Windows 11でタスクバーのアイコンを左揃えにしていると、画面左下にあるタスクバーの左端をクリックしても、スタートメニューが開かないことがあります。
Microsoftは、この問題についてWindows 11 version 26H1のRelease Preview、OS Build 28000.2605でスタートメニューを開く信頼性を改善したと案内しています。ただし、対象の改善は段階的ロールアウトに分類されており、同じビルドでもすべての端末ですぐ有効になるとは限りません。(Microsoft Learn)
また、2026年7月24日時点で、version 26H1の一般提供チャネルにおける最新ビルドは28000.2525です。したがって、Build 28000.2605の改善が一般利用者へ広く提供済みとは断定できません。通常利用しているPCでは、この問題だけを理由にWindows Insider Programへ参加せず、通常のWindows Updateを適用しながら提供を待つのが安全です。(Microsoft Learn)
左揃えタスクバーの左端クリックでスタートが開く信頼性を改善
MicrosoftのRelease Preview向けリリースノートには、タスクバーのアイコンを左揃えにした状態で、タスクバーの左端を選択した際にスタートメニューを開く信頼性を改善したと記載されています。(Microsoft Learn)
対象情報を整理すると、次のとおりです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象OS | Windows 11 version 26H1 |
| 配信チャネル | Windows Insider Release Preview |
| OSビルド | 28000.2605 |
| 公開日 | 2026年7月20日 |
| 対象機能 | タスクバー/スタートメニュー |
| 発生条件 | タスクバーアイコンを左揃えにしている |
| 改善内容 | タスクバー左端からスタートを開く信頼性の改善 |
| 配信方式 | 段階的ロールアウト |
公式の表現は「完全に修正した」ではなく、信頼性を改善したというものです。そのため、Build 28000.2605を導入すれば必ず再発しなくなる、とまでは断定できません。
また、リリースノートにはビルド番号を訂正した旨の注記があります。古いニュース記事や投稿で異なるビルド番号を見かけた場合は、Microsoft公式ページに記載された28000.2605を基準に確認してください。(Microsoft Learn)
今回の改善対象と考えられる症状
今回の改善が関係する可能性が高いのは、次のような症状です。
- タスクバーの配置を「左揃え」に設定している
- スタートボタンそのものではなく、タスクバーの最左端付近をクリックしている
- 左端をクリックしても、スタートメニューが開かないことがある
- Windowsキーを押すとスタートメニューは開く
- スタートボタンの中央付近を直接クリックすると開く場合がある
反対に、次の症状は別の原因である可能性があります。
| 症状 | 考えられる状況 |
|---|---|
| 左端だけ反応せず、Windowsキーでは開く | 今回の改善対象に近い |
| スタートボタンを直接クリックしても開かない | スタートメニューやExplorerの異常の可能性 |
| Windowsキーでも開かない | シェル全体、キーボード、ポリシーなどを確認 |
| 自動的に隠す設定のときだけ発生する | タスクバー表示処理に関する別問題の可能性 |
| マルチディスプレイの片方だけで発生する | ディスプレイ構成やタスクバー表示設定を確認 |
| カスタマイズソフト導入後に発生した | Windows標準外の変更による互換性問題の可能性 |
今回の修正は、スタートメニュー全体が起動しなくなる問題ではなく、左揃え時のタスクバー左端という特定のクリック領域に関する改善として捉えるのが適切です。
Build 28000.2605が一般提供版とは限らない理由
ここで注意したいのが、「Windows 11 version 26H1」と「Build 28000.2605」の提供状況は別だという点です。
Windows 11 version 26H1自体は、2026年2月10日から一部の新しいデバイスにプリインストールされる形で提供されています。ただし、既存のversion 24H2や25H2からWindows Updateで移行する通常の機能更新ではありません。Microsoftは、26H1を次世代ハードウェア向けに限定したリリースと位置付けています。(Microsoft Learn)
