GitHub Copilotの利用実績が欠ける原因を調べる方法|新APIでテレメトリとバージョンを確認

「Copilotを毎日使っているのに、管理レポートのコード行数や機能別内訳が空になる」。この場合、利用していないとは限りません。GitHubは日本時間2026年11月6日9時8分に、Copilot usage metrics APIへクライアントのテレメトリ有無とIDE・拡張機能の要件判定を追加したと発表しました。利用状況の説明を求められる管理者にとって、欠落の確認先を絞る材料になります。

開発端末から分析画面へ届く信号と、途中で欠けた信号を表す概念イラスト
AIで生成したテレメトリ診断の概念イラスト。実際のGitHub画面ではありません。

本記事は公式発表とドキュメントに基づく手順です。実際の組織アカウントでの取得・復旧を検証したものではありません。

目次

対象者と必要条件

対象はGitHubの組織・EnterpriseのCopilot利用実績を管理する担当者です。個人のエディター画面に新しい診断ボタンが追加されたわけではありません。組織版の取得には組織所有者、または組織のCopilotメトリクス閲覧権限を持つカスタムロールが必要です。Copilot usage metricsポリシーが有効であることも確認します。

以下は既に認証済みのGitHub CLIを使う例です。アカウントのロールと、CLIが使う認証情報の権限は別々に確認してください。APIの組織版では、classic PAT/OAuthはread:org、fine-grained PATは組織のCopilot metrics読み取り権限が必要です。記事にトークンを貼り付ける作業はありません。

1.最初に対象日と反映待ちを確認する

データは対象のUTC日が終わってから2完全UTC日以内に利用可能になる仕組みです。日本時間の「昨日」とAPIの日付をそのまま対応させないでください。更新直後の数値や新項目が空でも、処理中である可能性があります。新項目が導入される前の日付では値がないため、古いレポートだけで判定しないことも重要です。

2.組織集計とユーザー別レポートを取得する

ORGを組織名、YYYY-MM-DDを確認したいUTC日へ置き換えて、次の2本を実行します。前者は日別の影響人数、後者は確認が必要なユーザーを調べるためのレポートです。

gh api --method GET -H 'X-GitHub-Api-Version: 2026-03-10' 'orgs/ORG/copilot/metrics/reports/organization-1-day?day=YYYY-MM-DD'
gh api --method GET -H 'X-GitHub-Api-Version: 2026-03-10' 'orgs/ORG/copilot/metrics/reports/users-1-day?day=YYYY-MM-DD'

API応答にはデータ本体ではなくdownload_linksが返ります。そこにある期限付きURLからNDJSONをダウンロードし、複数URLがある場合はすべてを対象にします。NDJSONは1行ごとのJSONなので、ファイル全体を単一のJSON配列として読む処理とは区別してください。リンクが期限切れならAPIを再取得します。取得したユーザー情報は、組織で承認された保存先で扱います。

3.新しい項目を読み分ける

  • client_telemetry_present: false:サーバー側では利用を検知したものの、対象のクライアント計測が届いていません。「未利用」という意味ではなく、原因を特定する値でもありません。
  • true:対象のクライアント計測を受信しました。ただし、すべてのイベントが完全にそろっている保証ではありません。
  • nullまたは項目の省略:不明・未評価などを示します。ゼロやfalseへ置き換えないでください。
  • usage_metrics_requirements:IDEや拡張機能の識別子がmet、unmet、unknownの配列に分かれます。unmetは最低版未達、unknownはバージョンが不明・認識できない状態です。

組織集計のmissing_client_telemetry_user_countとbelow_usage_metrics_minimum_user_countは重複し得ます。足して「影響人数」にせず、日をまたいだ単純合計をユニーク人数として報告しないでください。

4.版・設定・通信を順番に確認する

まずunmetがある利用者のIDEと拡張機能を更新します。一般の最低要件はVS Code 1.107.1、Copilot Chat 0.35.3ですが、SDK経由のAgents window活動を正しく集計するにはVS Code 1.139.0以降という別の条件があります。一般の最低要件だけ満たせば、すべてのAgent活動が集計されるとは限りません。最新の公式対応表を確認して更新先を決めます。

要件を満たしていてもfalseなら、組織の方針に沿ってIDEのテレメトリ設定を確認します。VS Codeのtelemetry.telemetryLevelは確認箇所の一つです。その後、管理者がプロキシ・VPN・ファイアウォールの通信記録を調べます。GitHub.com向けのクライアント計測先はhttps://copilot-telemetry.githubusercontent.com/telemetryです。保護機能を一括で無効化するのではなく、公式許可リストと照合します。GHE.comのデータ所在地構成では別のドメイン体系を使います。

報告時は「欠落」と「未利用」を分ける

たとえば、ある利用者がfalseかつunmetであれば、更新を優先しつつ設定・通信も確認します。別の利用者がすべてmetなのにfalseなら、最低版未達だけでは説明できません。修正後は反映期間を待って新しい日付で再確認し、過去の欠落データが自動的に戻るとは約束しないでください。解決しない場合は、対象者・IDEと拡張機能の版・UTC日・確認結果をまとめてサポートへ伝えると切り分けが進みます。

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この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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