Windows 11のWi-Fi電源管理ブルースクリーンをBuild 28000.2605で改善|対象と対処法

Windows 11でWi-Fiの電源管理が関係するとみられるブルースクリーンが発生している場合、MicrosoftはWindows 11 version 26H1のRelease Preview Build 28000.2605で、ネットワークスタックの信頼性を高め、Wi-Fiの電源に関連するバグチェック、つまりブルースクリーンの発生を減らす改善を案内しています。(Microsoft Learn)

ただし、現時点で「すべてのWindows 11 PCに修正済み」「Wi-Fi関連のブルースクリーンが完全に解消した」とは言えません。Build 28000.2605はRelease Preview向けであり、該当するネットワーク改善は段階的に展開されます。

一般利用中のPCでは、修正だけを目的にWindows Insider Programへ参加するのではなく、まず現在のWindows 11バージョンに対応する最新の累積更新プログラムと、PCメーカーが提供するWi-Fiドライバーを適用してください。再発する場合は、停止コードやダンプファイルを残して原因を切り分けることが重要です。

目次

Build 28000.2605でWi-Fi電源関連のブルースクリーンを改善

MicrosoftはBuild 28000.2605のネットワーク関連変更として、Windowsのネットワークスタックの信頼性を改善し、Wi-Fiの電源に関連するバグチェックを減らしたと説明しています。携帯ネットワークの接続性、IPv6 VPN、サードパーティ製VPN、ネットワークアダプター設定の保持なども、同じネットワーク改善項目に含まれています。(Microsoft Learn)

実務上は、次のように読み取るのが適切です。

公式情報から分かること実務上の判断
Windowsのネットワークスタックを改善OS側のネットワーク処理に修正や調整が加えられた
Wi-Fiの電源に関連するバグチェックを減らす該当条件でのブルースクリーン発生頻度低下が期待できる
対象機種やWi-Fiアダプター名の記載なし特定メーカーや特定モデルだけの問題かは判断できない
停止コードやドライバーファイル名の記載なし手元のブルースクリーンが同じ問題かは個別の切り分けが必要
「解決した」ではなく「減らす」と説明完全に再発しなくなる保証ではない

「完全修正」ではなく「発生を減らす改善」

Microsoftの表現は、問題を完全に解決したことを示すものではなく、Wi-Fiの電源に関連するブルースクリーンを減らすという内容です。

そのため、Build 28000.2605をインストールした後もブルースクリーンが発生する可能性はあります。考えられる理由は次のとおりです。

  • 段階的展開のため、該当する改善がまだ端末で有効になっていない
  • 発生しているブルースクリーンが別のWi-Fiドライバー問題である
  • メモリ、ファームウェア、VPNソフトなど、Wi-Fi以外の要因が関係している
  • 同じ症状に見えても、異なる停止コードやドライバーが原因になっている

Windowsの停止エラーには、OS、デバイスドライバー、ハードウェア、追加したソフトウェアなど、複数の原因が考えられます。停止コードやダンプファイルを確認せず、すべてを今回のWi-Fi問題と判断するのは避けてください。(Microsoft Learn)

Wi-Fiの問題を「エラー0x9F」と断定しない

Build 28000.2605のリリースノートには「エラーコード0x9F」という記載もありますが、これはBluetoothの安定性改善に含まれる説明です。Wi-Fi電源関連の改善項目には、特定の停止コードが記載されていません。(Microsoft Learn)

したがって、今回のWi-Fi問題を一律に次のように表現するのは正確ではありません。

  • Wi-Fiの0x9F問題が修正された
  • DRIVER_POWER_STATE_FAILUREが完全に修正された
  • 特定メーカーの無線LANドライバーが原因だった

実際のブルースクリーンに0x9FやDRIVER_POWER_STATE_FAILUREが表示されていたとしても、それだけでBuild 28000.2605の修正対象と断定することはできません。

Build 28000.2605の対象と提供状況

Build 28000.2605は、2026年7月20日にWindows 11 version 26H1のRelease Preview向けとして発表されました。Microsoftは発表後にビルド番号を訂正しており、現在の公式な表記は28000.2605です。(Microsoft Learn)

