Windows 11 24H2 以降へアップグレードしようとした際に「システム予約パーティションを更新できません」や「This PC doesn’t currently meet Windows 11 system requirements(コード 0xc1900201)」と表示され、更新が止まってしまうケースが増えています。ほとんどの場合、EFI システムパーティション(ESP)の空き容量不足が原因です。本記事では、原因の仕組みから安全な対処手順、再発防止策までを詳しく解説します。
エラーの正体を知る:ESP の容量不足
Windows 11 の大型更新(例:24H2 Build 26120 以降)では、アップグレード中にブートローダーやセキュアブート関連ファイルを一時的に ESP に展開します。Microsoft が公表している必要空き容量はおよそ 30 MB ですが、初期状態の ESP は 100 MB 程度しかありません。さらに以下のようなファイルが格納されると簡単に容量不足に陥ります。
Y:\EFI\Dell\Bios\Recovery配下の Dell 製 BIOS リカバリイメージ(*.rcv)Y:\EFI\Microsoft\Boot\Fontsにコピーされる TrueType フォント(*.ttf)- Dell PC では
Y:\EFI\Dell\SOS\Fonts配下のフォントも追加で存在
これらが合計 50 MB 前後に達すると、更新プロセスは安全策として停止し、0xc1900201 エラーを返します。
まずは現状を確認する
cmd.exeを管理者として実行mountvol Y: /sで ESP をY:にマウントdir Y:\ /-Cでファイルサイズと空き容量をチェック
空き容量が 30 MB 未満であれば、本記事後半のいずれかの方法で領域を確保する必要があります。
推奨される解決策(優先順)
| 方法 | 手順(管理者権限必要) | 期待できる空き容量 |
|---|---|---|
| ① Dell BIOSリカバリイメージを退避 | mountvol Y: /s md C:\Dell\BIOS move Y:\EFI\Dell\Bios\Recovery\* C:\Dell\BIOS\ | 約 37 MB |
| ② Microsoft ブート用フォントを削除 | cd /d Y:\EFI\Microsoft\Boot\Fonts del *.ttf | 約 13 MB |
| ③ Dell SOS フォントも削除(任意) | Dell 製 PC のみ:Y:\EFI\Dell\SOS\Fonts 内 *.ttf を削除(安全性は Dell へ要確認) | 追加 10 MB 前後 |
| ④ ESP 自体を拡張(根本対策) | AOMEI Partition Assistant 等で ESP を 100 MB → 200 MB 以上にリサイズ(全ディスクバックアップ必須) | 恒久的に不足解消 |
① Dell BIOSリカバリイメージを退避する
最新世代の Dell PC は BIOS ロールバック機能のために .rcv イメージを ESP に格納します。ファイルサイズは 30 MB 超。システムが内部で参照するのは通常 BIOS アップデート時のみなので、C ドライブなど別パーティションに避難してもアップグレードには支障がありません。将来 BIOS フラッシュが必要になれば元に戻すだけで OK です。
② Microsoft ブートフォントを削除する
Fonts フォルダーは Windows PE や BitLocker リカバリ画面の多言語表示を担います。言語を英語か日本語に限定している環境では、すべてのフォントを削除しても起動失敗には至りません。削除後に chkdsk Y: を実行し、File System が健全か念のため確認します。
③ Dell SOS フォントを削除する(任意)
Dell 特有の回復環境 “SupportOS” に関連するフォントで、削除しても起動不可にはなりにくいものの、万一のエラーメッセージが豆腐化(□表示)する恐れがある点には注意してください。リスクを感じる場合はスキップし④へ進みましょう。
④ ESP を拡張する
毎回 BIOS 更新のたびに①②をやり直す手間を避ける最終手段です。60 GB 以上の空きがある SSD なら、隣接する MSR または Windows パーティションを数百 MB 縮小してスペースを作り、ESP を 200 MB 以上に拡張すると今後の大型更新で容量警告に悩まされません。ポイントは次の 3 つです。
- 変更前に 全ドライブのイメージバックアップ(外付けやネットワーク共有など)
- リサイズ後に
bcdboot C:\Windows /s Y: /f UEFIを実行し、ブートファイルを再コピー - 最終確認として BIOS からの Secure Boot 起動が成功するかチェック
更新再試行と確認手順
- すべての作業が終わったら
dir Y:\を再実行し、Free Space ≥ 30 MB を確認 mountvol Y: /dで ESP のマウントを解除- メイン OS を再起動し、設定 > Windows Update で再度「更新プログラムを確認」
正常に通過すれば、ダウンロード → 準備 → 再起動 → 構成(2 回)という 4 段階で 24H2 への更新が進行します。
再発の原因と対策
Dell BIOS を SupportAssist で自動更新すると、退避済みの .rcv ファイルが ESP へ再生成される場合があります。月に 1 回程度 Y: を点検し、ファイルサイズが増えていないかチェックしましょう。頻繁に再発するなら、手間とリスクを天秤にかけつつ早めに方法④を採用するのが現実的です。
エラーコード 0xc1900201 を返すその他の要因
ESP 以外でも、次のような構成要件違反があると同じエラーコードが表示されることがあります。
- TPM 2.0 が無効化されている/ファームウェアが古い
- CPU 世代や Secure Boot がサポート外
- システムパーティションが BitLocker 有効化済みで、アンロック状態にない
まず ESP を疑うのは正解ですが、解消しない場合は上記も合わせて確認してください。
Windows Insider Preview を停止したい場合
- 設定 > Windows Update > Windows Insider Program を開く
- 「プレビュー版を受け取らない」を選択し再起動
- Microsoft アカウントの Insider 退会ページ からプログラムを離脱
- 配布チャネルから抜けてもビルドがリリース版より新しい場合はクリーン再インストールが唯一の完全手段
なお、クリーンインストール時は ESP が自動的に 260 MB 前後で再作成されるため、今回紹介した容量不足問題も同時に解決します。
よくある質問(Q&A)
Q. ESP を間違ってフォーマットしてしまいました。起動しません。 A. 緊急で別 PC に接続し、bcdboot でブート構成を再構築するか、Windows インストールメディアの「スタートアップ修復」を試してください。 Q. .rcv を削除したまま BIOS 更新をかけるとどうなりますか? A. Dell の BIOS フラッシュ手順では最新イメージを再展開するため問題なく実行可能ですが、ロールバック機能は無効になります。更新前に再コピーしておくと安全です。 Q. ESP を拡張したら BitLocker キーの再入力が求められました。 A. パーティション GUID が再生成された可能性があります。事前に回復キーを USB や Microsoft アカウントへバックアップすると安心です。 Q. Lenovo/HP/自作 PC でも同じ手順で良い? A. Lenovo は \EFI\Lenovo\Boot、HP は \EFI\HP\BIOSUpdate などベンダ独自フォルダーが存在する場合があります。削除前にベンダー資料を確認してください。自作機は①③が不要なぶん作業がシンプルです。
まとめ
Windows 11 の大型アップデートで 0xc1900201 エラーが出たら、まず ESP の空き容量を 30 MB 以上にするのが近道です。Dell 製 PC では .rcv イメージがボトルネックになりやすく、フォント削除と合わせて 50 MB 近い容量を一気に確保できます。再発を避けるには ESP 拡張が恒久策ですが、作業ミスのリスクも伴うため十分なバックアップと手順理解が不可欠です。この記事の手順を参考に、安全かつ効率的に Windows 11 24H2 へのアップデートを成功させましょう。

コメント