新しいOutlook for Windowsでは、インターネット接続がない状態でも、添付ファイル付きメールを作成し、下書きとして保存できます。ただし、オフラインアクセスが有効であること、組織のポリシーでオフライン添付が許可されていること、添付するファイルがPC上に保存されていることが条件です。
特に注意したいのがOneDriveやSharePointのファイルです。青い雲アイコンが付いた「オンライン専用」のファイルは、接続がない状態では利用できません。事前にPCへダウンロードするか、エクスプローラーで「このデバイス上で常に保持する」を設定しておく必要があります。
この機能はMicrosoft 365 Roadmap ID 496371として案内され、ロードマップ上では2025年10月が提供時期として示されていました。新しいOutlookの公式リリースノートでも、2026年5月29日版に「オフラインでメールを作成しているときに、添付ファイルとインライン画像を追加できる」と明記されています。Microsoft 365 Roadmapの日付は予定であり、変更される可能性があります。(Microsoft)
結論:新しいOutlookならオフラインでも添付付き下書きを作成できる
新しいOutlook for Windowsで、オフライン中に利用できる主な操作は次のとおりです。
| 操作 | オフラインでの利用 | 注意点 |
|---|---|---|
| 新しいメールを作成する | 可能 | オフラインアクセスを有効にしておく |
| PC内のファイルを添付する | 可能 | ローカルに保存されたファイルを選ぶ |
| OneDriveのファイルを添付する | 条件付きで可能 | PCへダウンロード済みであること |
| OneDriveの共有リンクを作成する | 非推奨 | アクセス権確認やリンク作成に通信が必要 |
| メールを下書き保存する | 可能 | 通常は30秒ごとに自動保存される |
| [送信]を押す | 可能 | 送信トレイに入り、再接続後に送信処理される |
Microsoftのオフライン機能に関する案内では、メールの新規作成と下書き保存、添付ファイルの表示、送信トレイへの追加などが、オフライン中に利用できる操作として挙げられています。(マイクロソフトサポート)
ただし、Microsoftの一般向けサポートページには、オフライン中の添付ファイル追加を「Targeted Release」とする古い記載も残っています。一方、2026年5月29日のリリースノートでは利用可能と明記されているため、実際の利用可否は、アプリを最新版にしたうえでローカルファイルを使って確認するのが確実です。(マイクロソフトサポート)
オフラインで添付ファイルを追加するための条件
新しいOutlook for Windowsを使用している
この記事の手順は、Windows向けの「新しいOutlook」が対象です。クラシック版Outlookとは、オフライン機能の設定方法が異なります。
新しいOutlookでは、次の場所にオフライン設定があります。
設定 → 全般 → オフライン
クラシック版Outlookには、リボンの[送受信]タブに[オフライン作業]があります。[設定]の中に[オフライン]が見つからず、[送受信]タブが表示されている場合は、クラシック版Outlookを使用している可能性があります。(マイクロソフトサポート)
オフラインアクセスが有効になっている
新しいOutlookでは、オフラインアクセスは初期状態で有効です。ただし、利用者自身が無効にしていたり、組織の管理者がポリシーで禁止していたりすることがあります。
次の手順で確認します。
- 新しいOutlookを起動します。
- 画面右上の歯車アイコンから[設定]を開きます。
- [全般]を選択します。
- [オフライン]を開きます。
- [オフラインのメール、予定表、連絡先を有効にする]をオンにします。
- [保存]を選択します。
複数のメールアカウントを登録している場合は、設定対象のアカウントが正しいかも確認してください。
新しいOutlookは、メール、予定表、連絡先などのコピーを端末内に保存します。接続が回復すると、端末内の変更内容がサーバーと同期されます。(マイクロソフトサポート)
下書きフォルダーがオフライン保存の対象になっている
[設定]の[全般]から[オフライン]を開き、[保存するフォルダー]を確認します。
選択肢は次のとおりです。
| 設定 | 保存される主なフォルダー |
|---|---|
| 既定 | 受信トレイ、送信済み、下書き、アーカイブ、削除済み、スヌーズ |
| 既定とお気に入り | 既定のフォルダーと、お気に入り登録したフォルダー |
| 既定、お気に入り、最近使用したフォルダー | さらに最近使用したフォルダーを追加 |
下書きフォルダーは「既定」に含まれているため、通常は設定を変更する必要はありません。
メールを端末に保存する期間は、7日、30日、90日、180日から選択できます。初期値は30日です。端末の空き容量が不足すると、保存される項目が減ったり、オフラインアクセスが無効になったりする可能性があります。(マイクロソフトサポート)
組織のポリシーでオフライン添付が許可されている
