Agent BuilderでSharePointリストを知識源にする方法|1リスト・2万件の制限と対処法

はい。Microsoft 365 CopilotのAgent Builderでは、SharePointリストをエージェントの知識源に指定し、リスト内の業務データを根拠に回答させられます。Microsoft 365 Roadmap ID 561920では、2026年6月に一般提供され、ステータスは「Launched」とされています。ロードマップ上の対象はデスクトップとWeb、Worldwide(Standard Multi-Tenant)です。(Microsoft)

ただし、登録できるSharePointリストは1エージェントにつき1つです。さらに、1リストあたり最大20,000項目かつ生テキスト50MBまでという制限があります。添付ファイルの内容とLookup(参照)列はグラウンディングに利用できません。これらの制限を理解せずに追加すると、一部のデータが回答に反映されなかったり、必要な列だけ取得できなかったりするため注意が必要です。(Microsoft)

この記事では、Agent BuilderにSharePointリストを追加する手順、管理者が確認すべき設定、1リスト・2万件制限への対処方法、正しく回答できているかを検証する方法まで具体的に解説します。

目次

Agent BuilderでSharePointリストを知識源にできる

Agent BuilderのSharePointリスト対応は、リストに保存した構造化データをエージェントの回答根拠として利用する機能です。

たとえば、次のようなリストを自然言語で検索できます。

  • 契約台帳から、更新期限が近い契約を調べる
  • 問い合わせ管理リストから、特定顧客の対応状況を確認する
  • 備品台帳から、貸出中の端末と利用者を一覧にする
  • 案件管理リストから、担当部署別の進捗を整理する
  • FAQ管理リストから、質問に対応する回答を検索する

2026年7月20日時点の主な仕様は次のとおりです。

確認項目現在の仕様
提供状況一般提供、Roadmap上はLaunched
Roadmap ID561920
対象プラットフォームDesktop、Web
対象クラウドWorldwide(Standard Multi-Tenant)
SharePointリスト数1エージェントにつき1リスト
項目数1リスト最大20,000項目
テキスト容量生テキスト最大50MB
上限超過時データが切り詰められ、回答内に切り詰めの通知が表示される
添付ファイル添付内容はインデックス化されず、回答根拠に使われない
Lookup列未対応
他の知識源との併用SharePointファイルなど、別種の知識源は追加可能

1リストしか指定できない一方で、そのエージェントにSharePointファイル、フォルダー、サイトなど別種の知識源を組み合わせることは可能です。たとえば、「契約台帳リスト」と「契約事務マニュアル」を同じエージェントに持たせる構成が考えられます。(Microsoft)

SharePointリストを追加する前に確認すること

設定作業を始める前に、次の条件を確認します。

確認項目確認内容
Agent Builderの利用Microsoft 365 Copilotで「新しいエージェント」が表示されるか
管理者ポリシー対象ユーザーまたはグループにエージェント利用が許可されているか
SharePoint権限作成者と利用者が対象リストを閲覧できるか
Restricted SharePoint Search有効になっていないか
リスト件数20,000項目以下か
データ容量長文列を含め、生テキスト50MBを超える可能性がないか
列の種類添付ファイルやLookup列に重要情報を依存していないか
ネットワークPower Platformの必要なエンドポイントが遮断されていないか

Agent BuilderはMicrosoft 365 CopilotアプリのWeb版やデスクトップ環境、Teamsのデスクトップ版およびWeb版から利用できます。モバイル版はエージェント作成の対象外です。(Microsoft Learn)

また、Restricted SharePoint Searchが有効なテナントでは、SharePointをAgent Builderの知識源として使用できません。リストが選択肢に表示されない場合は、権限だけでなく、この設定も管理者に確認してください。(Microsoft Learn)

Agent BuilderにSharePointリストを追加する方法

SharePointリストは、ファイル選択画面から探す方法と、リストURLを直接入力する方法の2通りで追加できます。

一覧からSharePointリストを選択する手順

最初は、ファイル選択画面から追加する方法が分かりやすいでしょう。

  1. Microsoft 365 CopilotをデスクトップまたはWebで開きます。
  2. 左側のメニューから「新しいエージェント」を選択します。
  3. 手動で設定する場合は「構成に進む」または「Skip to configure」を選択します。
  4. 「知識」セクションを開きます。
  5. 「クラウドファイルを添付」または「Attach cloud files」を選択します。
  6. ファイル選択画面の左側から「最近使ったリスト」または「Recent lists」を選択します。
  7. 知識源にするSharePointリストを選択します。
  8. エージェントの名前、説明、指示を入力します。
  9. テスト画面で回答を確認してから作成・共有します。

