されない

次の順番で確認します。

  1. Windows 11のモバイル ホットスポットを一度オフにして、再度オンにする
  2. スマートフォンのWi-Fiをオフにして、再度オンにする
  3. PCとスマートフォンを近づける
  4. ネットワーク帯域を2.4GHzへ変更する
  5. PCを再起動する
  6. Windows UpdateやPCメーカーのサポートページで、無線LANドライバーを確認する

古いスマートフォンやタブレットでは、PC側が使用している帯域に対応できず、ネットワーク名が表示されないことがあります。

Wi-Fiには接続できるがインターネットを利用できない

この場合は、モバイル ホットスポットよりも共有元の回線を確認します。

  • PC単体ではインターネットを利用できるか
  • 「インターネット接続の共有元」が正しいか
  • VPNを切断すると改善するか
  • プロキシやセキュリティソフトが通信を制限していないか
  • 携帯回線の通信量上限に達していないか
  • ホテルや公共Wi-Fiで追加認証が完了しているか

ホテルや公共施設のWi-Fiでは、ブラウザ上で利用規約への同意や部屋番号の入力が必要なことがあります。まずPC側で認証を完了してから、モバイル ホットスポットを有効にしてください。

モバイル ホットスポットをオンにできない

次の項目を確認します。

  • 機内モードがオンになっていないか
  • Wi-Fiアダプターが無効になっていないか
  • デバイス マネージャーで無線LAN機器にエラーが出ていないか
  • PCメーカーが提供するネットワークドライバーが適用されているか
  • 組織の管理ポリシーで利用が禁止されていないか

デスクトップPCなど、Wi-Fi機能を搭載していないPCでは、Wi-Fiによる共有を利用できない場合があります。その場合は、対応する無線LANアダプターが必要です。

途中で接続が切れる

PCのスリープや省電力機能によって共有が中断する場合があります。

長時間利用する場合は、次の設定も確認します。

  1. 「設定」を開きます。
  2. 「システム」を選択します。
  3. 「電源とバッテリー」を選択します。
  4. 「画面、スリープ、休止状態のタイムアウト」を確認します。

共有中にPCを閉じたり、スリープさせたりしないよう注意してください。ノートPCでは、バッテリー残量にも余裕を持たせます。

携帯回線を共有するときの注意点

SIMやeSIMを搭載したPCでは、携帯回線をモバイル ホットスポットとして共有できます。ただし、共有したスマートフォンやタブレットの通信も、PC側のデータプランから消費されます。([マイクロソフト サポート][1])

特に、次の操作は通信量が増えやすいため注意が必要です。

  • 動画配信サービスの視聴
  • OSやアプリの更新
  • 写真や動画のクラウド同期
  • オンラインゲームのダウンロード
  • PCやスマートフォンのバックアップ
  • 大容量ファイルの送受信

「使い放題」と案内されている料金プランでも、テザリングや共有通信に別の上限が設けられている場合があります。契約している通信会社の条件を確認してください。

安全に利用するための設定

使用後は必ずオフにする

モバイル ホットスポットを常時オンにしておく必要はありません。利用が終わったら、クイック設定からオフにします。

不要な接続を防げるほか、ノートPCのバッテリー消費も抑えられます。

パスワードやQRコードを公開しない

モバイル ホットスポットのQRコードには、接続に必要な情報が含まれる場合があります。

設定画面を撮影してSNSやブログ、チャットへ投稿するときは、次の情報が写っていないか確認してください。

  • ネットワーク パスワード
  • QRコード
  • 個人名を含むネットワーク名
  • 端末名
  • 勤務先や組織名
  • 接続中の端末情報

QRコードを隠す場合は、半透明のぼかしではなく、復元できないよう完全に塗りつぶすのが安全です。

接続端末数を確認する

心当たりのない端末が接続されている場合は、モバイル ホットスポットをオフにし、パスワードを変更してください。

ネットワーク名だけを変更しても、以前のパスワードが知られていれば十分な対策にはなりません。パスワードを変更したうえで、必要な端末だけを接続し直します。

迷ったときの推奨設定

一般家庭や出張先で一時的に利用する場合は、次の設定から始めると分かりやすいでしょう。

項目推奨する設定
インターネット接続の共有元現在PCが実際に使用している回線
共有方法Wi-Fi
ネットワーク名個人情報を含まない分かりやすい名前
パスワード推測されにくい長めの文字列
ネットワーク帯域自動。接続できなければ2.4GHz
利用後の操作モバイル ホットスポットをオフにする

まずはスマートフォン1台だけを接続し、Webページが開けるか確認します。問題なく通信できたことを確認してから、ほかの端末を接続すると、トラブルの原因を切り分けやすくなります。

Windows 11でPCのネット接続を共有するときは、「ネットワークとインターネット」から「モバイル ホットスポット」を開き、共有元、共有方法、ネットワーク名、パスワードを確認します。接続できない場合は、共有元の通信状態とネットワーク帯域を優先して見直してください。

設定が完了したら、受信側の端末で実際にインターネット通信を確認し、利用後はモバイル ホットスポットをオフにしておきましょう。
[1]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/experience/connectivity-networking/use-your-windows-device-as-a-mobile-hotspot “Windows デバイスをモバイル ホットスポットとして使用する | Microsoft Support”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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