会社や学校のMicrosoft 365アカウントでは、Exchange Onlineのメールボックスポリシーによって、オフライン機能や添付ファイルの利用が禁止されている場合があります。
管理者は、次の2つの設定を制御できます。
OfflineEnabledWin:新しいOutlookのオフライン機能を許可するAttachmentsOfflineEnabledWin:オフライン中の添付ファイル利用を許可する
いずれも既定値は有効ですが、OfflineEnabledWinが無効の場合は、AttachmentsOfflineEnabledWinが有効でもオフライン添付を利用できません。これらの設定はExchange Onlineに適用されます。(Microsoft Learn)
インターネット接続を切る前に添付ファイルを準備する
オフライン中の失敗で最も多いのは、添付しようとしたファイルがPC上に保存されていないケースです。
PC内に保存されているファイルを使う
確実なのは、次のようなローカルフォルダーに保存されたファイルです。
- デスクトップ
- ドキュメント
- ダウンロード
- PC内の任意の作業フォルダー
- USBメモリや外付けドライブ
VPN接続が必要なネットワークドライブや、社内ファイルサーバー上のファイルは、インターネット接続が切れると開けない可能性があります。出張や移動中に使う予定がある場合は、事前にローカルフォルダーへコピーしておきます。
OneDriveのファイルは「このデバイス上で常に保持する」にする
OneDriveのファイルは、エクスプローラーに表示されていても、実体がPCに保存されているとは限りません。
| アイコンの状態 | オフラインでの利用 |
|---|---|
| 青い雲 | 利用不可。オンライン専用 |
| 緑のチェック | 通常は利用可能。PCにダウンロード済み |
| 緑の丸に白いチェック | 利用可能。「常に保持する」設定済み |
確実にオフラインで利用するには、接続中に次の操作を行います。
- エクスプローラーで対象ファイルを右クリックします。
- [このデバイス上で常に保持する]を選択します。
- 緑の丸に白いチェックが表示されるまで待ちます。
- 一度ファイルを開き、正常に読み込めることを確認します。
青い雲アイコンのオンライン専用ファイルは、インターネット接続がない状態では開けません。OneDriveやSharePointのファイルを添付する場合は、あらかじめ端末へ保存しておく必要があります。(マイクロソフトサポート)
新しいOutlookでオフライン中に添付付き下書きを作る手順
オフライン状態で新しいメールを開く
新しいOutlookを起動し、[新しいメール]を選択します。
新しいOutlookでは、クラシック版のように[オフライン作業]ボタンを押して状態を切り替える必要はありません。オフラインアクセスが有効になっていれば、Wi-Fiの切断や通信障害を検知したときに、端末内のデータを使って動作します。
宛先、件名、本文を入力します。オフライン中は組織全体のグローバルアドレス一覧を完全には参照できないため、宛先候補が表示されない場合があります。その場合は、メールアドレスを直接入力してください。(マイクロソフトサポート)
PC上のファイルを添付する
メール作成画面で、次の順に操作します。
- [メッセージ]タブを開きます。
- [挿入]グループの[ファイルの添付]を選択します。
- [参照]または[このコンピューターを参照]を選択します。
- エクスプローラーから、PC内に保存されたファイルを選択します。
- [開く]を選択します。
- メール上部にファイル名が表示されたことを確認します。
新しいOutlookでは、PC上のファイルを選ぶと、そのファイルのコピーがメールに添付されます。OneDriveやSharePointを直接選ぶ場合は、共有リンクやアクセス権の設定が追加されますが、オフライン中は通信を必要とするため、ローカルファイルを[このコンピューターを参照]から選ぶ方法が最も確実です。(マイクロソフトサポート)
ドラッグ&ドロップに対応した環境では、エクスプローラーからメール作成画面へファイルをドラッグして添付することもできます。ただし、操作結果が分かりにくい場合は、[ファイルの添付]から選択してください。
添付後に元ファイルを修正した場合は添付し直す
PC内のファイルを添付すると、メールにはファイルのコピーが取り込まれます。そのため、添付後にWordやExcelで元ファイルを修正しても、メール内の添付ファイルは自動更新されません。
例えば、次のような順番で作業すると、古いファイルを送信することになります。
見積書.xlsxをメールに添付する- Excelで金額を修正する
- メールをそのまま送信する
修正後のファイルを送るには、古い添付ファイルを削除し、更新したファイルをもう一度添付してください。OneDriveやSharePointのファイルでも「コピーとして添付」した場合は、元ファイルの変更内容が同期されません。(マイクロソフトサポート)
メールを下書きとして保存する
新しいOutlookでは、作成中のメールが30秒ごとに下書きフォルダーへ自動保存されます。保存間隔や保存先は変更できません。