SharePointやOneDriveのファイル、フォルダー、リストは「Browse」から選択できます。最近作成したサイトやリストは、選択画面に表示されるまで数分かかる場合があります。(Microsoft Learn)

SharePointリストのURLを直接入力する手順

リストが選択画面に表示されない場合は、リストURLを直接入力します。

  1. SharePointで対象リストを開きます。
  2. リストの共有操作から「リンクをコピー」を選択します。
  3. URLにクエリパラメーターが含まれている場合は削除します。
  4. Agent Builderの「知識」で「URLを入力」を選択します。
  5. 対象リストのURLを貼り付けてEnterキーを押します。

たとえば、コピーしたURLが次の形式だったとします。

https://contoso.sharepoint.com/sites/sales/Lists/Contracts/AllItems.aspx?viewid=12345678

この場合は、疑問符以降を削除して入力します。

https://contoso.sharepoint.com/sites/sales/Lists/Contracts/AllItems.aspx

フィルターやグループ化が設定されたビューのURLではなく、リスト自体への直接リンクを指定してください。また、SharePointサイトのURLだけを登録しても、そのサイト内のリストは自動的に知識源へ含まれません。対象リストを個別に指定する必要があります。(Microsoft Learn)

フィルター済みビューを知識源として使わない

「進行中の案件だけ」「今年度のデータだけ」といったフィルター済みビューをURLで追加しても、そのビューを独立した知識源として扱う設計にはできません。Microsoftは、フィルター済みまたはグループ化済みビューではなく、特定リストへの直接リンクを使うよう案内しています。(Microsoft Learn)

対象データを限定したい場合は、次のいずれかで対応します。

  • エージェントへの指示で対象年度や状態を明確にする
  • 対象データだけを保持する専用リストを作る
  • Power Automateなどで元リストからAI参照用リストへ同期する
  • 現役データと過去データを分け、別のエージェントにする

重要情報を確実に限定したい場合は、ビューのフィルターに依存するよりも、AI参照用の物理的なリストを用意した方が管理しやすくなります。

1リスト・2万件・50MBの制限を正しく理解する

Agent Builderでは、1つのエージェントに追加できるSharePointリストは1つです。1リストに含められるデータにも、次の2つの上限があります。

  • 項目数は最大20,000件
  • 生テキストは最大50MB

どちらか一方でも超えると、リストの内容が切り詰められます。エージェントの作成そのものが必ず失敗するわけではなく、回答時に切り詰められた旨が表示されます。(Microsoft Learn)

20,000件未満でも制限にかかることがある

件数だけを確認しても十分ではありません。複数行テキスト、説明、履歴、HTMLを含む長文列が多いリストでは、20,000件に達する前に50MBの上限を超える可能性があります。

リストの状態判定
18,000件、テキスト40MB両方の上限内
12,000件、テキスト55MB50MB上限を超える
25,000件、テキスト10MB20,000件上限を超える
8,000件のリストを2つ追加1エージェント1リストの制限により不可

50MBは添付ファイル容量ではなく、リストから処理される生テキストの上限です。そのため、画像やPDFの添付容量を減らしても、添付ファイル自体がグラウンディング対象外である以上、問題の解決にはなりません。

SharePointの5,000件しきい値とは別の制限

SharePointには、既定で約5,000項目の「リストビューのしきい値」があります。一方、Agent Builderの20,000件は、エージェントが1つの知識源として扱うリストの上限です。両者は別の制限です。(Microsoftサポート)

制限影響する範囲
SharePointの約5,000件しきい値リストの表示、検索、フィルター、クエリのパフォーマンス
Agent Builderの20,000件上限エージェントが知識源として扱える項目数
Agent Builderの50MB上限エージェントが処理できるリスト内の生テキスト量

「Agent Builderが20,000件に対応したため、SharePointで20,000件を無条件に一覧表示できる」という意味ではありません。大規模リストを日常的に操作する場合は、SharePoint側でもインデックス列や絞り込み条件を設計してください。

添付ファイルとLookup列が使えない場合の対処

Roadmap ID 561920では、リストの添付ファイルとLookup列は未対応と明記されています。Microsoft Learnでも、添付ファイル列はインデックス化されず、添付内容を根拠に回答しないと説明されています。(Microsoft)