項目内容
対象OSWindows 11 version 26H1
チャネルRelease Preview
OSビルド28000.2605
発表日2026年7月20日
Wi-Fi改善の展開方式段階的展開
一般提供状況Build 28000.2605としては一般安定版への提供を確認できない

Release Previewは、一般提供前の変更を先行して確認するためのチャネルです。通常の製品版より安定性を重視した位置付けではあるものの、あくまでプレビュー版であり、業務上重要なPCへ修正目的だけで導入することは推奨できません。(Microsoft Learn)

同じビルドでも改善が有効とは限らない

Wi-Fi電源関連のブルースクリーン改善は、リリースノートの「Gradual rollout」に掲載されています。

段階的展開では、すべての対象端末に同時に変更が配信されるわけではありません。そのため、OSビルドが28000.2605になっていても、その時点で該当するネットワーク改善まで有効になっているとは限りません。(Microsoft Learn)

確認画面に「Wi-Fi電源関連修正:有効」と表示されるような専用項目も案内されていません。実際に改善されたかどうかは、更新後に同じ利用条件で再現テストを行い、ブルースクリーンの発生状況を比較する必要があります。

「一般提供前」の意味を正しく理解する

今回、一般提供前なのはWindows 11 26H1そのものではなく、Build 28000.2605と、そのビルドで案内された26H1向け改善です。

Windows 11 version 26H1には、2026年7月14日付の通常の累積更新プログラムとしてKB5101649、OS Build 28000.2525が存在します。Build 28000.2605は、その後にRelease Previewへ提供された先行ビルドです。(マイクロソフトサポート)

したがって、次のように区別する必要があります。

  • Windows 11 26H1がすべて未提供という意味ではない
  • Build 28000.2605はRelease Preview向け
  • 26H1安定版にWi-Fi電源関連改善が配信済みとは断定できない
  • 一般提供時にはビルド番号や更新プログラムの内容が変わる可能性がある

24H2・25H2では同系統の改善が先に案内されている

同じ「Wi-Fiの電源に関連するバグチェックを減らす」という改善は、Windows 11 version 24H2・25H2向けのKB5095093 Previewでも案内されています。さらに、2026年7月14日のKB5101650は、KB5095093で提供された新機能や品質改善を含む累積更新として説明されています。(マイクロソフトサポート)

つまり、24H2や25H2を使用しているPCは、この問題を改善するためだけに26H1 Release Previewへ移行する必要はありません。まず自分のWindows 11バージョンに対応する最新の累積更新プログラムを適用してください。

ただし、24H2・25H2向けのWi-Fi改善も当初は段階的展開に分類されていました。KB番号を確認しただけで、すべての端末に同じ変更が有効になったと断定しない方が安全です。

自分のPCが対象か確認する方法

Windows 11のバージョンとOSビルドを確認する

最も簡単なのは、winverを実行する方法です。

  1. WindowsキーとRキーを同時に押します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」にwinverと入力します。
  3. 「Windowsのバージョン情報」に表示されるバージョンとOSビルドを確認します。

「設定」から確認する場合は、設定 > システム > バージョン情報 > Windowsの仕様を開きます。Microsoftも、winverまたは「システム > バージョン情報」でビルド番号を確認する方法を案内しています。(マイクロソフトサポート)

確認結果は次のように判断します。

表示内容判断次に行うこと
26H1・Build 28000.2605・Release Preview今回の直接的な対象再起動後、同じ条件で再現テスト
26H1・Build 28000.2525以前Build 28000.2605の改善を導入済みとは判断できないWindows Updateを確認し、一般提供を待つ
24H2または25H2別の更新系統そのバージョン向けの最新累積更新を適用
Windows Insider未参加通常の安定版環境修正目的だけでInsiderへ参加しない
Build 28000.2605でも再発未展開または別原因の可能性Wi-Fiドライバーとダンプを確認

Windows Insider Programの状態は、設定 > Windows Update > Windows Insider Programで確認できます。

Wi-Fi関連のブルースクリーンが発生するときの対処法

ブルースクリーンが繰り返し発生する場合は、設定を無作為に変更するのではなく、次の順番で切り分けてください。

優先順位対処目的
1Windows Updateを適用OS側の既知問題を解消する
2Wi-Fiドライバーを更新機種固有のドライバー問題を解消する
3電源管理を一時的に無効化省電力状態との関連を切り分ける
4停止コードとダンプを保存原因となった処理やドライバーを特定する
5Release Previewで検証修正候補の有効性をテスト端末で確認する