確実に保存したい場合は、次の操作を行います。
- メール作成画面の[オプション]を選択します。
- [下書きを保存]を選択します。
- メール作成画面を閉じます。
- 左側の[下書き]フォルダーを開きます。
- 保存したメールを開き、添付ファイルが残っていることを確認します。
通信が不安定な場所では、自動保存を待つだけでなく、[下書きを保存]を明示的に実行するのが安全です。(マイクロソフトサポート)
下書きと送信トレイの違いに注意する
オフライン中は、[下書きとして保存する]場合と[送信]を押す場合で、その後の動作が異なります。
| 操作 | 保存先 | 再接続後の動作 |
|---|---|---|
| [下書きを保存]を選ぶ | 下書き | 自動送信されない |
| 作成画面を閉じる | 下書き | 自動送信されない |
| [送信]を押す | 送信トレイ | 接続回復後に送信処理へ進む |
添付ファイルや宛先をオンライン復帰後にもう一度確認したい場合は、[送信]を押さず、下書きとして保存してください。
一方、内容が完成しており、接続が戻り次第送信してよい場合は、オフライン中に[送信]を押します。メールは送信トレイに保存され、接続が回復すると同期と送信処理が行われます。(マイクロソフトサポート)
添付できない場合の確認ポイント
| 症状 | 主な原因 | 対処方法 |
|---|---|---|
| [ファイルの添付]が反応しない | 古いアプリ、機能未反映、管理ポリシー | 新しいOutlookを更新し、管理者へポリシー確認を依頼する |
| [オフライン]設定が見つからない | クラシック版Outlookを使用している | 使用中のOutlookの種類を確認する |
| OneDriveファイルを選ぶとエラーになる | ファイルがオンライン専用 | 接続中に[このデバイス上で常に保持する]を設定する |
| 下書きフォルダーに保存されない | 保存前に終了、容量不足 | [下書きを保存]を実行し、PCの空き容量を確認する |
| 添付内容が修正前のまま | 添付後に元ファイルを編集した | 添付を削除し、最新ファイルを添付し直す |
| 再接続しても送信されない | 認証切れ、ファイルサイズ、禁止形式 | 送信トレイを開き、エラー表示と接続状態を確認する |
| オフライン中だけ添付できない | 組織ポリシーで禁止 | AttachmentsOfflineEnabledWinを管理者に確認してもらう |
Microsoftのオフライン機能では、利用できない操作を実行するとエラーが表示されたり、変更内容が以前の状態へ戻ったりすることがあります。添付後は、下書きを一度閉じて開き直し、ファイル名とサイズが保持されているか確認すると、保存失敗を早期に見つけられます。(マイクロソフトサポート)
アプリが古い場合は新しいOutlookを更新する
2026年5月29日のリリースノートでオフライン添付が案内されているため、それ以前の状態で更新が止まっている端末では、機能が利用できない可能性があります。(Microsoft Learn)
新しいOutlookは通常、自動的に更新されます。更新が反映されない場合は、次の順に確認します。
- Microsoft Storeを開きます。
- [ライブラリ]を開きます。
- [更新プログラムを取得]を選択します。
- Outlookの更新が表示されたら適用します。
- 新しいOutlookを完全に終了し、再起動します。
- ローカルの小さなファイルを使ってオフライン添付をテストします。
会社管理のPCでは、更新チャネルや配布タイミングが管理者によって制御されている場合があります。利用者側で更新できないときは、アプリのバージョンと発生した操作を管理者へ伝えてください。
管理者がExchange Onlineポリシーを確認する方法
Microsoft 365の組織アカウントで利用できない場合は、Exchange Online PowerShellでメールボックスポリシーを確認します。
Get-OwaMailboxPolicy |
Select-Object Name, OfflineEnabledWin, AttachmentsOfflineEnabledWin
オフライン機能とオフライン添付を許可する場合は、適用対象のポリシーを確認したうえで設定します。
Set-OwaMailboxPolicy -Identity "OwaMailboxPolicy-Default" `
-OfflineEnabledWin $true `
-AttachmentsOfflineEnabledWin $true
OwaMailboxPolicy-Defaultは例です。実際に利用者へ適用されているポリシー名へ置き換えてください。
AttachmentsOfflineEnabledWinは、オフライン機能自体が有効な場合にのみ動作します。OfflineEnabledWinが$falseの場合、添付ファイル側だけを$trueにしても利用できません。これらのパラメーターはExchange Online向けであり、個人用Outlook.comやGmailなどのアカウントを直接制御するものではありません。(Microsoft Learn)
