Windows 11で省エネ機能のしきい値が表示されないときの対処法【24H2・25H2】

Windows 11の「設定」から、省エネ機能を自動的にオンにするバッテリー残量のしきい値が消えている場合、まず確認すべきなのはOSビルドとWindows Insiderのチャネルです。設定アプリの初期化やWindowsの再インストールを急ぐ必要はありません。

Microsoftは、Windows 11 version 24H2のOS Build 26100.8968と、version 25H2のOS Build 26200.8968で、「設定」内から省エネ機能のしきい値を指定できる状態を復元したと案内しています。ただし、いずれもRelease Previewチャネル向けのプレビュー版です。さらに段階的なロールアウトに含まれるため、同じビルドをインストールしても、すべてのPCに同時に反映されるとは限りません。(Microsoft Learn)

また、ここでいうしきい値は「バッテリー残量が何%になったら省エネ機能をオンにするか」を決める設定です。充電を80%で停止する充電上限やスマート充電とは別の機能なので、目的を取り違えないようにしてください。

目次

結論:Build 26100.8968/26200.8968で復元されるが一般提供版とは限らない

2026年7月24日時点でMicrosoftが公表している内容を整理すると、次のようになります。

確認項目内容
Windows 11 version 24H2OS Build 26100.8968
Windows 11 version 25H2OS Build 26200.8968
配信チャネルWindows Insider Release Preview
修正内容省エネ機能をオンにするバッテリー残量のしきい値設定を復元
配信方式段階的ロールアウト
一般提供状況公式情報だけでは一般提供済みと断定できない

該当する修正は、リリースノートの「Gradual rollout」に掲載されています。したがって、ビルド番号だけでなく、機能の配信が端末まで到達しているかも確認する必要があります。Microsoftも、段階的ロールアウトでは利用可能になる時期がデバイスによって異なると説明しています。(Microsoft Learn)

一般提供版のWindows 11を使用している場合は、「26100.8968より古いから故障している」とは判断できません。現時点では、Release Previewで先行して改善内容を検証している段階と考えるのが適切です。

省エネ機能のしきい値設定とは

Windows 11の省エネ機能は、消費電力を抑えるために画面の明るさやバックグラウンド処理などを調整する機能です。通常は、次の場所から設定します。

設定 > システム > 電源とバッテリー > 省エネ機能

「省エネ機能」を展開すると、バッテリー残量が指定した割合まで低下したときに、省エネ機能を自動的にオンにする項目が表示されます。Microsoftのサポート情報でも、ここから希望するバッテリーレベルを選択する手順が案内されています。(マイクロソフトサポート)

省エネ機能が有効になると、電力消費を抑えるため、画面が暗くなったり、一部のバックグラウンド処理やアプリの同期が制限されたりする場合があります。Windows 11 version 24H2以降では、従来のバッテリー節約機能に代わる仕組みとして省エネ機能が用意されています。(Microsoft Learn)

充電上限の設定とは別の機能

「しきい値」という言葉から、充電を80%で止める設定を探している人もいます。しかし、省エネ機能のしきい値と充電上限は目的が異なります。

機能決める内容主な目的
省エネ機能のしきい値何%まで減ったら省エネ機能をオンにするかバッテリー駆動時間を延ばす
スマート充電・充電上限何%まで充電するかバッテリーの長期的な劣化を抑える
電源モード性能と消費電力のバランス作業内容に応じた性能調整

スマート充電は、PCメーカーや機種ごとに実装方法が異なります。Windowsの共通設定ではなく、メーカー製アプリやBIOSで管理される場合もあります。80%充電を設定したい場合は、PCメーカーのサポート情報を確認してください。(マイクロソフトサポート)

今回の問題に該当するかを切り分ける

省エネ機能の設定が見つからない原因は、今回修正された表示問題だけとは限りません。表示されている画面の状態から切り分けることが重要です。

画面の状態考えられる状況
省エネ機能の欄はあるが、バッテリー残量を選ぶ項目だけない今回の表示問題に該当する可能性が高い
「電源とバッテリー」にバッテリー情報自体がないバッテリー非搭載PC、バッテリー未検出、ドライバーなど別の問題
しきい値が表示されているが変更できないグループポリシーやIntuneによる管理の可能性
80%充電の設定がない省エネ機能ではなくスマート充電やメーカー独自機能の問題
省エネ機能の項目そのものがないWindowsのバージョン、機種構成、設定画面の不具合を確認

特にデスクトップPCなどバッテリーを搭載していない端末では、バッテリー残量を条件にするしきい値設定が表示されないことがあります。この場合は、今回の不具合ではありません。