停止コードと発生条件を記録する

ブルースクリーンが表示されたら、可能な範囲で次の情報を記録します。

  • 停止コード
  • 画面に表示された.sysファイル名
  • 発生日時
  • スリープや休止状態から復帰した直後か
  • バッテリー駆動とAC電源を切り替えた直後か
  • Wi-Fiのオン・オフや再接続を行った直後か
  • VPN接続中だったか
  • 直前にWindows、Wi-Fiドライバー、BIOSを更新したか
  • 同じ操作で再現するか

Microsoftは今回の問題について、具体的な発生条件や対象機種を公表していません。スリープ復帰や電源切り替えなどは、原因を断定するためではなく、再現条件を見つけるために記録します。

Windows Updateを最新にする

設定 > Windows Update > 更新プログラムのチェックを開き、利用できる累積更新プログラムをインストールします。インストール後は、シャットダウンだけで済ませず、明示的に再起動してください。

Microsoftも停止エラーの基本的な対処として、最新のWindows更新プログラムをインストールすることを案内しています。(Microsoft Learn)

24H2や25H2を使用している場合は、26H1のビルド番号を探すのではなく、自分のバージョンに対応する最新の累積更新プログラムを適用します。

Wi-Fiドライバーを更新する

Windows Updateには、通常の更新とは別にオプションのドライバー更新が表示される場合があります。

設定 > Windows Update > 詳細オプション > オプションの更新プログラム > ドライバー更新プログラム

Wi-FiまたはWireless LANに関係する更新がある場合は、現在のドライバーバージョンを記録したうえで適用します。オプションのドライバーは自動でインストールされない場合があります。(マイクロソフトサポート)

Windows Updateで新しいドライバーが見つからない場合は、PCメーカーの公式サポートページで、機種番号に対応するWi-Fiドライバーを確認してください。Microsoftも、ドライバーを手動で取得する場合はデバイスメーカーの公式サイトを利用し、非公式なドライバーダウンロードサイトを避けるよう案内しています。(マイクロソフトサポート)

特にノートPCでは、無線LANチップメーカーが公開する汎用ドライバーより、PCメーカーが電源管理やファームウェアとの組み合わせを確認したドライバーを優先した方が安全です。

Wi-Fiアダプターの電源管理を一時的に無効化する

Wi-Fiの電源管理が原因かを切り分ける目的で、アダプターの省電力設定を一時的に無効化できる場合があります。

  1. スタートボタンを右クリックします。
  2. 「デバイス マネージャー」を開きます。
  3. 「ネットワーク アダプター」を展開します。
  4. 使用中のWi-Fiアダプターを右クリックします。
  5. 「プロパティ」を開きます。
  6. 「電源の管理」タブを選択します。
  7. 「電力の節約のために、コンピューターでこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外します。
  8. PCを再起動して再現状況を確認します。

「電源の管理」タブが表示されない機種では、この方法は使用できません。レジストリを変更して無理に項目を表示させることは避けてください。

Windowsのデバイス電源管理は、OS、ハードウェア、ファームウェア、デバイスドライバーが連携して動作します。ネットワークアダプターには選択的なサスペンドなどの電源管理機能もあるため、一時的な無効化は切り分けに利用できます。(Microsoft Learn)

ただし、これはBuild 28000.2605に対してMicrosoftが案内した公式回避策ではありません。設定を無効にするとバッテリー消費が増えたり、スリープ中のネットワーク機能に影響したりする可能性があります。検証が終わったら元の設定に戻してください。

ミニダンプを確認する

繰り返しブルースクリーンが発生する場合は、次のフォルダーにダンプファイルが作成されているか確認します。

C:\Windows\Minidump

ダンプが作成されていない場合は、次の設定を確認します。

  1. Windows検索で「システムの詳細設定」と入力します。
  2. 「システムのプロパティ」を開きます。
  3. 「詳細設定」タブを選択します。
  4. 「起動と回復」の「設定」を開きます。
  5. 「デバッグ情報の書き込み」を「最小メモリダンプ」にします。

