Windows 11でテザリングの通信量を確認・警告設定する方法

スマートフォンのテザリングをWindows 11で使っていると、Windows Updateやクラウド同期、動画再生などで、想定以上に通信量が増えることがあります。

Windows 11では、ネットワークごとのデータ使用量を確認し、上限を設定できます。設定した上限に近づいた場合や、上限を超えた場合には通知されるため、テザリングの使いすぎを防ぐ目安になります。

ただし、この機能は通信を確実に停止するものではありません。また、Windowsが集計する通信量と、携帯電話会社が課金に使用する通信量が一致するとは限りません。契約容量より少なめの上限を設定し、最終的な残量は携帯電話会社のアプリや会員ページでも確認するのが安全です。Microsoftも、データ上限に近づいた場合と超えた場合にWindowsが通知すると案内しています。([マイクロソフト サポート][1])

目次

Windows 11でできる通信量対策

Windows 11には、テザリング利用時に役立つ次の機能があります。

機能できること注意点
データ使用量の確認PC全体やアプリごとの通信量を確認するスマートフォン本体やほかの端末の通信量は含まれない
データ通信量上限の設定設定値に近づいたときや超えたときに通知する通信を強制的に遮断する機能ではない
従量制課金接続Windowsや一部アプリのバックグラウンド通信を抑えるすべての通信が停止するわけではない

テザリングの使いすぎを防ぐには、単に通信量を見るだけでなく、データ通信量上限と従量制課金接続を併用するのが効果的です。

Windows 11でテザリングの通信量を確認する方法

最初に、Windows 11の「データ使用量」画面を開きます。

データ使用量画面を開く

  1. スマートフォンのテザリングを有効にします。
  2. Windows 11をスマートフォンのテザリングに接続します。
  3. Windowsキー + Iを押して「設定」を開きます。
  4. 「ネットワークとインターネット」を選択します。
  5. 「ネットワークの詳細設定」を選択します。
  6. 「データ使用量」を選択します。
  7. 画面上部の選択欄から、確認したいネットワークを選びます。

Wi-Fiテザリングを使っている場合は「Wi-Fi」とスマートフォンのネットワーク名を確認します。

USBテザリングの場合は、Windows上で「イーサネット」などの有線ネットワークとして表示されることがあります。通信量が見つからないときは、Wi-Fi以外の接続先も確認してください。

Windows 11のバージョンによっては、次の経路からもデータ使用量画面を開けます。

設定ネットワークとインターネットWi-Fi接続中のネットワーク名データ制限の設定

Microsoftの案内でも、接続中のWi-Fiネットワークを選択し、「データ制限の設定」から上限を入力する手順が示されています。([マイクロソフト サポート][1])

アプリごとの通信量を確認する

「データ使用量」画面には、選択した期間内に各アプリが使用した通信量が表示されます。

特に確認したいのは、次のようなアプリです。

  • Webブラウザ
  • OneDriveなどのクラウドストレージ
  • Windows Update
  • Microsoft Store
  • TeamsやZoomなどのWeb会議アプリ
  • Steamなどのゲーム配信アプリ
  • 動画配信サービス
  • 写真や動画のバックアップアプリ

通信量が多いアプリが分かれば、テザリング中だけ自動同期を止める、動画の画質を下げる、アップデートを自宅のWi-Fi接続時に行う、といった対策ができます。

Windows 11でデータ通信量の上限を設定する方法

通信量を確認したら、テザリング用のネットワークに上限を設定します。

上限設定の手順

  1. 「設定」を開きます。
  2. 「ネットワークとインターネット」を選択します。
  3. 「ネットワークの詳細設定」を選択します。
  4. 「データ使用量」を選択します。
  5. 対象となるテザリングのネットワークを選択します。
  6. 「制限を入力」を選択します。
  7. 制限の種類、期間、通信量を設定します。
  8. 「保存」を選択します。

表示される項目や名称は、Windows 11のバージョンによって多少異なる場合があります。

制限の種類を選ぶ基準

主に利用するのは「毎月」と「1回」です。

利用状況選ぶ設定設定例
毎月決まった容量のスマートフォン契約毎月毎月1日に15GBへリセット
月途中からテザリングを使う1回月末まで5GB
出張や旅行中だけ利用する1回3日間で3GB
モバイルルーターを毎月利用する毎月契約更新日に合わせて設定

