OutlookメールをCopilot Notebooksの参照ソースに追加する方法|会話・決定事項を資料化

OutlookメールをCopilot Notebooksの参照ソースとして追加するには、Microsoft 365 Copilotで対象のノートブックを開き、「参照(References)」の追加画面から「メール(Emails)」を選択します。対象メールを検索して追加すれば、Copilotがメール内の会話、決定事項、変更理由、案件の背景を踏まえて回答や資料案を作成できるようになります。

これまでファイルに残っていなかった「なぜこの方針になったのか」「顧客からどのような条件が示されたのか」といった情報も、プロジェクトの根拠として扱えるのが大きな利点です。Microsoftは本機能を2026年7月からWorldwide環境のデスクトップ/Web向けに段階展開しており、Microsoft 365 Roadmap上のステータスは「Rolling out」です。環境によっては、まだ「メール」が表示されない場合があります。

目次

OutlookメールをCopilot Notebooksに追加すると何ができるのか

Copilot Notebooksは、特定の案件や業務に必要な情報だけを集める、AI対応のプロジェクトワークスペースです。

Word、Excel、PowerPoint、PDFなどのファイルに加えてOutlookメールを参照へ追加することで、Copilotは次のような情報をまとめて扱えるようになります。

  • メールで合意した決定事項
  • 顧客や上司から示された条件
  • 方針を変更した理由
  • 担当者ごとの認識や懸念点
  • ファイルには記載されていない案件の背景
  • メールと正式資料の内容に食い違いがないか
  • 次に対応すべきタスクや未決事項

Microsoftの説明では、Outlookメールを知識ソースとして追加することで、ファイルだけでは不足しやすい会話や意思決定の背景をプロジェクトへ結び付け、プレゼンテーションやブリーフなどの成果物を改善できるとされています。

ファイルだけを参照する場合との違い

作業ファイルだけの場合Outlookメールも追加した場合
プロジェクト概要の作成正式資料に書かれた内容が中心検討経緯や変更理由も盛り込める
決定事項の整理議事録や仕様書を探す必要があるメール上の合意内容も抽出できる
プレゼン構成の作成結論は分かるが背景が不足しやすい結論に至った理由や反対意見も整理できる
引き継ぎ資料の作成完成ファイル中心になりやすい誰が何を判断したかまで残せる
顧客向けブリーフ契約書や提案書の情報が中心顧客メールの要望や優先順位も反映できる

重要なのは、単にメールを要約する機能ではないという点です。メール、仕様書、会議資料、見積書などを同じノートブックに集め、案件全体を横断してCopilotに考えさせられます。

提供状況と利用前に確認すること

Microsoft 365 Roadmap ID 564910の公開情報は次のとおりです。ロードマップの日程は予定であり、テナント単位の展開時期が前後する可能性があります。

項目内容
機能名Outlook Emails in Copilot Notebooks
対象サービスMicrosoft Copilot(Microsoft 365)
Roadmap ID564910
対象クラウドWorldwide(Standard Multi-Tenant)
対象プラットフォームDesktop、Web
プレビュー予定2026年6月
一般提供予定2026年7月
ステータスRolling out

Worldwideの標準マルチテナント環境が対象です。政府機関向けクラウドなど、ロードマップに記載されていない環境では、同じ時期に利用できるとは限りません。

Copilot Notebooksの利用条件

Copilot Notebooksを利用するには、Microsoft 365 CopilotまたはCopilot Chatを利用できるアカウントが必要です。ノートブックを作成するアカウントには、SharePointまたはOneDriveのサービスプランも必要とされています。(マイクロソフトサポート)

ただし、Outlookメールのような組織内データを参照できる範囲は、ライセンス、テナント設定、機能の展開状況によって異なります。「メール」フィルターが表示されない場合は、まずMicrosoft 365 Copilotライセンスが対象ユーザーへ割り当てられているか確認するとよいでしょう。

OutlookメールをCopilot Notebooksの参照ソースとして追加する方法

Outlook側でメールを書き出したり、.msgや.emlファイルへ変換したりする必要はありません。基本的には、Copilot Notebooksの参照追加画面からOutlookメールを選びます。

既存のノートブックにOutlookメールを追加する手順

  1. Microsoft 365の業務用または学校用アカウントでMicrosoft 365 Copilotへサインインします。
  2. 画面左側またはアプリ起動メニューから「Notebooks」を開きます。
  3. Outlookメールを追加したいノートブックを選択します。
  4. 左側の「参照(References)」の横にある「+」を選択します。
  5. 参照追加画面で「メール(Emails)」を選択します。
  6. 候補一覧から対象メールを選びます。
  7. 必要に応じて検索欄へ件名、送信者名、顧客名、案件名などを入力して絞り込みます。
  8. 「追加(Add)」を選択します。
  9. 「参照」の一覧に対象メールが表示されたことを確認します。