一方、今回の改善が記載されたBuild 28000.2605は、Release Previewチャネル向けです。2026年7月24日時点における26H1の一般提供チャネルの最新ビルドは28000.2525であり、28000.2605とは一致しません。(Microsoft Learn)
整理すると、次のようになります。
| 確認対象 | 提供状況 |
|---|---|
| Windows 11 version 26H1 | 一部の新しい対応デバイスにプリインストール済み |
| OS Build 28000.2525 | 2026年7月時点の一般提供チャネル |
| OS Build 28000.2605 | Release Previewチャネル |
| 左端クリックの改善 | 28000.2605の段階的ロールアウト項目 |
| 全26H1端末への提供 | 現時点では断定できない |
「26H1が提供済みだから、28000.2605の修正も全員に提供済み」と判断しないことが重要です。
Windows 11のバージョンとビルドを確認する方法
自分のPCが対象かどうかを判断するには、まずWindowsのバージョンとOSビルドを確認します。
winverで確認する
スタートメニューが正常に開かない場合でも、ショートカットから確認できます。
Windowsキー + Rを押します。- 「ファイル名を指定して実行」に
winverと入力します。 - Enterキーを押します。
- 表示された画面でバージョンとOSビルドを確認します。
Microsoftも、Windowsのバージョン確認方法としてwinverを案内しています。(マイクロソフトサポート)
今回の記事で扱うRelease Preview版は、次の表示が目安です。
バージョン 26H1
OS ビルド 28000.2605
設定画面から確認する
スタートメニューを開ける場合は、次の場所でも確認できます。
設定
└ システム
└ バージョン情報
└ Windowsの仕様
「Windowsの仕様」にある「バージョン」と「OSビルド」を確認してください。(マイクロソフトサポート)
タスクバーが左揃えになっているか確認する
今回の改善は、タスクバーアイコンが左揃えの場合に関係します。
設定は次の手順で確認できます。
- タスクバーの何もない場所を右クリックします。
- 「タスクバーの設定」を選択します。
- 「タスクバーの動作」を展開します。
- 「タスクバーの配置」を確認します。
- 「左揃え」になっていれば、今回の条件に該当します。
Windows 11では、タスクバーの配置を「中央揃え」または「左揃え」から選択できます。(マイクロソフトサポート)
設定アプリを直接開きたい場合は、Windowsキー + Rを押し、次のコマンドを実行する方法もあります。
ms-settings:taskbar
症状が一致するか切り分ける手順
スタートメニューが開かない原因を判断するには、クリックする場所と操作方法を変えて確認します。
スタートボタンを直接クリックする
Windowsロゴが表示されているスタートボタンの中央付近をクリックします。
ここでは開くものの、画面左端にポインターを寄せてクリックした場合だけ開かないのであれば、今回の改善対象に近い症状です。
Windowsキーを押す
キーボードのWindowsキーを押します。
Windowsキーでは開く場合、スタートメニュー自体よりも、タスクバーのクリック判定に原因がある可能性が高くなります。
CtrlキーとEscキーを押す
次のショートカットでもスタートメニューを開けます。
Ctrl + Esc
Windowsキーがないキーボードや、Windowsキーが反応しない環境で利用できます。
PCを再起動して再確認する
一時的なExplorerの不調であれば、再起動後に改善することがあります。
再起動後も、タスクバーの最左端だけが反応しない状態が続くか確認してください。
一般利用者が今すぐ行うべき対処
通常利用しているPCでは、Build 28000.2605を無理に導入する必要はありません。
最新のWindows Updateを適用する
次の場所を開き、利用可能な更新プログラムを確認します。
設定
└ Windows Update
└ 更新プログラムのチェック
更新後はPCを再起動し、症状を再確認してください。
ただし、一般提供チャネルの26H1では、更新を確認してもBuild 28000.2605が表示されるとは限りません。Release Preview向けの段階的配信であるためです。
Windowsキーを一時的な回避策として使う
修正が一般提供されるまでは、次の操作でスタートメニューを開けます。