Windows 11の省エネ機能しきい値設定を復元する手順

正しい設定画面を確認する

最初に、目的の項目を開いているか確認します。

  1. Windowsキー + Iを押して「設定」を開きます。
  2. 「システム」を選択します。
  3. 「電源とバッテリー」を開きます。
  4. 「省エネ機能」をクリックして展開します。
  5. バッテリー残量に応じて省エネ機能をオンにする項目があるか確認します。

「省エネ機能」の見出しだけを見て判断せず、右側の矢印を押して詳細を展開してください。

OSビルドと配信チャネルを確認する

winverでビルド番号を確認する

  1. Windowsキー + Rを押します。
  2. winverと入力します。
  3. 「OK」をクリックします。
  4. バージョンとOSビルドを確認します。

今回Microsoftが案内した対象は次の2つです。

バージョン対象OSビルド
Windows 11 version 24H226100.8968
Windows 11 version 25H226200.8968

ビルド番号がこれより古いRelease Preview環境では、対象更新がまだインストールされていない可能性があります。

Release Previewか確認する

次の場所を開きます。

設定 > Windows Update > Windows Insider Program

Release Previewチャネルに参加している場合は、その旨が表示されます。

一方、Windows Insider Programに参加していないPCであれば、通常は一般提供チャネルを使用しています。一般提供環境で該当ビルドがまだ配信されていない場合、今回の修正を直ちに受け取れない可能性があります。

Release Preview利用者はWindows Updateを実行する

すでにRelease Previewチャネルを利用している場合は、次の手順で更新します。

  1. 「設定」を開きます。
  2. 「Windows Update」を選択します。
  3. 「更新プログラムのチェック」をクリックします。
  4. 利用可能な更新プログラムをインストールします。
  5. PCを再起動します。
  6. winverでOSビルドを再確認します。
  7. 「電源とバッテリー」の省エネ機能をもう一度開きます。

Microsoftのリリースノートでは、Build 26100.8968/26200.8968で省エネ機能のしきい値設定を復元すると案内されています。また、設定アプリで変更した電源設定を、すべての電源プランへ適用する際の信頼性も改善されています。(Microsoft Learn)

ただし、この修正は段階的ロールアウトです。同じOSビルドになっていても、しきい値設定がすぐに表示されないことがあります。

同じビルドでも表示されないときの確認項目

Build 26100.8968または26200.8968をインストールしても表示されない場合は、次の順番で確認してください。

  1. PCを完全に再起動する
  2. Windows Updateをもう一度確認する
  3. 「設定」の「電源とバッテリー」にバッテリー残量が正しく表示されているか確認する
  4. 会社や学校の管理端末ではないか確認する
  5. 別のユーザーアカウントでも同じ状態か確認する
  6. フィードバックHubからビルド番号と画面の状態を報告する

該当修正が段階的に配信される以上、同じビルドで設定が表示されないからといって、更新に失敗したとは限りません。レジストリの削除やWindowsの初期化を先に行うのは避けましょう。

電源設定全体が正常に動かない、バッテリー残量の表示も不安定といった別の症状がある場合は、次の場所から電源のトラブルシューティングも実行できます。

設定 > システム > トラブルシューティング > その他のトラブルシューティングツール

Microsoftのサポート情報でも、電源関連の問題に対して電源トラブルシューティングツールを使用する手順が案内されています。(マイクロソフトサポート)

一般提供版の利用者は無理にInsiderへ参加しない

Release Previewは正式提供前の変更を確認するためのプレビューチャネルです。業務用PCや、毎日使用するメインPCを、今回の設定項目だけを目的にInsiderへ切り替えることはおすすめできません。

一般提供版を使用している場合は、次の対応が安全です。

  • 通常のWindows Updateを継続する
  • オプションの更新プログラムも内容を確認する
  • Microsoftの一般提供版向け更新履歴を確認する
  • 修正が一般提供されるまで、必要に応じて一時的な設定方法を使う

2026年7月24日時点で確認できる公式発表は、Release Preview向けのBuild 26100.8968/26200.8968です。一般提供済みであるとは断定できません。(Windows Blog)

