KB5089549後のUACプロンプトを修正|Build 28000.2605の対象と対処法

KB5089549の適用後、これまで管理者権限を求めなかったインストーラーやアプリで、突然「このアプリがデバイスに変更を加えることを許可しますか」と表示される場合があります。結論として、MicrosoftはWindows 11 version 26H1のRelease Preview Build 28000.2605で、一部のインストーラーやアプリに予期しないUACプロンプトが表示される問題を修正したと案内しています。(Microsoft Learn)

ただし、Build 28000.2605と当該修正はRelease Preview向けであり、段階的に配信される項目に含まれています。2026年7月23日時点で、26H1の一般提供チャネルにこのビルドや修正が含まれたとは確認できません。業務PCでは、UACの無効化やInsider Programへの安易な参加ではなく、Windowsのバージョン、OSビルド、インストール済みKBを確認してから対処することが重要です。(Microsoft Learn)

目次

KB5089549後のUACプロンプトをBuild 28000.2605で修正

Microsoftが公開したWindows 11 Insider Release Preview Build 28000.2605のリリースノートには、アプリ関連の修正として次の内容が記載されています。

確認項目Microsoftの案内内容
現象一部のインストーラーやアプリで、予期しない昇格要求が表示される
画面ユーザーアカウント制御のUACプロンプト
発生時期KB5089549のインストール後
修正が記載されたビルドWindows 11 Build 28000.2605
対象チャネルWindows Insider Release Preview、version 26H1
配信方式段階的ロールアウト
公開日2026年7月20日

リリースノート上の表現は「改善」ではなく、問題を解決するという内容です。ただし、この項目は「Gradual rollout」に掲載されています。Build 28000.2605をインストールできたPCであっても、同じタイミングですべての端末に変更が有効になるとは限りません。Microsoftは段階的ロールアウトについて、機能や修正を一斉配信せず、端末ごとに利用可能になる時期が異なる方式だと説明しています。(Microsoft Learn)

また、公式リリースノートにはビルド番号を訂正した旨も記載されています。古いキャッシュや二次情報に異なるビルド番号が残っている場合は、現在の公式ページに記載されているBuild 28000.2605を基準に確認してください。(Microsoft Learn)

26H1自体は一般提供済みだが、Build 28000.2605は別

「26H1 Release Preview」と書かれているため、Windows 11 version 26H1そのものが未公開だと誤解しやすい点に注意が必要です。

Windows 11 version 26H1自体は、2026年初頭に登場する新しいデバイス向けとして一般提供チャネルに存在します。一方、2026年7月23日時点で一般提供チャネルに掲載されている26H1の最新ビルドは28000.2525です。今回の修正が記載された28000.2605は、それより新しいRelease Previewビルドです。(Microsoft Learn)

つまり、状況は次のように整理できます。

  • Windows 11 version 26H1:一般提供されている
  • OS Build 28000.2605:Release Previewで提供されている
  • 今回のUAC修正:Build 28000.2605の段階的ロールアウト項目
  • 一般提供チャネルへの反映:現時点では断定できない

また、26H1は既存の24H2または25H2搭載PCに対する通常の機能更新プログラムとして設計されておらず、24H2や25H2からのインプレース更新として提供されません。UAC問題を解決する目的で、既存PCを26H1へ変更しようとする必要はありません。(Microsoft Learn)

KB5089549と26H1の対応関係には表記上の注意点がある

今回の公式情報を読む際、特に注意したいのがKB5089549とWindows 11 version 26H1の関係です。

KB5089549のMicrosoftサポートページでは、適用対象がWindows 11 version 24H2および25H2とされ、OSビルドは次のように案内されています。(Microsoft サポート)

Windows 11のバージョン2026年5月の更新更新後のOSビルド
24H2KB508954926100.8457
25H2KB508954926200.8457
26H1KB508954828000.2113

一方、26H1向けRelease Preview Build 28000.2605のリリースノートでは、「KB5089549をインストールした後」という記載になっています。MicrosoftのWindows 11リリース履歴では、26H1の2026年5月更新はKB5089548とされているため、資料間で参照されているKB番号が一致していません。(Microsoft Learn)