毎月の通信量上限を設定する場合は、リセット日を携帯電話会社のデータ容量更新日に合わせることが重要です。

例えば、携帯電話会社の通信量が毎月1日にリセットされるなら、Windows側も1日に設定します。日付がずれていると、Windowsと携帯電話会社で集計期間が一致しなくなり、残量を判断しにくくなります。

上限は契約容量より少なめに設定する

Windowsに設定する上限を、スマートフォンの契約容量と同じ値にするのはおすすめできません。

Windowsが確認できるのは、基本的にそのPCが使用した通信量です。次の通信量は別に発生します。

  • スマートフォン本体で使用した通信量
  • 同じテザリングに接続した別のPCやタブレット
  • スマートテレビやゲーム機の通信量
  • 家族が使用した共有回線の通信量

そのため、Windowsには余裕を持たせた上限を設定します。

20GB契約の設定例

毎月20GBの契約で、スマートフォン本体でも通信する場合は、Windowsの上限を14~16GB程度にしておくと安全です。

例えば、次のように考えます。

用途確保する容量
スマートフォン本体3GB
ほかの端末1GB
集計差に備えた余裕2GB
Windows 11の上限14GB
合計20GB

スマートフォン本体で動画を見ることが多い場合や、家族と容量を共有している場合は、Windows側の上限をさらに低く設定します。

月の途中で設定するときは、契約容量全体ではなく、携帯電話会社のアプリに表示されている現在の残量を基準にしてください。

通知されても通信は自動停止しない

データ通信量上限を設定すると、Windowsは上限に近づいた場合や上限を超えた場合に通知します。

ただし、重要な点があります。

上限を超えても、Windowsが通信を確実に停止するわけではありません。

通知後も、ブラウザ、クラウド同期、Windows Updateなどが通信を続ける可能性があります。上限設定は、通信を遮断する仕組みではなく、使いすぎに気付くための機能として考えてください。

また、「80%に達したら通知する」といった細かな通知割合を、独立して指定できるとは限りません。早めに警告を受けたい場合は、契約上限そのものではなく、警告を受けたい通信量をWindowsの上限として設定する方法が実用的です。

例えば20GB契約で15GBの時点で気付きたいなら、Windowsの上限を15GB前後に設定します。

Windowsと携帯電話会社の通信量が一致しない理由

Windowsに表示される通信量と、携帯電話会社のアプリに表示される通信量には差が出ることがあります。

主な理由は次のとおりです。

  • WindowsはPC側の通信を集計している
  • スマートフォン本体の通信はWindowsに含まれない
  • ほかのテザリング端末の通信は含まれない
  • Windowsと携帯電話会社で集計期間が異なる
  • 通信量の計算方法や端数処理が異なる
  • 携帯電話会社側で反映に時間がかかる場合がある

追加料金や速度制限の判断に使用されるのは、基本的に携帯電話会社側の通信量です。

Windowsの数値は日々の使い方を把握するための目安とし、月末や容量が少なくなった時点では、携帯電話会社の公式アプリや会員ページも確認してください。

従量制課金接続を有効にして通信量を抑える

データ通信量上限は通知を出す機能です。実際の通信量を減らしたい場合は、テザリングのネットワークを「従量制課金接続」に設定します。

従量制課金接続の設定手順

  1. 「設定」を開きます。
  2. 「ネットワークとインターネット」を選択します。
  3. 「Wi-Fi」を選択します。
  4. 接続中のスマートフォンのネットワーク名を選択します。
  5. 「従量制課金接続」をオンにします。

USBテザリングの場合は、次の経路になることがあります。

設定ネットワークとインターネットイーサネット接続中のネットワーク従量制課金接続

従量制課金接続を有効にすると、バックグラウンド更新やアプリの同期など、一部の通信が制限される場合があります。Microsoftは、Windows Update、Microsoft Store、オフラインファイルなどの動作が変わる可能性を案内しています。([マイクロソフト サポート][2])

