Windows 11のファイル履歴でSMBバックアップが「資格情報が無効」になる問題をKB5101681で修正

Windows 11 26H1で、ファイル履歴の保存先にNASやファイルサーバーのSMB共有を指定した際、正しいユーザー名とパスワードを入力しているにもかかわらず「資格情報が無効」と表示され、自動バックアップできない問題が発生していました。

この問題は、実際のパスワード間違いではなく、WindowsがSMB共有への接続を誤って判定する不具合です。Microsoftは2026年7月28日に公開したKB5101681で修正しました。Windows 11 26H1では、OSビルド28000.2608またはそれ以降の累積更新プログラムを適用し、再起動後にファイル履歴を実行してください。(マイクロソフトサポート)

目次

ファイル履歴のSMBバックアップ問題はKB5101681で修正済み

今回の不具合について、Microsoftの公式情報を整理すると次のとおりです。

項目内容
対象OSWindows 11 バージョン26H1の全エディション
発生する機能ファイル履歴
バックアップ先SMBを使用するネットワーク共有
主な症状正しい資格情報でも「資格情報が無効」と誤表示される
影響ファイル履歴の自動バックアップが実行されない
修正更新KB5101681
修正後のOSビルド28000.2608
更新の種類非セキュリティのプレビュー更新
公式状態修正済み
既知の問題2026年8月1日時点ではMicrosoftは認識していない

KB5101681の公式リリースノートには、SMBを使用するネットワーク共有へのファイル履歴バックアップが、誤った資格情報エラーによって動作しなかった問題を修正したことが明記されています。(マイクロソフトサポート)

「資格情報が無効」がWindowsの不具合かを切り分ける

エラーメッセージだけを見ると、NASやファイルサーバーに登録したパスワードが間違っているように見えます。しかし、今回の不具合では、正しい資格情報を使っていてもファイル履歴だけが接続に失敗します。

パスワードを変更したり、NASの共有設定を作り直したりする前に、次の項目を確認してください。

確認項目今回の不具合に該当しやすい状態
WindowsのバージョンWindows 11 26H1
OSビルド28000.2608未満
エクスプローラーからの接続同じSMB共有を正常に開ける
ファイルの書き込み共有フォルダーにテストファイルを作成できる
資格情報ユーザー名やパスワードを最近変更していない
失敗する機能ファイル履歴だけが「資格情報が無効」と表示する
他のPCからの接続同じ共有先へ正常に接続できる

特に重要なのは、エクスプローラーから同じ共有先へ書き込めるかという点です。

共有フォルダーを閲覧できても、書き込み権限がなければファイル履歴はバックアップできません。共有先に一時的なテストフォルダーを作成し、その中でファイルの作成と削除ができるか確認すると、権限の問題を切り分けやすくなります。

Windows側の不具合である可能性が高いケース

次の条件がそろっている場合は、KB5101681で修正された問題に該当する可能性が高いと判断できます。

  • Windows 11 26H1を使用している
  • OSビルドが28000.2608より前である
  • エクスプローラーではSMB共有を正常に開ける
  • 共有フォルダーへのファイル作成もできる
  • ファイル履歴だけが資格情報エラーになる
  • 同じユーザー名とパスワードで別のPCから接続できる

この状態でパスワードを何度も変更しても、Windows側の誤判定が残っている限り改善しない可能性があります。まずWindows Updateを適用するのが適切な順序です。

本当に資格情報や権限の問題であるケース

一方、次の状態ではKB5101681とは別の原因を疑う必要があります。

  • エクスプローラーからも共有先を開けない
  • 「アクセスが拒否されました」と表示される
  • 共有フォルダーを閲覧できるがファイルを書き込めない
  • NAS側でユーザーを削除または無効化した
  • パスワードを変更した直後から接続できない
  • SMB共有の名前やサーバーのIPアドレスを変更した
  • 保存先の容量やユーザーごとのクォータを使い切っている