重要: Microsoftから、この表記差が意図的なものか、単純な記載上の問題なのかについて詳しい説明はありません。26H1端末にKB5089549が直接インストールされたと決めつけず、実際のバージョン、ビルド、更新履歴を確認してください。

この違いがあるため、「KB5089549を適用したからBuild 28000.2605へ更新すればよい」と単純に判断するのは適切ではありません。24H2、25H2、26H1では、利用すべき更新経路が異なります。

通常のUACプロンプトと今回の問題を見分ける

UACは、Windowsに管理者レベルの変更が加えられる際、ユーザーに承認または拒否を求めるセキュリティ機能です。UACプロンプトが表示されたこと自体は、必ずしも不具合ではありません。(Microsoft Learn)

今回の問題に該当する可能性があるのは、「以前は通常起動できた同じアプリが、KB5089549の適用後から突然、管理者権限を要求するようになった」といったケースです。

状況判断
ソフトウェアを新規インストールした通常のUACである可能性が高い
「管理者として実行」を選択した通常のUAC
システム全体へ設定を書き込む操作を行った通常のUACである可能性が高い
以前は表示されなかった通常起動で毎回表示される今回の問題を疑う
KB5089549適用直後から複数のインストーラーで表示される今回の問題を疑う
操作していないのに突然表示される不正プログラムを含めて調査が必要
発行元が不明、または実行元が不審な一時フォルダー安易に許可しない

Microsoftのリリースノートは「一部のインストーラーおよびアプリ」とだけ記載しており、影響を受ける製品名、アプリのバージョン、正確な発生条件までは公表していません。そのため、すべてのUACプロンプトをKB5089549の不具合として扱うことはできません。(Microsoft Learn)

UAC画面では、Windowsが実行ファイルの署名を確認し、「Windows」「確認済みの発行元」「確認できない発行元」などに分類します。発行元、プログラム名、実行元を確認してから許可することが基本です。(Microsoft Learn)

自分のPCが対象か確認する手順

WindowsのバージョンとOSビルドを確認する

まず、WindowsキーとRキーを押し、次のコマンドを実行します。

winver

表示された画面で、次の2点を確認してください。

  • バージョンが24H2、25H2、26H1のどれか
  • OSビルドが26100、26200、28000のどれから始まるか

PowerShellで確認する場合は、次のコマンドを使用できます。

$cv = Get-ItemProperty 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion'

[pscustomobject]@{
    Edition        = $cv.ProductName
    DisplayVersion = $cv.DisplayVersion
    OSBuild        = '{0}.{1}' -f $cv.CurrentBuild, $cv.UBR
}

表示例は次のとおりです。

Edition        : Windows 11 Pro
DisplayVersion : 25H2
OSBuild        : 26200.8875

KB5089549のインストール履歴を確認する

Windows 11の設定画面から、次の順に開きます。

設定
  → Windows Update
    → 更新の履歴
      → 品質更新プログラム

一覧に「KB5089549」があるか確認してください。

PowerShellでは、次のコマンドでも確認できます。

Get-HotFix -Id KB5089549 -ErrorAction SilentlyContinue |
    Select-Object HotFixID, InstalledOn

何も表示されない場合でも、KB5089549が一度も適用されていないとは断定できません。更新プログラムが後続の累積更新に置き換えられている場合や、取得方法によって表示結果が異なる場合があるため、設定画面の更新履歴と併せて確認してください。

UACプロンプトの内容を記録する

問題を再現できる場合は、単に「UACが出た」と記録するのではなく、次の情報を残します。

記録する項目具体例
アプリ名業務システムのクライアント、セットアッププログラム
アプリのバージョン5.2.1など
確認済みの発行元Microsoft Corporation、製品ベンダー名
実行ファイルの場所C:\Program Files\...
発生操作通常起動、更新、修復、アンインストール
発生開始日KB適用日との前後関係を確認
ユーザー種別管理者、標準ユーザー
発生頻度毎回、初回のみ、更新時のみ