オフライン添付を使うときの注意点
OneDriveの共有リンクはオンライン復帰後に設定する
OneDriveやSharePointの共有リンクを送る場合は、受信者のアクセス権確認や権限変更が必要です。新しいOutlookは、受信者がファイルを閲覧できないと判断した場合に警告を表示し、アクセス権の変更を促します。これらはクラウド上の情報を確認する処理であるため、接続中に行うのが安全です。(マイクロソフトサポート)
オフライン中は、次の流れを推奨します。
- ファイルをPCへ保存する
- コピーとしてメールに添付する
- 下書きに保存する
- オンライン復帰後に宛先と添付内容を確認する
- 必要に応じて共有リンクへ変更する
- 送信する
ファイル形式やサイズの制限は残る
オフラインで添付できても、すべてのファイルを送信できるわけではありません。
実行ファイルやスクリプトなど、一部の拡張子はOutlookや組織のセキュリティポリシーによってブロックされます。また、送信可能なメッセージサイズは、Microsoft 365の設定、メールサービス、組織のポリシーによって異なります。新しいOutlookでも、禁止されたファイル形式やサイズ制限は通常どおり適用されます。(マイクロソフトサポート)
容量の大きいファイルは、オフライン中に無理に添付せず、オンライン復帰後にOneDriveへアップロードして共有リンクを送る方法が適しています。
オフライン中はアドインを利用できない
新しいOutlookでは、オフライン中にOutlookアドインをインストールしたり使用したりできません。また、組織全体のアドレス一覧も完全には参照できません。(マイクロソフトサポート)
メール暗号化、電子署名、外部宛先警告、承認、データ損失防止などをアドインに依存している組織では、オフライン中に[送信]を押さないほうが安全です。下書きとして保存し、接続回復後にアドインが動作する状態で確認してから送信してください。
添付ファイルが端末内に保存されることを考慮する
オフライン機能では、メールや添付ファイルのデータが端末側に保存されます。機密情報を扱うPCでは、次の対策が必要です。
- Windowsへのサインインを必須にする
- BitLockerなどで端末を暗号化する
- 共有PCではオフライン機能を安易に有効にしない
- 不要になった添付ファイルや下書きを削除する
- PCの紛失時に遠隔管理できるようにする
利便性だけでなく、端末にデータを残すことのリスクも考慮してください。
よくある疑問
OneDrive内のファイルも添付できる?
PCへダウンロード済みであれば添付できます。
エクスプローラーで青い雲アイコンが表示されているファイルはオンライン専用です。接続中に[このデバイス上で常に保持する]を設定し、ローカルファイルとして[このコンピューターを参照]から選択してください。
下書きはオンライン復帰後に自動送信される?
下書きフォルダーに保存したメールは、自動送信されません。
オフライン中に[送信]を押したメールだけが送信トレイに入り、接続回復後に送信処理されます。送信前に再確認したいメールは、必ず下書きのまま残してください。
添付ファイルは自動保存される?
メールに正常に追加された添付ファイルは、本文や件名とともに下書きへ保存されます。
ただし、作成直後にOutlookを終了すると保存が間に合わない可能性があります。[オプション]から[下書きを保存]を実行し、下書きを開き直して添付ファイルが残っていることを確認してください。
公式サポートページに「まだ利用できない」と書かれているのはなぜ?
Microsoftの公式文書間で更新時期に差があります。一般向けのオフライン機能ページにはTargeted Releaseという記載が残っていますが、新しいOutlookの公式リリースノートでは、2026年5月29日にオフライン中の添付ファイル追加が利用可能と案内されています。(マイクロソフトサポート)
実務では、次の3点を確認してください。
- 新しいOutlookを最新版にする
- [設定]の[全般]からオフラインアクセスを有効にする
- PC内の小さなファイルを使って、添付と下書き保存をテストする
オフラインになる前に一度テストしておく
新しいOutlook for Windowsでは、オフライン中でも添付ファイル付きメールを下書きできます。安定して利用するための要点は次のとおりです。
- [設定]の[全般]からオフラインアクセスを有効にする
- 下書きフォルダーが端末保存の対象になっていることを確認する
- 添付ファイルをPC内へ保存しておく
- OneDriveファイルは[このデバイス上で常に保持する]を設定する
- [このコンピューターを参照]からローカルファイルを添付する
- [下書きを保存]を実行し、添付が残っているか開き直して確認する
- 送信前に確認したい場合は、オフライン中に[送信]を押さない
出張、飛行機、地下、通信障害など、実際にオフラインになる直前では設定や同期が間に合いません。接続できる場所で一度テストし、必要なファイルが端末内にあることまで確認しておくのが、最も確実な対策です。

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