今すぐしきい値を設定する一時回避策

設定画面が表示されるまで待てない場合は、powercfgコマンドで現在の電源プランにしきい値を設定できます。

この方法は設定画面を復元するものではありません。画面に項目が表示されていなくても、内部の電源設定値を変更するための一時的な回避策です。

現在の値を確認する

「スタート」を右クリックし、「ターミナル(管理者)」を開いて次のコマンドを実行します。

powercfg /query SCHEME_CURRENT SUB_ENERGYSAVER

表示結果から、次の設定を探します。

ESBATTTHRESHOLD

日本語環境では、エイリアスではなく次のGUIDが表示される場合があります。

e69653ca-cf7f-4f05-aa73-cb833fa90ad4

変更前の「現在の DC 電源設定のインデックス」を記録しておくと、後で元に戻しやすくなります。

20%で省エネ機能をオンにする

バッテリー残量が20%になったときに省エネ機能をオンにする例です。

powercfg /setdcvalueindex SCHEME_CURRENT SUB_ENERGYSAVER ESBATTTHRESHOLD 20
powercfg /setactive SCHEME_CURRENT

30%に設定する場合は、末尾の20を30に変更します。

Microsoftの電源設定資料では、省エネ機能のバッテリーしきい値はESBATTTHRESHOLDとして定義され、0~100のパーセント値を指定できます。また、省エネ機能の設定グループにはSUB_ENERGYSAVERというPowerCfgエイリアスが用意されています。(Microsoft Learn)

この方法には次の注意点があります。

  • 現在の電源プランに対する設定です
  • setdcvalueindexはバッテリー駆動時の値を変更します
  • 設定画面の表示問題そのものは直りません
  • 電源プランを切り替えると、別の値が使用される場合があります
  • 会社や学校の管理端末では実行しないでください
  • 修正版が適用された後は、設定画面から希望する値を設定し直してください

会社や学校のPCでは管理ポリシーを確認する

組織で管理されているWindows 11では、グループポリシーやMicrosoft Intuneによって省エネ機能のしきい値が指定されている場合があります。

Microsoftのポリシー資料では、管理者が次の設定を使用して、バッテリー駆動時の省エネ機能しきい値を指定できます。

Power/EnergySaverBatteryThresholdOnBattery

このポリシーが有効になっている場合、ユーザーが設定を自由に変更できない構成にできます。(Microsoft Learn)

設定画面に「一部の設定は組織によって管理されています」と表示されている場合は、個人でレジストリやpowercfgを変更せず、社内のIT管理者へ次の情報を伝えてください。

  • Windows 11のバージョン
  • OSビルド
  • Windows Insiderのチャネル
  • 省エネ機能の設定画面のスクリーンショット
  • 項目がないのか、変更できないのか
  • 希望するしきい値

「表示されない」と「ポリシーで固定されている」では、管理者が行う対応が異なります。

失敗しやすいポイント

よくある対応問題点適切な対応
すぐにWindowsを初期化するOS側の既知問題なら効果がないビルドとチャネルを先に確認する
メインPCをRelease Previewへ変更する別のプレビュー版不具合が発生する可能性がある一般提供版では正式配信を待つ
充電上限を省エネ機能で設定しようとする目的が異なるメーカーのスマート充電設定を確認する
同じビルドなら必ず表示されると思う段階的ロールアウトを考慮していないWindows Updateと配信状況を確認する
電源プランをすべて初期化するメーカー独自設定や調整内容を失う場合がある必要な設定だけを変更する
管理端末でコマンドを実行する組織ポリシーと競合するIT管理者へ確認する

省エネ機能のしきい値は何%がよいか

設定値に絶対的な正解はありません。使用状況に応じて決めます。

使用状況しきい値の目安
電源コンセントの近くで使うことが多い20%前後
外出先でも使用する30%前後
長時間のバッテリー駆動を優先する40%前後
性能低下やバックグラウンド制限を避けたい低めに設定

しきい値を高くすると、早い段階から消費電力を抑えられます。一方、省エネ機能中は一部アプリのバックグラウンド動作や同期が制限される場合があります。オンラインストレージやスマートフォン連携などを常時同期したい場合は、20~30%程度から試し、実際の動作を見ながら調整するとよいでしょう。(Microsoft Learn)

省エネ機能のしきい値が表示されないときは更新状況から確認する

Windows 11の省エネ機能しきい値が表示されない問題について、MicrosoftはRelease PreviewのBuild 26100.8968/26200.8968で設定機能を復元したと案内しています。

ただし、現時点ではプレビュー版の情報であり、修正は段階的にロールアウトされます。一般提供版を利用しているユーザーは、無理にInsiderへ参加せず、通常のWindows Updateで正式な配信を待つのが安全です。

すでにRelease Previewを利用している場合は、Windows Updateを実行し、再起動後にOSビルドと設定画面を確認してください。同じビルドでも項目がない場合は、段階配信、バッテリーの認識状態、組織ポリシーの順に切り分けます。

すぐに設定が必要な場合に限り、変更前の値を確認したうえでpowercfgを一時的に使用し、修正版の反映後は設定画面から改めて希望するしきい値を指定してください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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