実行ファイルの署名は、PowerShellから次のように確認できます。

Get-AuthenticodeSignature 'C:\Path\Application.exe' |
    Select-Object Status, StatusMessage, Path,
        @{Name='Signer'; Expression={$_.SignerCertificate.Subject}}

StatusがValidで、署名者が正規のアプリ提供元と一致するか確認します。署名がないことだけで危険と断定はできませんが、利用者が開始していない処理や、不明な発行元のUACプロンプトは許可しないでください。

Windows 11のバージョン別に行うべき対処

Windows 11 version 24H2または25H2の場合

KB5089549の公式な適用対象は24H2と25H2です。Microsoftは、2026年6月23日に公開したプレビュー更新KB5095093で、KB5089549適用後に一部のインストーラーやアプリへ予期しないUACプロンプトが表示される問題を解決したと案内しています。(Microsoft サポート)

さらに、2026年7月14日のセキュリティ更新KB5101650には、KB5095093で提供された品質改善が含まれています。そのため、24H2または25H2の一般利用環境では、Build 28000.2605を目的にInsider Programへ参加するのではなく、KB5101650以降の最新累積更新プログラムを適用するのが適切です。(Microsoft サポート)

対処手順は次のとおりです。

  1. Windows Updateで最新の累積更新プログラムを確認する
  2. 更新プログラムをインストールする
  3. PCを再起動する
  4. 問題が発生していたアプリを通常起動する
  5. インストール、更新、修復など、UACが表示されていた操作を再確認する

最新累積更新後も問題が続く場合は、アプリ自体の更新プログラムや互換性情報も確認します。特定のアプリだけで発生する場合は、Windows側ではなく、アプリの実行マニフェストや更新処理が原因となっている可能性もあります。

Windows 11 version 26H1の一般提供ビルドの場合

2026年7月23日時点で、一般提供チャネルに掲載されている26H1の最新ビルドは28000.2525です。UAC修正が記載された28000.2605はRelease Previewであるため、一般提供PCへ手動で強制適用する前提の更新ではありません。(Microsoft Learn)

業務PCや日常利用PCでは、次の対応を優先してください。

  • Windows Updateで一般提供されている最新更新を適用する
  • Microsoftの26H1更新履歴で一般提供ビルドへの反映を確認する
  • アプリ提供元が公開している修正版を確認する
  • 業務に重大な支障がある場合は、Microsoftまたはアプリ提供元へ問い合わせる

この問題だけを理由に、一般提供環境からRelease Previewへ切り替えることは推奨できません。Windows Insider Previewビルドは、一般公開前のWindowsを検証するためのビルドです。(Microsoft Learn)

Windows 11 version 26H1 Release Previewの場合

すでにRelease Previewを利用している検証端末では、Build 28000.2605を適用し、問題が改善するか確認します。

ただし、修正は段階的ロールアウトの対象です。同じBuild 28000.2605でも、端末によって修正の有効化時期が異なる可能性があります。適用直後にUACプロンプトが残っていても、直ちに「修正されていない」とは判断できません。(Microsoft Learn)

確認時は、次の条件をそろえて比較します。

  • 同じアプリの同じバージョンを使用する
  • 同じユーザー権限で実行する
  • 同じUACポリシーを使用する
  • 通常起動と管理者実行を混同しない
  • 更新前後で実行ファイルのパスが変わっていないか確認する
  • 再起動後に再テストする

段階的ロールアウトを非公式ツールやレジストリ変更で強制的に有効化すると、Microsoftが想定していない状態になる可能性があります。特に業務端末では、強制有効化を避けてください。

組織で安全に検証する手順

複数のWindows 11端末を管理している場合は、更新プログラムを一斉配信する前に、影響を受けたアプリを使う検証端末で確認します。

更新前の状態を記録する

次の情報を一覧化します。

  • PC名
  • Windowsのバージョン
  • OSビルド
  • インストール済み累積更新
  • アプリ名とバージョン
  • UAC画面の発行元
  • 実行ファイルのパス
  • 問題の再現手順
  • 標準ユーザーと管理者での違い

