Teams作成ボックスの@メンション検索が表示されない理由|Roadmap ID 564612は中止

Microsoft Teamsの作成ボックスで「@」を入力しても、ファイル、チャット、チャネル、会議を検索・挿入する候補が表示されないのは、設定不足ではありません。

これらを作成ボックス内からインライン検索する機能は、Roadmap ID 564612として計画されていました。しかし、Microsoftは2026年7月23日23時27分(UTC、日本時間では7月24日8時27分)の更新で状態をCancelledに変更し、「現時点ではこの変更を進めない」と説明しています。

そのため、Teamsの更新、Targeted Releaseへの切り替え、ライセンス追加、管理ポリシーの変更などで表示できる機能ではありません。

ただし、現在も利用できる「人への@メンション」や「チーム、チャネル、タグへの@メンション」と、今回中止されたインライン検索は別の機能です。既存の@メンションまで表示されない場合は、チーム設定や権限を確認する必要があります。(Microsoft サポート)

目次

Teamsの作成ボックス内インライン検索は提供計画が中止

Roadmap ID 564612の名称は「Microsoft Teams: Inline search in compose box」です。

Microsoftが公開しているRelease Communications APIでは、次の情報を確認できます。

項目内容
Roadmap ID564612
機能名Microsoft Teams: Inline search in compose box
対象サービスMicrosoft Teams
対象プラットフォームDesktop、Mac、Web
対象クラウドWorldwide(Standard Multi-Tenant)
リリースリングTargeted Release、General Availability
当初の一般提供予定2026年9月
ロードマップ登録2026年6月1日(UTC)
最終更新2026年7月23日(UTC)
現在の状態Cancelled

当初は2026年9月の一般提供が予定されていましたが、一般提供前に計画が中止された形です。

したがって、すでに利用できた機能が削除されたわけではありません。少なくともロードマップ上では、まだ提供されていなかった新機能の開発・展開計画が取りやめられたと判断するのが適切です。

「2026年9月提供予定」という情報だけを見ない

APIのgeneralAvailabilityDateには、当初予定されていた「2026-09」という値が残っています。

しかし、機能の提供可否を判断するときは、予定月ではなく、次の2点を優先します。

  • statusがCancelledになっている
  • 説明文が「現時点では進めない」という内容に更新されている

そのため、「2026年9月まで待てば自動的に使えるようになる」とは判断できません。社内への展開予定や操作マニュアルにも、提供予定機能として記載しないほうがよいでしょう。

Roadmap IDを検索しても表示されないことがある

Microsoft 365 RoadmapのWebページでは、一般提供済み、キャンセル、延期となった項目がページから削除される運用になっています。

そのため、Roadmap ID 564612のページを開いて「0 Updates found」と表示されても、最初から計画が存在しなかったという意味ではありません。Release Communications APIでは、ID、機能説明、更新日時、Cancelledの状態を引き続き確認できます。(Microsoft)

予定されていた@メンション検索でできるはずだったこと

Roadmap ID 564612では、Teamsのメッセージ作成ボックス内で「@」を使い、次の情報を検索してメッセージへ挿入できる機能が計画されていました。

  • ファイル
  • チャット
  • チャネル
  • 会議

たとえば、メッセージを書いている途中で別画面へ移動せず、関連ファイルや会議を探して、そのまま会話の文脈に挿入する使い方が想定されていました。

従来の@メンションを人以外のコンテンツへ拡張し、検索画面、チャット、予定表、ファイル画面を行き来する回数を減らすことが目的でした。

ただし、ロードマップには最終的な画面構成、候補の並び方、検索対象の範囲などは詳しく記載されていません。紹介記事や画面イメージを見かけても、実際の製品仕様として確定していたとは限らない点に注意が必要です。

