Copilotのチャット履歴を整理・保存する考え方|削除・Memory・Pagesの使い分け

結論から言うと、Copilotのチャット履歴を整理する前に、個人用Microsoft Copilotか、仕事・学校アカウントのMicrosoft 365 Copilot Chatかを確認してください。個人用は直近18か月の会話履歴、職場用は組織のMicrosoft 365データとして扱われます。会話の削除、活動履歴の全削除、Copilot Memory、保存済み文書、組織の保持は別々です。

見返すだけの会話は履歴、再利用する回答はCopilot PagesやNotebook、正式な成果物はWord、OneNote、SharePointなどへ保存すると整理しやすくなります。削除する前に「画面から消したい」「Copilotに覚えさせたくない」「組織の保持から削除したい」のどれかを切り分けてください。

目次

やりたいこと別の判断表

目的操作する場所注意点
過去の会話を開くCopilotの会話履歴、またはMicrosoft 365 CopilotのConversations同じアカウントでサインインする
会話を1件だけ消す対象会話のDelete必要な成果物を先に保存する
個人用の全履歴を退避・削除Microsoft Account Privacy DashboardExportはCSVであり復元パッケージではない
職場用の活動履歴を全削除My AccountのCopilot activity history複数のMicrosoft 365アプリが対象
Copilotが覚えた好みを消すPersonalizationのSaved memories履歴削除だけでは足りない場合がある
過去チャットからの推論を止めるChat history personalizationオフ後30日以内に戻すと削除が取り消される
履歴に出さず一時的に話すTemporary Chat組織の保持・監査対象外という意味ではない
回答を共同編集・再利用するCopilot Page、Notebook、正式文書履歴だけを長期保管先にしない

個人用と職場用を見分ける

copilot.comやCopilotアプリで個人のMicrosoftアカウントを使っている場合は、個人用Microsoft Copilotです。会社や学校から付与されたアカウントでMicrosoft 365 CopilotアプリのCopilot Chatを使っている場合は職場用です。同じメールアドレスに見えても、個人アカウントと組織アカウントの選択を間違えることがあります。

個人用Microsoft Copilotは、サインインしていれば直近18か月の会話を履歴に保持します。職場用へ同じ18か月を当てはめてはいけません。職場用はMicrosoft 365の保持ポリシー、eDiscovery hold、管理者設定の影響を受けます。

個人用Microsoft Copilotの履歴を見る・削除する

会話を開く

  1. copilot.comまたはCopilotアプリへ、会話時と同じMicrosoftアカウントでサインインします。
  2. Web・Windows・macOSでは左側の会話履歴を開きます。見えない場合は左上のサイドバーを展開します。
  3. モバイルアプリではメニューを開き、会話履歴から対象を選びます。
  4. 必要な会話を開き、続きから会話するか、必要部分を正式な保存先へ移します。

1件だけ削除する

Webでは会話名の右にある3点メニュー、Windows・macOSアプリでは右クリック、モバイルでは3点メニューからDeleteを選びます。Microsoftの利用者向け手順には、削除後にごみ箱から戻す工程が案内されていません。再利用する文章、表、リンク、添付内容は先に文書へ保存してください。

会話を共有する

個人用Copilotでは会話全体または1つの応答を共有リンクにできます。共有されるのはリンク作成時点のコピーで、その後に会話を続けても追記は相手に見えません。一方、共有リンクはリンクを知る人が開けます。個人情報、会社情報、認証情報、未公開資料が含まれる場合はリンクを作らないでください。

全履歴をエクスポート・削除する

  1. MicrosoftアカウントのPrivacy Dashboardを開きます。
  2. Privacy、Empower your productivity、Copilot、Copilot app activity historyへ進みます。
  3. 必要なら先にExport all activity historyを選び、ダウンロードしたCSVを確認します。
  4. 全削除する場合だけDelete all activity historyを選び、確認画面で対象を確定します。