最新更新を検証端末へ適用する

24H2または25H2では、KB5101650以降の最新累積更新を適用します。26H1では、一般提供端末とRelease Preview端末を混在させず、チャネルごとに結果を分けて記録します。

更新後に同じ操作を再実行する

少なくとも、次の操作を確認します。

テスト内容確認すること
アプリの通常起動不要なUACプロンプトが消えたか
アプリの初回起動初期設定時だけ表示される仕様ではないか
アプリ内アップデート更新処理だけで表示されるか
インストーラーの起動正常な管理者権限要求は残っているか
修復・変更処理予期しない昇格要求が解消したか
標準ユーザーでの操作管理者資格情報の要求が適切か

修正確認では、単にUACプロンプトが一切表示されなくなったことを合格条件にしてはいけません。管理者権限が本来必要な処理では、更新後もUACが正常に表示される必要があります。

UACを無効にして回避してはいけない

予期しないUACプロンプトが煩わしくても、UACの通知レベルを「通知しない」に変更することは恒久的な解決策になりません。

UACは、アプリが管理者権限でシステムを変更する前に、ユーザーが許可または拒否できるようにするWindowsのセキュリティ機能です。無効化すると、今回の表示上の問題だけでなく、不正なプログラムによる管理者権限の取得も見えにくくなります。(Microsoft Learn)

避けるべき対応は次のとおりです。

避けるべき対応理由
UACを全面的に無効化するWindowsの保護機能を弱める
内容を確認せず毎回「はい」を押す不正な昇格要求を許可する可能性がある
業務PCを一斉にRelease Previewへ変更する一般公開前のビルドによる別の問題が発生し得る
最初にKB5089549をアンインストールするセキュリティ修正まで取り除く可能性がある
非公式ツールで段階的配信を強制するサポートされていない状態になり得る
KB番号だけで原因を断定するアプリ側の変更や別のUAC要因を見落とす

KB5089549のアンインストールは、最新累積更新を適用できず、業務停止などの重大な影響があり、セキュリティ上のリスクを評価した場合に限って検討すべきです。通常は、後続の累積更新による修正を優先します。

Build 28000.2605を適用してもUACが表示される場合

Build 28000.2605の適用後もUACプロンプトが表示される場合は、次の順に切り分けます。

  1. winverで実際にBuild 28000.2605になっているか確認する
  2. PCを再起動する
  3. UACプロンプトが表示される操作を正確に再現する
  4. 発行元、実行ファイル名、ファイルパスを更新前と比較する
  5. アプリの最新版が提供されていないか確認する
  6. 別のユーザーアカウントでも同じ現象が発生するか確認する
  7. 他のアプリでも発生するか確認する
  8. Release Previewの段階的ロールアウトが進むのを待って再確認する
  9. 改善しない場合は、アプリ提供元またはMicrosoftへ記録を添えて報告する

特定のアプリだけで発生する場合は、アプリ側の設計やアップデートが関係している可能性があります。複数の無関係なインストーラーやアプリで、同じ更新後から一斉に発生した場合は、Windows側の互換性問題である可能性が高まります。

まずバージョンを確認し、適切な更新経路を選ぶ

KB5089549適用後の予期しないUACプロンプトについて、MicrosoftはWindows 11 version 26H1 Release Preview Build 28000.2605で修正を案内しています。ただし、この修正は段階的ロールアウトであり、26H1の一般提供ビルドへ反映済みとは断定できません。

実際の対応は、Windows 11のバージョンによって分ける必要があります。

  • 24H2または25H2では、KB5101650以降の最新累積更新を適用する
  • 26H1の一般提供端末では、Build 28000.2605を無理に導入せず一般提供状況を確認する
  • 26H1 Release Previewでは、Build 28000.2605を適用して同一条件で再検証する
  • 発行元不明のUACプロンプトは許可しない
  • UACの無効化を恒久対策にしない

最初に行うべきことは、winverとWindows Updateの更新履歴を確認し、自分のPCが24H2、25H2、26H1のどれに該当するかを確定することです。そのうえで、一般提供チャネルとRelease Previewを混同せず、該当バージョン向けの最新累積更新を適用してください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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