現行の@メンションと中止された機能の違い

Teamsには現在も複数の@メンション機能があります。

今回中止されたのは、ファイルや会議などのコンテンツを検索・挿入する新しい仕組みです。人やグループへ通知する既存の@メンションが廃止されたわけではありません。

「@」で指定する対象現在の動作Roadmap ID 564612との関係
人指定したユーザーへ通知する既存機能
チームチームのメンバーへ通知する既存機能
チャネルチャネルのメンバーへ通知する既存機能
@everyoneチャット参加者全員へ通知する既存機能
タグタグに割り当てられたメンバーへ通知する既存機能
連絡先カード組織内ユーザーの連絡先情報を共有する既存機能
ファイル、チャット、チャネル、会議の検索・挿入作成ボックス内でコンテンツを探して参照する計画中止

既存の@チャネル名は、そのチャネルのメンバーへ注意を促すための通知機能です。

一方、Roadmap ID 564612で計画されていたチャネル検索は、チャネルをコンテンツとして検索し、メッセージの文脈に挿入する仕組みでした。同じ「チャネル」と「@」を使うため混同しやすいものの、目的が異なります。(Microsoft サポート)

また、作成ボックスで「@」を入力すると「連絡先情報を共有する」候補が表示される場合があります。これは相手へ通知する通常の@メンションとは異なり、連絡先カードへのリンクを共有する機能です。今回中止されたファイルや会議のインライン検索とは別に提供されています。(Microsoft サポート)

@メンション検索が表示されないときの切り分け方

「@を入力しても目的の候補が出ない」という問い合わせでは、何を検索しようとしているのかを最初に確認することが重要です。

発生している状態判断対応
人名は表示されるが、ファイルや会議が表示されない現在の正常な状態設定変更は不要
ファイル、チャット、チャネル、会議がすべて表示されないRoadmap ID 564612がCancelledのため代替操作を利用する
人名は表示されるが、チーム名やチャネル名が表示されないグループ@メンションの設定を確認チーム所有者が@メンション設定を確認する
タグ名が表示されないタグの作成、割り当て、利用権限を確認チーム所有者または管理者へ確認する
人名も検索できない今回の計画中止とは別の問題アカウント、参加メンバー、利用画面などを切り分ける
「ファイルを添付」自体が利用できないインライン検索とは別の問題Teamsクライアントや組織側の設定を確認する

チーム名やチャネル名を使ったグループメンションは、チーム所有者が有効にしている必要があります。また、タグを作成・管理できない場合は、組織またはチームで機能が許可されていない可能性があります。(Microsoft サポート)

一方、ファイル、チャット、チャネル、会議を作成ボックス内で検索できないことだけを理由に、次の作業を行う必要はありません。

  • Teamsの再インストール
  • キャッシュの削除
  • Microsoft 365ライセンスの変更
  • Targeted Releaseへの切り替え
  • Teams更新ポリシーの変更
  • 別のパソコンやブラウザでの反復確認

これらは、Roadmap ID 564612の機能を利用可能にする手段ではないためです。

現在利用できる代替手段

インライン検索は利用できませんが、ファイルや会議をメッセージへ共有すること自体は、既存機能で対応できます。

ファイルは「ファイルを添付」またはリンク共有を使う

チャットまたはチャネルの作成ボックスで、次の順に操作します。

  1. 「アクションとアプリ」を選択する
  2. 「ファイルを添付」を選択する
  3. 最近使ったファイル、クラウド上のファイル、端末内のファイルから選ぶ
  4. 必要に応じて説明を加えて送信する

パソコン内のファイルは、作成ボックスへドラッグ&ドロップすることもできます。すでにOneDriveやTeamsにあるファイルは、リンクをコピーして貼り付ける方法も利用できます。(Microsoft サポート)

ファイルが見つからない場合は、Teams上部の検索ボックスでファイル名やキーワードを入力し、結果を「ファイル」で絞り込みます。チャットやチャネル内で共有済みのファイルは、それぞれの「共有」タブからも探せます。(Microsoft サポート)