Microsoftのサポート情報では、既存のノートブックを開き、「References」の横にある追加ボタンから参照を検索・選択する流れが案内されています。また、ノートブックの参照候補は「All」「Files」「Meetings」「Emails」「Sites」で絞り込めます。(マイクロソフトサポート)

日本語表示の名称はアップデートによって変わる可能性があります。「メール」ではなく「Emails」、「参照」ではなく「References」と表示されている場合も、操作の流れは同じです。

新しいノートブックの作成時にメールを追加する手順

  1. Microsoft 365 Copilotで「Notebooks」を開きます。
  2. 「すべてのノートブック」を選択します。
  3. 「新しいノートブック」を選択します。
  4. 案件名やプロジェクト名を入力します。
  5. 「参照にコンテンツを追加」の画面で「Emails」を選択します。
  6. 参照したいOutlookメールを選びます。
  7. 必要なファイルや会議情報も併せて選択します。
  8. 「作成(Create)」を選択します。

新規作成時には、メールだけでなく、関連するWord文書、Excelファイル、PowerPoint、会議情報なども一緒に追加しておくと、最初から案件全体を踏まえた回答を得やすくなります。(マイクロソフトサポート)

Outlookメールと一緒に追加したい参照ソース

メールだけでも決定事項や背景を整理できますが、実務では正式なファイルと組み合わせる方が効果的です。

参照ソース主に補える情報
Outlookメール合意、変更理由、要望、懸念点、担当者間の認識
Word文書企画書、報告書、規程、正式な文章
Excelファイル数値、予算、一覧、進捗、比較データ
PowerPoint説明方針、会議資料、経営層向け要点
PDF契約書、外部資料、確定版資料
会議情報発言、議論、口頭で決まった事項
Copilot PagesCopilotで整理した途中成果や構成案

たとえば、顧客からの要望メールだけを追加すると、Copilotは要望の背景を理解できます。一方、見積書や提案書も一緒に追加すれば、「顧客の要望が現在の提案内容に反映されているか」といった照合作業も依頼できます。

添付ファイルの内容も確実に根拠へ含めたい場合は、メールだけに頼らず、OneDriveやSharePoint上の添付ファイルを個別の参照として追加しておくと安全です。

追加後すぐに使える実用プロンプト

決定事項と未決事項を整理する

参照したOutlookメールとファイルだけを根拠に、このプロジェクトの決定事項、未決事項、担当者、期限を表で整理してください。明確な根拠がない項目は推測せず、「確認が必要」と記載してください。

メールからプロジェクトの経緯を作る

参照メールを時系列で確認し、この案件の発端、主な要望、方針変更、最終決定を整理してください。方針が変わった箇所では、変更前、変更後、変更理由を明記してください。

プレゼンテーションの構成案を作る

参照したメール、提案書、進捗資料を基に、経営層向けの10枚構成のプレゼンテーション案を作成してください。各スライドに、タイトル、要点、使用すべき根拠を記載してください。

役員向けの1ページブリーフを作る

この案件について、役員が3分で把握できる1ページのブリーフを作成してください。目的、現在地、決定事項、リスク、判断が必要な点、次のアクションを含めてください。

メールと正式資料の食い違いを探す

参照メールで合意された内容と、最新の仕様書に記載された内容を比較してください。相違点、未反映の要望、確認が必要な表現を表形式で示してください。

引き継ぎ資料を作る

後任者向けの引き継ぎ資料を作成してください。案件の概要、関係者、重要な決定、過去の問題、現在の課題、次回対応、参照すべきメールとファイルを整理してください。

精度を上げるOutlookメールの選び方

Copilot Notebooksへメールを追加するときは、メールの件数よりも「判断に必要な情報が揃っているか」を重視します。

優先して追加したいメール

  • 最終的な承認や合意が記載されたメール
  • 顧客から条件や要望が示されたメール
  • 仕様、金額、期限が変更されたメール
  • 方針変更の理由が説明されたメール
  • 担当者や役割分担が確定したメール
  • 例外対応やリスクについて議論したメール
  • 最新の進捗や未解決事項が記載されたメール