- Windowsキーを押す
Ctrl + Escを押す- タスクバー左端ではなく、スタートボタンを直接クリックする
日常利用への影響を最小限に抑えられるため、最も安全な回避策です。
Windows Explorerを再起動する
スタートボタン自体も反応しにくい場合は、Windows Explorerを再起動します。
Ctrl + Shift + Escを押してタスクマネージャーを開きます。- 「プロセス」から「Windows Explorer」を探します。
- 「Windows Explorer」を右クリックします。
- 「再起動」を選択します。
再起動中は、タスクバーやデスクトップが一時的に消えることがありますが、通常は数秒で再表示されます。
タスクバーの配置を一度変更する
クリック領域の状態を再構成する目的で、配置を一度切り替える方法もあります。
- 「タスクバーの設定」を開きます。
- 「タスクバーの配置」を「中央揃え」に変更します。
- 一度サインアウトするか、Windows Explorerを再起動します。
- 再び「左揃え」に戻します。
恒久的な修正ではありませんが、設定状態の不整合を切り分ける際に役立ちます。
この問題だけを理由にInsiderへ参加しない
Build 28000.2605はRelease Previewチャネル向けです。
Release Previewは、BetaやExperimentalより製品版に近い位置付けではあるものの、一般提供前の更新プログラムを検証するためのチャネルです。業務PCや、停止すると困るメインPCでの導入には慎重な判断が必要です。2026年7月20日のWindows Insider Blogでも、28000.2605は26H1向けRelease Previewビルドとして案内されています。(Windows Blog)
今回の症状にはWindowsキーなどの簡単な回避策があります。そのため、タスクバー左端のクリックだけを直す目的でInsiderへ切り替えるメリットは大きくありません。
特に次のPCでは、通常の更新チャネルを維持するのが安全です。
- 仕事で毎日使用するPC
- 会計や基幹業務に使用するPC
- リモートワーク用PC
- 復旧手段を用意していないPC
- 家族と共用しているPC
Release Preview端末でBuild 28000.2605を確認する場合
すでに検証用PCをRelease Previewチャネルで運用している場合は、Windows Updateから更新を確認します。
ただし、今回のタスクバー改善は段階的ロールアウトに分類されています。Build 28000.2605をインストールしていても、端末ごとに機能が有効になる時期が異なる可能性があります。(Microsoft Learn)
確認時は次の順番で検証すると、結果を整理しやすくなります。
winverでBuild 28000.2605になっていることを確認する- PCを再起動する
- タスクバーを左揃えにする
- スタートボタンを直接クリックする
- タスクバーの最左端をクリックする
- Windowsキーでも動作を確認する
- 複数回操作して再現性を確認する
同じビルドでも改善が有効になっていない可能性があるため、ビルド番号だけで「修正済み」と判断しないことが重要です。
24H2・25H2では更新状況が異なる
Windows 11 version 24H2や25H2を使用している場合、Build 28000.2605を探す必要はありません。
Microsoftは、24H2および25H2向けの2026年6月23日プレビュー更新KB5095093でも、左揃え時にタスクバー左端からスタートメニューを開く信頼性の改善を案内しています。(マイクロソフトサポート)
さらに、2026年7月14日のセキュリティ更新KB5101650は、KB5095093に含まれていた新機能と品質改善を取り込んだ累積更新として提供されています。(マイクロソフトサポート)
バージョンごとの対応は次のように考えます。
| 使用中のバージョン | 対応 |
|---|---|
| 26H1一般提供チャネル | 通常のWindows Updateを適用し、正式展開を待つ |
| 26H1 Release Preview | Build 28000.2605と段階的有効化を確認する |
| 25H2 | 最新の累積更新プログラムを適用する |
| 24H2 | 最新の累積更新プログラムを適用する |
| 23H2以前 | 今回のビルド情報をそのまま当てはめない |
同じ修正文言が複数バージョンの更新情報に登場するため、OSビルド番号だけでなく、Windowsのバージョンも合わせて確認する必要があります。