添付ファイルを参照させたい場合

たとえば、問い合わせ管理リストに回答書PDFを添付していても、エージェントはそのPDF本文を根拠に回答できません。

次の構成へ変更します。

  1. PDFやWordファイルをSharePointのドキュメントライブラリに保存します。
  2. リストには文書URL、文書名、概要などを通常列として保存します。
  3. 必要なファイルまたはフォルダーを、別のSharePoint知識源としてエージェントに追加します。
  4. エージェントへの指示で、台帳情報と関連文書を併せて確認するよう指定します。

リスト内に文書へのリンクを保存しただけでは、リンク先の本文まで自動的に知識源になるとは限りません。回答に必要な文書は、ファイルやフォルダーとして明示的に追加するのが確実です。

Lookup列を参照させたい場合

Lookup列が重要な場合は、参照先の表示値を通常のテキスト列へ複製します。

たとえば、契約台帳の「担当部署」が別リストへのLookup列なら、次のような列を追加します。

元の列AI参照用の列
担当部署(Lookup)担当部署名(1行テキスト)
顧客(Lookup)顧客名(1行テキスト)
商品(Lookup)商品コード、商品名(1行テキスト)

更新作業を手入力にすると不整合が発生しやすいため、Power Automateなどで参照値を通常列へ同期する運用が適しています。

その他の複雑な列も事前テストする

公式情報で明確に未対応とされているのは、添付ファイルとLookup列です。ただし、実務ではユーザー列、複数選択列、管理メタデータ、複雑な書式設定を含む列なども、本番データで回答結果を確認した方が安全です。

期待どおりの回答にならない場合は、AIが読み取りやすい通常のテキスト列を追加します。たとえば、複数の重要列をまとめた「検索用要約」列を作る方法があります。

管理番号:C-1024
契約名:保守サービス契約
担当部署:情報システム課
状態:有効
契約終了日:2026年8月31日

このように項目名と値の関係を明確にすると、Title、Value1、備考2のような意味が分かりにくい列名だけで構成するより、質問とデータを対応させやすくなります。

1リスト制限や2万件超に対処する設計

複数の業務リストをそのまま1つのエージェントへ追加することはできません。要件に応じて、次の設計から選びます。

要件適した対処
現役データだけ検索したい現役データ専用リストへ同期する
現役と過去を分けたい現役用とアーカイブ用でエージェントを分ける
部署ごとに独立した台帳がある部署ごとにエージェントを作る
複数リストを横断して回答したい統合リストを作るか、Copilot Studioを検討する
20,000件を超える年度、地域、部署、状態などで物理的に分割する
長文により50MBを超える古い履歴や不要な長文を別リスト・文書へ移す
更新や承認も実行したいCopilot StudioやPower Automateを組み合わせる

AI参照用の統合リストを作る

複数リストに散らばる情報を検索したい場合は、元データを直接変更せず、AI参照用の統合リストを作る方法があります。

たとえば、次の3つのリストがあるとします。

  • 顧客マスター
  • 契約台帳
  • 問い合わせ台帳

契約や問い合わせの検索が主目的なら、AI参照用リストに次の項目をまとめます。

  • 管理番号
  • 顧客名
  • 契約名
  • 担当部署
  • 契約状態
  • 問い合わせ概要
  • 最終対応日
  • 関連文書URL

Power Automateなどで定期的に同期すれば、1リスト制限を回避しながら、元システムとの役割も分離できます。

ただし、統合後のリストも20,000件・50MB以内に収める必要があります。

年度別に分けるだけでよいとは限らない

単純に年度別へ分割すると、「過去3年間を横断して調べたい」という質問に答えられなくなります。

分割基準は、利用者が実際にどの範囲を一度に検索するかで決めます。

  • 日常的に現役案件だけを見るなら、状態で分割する
  • 地域担当者が自分の地域だけを見るなら、地域で分割する
  • 部署間で情報を共有しないなら、部署で分割する
  • 過去データは監査時だけ使うなら、現役とアーカイブで分ける

「保存しやすい単位」ではなく、「質問する単位」で分割することが重要です。

管理者が確認すべき設定

Agent Builderの画面が表示されない、SharePointリストを追加できない、共有相手だけ回答を取得できない場合は、管理者設定を確認します。

エージェントの利用対象を確認する

Microsoft 365管理センターでは、次の場所からエージェントの利用対象を管理できます。

Agents
  └ Settings
      └ User access

選択肢は次の3つです。

  • All users
  • No users
  • Specific users/groups

テナントが「No users」になっている場合や、対象者が指定グループに含まれていない場合は、Agent Builderを利用できません。(Microsoft Learn)