追加しすぎない方がよいメール

  • 案件と直接関係しない一斉配信メール
  • 同じ内容が繰り返されている通知
  • 古い内容のまま更新されていないメール
  • 雑談が大半を占めるスレッド
  • すでに正式資料で上書きされた初期案
  • 別案件の話題が混在しているメール

長いメール履歴を無条件に集めるよりも、「決定」「変更」「例外」「承認」が発生したメールを優先する方が、回答の焦点を保ちやすくなります。

OutlookのCopilot要約やCopilot Chatとの違い

Outlookにもメールスレッドを要約するCopilot機能がありますが、Copilot Notebooksとは用途が異なります。

機能向いている用途特徴
OutlookのCopilot今開いているメールを素早く理解するメールの要約や返信作成に向いている
Copilot Chat複数の業務情報について一時的に質問するその場でメール、ファイル、会議などを参照できる
Copilot Notebooks1つの案件を継続的に整理する選んだ参照をプロジェクト単位で蓄積できる

Copilot Chatでも「/」を入力してメールを指定できますが、質問のたびに参照対象を選ぶ使い方が中心です。一方、Copilot Notebooksでは、案件に必要なメールやファイルを参照一覧として維持し、繰り返し分析や資料作成に利用できます。(マイクロソフトサポート)

単発のメール確認ならOutlook、短時間の横断検索ならCopilot Chat、長期間続くプロジェクトならCopilot Notebooksという使い分けが分かりやすいでしょう。

Copilotがメールボックス全体を勝手に読むわけではない

Copilot Notebooksは、ユーザーが参照として追加したコンテンツを中心に回答を生成する、範囲を限定したワークスペースです。

Microsoftは、Copilot NotebooksがユーザーのOneDrive、メール、Teamsチャット、Web全体へ無制限にアクセスするのではなく、ノートブックへ追加された参照を使用すると説明しています。つまり、特定のメールを追加したからといって、無関係な受信メールすべてが自動的に参照されるわけではありません。(マイクロソフトサポート)

ただし、メールには次のような情報が含まれる可能性があります。

  • 個人情報
  • 契約条件
  • 顧客の非公開情報
  • 人事情報
  • 金額や見積条件
  • 社内限りの判断
  • パスワードや一時的な認証情報

ノートブックへ追加する前に、その案件で本当に必要なメールか、共有してよい情報かを確認してください。

ノートブックを共有するときの注意点

Copilot Notebooksは他のユーザーと共有できますが、ノートブックの共有と、参照元コンテンツへのアクセス権は分けて考える必要があります。

Microsoftのサポート情報では、共有ノートブック内のリンクされたファイルについて、共有者側に共有権限が必要であり、権限を自動的に付与できないコンテンツでは、受信者が個別にアクセスを要求する場合があると説明されています。(マイクロソフトサポート)

Outlookメールを含むノートブックを共有する場合は、次の点を確認してください。

  • 共有相手が元のメール内容を閲覧してよいか
  • 社外ユーザーや別部署へ共有してよい情報か
  • メール内に別案件の情報が混在していないか
  • 顧客名や個人情報を伏せる必要がないか
  • 共有相手のライセンスで参照ソースを利用できるか
  • 共有後に生成された資料へ機密情報が転記されないか

メール参照の共有時の挙動は、段階展開中の画面やテナント設定によって異なる可能性があります。重要な案件では、少人数のテスト用ノートブックで閲覧範囲を確認してから本番運用へ移行するのが安全です。

参照ソースは案件単位で整理する

Copilot Notebooksでは、Microsoft 365 Copilotユーザーは300件を超える参照を追加できますが、回答の根拠として使用されるのは最初の300件までとされています。Copilot Chatユーザーは最大50件で、追加した50件すべてがグラウンディングに使用されます。(マイクロソフトサポート)

そのため、複数案件のメールを1つのノートブックへ詰め込むより、次のように分ける方が管理しやすくなります。

  • 顧客ごと
  • プロジェクトごと
  • 契約や調達案件ごと
  • 製品リリースごと
  • 年度や四半期ごと
  • 会議体や委員会ごと

たとえば「新製品A」と「新製品B」のメールを同じノートブックへ入れると、似た用語や担当者が混在し、回答を確認する負担が増えます。「新製品A・2026年度」のように範囲を明確にすると、必要な参照を選びやすくなります。

「メール」が表示されない・追加できないときの確認項目

「Emails」フィルターが表示されない

2026年7月からの段階展開中であるため、同じ組織内でもユーザーによって表示時期が異なる可能性があります。Microsoftのサポートページも、一部機能は段階的に展開され、まだ表示されない場合があると案内しています。