CSVは活動履歴を確認・退避するための形式です。会話一覧へ再インポートして元のスレッドを復元するバックアップではありません。長期利用する成果は、別の文書やナレッジ管理先へ保存します。

Microsoft 365 Copilot Chatの履歴を整理する

  1. Microsoft 365 Copilotアプリへ仕事・学校アカウントでサインインします。
  2. Copilot ChatでConversationsを確認し、必要ならAll conversationsを開きます。
  3. 会話を選ぶと内容を読み返したり、その会話を続けたりできます。
  4. 会話名の横のその他の操作から、Add to Notebook、Rename、Deleteを選べます。

後で探す会話は、生成されたタイトルのままにせず、案件名と用途が分かる名前へ変更します。たとえば「採用広報_記事構成」や「顧客A_会議準備」のようにします。日付は会話一覧に表示される場合があるため、運用上必要な場合だけ含めます。

Deleteはその会話を履歴から削除します。すべての活動履歴を消す操作とは別です。また、会話からWordやPowerPointへ保存した内容、Copilot Page、Notebook、SharePoint上のファイルは、チャット履歴を消しても自動削除されません。

職場用の活動履歴を全削除する前の確認

仕事・学校アカウントの全削除は影響範囲が広いため、個別会話の整理より後に検討します。Microsoft 365 Copilotを選んで削除すると、Copilot Chatだけでなく、Word、Excel、Forms、Loop、OneNote、Outlook、Planner、PowerPoint、Teams、Whiteboardなど対応アプリのCopilot活動履歴が対象になります。アプリを1つだけ選んで消す操作ではありません。

  1. 保持義務、監査、調査中の案件がないか、必要に応じてIT・コンプライアンス担当へ確認します。
  2. 再利用する回答や成果物を、組織で承認された保存先へ移します。
  3. 仕事・学校アカウントのMy Accountへサインインします。
  4. Settings & Privacy、Privacy、Data options、Copilot activity historyへ進みます。
  5. Delete historyを選び、Microsoft 365 Copilotの範囲を確認して削除要求を送ります。
  6. 開いているMicrosoft 365アプリを閉じ、再起動して表示を確認します。

削除要求の反映には時間がかかる場合があります。開いたままのアプリに古い履歴が見えることもあります。保存済み文書の内容は削除されません。表示上の削除と、組織の保持・法的保留によるコンプライアンス保管も同じではありません。

履歴、Memory、個人化は別に管理する

項目保存するもの消し方
会話履歴利用者が開く会話スレッド会話ごとのDelete、または活動履歴の全削除
Saved memories役割、好み、反復作業などCopilotが保存した情報Manage saved memoriesで個別または全削除
Chat history personalization過去会話から作られた個人化の推論Personalizationでオフ
Custom instructions応答形式など利用者が明示した指示Custom instructionsを編集・オフ
保存済み成果物Pages、Notebook、Word、PowerPointなど各保存先のルールで管理
組織の保持コピープロンプトと応答のコンプライアンス記録管理者がPurviewと法的要件に従って管理

Saved memoriesを削除する

  1. Copilot Chat右上のメニューからSettingsを開きます。
  2. Personalization、Saved memories、Manage saved memoriesへ進みます。
  3. 不要な項目だけDeleteするか、必要な場合にDelete all memoriesを選びます。
  4. 今後保存させたくない場合はSaved memoriesをオフにします。

Saved memoriesをオフにしただけでは、すでに保存されたメモリは消えません。個別削除または全削除を別に行います。

過去チャットからの推論を止める

PersonalizationのChat historyをオフにすると、過去の会話からCopilotが作った推論の削除処理が始まります。Microsoftは、データがCopilotシステムから削除されるまで30日と案内しています。30日以内に設定を再度オンにすると削除が取り消されるため、削除目的ならすぐに戻さないでください。

Temporary Chatは「無記録」ではない

Microsoft 365 Copilot ChatのTemporary Chatは、Memoryを使わず更新せず、利用者のチャット履歴にも表示されません。後から利用者やCopilotが参照できないため、残す必要のない試行に向きます。