共有範囲についても、Microsoft 365管理センターで組織全体、特定ユーザー、特定グループなどを管理できます。管理者はAgent Registryからエージェントの情報、利用可能範囲、データやツールを確認し、割り当て、展開、ブロック、削除などを行えます。(Microsoft Learn)

Restricted SharePoint Searchを確認する

Restricted SharePoint Searchが有効になっている環境では、SharePointをAgent Builderの知識源として追加できません。リストだけでなく、SharePoint全体が知識源として利用できなくなる点に注意してください。(Microsoft Learn)

組織で同機能を有効にしている場合は、SharePointリスト対応を利用するために設定方針そのものを見直す必要があります。利用者個人の権限変更だけでは解決しません。

SharePointリストの権限を確認する

Agent Builderは、利用者に新しいアクセス権限を付与しません。エージェントを共有しても、共有相手が元のSharePointリストを閲覧できなければ、そのユーザーにはリストの情報が表示されません。(Microsoft Learn)

したがって、次の2つは別々に設定します。

  1. エージェントを利用できるユーザー
  2. SharePointリストを閲覧できるユーザー

SharePointでは、サイト、リスト、アイテム単位でアクセスを制御できます。機密情報を含むリストでは、エージェント共有前に実際の利用者アカウントで権限を確認してください。(Microsoft)

ネットワークの許可設定を確認する

Agent Builderの作成、構成、公開、共有には、標準のMicrosoft 365接続先に加えて、次のドメインへのHTTPS接続が必要です。

*.api.powerplatform.com

社内プロキシやファイアウォールで遮断されていると、エージェントの保存や公開、共有が正常に進まない可能性があります。(Microsoft Learn)

ライセンスまたは課金構成を確認する

Agent BuilderはMicrosoft 365 Copilotのアドオンライセンスに含まれます。また、環境によってはCopilot Creditsや従量課金を利用できます。

無償で利用できるAgent Builderの範囲は、Web知識だけでグラウンディングするエージェントです。SharePointリストを知識源にする場合は、Microsoft 365 Copilotライセンスまたは組織で用意した適切な課金構成を確認してください。(Microsoft Learn)

リストデータから正しく回答させる指示の書き方

SharePointリストを追加しただけでは、回答形式や判断基準までは決まりません。エージェントの「指示」に、使用する列、回答形式、見つからない場合の処理を記載します。

契約台帳なら、次のような指示を設定できます。

このエージェントは、指定されたSharePointの契約台帳リストを
業務情報の主な根拠として使用します。

回答時は次のルールを守ってください。

1. 契約を特定するときは、管理番号を優先してください。
2. 契約名、担当部署、状態、契約終了日を回答してください。
3. 複数件ある場合は、管理番号付きの表で回答してください。
4. 条件に一致する項目がない場合は「該当する項目は見つかりません」と回答してください。
5. リストに存在しない値を推測で補完しないでください。
6. 件数や金額を回答するときは、対象条件と対象件数を明記してください。
7. 添付ファイルとLookup列は根拠として使用しないでください。

エージェントには「Only use specified sources」という設定がありますが、これは指定した知識源を優先する設定であり、一般的なAI知識を完全に遮断するものではありません。厳密に知識源以外の回答を禁止したい場合は、Copilot Studioの利用を検討する必要があります。(Microsoft Learn)

正しくグラウンディングできたか確認する方法

作成直後から全社共有するのではなく、少人数で次のテストを行います。

一意の管理番号で検索する

まずは、答えが一意に決まる項目で確認します。

管理番号「C-1024」の契約名、担当部署、状態、契約終了日を回答してください。
回答には管理番号も含めてください。

SharePointリストを直接開き、各列の値と一致しているか比較します。

複数条件で絞り込む

次に、選択列や日付列を含む質問を試します。

状態が「対応中」で、期限が2026年8月31日以前の項目を、
管理番号、件名、担当部署、期限の表で回答してください。

条件に該当する項目が多い場合は、SharePoint側のフィルター結果と件数を比較します。

件数や合計値を検証する

状態が「有効」の契約について、対象件数と契約金額の合計を回答してください。
集計に使用した管理番号も列挙してください。

金額、在庫、請求、支給額など正確性が重要な集計は、エージェントの回答だけで確定しないでください。SharePoint、Excel、Power BIなどの確定値と照合します。