この場合は、Windows Updateだけでなく、資格情報、共有権限、ファイルシステム権限、NASの空き容量なども確認してください。

KB5101681を適用して修正する手順

Windows 11のバージョンとOSビルドを確認する

最初に、PCがWindows 11 26H1であることを確認します。

  1. WindowsキーとRキーを押します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」にwinverと入力します。
  3. 「OK」をクリックします。
  4. 表示されたWindowsのバージョンとOSビルドを確認します。

確認するポイントは次の2点です。

  • バージョンが「26H1」である
  • OSビルドが「28000.2608」未満である

すでに28000.2608またはそれ以降のビルドになっている場合、KB5101681の修正は適用済みと考えられます。その状態で問題が続く場合は、資格情報の保存状態や共有権限など、別の原因を確認してください。

Windows UpdateからKB5101681をインストールする

KB5101681は非セキュリティのプレビュー更新として公開されています。Windows Updateでは、オプションの更新プログラムとして提供されます。

  1. 「設定」を開きます。
  2. 「Windows Update」を選択します。
  3. 「詳細オプション」を開きます。
  4. 「オプションの更新プログラム」を選択します。
  5. KB5101681を選択します。
  6. ダウンロードとインストールを実行します。
  7. インストール後にPCを再起動します。

Microsoftも、Windows Updateの「詳細オプション」から「オプションの更新プログラム」を開き、利用可能な更新をインストールする手順を案内しています。(マイクロソフトサポート)

KB5101681が表示されない場合

オプションの更新プログラムにKB5101681が表示されない場合は、次の順番で確認します。

  1. 「更新プログラムのチェック」を実行する
  2. PCを再起動して再度確認する
  3. winverで、すでに後続ビルドへ更新されていないか確認する
  4. Windowsのバージョンが26H1か確認する
  5. 組織の更新ポリシーでプレビュー更新が制限されていないか確認する

会社や学校で管理されているPCでは、管理者がプレビュー更新の配信を止めていることがあります。Windows Update for Businessには、このプレビュー更新がそのまま配信されず、修正内容が次回以降のセキュリティ更新に含まれる場合があります。Microsoftの公式ページでも、変更内容は次のセキュリティ更新に反映されると案内されています。(マイクロソフトサポート)

業務端末でプレビュー更新を許可していない場合は、無理に手動インストールせず、管理者が承認した後続の累積更新を適用する方法でも構いません。

Microsoft Update Catalogから手動インストールする

Windows Updateに表示されない場合は、Microsoft Update CatalogからKB5101681のスタンドアロンパッケージを入手できます。

手動でインストールするときは、次の項目を必ず確認してください。

  • KB番号がKB5101681であること
  • 対象がWindows 11 26H1であること
  • PCのアーキテクチャと一致していること
  • Microsoft公式のUpdate Catalogから入手していること

異なるWindowsバージョンやアーキテクチャ向けのパッケージはインストールできません。通常の個人利用ではWindows Updateからのインストールを優先し、Update Catalogは管理者や手動展開が必要な場合に使用するのが安全です。(マイクロソフトサポート)

更新後にファイル履歴の動作を確認する

更新をインストールしただけでは、停止していた期間のバックアップが自動的に完了したかまでは確認できません。再起動後に、実際のバックアップ動作を確認してください。

手動バックアップを実行する

  1. スタートメニューで「ファイル履歴」を検索します。
  2. コントロールパネルの「ファイル履歴」を開きます。
  3. 保存先として設定されているネットワーク共有を確認します。
  4. 「今すぐ実行」をクリックします。
  5. バックアップが完了するまで待ちます。

「資格情報が無効」というエラーが消えただけで判断せず、次の項目まで確認することが重要です。

  • ファイル履歴の画面に最新のバックアップ日時が表示される
  • SMB共有側のバックアップデータが更新されている
  • 新しく作成したテストファイルがバックアップ対象に含まれる
  • 次回の自動実行でも正常にバックアップされる