ただし、組織のデータ保持ポリシーに従って保持され、保持期間中にIT管理者がアクセスできる可能性があります。Temporary Chatを「会社にも一切残らない秘密モード」と説明してはいけません。機密情報を入力してよいかどうかは、組織のCopilot利用規則に従います。

回答を残す場所の使い分け

残す内容保存先運用
試行錯誤と短期的な再訪チャット履歴分かるタイトルへ変更
編集・共有するAI下書きCopilot Page結論、用途、責任者を追記
複数資料を使う案件Copilot Notebook参照資料の権限と期限を管理
承認済みの正式記録Word、OneNote、SharePoint、社内ナレッジ版管理、権限、保持規則を適用
個人用履歴の棚卸しPrivacy DashboardのCSV復元用ではなく確認・退避用

会話の途中で「他の人に見せる」「来月も使う」と判断した時点で、履歴から成果物へ移します。履歴は作業ログであり、承認済み文書の保管庫ではありません。保存先へ移した後も、AI出力の内容、引用元、機密度、アクセス権を人が確認します。

履歴が見つからない場合

状況確認すること次の対応
履歴欄自体がないサインイン状態、サイドバー、アプリ画面会話時と同じアカウントで再サインイン
個人用の会話が職場用にない個人・組織アカウントの選択元のアカウントとCopilot製品へ戻る
特定の会話だけない削除、Temporary Chat、別アカウント保存済み成果物を確認し、復元を前提にしない
削除後も開いたアプリに見えるアプリのキャッシュ表示アプリを閉じて再起動し、反映を待つ
削除したのにCopilotが好みを使うSaved memories、Chat history、Custom instructionsPersonalizationの各項目を別々に確認
機密情報を誤入力した組織アカウント、保持、共有リンク履歴削除だけで終えずIT・セキュリティ窓口へ連絡

削除前の安全チェック

  • 削除対象が個人用か職場用か確認した
  • 必要な成果物を承認済みの保存先へ移した
  • 共有リンクに機密情報がないか確認した
  • 全削除が複数アプリへ及ぶことを確認した
  • MemoryとChat history personalizationを別に確認した
  • 職場用では保持・監査・調査への影響を確認した

よくある質問

Copilotの会話履歴は何か月残りますか

個人用Microsoft Copilotは直近18か月とMicrosoftが案内しています。職場・学校用のMicrosoft 365 Copilot Chatへ同じ期間を当てはめず、組織の保持ポリシーを確認してください。

会話を削除すればMemoryも消えますか

同じとは限りません。Saved memoriesはManage saved memoriesから個別または全削除します。過去会話からの推論はChat history personalization、明示的な指示はCustom instructionsで管理します。

削除した会話を戻せますか

Microsoftの利用者向け削除手順には、ごみ箱から会話を復元する工程が案内されていません。削除前に必要な内容を保存してください。Chat history personalizationの推論削除には30日の猶予がありますが、これは削除した会話スレッドを戻す機能ではありません。

Temporary Chatなら機密情報を入力しても安全ですか

利用者履歴やMemoryに残らない一方、組織の保持・監査対象になり得ます。入力可否は会社や学校のデータ分類とCopilot利用規則に従ってください。

エクスポートしたCSVから会話を復元できますか

CSVは活動履歴の確認・退避用で、Copilotの会話一覧へ戻すインポート形式ではありません。再利用する内容はPages、Notebook、Word、OneNote、SharePointなどへ保存します。

まとめ

Copilotでは会話履歴、Memory、組織の保持・監査を別々に考えます。削除前に再利用する成果物を承認済みの保存先へ退避し、個人用か職場用かを確認して該当画面から操作してください。Temporary Chatも組織の保持方針を無効にする仕組みではありません。

公式資料

履歴を整理するときは、個人用か職場用か、会話かMemoryか、利用者表示か組織の保持かを順に分けてください。削除より先に、残すべき成果物を正しい保存先へ移すことが最も確実な保護になります。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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