Microsoftの資料でも、最小メモリダンプの設定と保存先の確認方法が案内されています。(Microsoft Learn)

ダンプ内にWi-Fiドライバーと思われる.sysファイルが記録されていても、そのファイルが必ず根本原因とは限りません。クラッシュ時に呼び出されていた処理の一部として記録される場合もあるため、停止コード、呼び出し履歴、ドライバーバージョンを合わせて確認します。

Release Previewを試すべきケース

Build 28000.2605を試す価値があるのは、主に次のような環境です。

  • すでにWindows 11 26H1のRelease Previewを使用している
  • 同一機種でWi-Fi電源関連のブルースクリーンを再現できる
  • 障害が起きても初期化や復旧が可能なテスト端末である
  • 更新前後のドライバーバージョンや発生回数を比較できる
  • 組織内で将来の更新プログラムを事前検証している

一方、次のPCでは修正目的だけでRelease Previewを導入しない方が安全です。

  • 日常業務で必須のPC
  • 会計、設計、医療など停止できない業務端末
  • バックアップや復旧手段がないPC
  • ブルースクリーンの原因をまだ特定できていないPC
  • 24H2・25H2の最新更新をまだ適用していないPC

Insiderビルドは製品版より不安定になる可能性があり、将来のビルドへの移行やプログラム離脱にも条件があります。まず安定版で利用できる更新プログラムとドライバーを確認してください。(マイクロソフトサポート)

管理者が検証するときのポイント

企業や組織で検証する場合は、Build 28000.2605を全端末へ展開するのではなく、同じPCモデル、Wi-Fiアダプター、ドライバー、BIOSを搭載した少数のテスト端末で確認します。

検証記録には、最低でも次の情報を含めてください。

  • Windows 11のバージョンとOSビルド
  • Windows Insiderのチャネル
  • PCメーカーと機種名
  • Wi-Fiアダプター名
  • Wi-Fiドライバーのバージョン
  • BIOSまたはUEFIのバージョン
  • 停止コードとダンプファイル
  • スリープ復帰回数
  • バッテリー駆動とAC電源での違い
  • VPNやドッキングステーションの使用状況
  • 更新前後のブルースクリーン発生回数

今回の改善は段階的展開です。テスト端末間で結果が異なる場合、ハードウェア差だけでなく、改善の有効化状況が異なる可能性も考慮する必要があります。

誤解しやすいポイント

誤解正しい判断
Wi-Fiが切断される問題も同じ修正の対象公式説明はブルースクリーン削減であり、通常の切断問題とは別に考える
Wi-Fi関連の0x9Fが修正されたWi-Fi項目には停止コードの記載がなく、0x9FはBluetooth項目に記載されている
Build 28000.2605なら必ず改善が有効段階的展開のため、ビルド番号だけでは判断できない
26H1へ移行しないと修正を受けられない24H2・25H2にも同系統の改善が案内されている
電源管理を無効にすれば根本解決一時的な切り分けであり、正式な修正ではない
Wi-Fiドライバーは配布サイトから入れればよいWindows UpdateまたはPCメーカー公式サイトを利用する
安定版PCをInsiderにすればすぐ解決するプレビュー版による別の不具合や運用負担が発生する可能性がある

まずOSビルドとWi-Fiドライバーを確認する

Windows 11のWi-Fi電源管理に関連するブルースクリーンについて、Microsoftは26H1 Release Preview Build 28000.2605で発生を減らす改善を案内しました。ただし、この変更は段階的展開であり、完全解消や全端末への一般提供を示すものではありません。

最初にwinverでWindows 11のバージョンとOSビルドを確認してください。24H2・25H2を使用している場合は、そのバージョン向けの最新累積更新を適用します。26H1の安定版を使用している場合は、Build 28000.2605の一般提供を待ちながら、Wi-Fiドライバーを更新します。

更新後もブルースクリーンが再発する場合は、停止コード、発生条件、Wi-Fiドライバーのバージョン、C:\Windows\Minidumpのダンプファイルを保存してください。Build 28000.2605の検証は、復旧可能なテスト端末に限定するのが安全です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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