リンクを送る場合は、受信者に閲覧権限があるかも確認してください。リンクを貼り付けただけでは、アクセス権限が自動的に付与されない場合があります。

チャットは対象メッセージのリンクを共有する

チャット内の特定のやり取りを参照させたい場合は、対象メッセージにマウスポインターを合わせ、次の順に操作します。

  1. 「その他のオプション」を開く
  2. 「リンクをコピー」を選択する
  3. コピーしたリンクを作成中のメッセージへ貼り付ける

受信者はリンクから該当メッセージへ移動できます。ただし、そのチャットを閲覧する権限がないユーザーは内容を確認できません。(Microsoft サポート)

チャット内の過去メッセージを探すだけであれば、そのチャットを開いてCtrl + Fを押す方法もあります。macOSではCommand + Fを使用します。(Microsoft サポート)

チャネルは検索またはリンクのコピーを使う

チャットやチャネルが多い場合は、Teams上部の検索ボックスで/gotoを入力し、対象のチャットまたはチャネル名を検索できます。(Microsoft サポート)

チャネルをほかのメッセージで案内したい場合は、対象チャネルの「その他のオプション」から「リンクをコピー」を選択し、作成ボックスへ貼り付けます。(Microsoft サポート)

新しいメッセージの宛先としてチャネルを指定する場合は、「新しいメッセージ」を開き、「宛先」欄へチャネル名の一部を入力して検索することもできます。(Microsoft サポート)

会議は予定表から参加リンクをコピーする

会議をメッセージで共有する場合は、次の順に操作します。

  1. Teamsの「予定表」を開く
  2. 対象の会議を開く
  3. 会議詳細上部の「共有」を選択する
  4. 「参加リンクをコピー」を選択する
  5. 作成ボックスへ貼り付ける

この方法なら、作成ボックスから会議を検索できなくても、目的の会議へ直接移動できるリンクを共有できます。(Microsoft サポート)

管理者やヘルプデスクが案内するときの文面例

利用者から「自分のTeamsだけ新しい@検索が出ない」と問い合わせを受けた場合は、次のように案内すると誤解を防げます。

Teamsの作成ボックスから、ファイル、チャット、チャネル、会議を@で検索・挿入する機能は、Roadmap ID 564612として計画されていました。しかし、Microsoftが2026年7月23日(UTC)の更新で状態をCancelledへ変更したため、現在は利用できません。表示されないのは、利用者の設定やライセンスの問題ではありません。ファイル添付、Teams上部の検索、リンクのコピーなどの代替手順をご利用ください。

社内マニュアルにRoadmap ID 564612の提供予定を記載している場合は、「2026年9月提供予定」という表現を削除し、計画中止へ更新しておきましょう。

また、問い合わせ記録には、単に「@メンションが使えない」と記載するのではなく、次のように現象を分けて残すと再調査を減らせます。

  • 人への@メンションは利用できる
  • ファイルや会議のインライン検索だけが表示されない
  • Roadmap ID 564612のCancelledを確認済み
  • ファイル添付またはリンク共有を案内済み

まとめ:設定を探すのではなく代替操作へ切り替える

Teamsの作成ボックスで、ファイル、チャット、チャネル、会議を@メンションから検索できないのは、設定不足や展開の遅れではありません。

このインライン検索はRoadmap ID 564612として計画されていましたが、Microsoftが2026年7月23日(UTC)にCancelledへ変更しました。現在は、表示させるための設定変更を試すのではなく、ファイル添付、上部の検索ボックス、メッセージやチャネルのリンク共有、会議参加リンクのコピーを利用するのが現実的です。

なお、Microsoftの表現は「現時点では進めない」であり、将来同様の機能が別のRoadmap IDで再計画される可能性までは否定していません。ただし、Roadmap ID 564612については、2026年9月を有効な提供予定日として扱わず、今後のMicrosoft 365 Roadmap更新を改めて確認する必要があります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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