ただし、従量制課金接続も完全な通信遮断機能ではありません。Webブラウザでのダウンロードや動画再生など、利用者が実行した通信は通常どおり発生します。

通信量をさらに節約する設定

テザリングを頻繁に使う場合は、Windows側の上限設定だけでなく、通信量が増えやすい機能も見直します。

OneDriveなどの同期を一時停止する

大量の写真やファイルを同期すると、短時間で数GBを使用することがあります。

タスクバーのOneDriveアイコンを選択し、設定メニューから同期を一時停止します。自宅や職場の固定回線に戻ったら、同期を再開します。

Windows Updateを手動で確認する

テザリング中に大きな更新プログラムをダウンロードしないよう、Windows Updateの画面を確認します。

従量制課金接続を有効にしていても、重要度や設定によっては通信が発生する可能性があります。長時間テザリングを使う前には、固定回線で更新を済ませておくと安心です。

動画の画質を下げる

動画配信サービスやWeb会議は、画質によって通信量が大きく変わります。

テザリング中は、4Kや高画質を避け、標準画質やデータ節約モードを選びます。Web会議では、不要な場合にカメラをオフにするだけでも通信量を抑えられます。

ゲームやアプリの自動更新を止める

Steam、Microsoft Store、Adobe製品などは、バックグラウンドで大容量の更新を行うことがあります。

テザリング中は、アプリごとの自動更新を停止するか、更新を固定回線接続時に限定します。

設定した上限を変更・解除する方法

契約プランの変更や月途中の残量に合わせて、上限は後から編集できます。

  1. 「設定」を開きます。
  2. 「ネットワークとインターネット」を選択します。
  3. 「ネットワークの詳細設定」を選択します。
  4. 「データ使用量」を選択します。
  5. 対象のネットワークを選択します。
  6. 「制限の編集」または「制限の削除」を選択します。

次のような場合は設定を見直してください。

  • 携帯電話の料金プランを変更した
  • データ容量の追加購入をした
  • テザリングに使用するスマートフォンを変更した
  • テザリングのネットワーク名を変更した
  • 月途中で残量が少なくなった
  • 出張や旅行が終了した

スマートフォンのネットワーク名を変更すると、Windowsが別のネットワークとして扱う場合があります。変更後は、上限設定や従量制課金接続が有効になっているか再確認してください。

データ使用量や上限設定が表示されない場合

データ使用量の画面が見つからない、または設定を変更できない場合は、次の点を確認します。

対象のテザリングに接続しているか確認する

別のWi-Fiに接続している状態では、スマートフォンのテザリング用ネットワークが選択肢に表示されないことがあります。

スマートフォンのテザリングに接続してから、設定画面を開き直してください。

USBテザリングはイーサネットも確認する

USBテザリングはWi-Fiではなく、イーサネット接続として認識されることがあります。

「データ使用量」画面のネットワーク選択欄で、イーサネットや別のネットワークアダプターを確認します。

会社や学校のPCでは管理者に確認する

組織が管理しているPCでは、ネットワーク設定が管理者によって固定されている場合があります。

項目がグレー表示されている、設定が保存できない、従量制課金接続を変更できない場合は、社内や学校のIT管理者に確認してください。Microsoftも、組織によって設定されている場合は利用者が変更できないことがあると案内しています。([マイクロソフト サポート][2])

テザリングの使いすぎを防ぐ設定のまとめ

Windows 11でテザリングの通信量を管理するときは、次の順番で設定します。

  1. スマートフォンのテザリングに接続する
  2. 「データ使用量」でPC全体とアプリごとの通信量を確認する
  3. 契約容量より少なめのデータ上限を設定する
  4. リセット日を携帯電話会社の更新日に合わせる
  5. 従量制課金接続を有効にする
  6. 最終的な残量は携帯電話会社のアプリでも確認する

最初に設定するなら、契約容量のすべてをWindowsに割り当てず、スマートフォン本体やほかの端末で使う分を差し引いてください。さらに1~2割程度の余裕を持たせておけば、集計差や予期しないバックグラウンド通信にも対応しやすくなります。
[1]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/experience/connectivity-networking/essential-network-settings-and-tasks-in-windows “Windows の重要なネットワーク設定とタスク | Microsoft Support”
[2]: https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/experience/connectivity-networking/metered-connections-in-windows?utm_source=chatgpt.com “Windows での従量制課金接続 | Microsoft Support”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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