復元テストも実施する

バックアップ運用では、データが保存先に作成されたことだけでなく、実際に復元できることまで確認する必要があります。

重要ではないテストファイルを用意し、次の流れを試してください。

  1. テストファイルを作成する
  2. ファイル履歴を実行する
  3. テストファイルを編集する
  4. ファイル履歴から以前のバージョンを開く
  5. 別のフォルダーへ復元する

復元テストまで成功すれば、SMB共有への書き込みとファイル履歴の世代管理が正常に機能していると判断しやすくなります。

KB5101681適用後も失敗するときの確認項目

OSビルドが28000.2608以上になってもバックアップできない場合は、今回のWindows不具合とは別の問題が残っている可能性があります。

考えられる原因確認・対処方法
古い資格情報が保存されている資格情報マネージャーで該当サーバーの登録内容を確認する
別のユーザーで接続中同じサーバーへの既存接続を切断してから再接続する
書き込み権限がない共有権限とファイルシステム権限の両方を確認する
保存先の容量不足NASやサーバーの空き容量、ユーザークォータを確認する
共有先の名称が変わったファイル履歴に登録されたパスと現在の共有名を比較する
ファイル履歴の保存先設定が古い既存データを保全したうえで保存先を選択し直す
NAS側の問題NASのログ、ファームウェア、SMB設定を確認する

資格情報マネージャーを確認する

Windowsに古いユーザー名やパスワードが保存されていると、更新後も以前の情報で接続しようとすることがあります。

  1. スタートメニューで「資格情報マネージャー」を検索します。
  2. 「Windows資格情報」を開きます。
  3. NASまたはファイルサーバーに対応する項目を探します。
  4. 登録されているサーバー名とユーザー名を確認します。
  5. 明らかに古い場合だけ削除します。
  6. エクスプローラーから共有先へ再接続します。

資格情報を削除すると、そのサーバーを利用する別の共有フォルダーやアプリにも影響する場合があります。関係のない資格情報までまとめて削除しないでください。

同じサーバーに別のアカウントで接続していないか確認する

Windowsでは、同じサーバーに対して複数の異なるユーザー名を同時に使用すると、認証が競合することがあります。

たとえば、次のような状態です。

  • エクスプローラーでは一般ユーザーでNASに接続している
  • ファイル履歴ではバックアップ専用ユーザーを使用している
  • サーバー名とIPアドレスを使い分けて接続している
  • 古いネットワークドライブがログイン時に再接続されている

一度サインアウトまたは再起動し、使用するアカウントを1つにそろえてからファイル履歴を実行すると切り分けやすくなります。

共有権限とファイルシステム権限を確認する

Windows Serverなどでは、SMBの共有権限と、保存先フォルダーのファイルシステム権限が別々に設定されています。

共有権限で書き込みを許可していても、フォルダー側が読み取り専用であればバックアップできません。反対に、フォルダー側に変更権限があっても、共有権限が読み取り専用では書き込めません。

バックアップ用アカウントには、少なくとも次の操作に必要な権限が必要です。

  • フォルダーの作成
  • ファイルの作成
  • ファイルの更新
  • サブフォルダーの参照
  • ファイル履歴が作成したデータの読み取り

既存のバックアップフォルダーをすぐに削除しない

問題の切り分け中に、SMB共有上のFileHistoryフォルダーを丸ごと削除するのは避けてください。

削除すると、過去の世代からファイルを復元できなくなる可能性があります。保存先を再設定する場合でも、最初に既存フォルダーを別の場所へ退避するか、NASのスナップショットなどで保全してから作業してください。

また、今回の問題はWindows Updateで修正される不具合です。対処のために古いSMBプロトコルを有効化したり、NASのセキュリティ設定を弱めたりする必要はありません。

段階的ロールアウトと修正の確認方法

KB5101681には、通常提供される修正に加えて、端末ごとに順次有効化される段階的ロールアウトの機能も含まれています。

そのため、同じKB5101681をインストールしたPCでも、一部の新機能や画面変更が表示される時期は異なる場合があります。Microsoftも、段階的ロールアウト対象の機能はデバイスによって利用可能になる時期が変わると説明しています。(マイクロソフトサポート)