次の順番で確認してください。

  1. Web版またはデスクトップ版のMicrosoft 365 Copilotを使用する
  2. ページを再読み込みする
  3. Microsoft 365から一度サインアウトして再度サインインする
  4. 別の対応ブラウザで確認する
  5. Microsoft 365 Copilotライセンスの割り当てを確認する
  6. 管理者へ対象テナントへの展開状況を確認する

モバイルはRoadmap ID 564910の対象プラットフォームに記載されていないため、まずデスクトップまたはWebで確認してください。

Notebooks自体が表示されない

Copilot Notebooksの作成や表示は、組織のCloud Policyで管理できます。管理者が「Create and view Copilot Pages and Copilot Notebooks」を無効にしている場合、Microsoft 365 Copilotアプリ内でNotebooksモジュールが非表示になることがあります。(Microsoft Learn)

管理者は次の項目を確認します。

  • 対象ユーザーのMicrosoft 365ライセンス
  • Microsoft 365 Copilotの割り当て
  • SharePointまたはOneDriveサービスプラン
  • Cloud PolicyのCopilot Pages/Notebooks設定
  • 対象ユーザーやグループへのポリシー適用範囲

目的のメールが検索結果に出ない

次の点を確認してください。

  • Microsoft 365 Copilotへ正しい業務アカウントでサインインしているか
  • メールが別テナントや個人用Outlookに保存されていないか
  • 件名の一部ではなく、固有の単語で検索したか
  • 送信者名やメールアドレスで検索したか
  • 対象メールを現在のアカウントで閲覧できるか
  • 共有メールボックスや代理メールボックスのメールではないか

共有メールボックスや代理メールボックス内のメールについては、権限や環境によって候補表示が異なる可能性があります。対象メールが表示されない場合は、本文の重要部分を正式資料へ整理するか、添付ファイルを個別参照として追加する方法も検討してください。

メールを追加したのに回答へ反映されない

まず、対象メールが「参照」の一覧に表示されているか確認します。そのうえで、プロンプトの根拠を明確に指定します。

参照一覧に追加した「〇〇に関するメール」を必ず確認し、そのメール内の決定事項を回答へ反映してください。メールに書かれていない内容は推測しないでください。

それでも回答が不明確な場合は、無関係な参照を一時的に減らし、重要なメールと正式資料だけで質問します。参照が多いほど必ず精度が上がるわけではありません。

最新の返信内容が反映されているか分からない

メールスレッドへ新しい返信が追加された場合は、Copilotの回答だけで反映状況を判断せず、参照一覧と回答内容を確認してください。必要であれば、最新の返信メールを改めて参照へ追加し、次のように依頼します。

古いメールよりも最新の返信内容を優先し、以前の決定から変更された点を明記してください。

導入時は小さな案件で試す

最初から大量のメールを追加するのではなく、次の構成で試すと効果を判断しやすくなります。

  • 最終決定が記載されたメールを2~3件
  • 顧客や上司からの重要な要望メールを1~2件
  • 最新の企画書または仕様書を1件
  • 進捗一覧やスケジュールを1件

追加後、次のプロンプトを実行します。

この案件の決定事項、未決事項、担当者、期限、リスクを表で整理してください。各項目について、メールとファイルのどちらを根拠にしたか分かるようにしてください。

出力内容を元のメールと照合し、重要な決定が正しく抽出されるか確認します。問題がなければ、関連する会議資料や追加メールを段階的に増やします。

Outlookメールを案件の「意思決定記録」として活用する

OutlookメールをCopilot Notebooksの参照ソースとして追加する最大の価値は、受信トレイに埋もれていた意思決定の経緯を、再利用できるプロジェクト情報へ変えられることです。

操作の流れは、次のように整理できます。

  1. Microsoft 365 CopilotでCopilot Notebooksを開く
  2. 案件ごとのノートブックを作成する
  3. 「参照」の追加画面で「Emails」を選択する
  4. 決定、変更、承認に関係するメールを追加する
  5. 最新の仕様書や提案書も追加する
  6. 決定事項、未決事項、リスクをCopilotに整理させる
  7. ブリーフやプレゼン構成へ展開する
  8. 元メールと照合してから正式資料として利用する

まずは、メールで多くの調整が行われている1つの案件を選び、重要メール数件と最終資料を同じノートブックへ追加してください。単なるメール要約ではなく、「なぜこの結論になったのか」まで含む資料作成に活用できるかを確認するのが、導入の第一歩です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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