添付ファイルとLookup列を確認する

重要な値が添付ファイルやLookup列に入っている場合は、意図的に質問して未対応の影響を確認します。

管理番号「C-1024」に添付されたPDFの内容を要約してください。

添付内容を答えられないのは、現在の仕様どおりです。PDF本文が必要なら、ドキュメントライブラリ側のファイルを別の知識源として追加します。

権限の異なるユーザーで確認する

次の2種類のユーザーでテストします。

  • 対象リストを閲覧できるユーザー
  • 対象リストを閲覧できないユーザー

後者にリスト情報が表示されないことを確認します。Agent Builderは既存のMicrosoft 365アクセス権限を尊重し、エージェントによって新しい権限が追加されることはありません。(Microsoft Learn)

上限超過の通知を確認する

件数やテキスト量が上限付近の場合は、回答内に切り詰めの通知が表示されていないか確認します。

通知が表示された状態で運用を続けると、質問によって回答対象になる項目が不足する可能性があります。リストの分割、アーカイブ、長文列の整理を行ってから再テストしてください。

SharePointリストが追加できない・回答が欠けるときの対処

症状主な原因対処
リストが選択画面にない最近使ったリストに表示されていないリストURLを直接入力する
サイトを追加したのにリストを参照しないサイト指定ではリストが含まれない対象リストを個別に追加する
URLを追加できないクエリパラメーターが含まれている?以降を削除する
フィルターした内容だけ検索できないフィルター済みビューは対象にできない専用リストを作る
添付PDFの内容を答えない添付ファイルは未対応ファイルを別の知識源として追加する
Lookup列の値が回答に出ないLookup列は未対応通常のテキスト列へ値を同期する
一部の項目が回答に出ない20,000件または50MB超過分割、アーカイブ、長文削減を行う
SharePoint自体を追加できないRestricted SharePoint Searchが有効管理者に設定を確認する
作成者は答えられるが共有相手は答えられない共有相手にリスト権限がないSharePoint側の権限を設定する
新しいエージェントが表示されない管理者のUser accessまたはライセンス管理センターとライセンスを確認する
保存や共有に失敗する必要な通信先が遮断されている*.api.powerplatform.comを確認する

URL、リスト指定、上限超過、Restricted SharePoint Search、添付ファイルに関する挙動は、Microsoft Learnに記載された現在の仕様です。(Microsoft Learn)

Agent BuilderとCopilot Studioの使い分け

Agent Builderは、個人や小規模チームが、既存のMicrosoft 365コンテンツを使ったQ&Aエージェントを短期間で作る用途に適しています。

一方、Copilot Studioは、部門全体や組織全体への展開、複数ステップの処理、承認、分岐、外部システム連携、詳細なライフサイクル管理が必要な場合に適しています。Microsoftも、対象ユーザー、展開範囲、機能、ガバナンス要件を基準に使い分けるよう案内しています。(Microsoft Learn)

要件Agent BuilderCopilot Studio
1つのリストを使ったQ&A適している対応可能
個人・小規模チーム適している機能過多になりやすい
ノーコードで素早く作成適している設計項目が多い
複数の業務システム連携制約がある適している
更新、登録、承認処理単純なQ&A向けワークフローを構成しやすい
厳密な知識源制御一般AI知識を完全には遮断できないより詳細に制御可能
開発・テスト・本番環境の管理軽量ALMを含む高度な管理が可能
外部ユーザーへの展開主用途ではない適している

最初はAgent Builderで小さく検証し、1リスト制限、複数データソース、アクション、ガバナンスが課題になった段階でCopilot Studioへ移行する方法もあります。Agent Builderで作成したエージェントは、必要に応じてCopilot Studioへコピーして拡張できます。(Microsoft Learn)

まとめ

Agent Builderでは、SharePointリストをエージェントの知識源として利用できます。ただし、現在の主要な制限は次のとおりです。

  • 1エージェントにつきSharePointリストは1つ
  • 1リスト最大20,000項目
  • 生テキスト最大50MB
  • 上限を超えると内容が切り詰められる
  • 添付ファイルの内容は利用できない
  • Lookup列は未対応
  • サイトを指定しただけではリストは含まれない
  • フィルター済みビューではなく、リスト本体を指定する
  • Restricted SharePoint Searchが有効な環境では利用できない
  • エージェント共有とは別に、SharePointリストの権限が必要

導入時は、まず対象リストの件数、長文列、添付ファイル、Lookup列を確認します。その後、少人数向けのエージェントを作成し、管理番号による検索、複数条件、集計、権限差のテストを行ってください。

1つのリストとQ&Aで要件を満たせるならAgent Builderが効率的です。複数リストの横断、更新処理、承認、厳密な知識制御まで必要なら、AI参照用統合リストまたはCopilot Studioへの移行を検討するのが現実的です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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