ただし、ファイル履歴の修正状況を、別の新機能が表示されたかどうかで判断する必要はありません。次の2点を基準にしてください。

  • winverでOSビルド28000.2608以上になっている
  • SMB共有へのファイル履歴バックアップが実際に完了する

OSビルドとバックアップ結果を確認する方が確実です。

Windows 11 24H2・25H2ではKB番号が異なる

KB5101681はWindows 11 26H1向けの更新プログラムです。Windows 11 24H2または25H2を使用しているPCには、KB5101681を適用しません。

24H2と25H2では、同じファイル履歴のSMB資格情報誤判定がKB5101684で修正されています。対象OSに合わないKBを無理に探すのではなく、最初にwinverでWindowsのバージョンを確認してください。(マイクロソフトサポート)

Windows 11のバージョン2026年7月の修正更新
26H1KB5101681
25H2KB5101684
24H2KB5101684

すでにこれらより新しい累積更新プログラムをインストールしている場合は、通常、該当する修正も後続更新に含まれます。

KB5101681の既知の問題

Microsoftは、2026年8月1日時点でKB5101681に関する既知の問題を認識していないとしています。(マイクロソフトサポート)

ただし、「既知の問題がない」という表記は、すべてのPCや周辺機器で問題が絶対に発生しないという意味ではありません。業務で使用するPCにプレビュー更新を適用する場合は、次のような運用が安全です。

  • 最初に少数のPCへ適用する
  • 業務アプリの起動を確認する
  • SMB共有への読み書きを確認する
  • ファイル履歴のバックアップと復元を試す
  • 問題がなければ対象PCを広げる

緊急性が低く、組織でプレビュー更新を利用しない方針の場合は、この修正を含む後続のセキュリティ累積更新を待つ方法もあります。

よくある疑問

パスワードを変更すれば直りますか

今回の不具合に該当している場合、パスワードを変更しても根本的な解決にはなりません。Windowsが正しい資格情報を誤って無効と判定しているためです。

エクスプローラーから共有先へ読み書きできるなら、パスワード変更より先にKB5101681または後続更新を適用してください。

KB5101681を適用すると過去の未実行分も復元されますか

更新によって、停止していた期間のファイル履歴が自動的にさかのぼって作成されるわけではありません。

更新後に手動バックアップを実行すると、その時点で存在する対象ファイルが保存されます。ただし、不具合発生中に変更・削除され、どこにもバックアップされなかった過去の状態までは復元できません。

更新後はSMB共有を登録し直す必要がありますか

通常は、既存の保存先設定を維持したまま再実行できます。まずPCを再起動し、ファイル履歴の「今すぐ実行」を試してください。

それでも失敗する場合に限り、保存先パスや資格情報を確認し、必要に応じて共有先を選択し直します。

Microsoft Update Catalogから入れるべきですか

通常はWindows Updateからのインストールが推奨されます。Microsoft Update Catalogは、Windows Updateに表示されない場合や、管理者が複数端末へ手動展開する場合に使用します。

手動インストールでは、Windowsのバージョンとアーキテクチャに合うパッケージを選ぶ必要があります。

まずOSビルドを更新してから資格情報を見直す

Windows 11 26H1のファイル履歴で、正しいSMB共有の資格情報が「無効」と誤判定される問題は、KB5101681で修正済みです。

問題が発生している場合は、次の順番で対応してください。

  1. winverでWindows 11 26H1か確認する
  2. KB5101681またはそれ以降の累積更新を適用する
  3. 再起動後にファイル履歴を手動実行する
  4. SMB共有側の更新日時と復元動作を確認する
  5. 直らない場合だけ、保存済み資格情報や共有権限を見直す

エラーメッセージだけを信じてパスワードやNASの設定を大きく変更すると、原因の切り分けが難しくなります。まずWindowsを修正済みビルドへ更新し、その後にバックアップ先の接続状態を確認するのが最も効率的です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

コメント

コメントする

目次