改善後もスタートが開かない場合の確認ポイント
最新更新を適用しても症状が続く場合は、今回とは別の原因を疑います。
タスクバーの自動非表示を解除する
次の設定を一時的にオフにします。
設定
└ 個人用設定
└ タスクバー
└ タスクバーの動作
└ タスクバーを自動的に隠す
自動非表示を解除すると改善する場合、左端クリックだけではなく、タスクバーの表示処理に関連する問題の可能性があります。
マルチディスプレイを一時的に解除する
外部モニターを使用している場合は、モニターを1台だけにして再現するか確認します。
プライマリディスプレイとサブディスプレイで結果が異なる場合は、今回の左端クリック問題とは別に、ディスプレイ配置やタスクバー表示設定が関係している可能性があります。
タスクバーのカスタマイズソフトを無効にする
スタートメニューやタスクバーの外観を変更するソフトは、Windows標準のクリック領域やExplorerの動作を変更することがあります。
一時的に無効化またはアンインストールし、Windows標準状態で再現するか確認してください。
サインアウトしてから再度サインインする
Windows Explorerの再起動で改善しない場合は、一度サインアウトします。
Ctrl + Alt + Delete
└ サインアウト
ユーザーセッションを作り直すことで、一時的なシェルの異常が解消されることがあります。
フィードバックHubから報告する
Release Preview環境でBuild 28000.2605を導入しても症状が続く場合は、フィードバックHubから再現手順を報告します。
報告には次の情報を含めると、問題を特定しやすくなります。
- Windowsのバージョン
- OSビルド
- タスクバーの配置
- 自動非表示の有無
- 使用しているモニター数
- スタートボタン直接クリックの結果
- Windowsキーを押した場合の結果
- 問題が毎回起きるか、断続的に起きるか
管理者が複数端末のビルドを確認する方法
企業や組織で複数のWindows 11端末を管理している場合は、PowerShellでバージョンとビルドを確認できます。
$cv = Get-ItemProperty 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion'
[PSCustomObject]@{
DisplayVersion = $cv.DisplayVersion
OSBuild = "$($cv.CurrentBuildNumber).$($cv.UBR)"
}
Build 28000.2605の場合は、次のように表示されます。
DisplayVersion OSBuild
-------------- -----------
26H1 28000.2605
ただし、段階的ロールアウトの項目は、同一ビルドであっても機能の有効化状態が異なる場合があります。
組織で検証する際は、次の情報をセットで記録してください。
- OSビルド
- 更新プログラムの適用日
- Windows Insiderチャネル
- タスクバーの配置
- 症状の再現結果
- PCの機種とディスプレイ構成
Build 28000.2605を本番端末へ一斉導入するのではなく、検証用端末で動作を確認したうえで、一般提供版への反映を待つ運用が適切です。
まとめ
Windows 11でタスクバーのアイコンを左揃えにしていると、タスクバー左端をクリックしてもスタートメニューが開かないことがあります。
Microsoftは、Windows 11 version 26H1のRelease Preview Build 28000.2605で、この操作の信頼性を改善したと案内しています。ただし、改善は段階的ロールアウトであり、Build 28000.2605自体も2026年7月24日時点では一般提供チャネルの最新ビルドではありません。
通常利用しているPCでは、次の順番で対応してください。
- 現在のWindowsバージョンとOSビルドを確認する
- 通常のWindows Updateを適用する
- Windowsキーまたは
Ctrl + Escを回避策として使う - 必要に応じてWindows Explorerを再起動する
- 今回の問題だけを理由にInsiderへ参加しない
- 24H2・25H2では、それぞれの最新累積更新を適用する
左端だけが反応しないのか、スタートメニュー全体が開かないのかを切り分けることで、不要な初期化やレジストリ変更を避けながら、安全に対処できます。

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